■スポンサードリンク


ビッグ4



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

ビッグ4の評価: 2.94/5点 レビュー 35件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.94pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(3pt)

国際犯罪組織に挑むポアロ!? 驚愕のB級スパイアクション

何の予備知識もなく読んだ。出だしから性急で変だな、と思ったら、国際犯罪組織対ポアロと言う驚愕のB級スパイアクション。愛すべき愚かな相棒ヘイスティングズのみならず、ポアロまで敵に引っかき回されて何度も絶対絶命のピンチを迎えるが、駄作マンガ級の切り抜け方をする。そして驚天動地の結末を迎えるのだが。
 正直ツッコミ所満載で、クリスティーの作品とは思えない怪作だが、そういう作品なんだと気持ちを切り替えればメチャクチャ面白い。夢にもいつもの本格ミステリと勘違いしない事だ。
 スパイアクションものとしてもいろいろ酷い作品だけど。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130004X
No.5:
(3pt)

荒唐無稽と笑ってしまえばそれまで。だが、エンターテインメント重視の連作短編として見れば十分に楽しめる

この作品を読もうと思った方は、次の各項につき、イエスかノーかを確認してください。

・クリスティの作品ならどんなものでも読んでみたい、あるいは読める
・ポアロ物ならどんなものでも読んでみたい、あるいは読める
・スパイ物が大好き。荒唐無稽でバカバカしい設定のほうがより楽しめる
・世界征服という言葉を聞くと、それだけでワケもなく心が躍る
・映画007シリーズの最高傑作は誰が何と言おうと『ムーンレイカ-』である
・連作短編とは何なのか、普通の長編や短編集とどう違うのか知りたい
・ヘイスティングス大尉の魅力は勇敢さ、無謀さ、愚かさであり、特に最後が一番惹かれる
・大人になっても中学生男子の心は失いたくない。女性の場合、そうした男性が好き、ないし許せる

上記8項目のうち、できれば全部、最低でも4つはイエスと答えられる方、どうぞ早速にでもお読みください。おそらくハラハラドキドキ、ワクワク大コーフンの時間が過ごせることでしょう。一方、イエスが3つ以下の方には正直オススメできません。それでも読もうというのなら、覚悟の上で手に取ってください。その場合、自分で一度決めたことなのですから、読んだ後で怒ったりするのはやめましょう。

……と、ここまでお断りした上で。

この作品は、ポアロとその親友であるアーサー・ヘイスティングス大尉が、世界征服を目論む巨大な犯罪組織「ビッグ4」と対決していく物語です。中でも、4人いる組織の最高幹部の一人であり、デストロイヤーの異名を持つ殺し屋、ナンバー・フォーとの戦いがメインになっています。

ナンバー・フォーは変装の達人で、さまざまな人間に自由自在になりすまし、組織の邪魔になりそうな人物を次々と殺害していきます。ポアロは個々の事件は解き明かし、誰がナンバー・フォーだったのかまでは看破しますが、捕らえるには至りません。こうして2人の死闘が続いていくのです。

加えて、ナンバー・ツーやナンバー・スリーとの直接対決もあり、首魁であるナンバー・ワンもつねにその絶対的かつ圧倒的な存在感を漂わせます。序盤は押され気味のポアロが少しずつ相手の実像を知り、やがて反撃に転じる過程が一番の読みどころといえるでしょう。

特徴的なのは、各章ごとの独立性が高く、長編というより連作短編になっていることです。これはもともとが短編として発表された12作を、1つの作品に結合したためです(本来の形について関心のある方は後述「初出について」をお読みください)。そのため、1つの事件を扱い、その中で謎が謎を呼び、物語が二転三転していくという、他のほとんどのクリスティの著作とはまったく趣が違います。その代わり、クリスティがキャリアの初期にあたる1920年代の短編で見せた、ストーリーテリングの上手さを何度も繰り返し味わうことができます。スパイ・スリラーと本格派という、2つのスタイルを同時に楽しめるという点で、贅沢な面も持っています。

しかし、一般的にこの作品に対する評価は辛く、駄作、珍作、失敗作の烙印を押されることもしばしばあります。その理由は、やはり設定のトンデモぶりにあるでしょう。他のクリスティのスパイ・スリラーと比較しても話のスケールが大きすぎ、しかも世界制覇を目論むとされるビッグ4の描き方がステロタイプで、相当に荒唐無稽なため、子供心を失った読者にはなかなか厳しいところがあります。クリスティの名前に惹かれて本格派を期待する人、リアルなスパイ物が好きな人、そのいずれをも裏切ってしまい、それが不評に繋がっていると推察されます。

ただし私は、確かに万人受けする作品ではないものの、そこまで貶めるのは不当ではないか、と考えます。その最大の理由は、キャラクターの魅力です。ナンバー・フォーやナンバー・ワンにはその設定を使ってスピンオフ・ストーリーが作れそうなほどの面白さがあり、ポアロシリーズのレギュラーであるヴェラ・ロサコフ伯爵夫人やジャップ警部といった面々も実に活き活きと描かれています。そして何よりヘイスティングス! ここでの活躍ぶりは、まさに史上もっとも愚かなワトソン役と呼ばれる彼の面目躍如。ここまで愚かでありながら、読み手をイライラさせず、まあヘイスティングスなんだからしょうがないよね、と納得させてしまうのはまさに彼の人徳のなせる業でしょう。特に事件の折々に見せる迷推理は、想像力豊かだなあ、と感心させられます。また、つねに身の危険に置かれている状況だからこそ光るポアロとの友情。これがまたいい味を出しています。

そんなわけで、冒頭のチェックリストをクリアした方であれば、世上の評判に囚われず、読んでみてもらえれば、と思います。特にポアロとヘイスティングスの、互いの欠点を十分に理解しながらなぜか深い友情で結ばれているという関係を、これほど鋭角的に見せている作品は他にはありません。繰り返しになりますが、とにかくヘイスティングスがイイんです。

なお、創元推理文庫版に付された厚木淳氏の解説は、本作が持つ魅力を端的かつ的確にまとめています。肯定的な意見を知りたい方は是非目を通してみてください。

■初出について

 短編作家としてのクリスティがデビューしたのは、1923年3月7日に発行された週刊誌The Sketch magazineの1571号で、作品はポアロ物の「戦勝記念舞踏会事件」(『教会で死んだ男』収録)でした。以降、同年12月18日発行の第1612号まで、クリスティは同誌で25作に上るポアロ物を発表し続けます。この連載は半年ほどの休載を挟んで、前半の12作と、後半の13作に分かれていました。

 そして年が明けて1924年、クリスティは新たな、そしてこの時点ではクリスティ自身が最後だと考えていたポアロ物の連載を開始します。前2シリーズとの違いは、ビッグ4という共通の敵との戦いをテーマにした連作だったことです。そのため、“The Man who was No. 4.”という副題も付けられました。なお、余談になりますが、トミーとタペンス物の短編集『おしどり探偵』で、トミーがポアロのメソッドを用いて事件に挑むエピソードが「16号だった男」となっているのは、このナンバー・フォーの自乗を意味しています。

 The Sketch magazine連載時のラインナップは以下の通りです。

1.The Unexpected Guestten……第1614号(1924.01.02)。本書の1及び2章の原型
2.The Adventure of the Dartmoor Bungalow……第1615号(1924.01.09)。本書の3及び4章の原型
3.The Lady on the Stairs……第1616号(1924.01.16)。本書の5及び6章の原型
4.The Radium Thieves……第1617号(1924.01.23)。本書の7章の原型
5.In the House of the Enemy……第1618号(1924.01.30)。本書の8章の原型
6.The Yellow Jasmine Mystery……第1619号(1924.02.06)。本書の9及び10章の原型
7.The Chess Problem……第1620号(1924.02.13)。本書の11章の原型
8.The Baited Trap……第1621号(1924.02.20)。本書の12及び13章の原型
9.The Adventure of the Peroxide Blonde……第1622号(1924.02.27)。本書の14章の原型
10.The Terrible Catastrophe……第1623号(1924.03.05)。本書の15章の原型
11.The Dying Chinaman……第1624号(1924.03.12)。本書の16章の原型
12.The Crag in the Dolomites……第1625号(1924.03.19)本書の17及び18章の原型であり、クリスティがThe Sketch magazineで発表した最後のポアロ物短編

 ご覧の通り、1924年の1月から3月まで、毎号欠かさず連載されています。また、連載終了の1924年3月には短編集『ポアロ登場』の初版が発売されており、これ以前に書かれた長編は『スタイルズ荘の怪事件』『秘密組織』『ゴルフ場殺人事件』の3作しかありません。クリスティのキャリアにおいて、まさに最初期に書かれたシリーズであることがお分かり戴けるでしょう。同時にクリスティがかなり早い段階でポアロ物を止めようと思ったことも分かります。

 世界制覇を目論む犯罪組織との戦いというのは、ポアロを引退させる花道として用意した設定だったのでしょう。しかし、出版社も読者もそれを認めず、引退後の事件として『アクロイド殺し』が書かれ(初版刊行は1926年6月)、本作(シリーズを再構成し、長編相当の作品として刊行されたのは1927年1月)を経て、ついに『青列車の秘密』(初版刊行1928年3月)で事実上引退はなかったことにされています。クリスティは後年、『青列車の秘密』を書くのが辛かったと語っていますが、ここにもポアロを嫌っていたクリスティの志向が表れているといえるでしょう。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130004X
No.4:
(3pt)

なんか自分のミステリを読んでいるような素人っぽさ

うーん、ぱらぱらとエピソードが登場しては消えるパターンで、古さを感じさせるものかもしれません。
今回クリスティ文庫を順に再読しているのでよんんだのですが、昔創元社の文庫を途中で放り出した覚えがあります。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130004X
No.3:
(3pt)

ドキドキ感は○、でも推理小説としては×

本の紹介を見て、面白そうだなと思って買いました。しかし、短編を組み合わせたというだけあって、話全体にまとまりがなく、「ビッグ4」の仕業というのも、無理にこじつけたような感じです。いつも楽しみにしている最後のポアロの犯人当てもなく、推理小説とは言えないと思います。最後もなぜ基地が爆発したのかよくわかりません。でも、ドキドキする描写がたくさんあって、そこは良かったです。ヘイスティングズが中国人に誘拐されたり、ポアロの部屋に仕掛けてあった爆弾が爆発したりと次はどうなるのか、次はどうなるのかとドキドキしっぱなしで、ページをめくる手が止まらず一日で読んでしまいました。ポアロがすごい推理で犯人を当てるるいつもの「ポアロもの」を求めている方は買わないほうがいいと思いますが、推理がなくても、ドキドキ感を楽しみたいという方は、読んでみてください。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130004X
No.2:
(3pt)

さながらポワロが『007』のような働きを見せる

オリジナルは1927年リリース。この1927年というのは数週間、『失踪』した年の翌年で、1月にその失踪騒ぎの喧噪から逃れるため、クリスティーは姉夫婦にお世話になることになる。
この時クリスティーは7冊の本を出していた。と同時にポワロの短編を週刊誌『スケッチ』に連載していて、その最新の短編を夫アーチボルト・クリスティーの兄キャンベルが再編纂し長編読み物に仕立て直した方がよい、と助言し作られたのがこの『ビッグ4』だ。そのためいつものポワロ・シリーズとは雰囲気や書き方が違っている。
さながらポワロが『007』のような働きを見せる。じっと沈思し灰色の脳細胞で勝負するいつものポワロとは違っているところがおもしろいな、と思う。短編を長編に仕立て直したため、若干ストーリーに荒唐無稽さと無理を感じるが、それでも充分に愛せる作品である。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130004X
No.1:
(3pt)

エキゾチック!?

 国際犯罪組織「ビッグ4」そして ラジウムや電磁波などの近代兵器などが出て来ます。 アガサ・クリスティの小説の中では ある意味「エキゾチック」な感じがあると思いました。 しかし個人的には静謐なところでの推理が好きなので、 『ビッグ4』は少々取っ付きにくかったです。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
415130004X

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!