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ビッグ4



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ビッグ4の評価: 2.94/5点 レビュー 35件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点2.94pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全16件 1~16 1/1ページ
No.16:
(2pt)

ダンボールに直に入ってて、残念だった

こんなことでと思われる方もいるかもしれないけれど、本好きで大切に使って読みたかったのに、ダンボールに直に入っていて、数箇所表紙の端が折れていました。
本屋で購入すればいい話ですが、いざ利用した時にこのような状態で送られたのはとても残念です。雨でダンボールが濡れていたら本まで染みていました。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.15:
(2pt)

さてはゴルゴムの仕業に違いないw

予告は受けていたwが、これほどとは思わなかった。
 トミー&タペンスに代表される、著者のちょい緩めのスパイスリラーは嫌いじゃないので高を括っていたのだが、なにしろビッグ4の存在によって、頭のネジをもう二回ほど余分に緩めておく必要があったw

 この時期、著者のアマチュア気分のファン気質はまだ多分に残っていたと思われるので、ビッグ4の設定はモリアーティ教授のオマージュに過ぎないかもしれないが、英国の犯罪を裏で操作するモリアーティに較べて、世界の争乱を裏で操作するビッグ4は、ポワロを陰謀論の世界に強力に追いやってしまった……。【注1】
 なにしろこの秘密組織、「やつらの目的は全世界を征服することなのです」(P.61)で、「やつらは、保有している磁気引力の新兵器をテストしてみたのにすぎないのです」(P.62)だとか。
 そして不可思議な事件が起きれば、あのポワロが灰色の脳細胞で、「これは裏にビッグ4の手が回っているに違いない」と呟くのである……。
 これではポワロは馬淵睦夫どころか、なんでもかんでもゴルゴムの仕業だと喝破する南光太郎も笑えないw

 本書はもともと、『ポアロ登場』や『教会で死んだ男』に主に収録された初期短篇群と同じThe Sketch誌に、翌年の1924年に掲載された連作短篇だったが、著者は1926年末の例の事件を含む精神状態で執筆どころでなかったので、1927年の年明け間もない頃に長篇にまとめ直してやむなく?出版したものである。
 予備知識なしで読んだら、トップ三人の影がやたら薄くて、ポワロはNo.4とばかりやりあっていることにも驚かされる筈だが、雑誌連載時の共通タイトルはThe Man Who Was No.4だったという。長篇にまとめ直すにあたっては、義理の兄(やらかした夫の兄ということだ)が協力しているらしく、どの程度の変更が入っているのか不明だが、もしかしたら、雑誌掲載の形で読むほうがツッコミ処は少なかったかも……そんなことないかw
 しかしできれば、元の連作短篇状態のものにも目を通してみたいものである。【注2】

 プロットへのツッコミ以外に、なぜ前作?の「クリスマスの冒険」でヘイスティングスをせっかく南米に葬ったというのに、わざわざ家族を置いて一時帰国という無理やりな設定を組み込んでまで、彼を復活させたのかも理解できない。
 ファン人気があって、編集部から命じられたのだろうか。
 おかげで、ビッグ4という巨大なツッコミ処に目を瞑っても、ポワロが心配で残していけないという理由で、危険も示唆されている家族を放置して半年以上もポワロの側に居続ける、正義感が強いだけのまったくの無能なヘイスティングスを、こちらは我慢し続けなければならなかったw
 えっ、クライマックスの策略には、彼の存在が不可欠だった?
 いいえ、そんな言い訳は通じませんww

 もう一点、これはツッコミではないのだが、組織を束ねる影の薄いNo.1はチャイナ人である。
 リー・リン・チェイリー・チャン・エイというチャイナ人【注3】で、レーニンやトロツキーも裏から操作していたそーな。
 登場が1924年であることを考えれば、ノックスのツッコミに該当する一例ではあるが、元より本作でポワロと主に対決するのはNo.4なので、いわゆる「怪しげな術を繰り出す支那人」が前に出るものではない。しかし同じアジア人国として、日本の影が薄かったのはやや気になった。【注4】
 まぁぶっちゃけたところ、著者に東洋への興味がそれほどなかっただけだった可能性が高いが、以下、一般的に英国人の目に映っていたであろう日本を描写してみるw

二流人種のくせに白人様の猿真似を始めたと思っていたが
日清戦争や北清事変で、意外に他の黄色人とは少し違うところを見せた。
われわれは以前からロシアの東方への拡大に警戒し続けてきたが
南アフリカ等の対応で手一杯だから
日本を利用して少しでもロシアの防波堤にするつもりで、日英同盟を結んで平等に扱ってやった。
ところが彼らは予想以上に働いて、日露戦争にまさか勝利してしまった。
 その手柄で他の白人国とも平等条約を結ぶようになり
第一次欧州大戦でも役処を守って動いたから、名誉白人とおだてられたりもした。
そうすると生意気にも調子に乗って、人種差別反対とか人類はビョードーとか言い始めたこともあって
特に海を挟んだ隣国のアメリカは警戒を強めた。
彼らはわれわれが大戦中の巨額な借金で頭が上がらないのをよいことに
日英同盟を破棄させた。
ところがこんな背景に気づかず、日本人はわれわれを裏切り者だと言い始めて
アメリカと同じように敵対視するようになった……。

 こんなところか。
 この流れの中で、日英同盟の破棄がまさに1923年。
 つまり一年前まで同盟国だったというのに、多くの一般英国人にとっては、日本への関心などないのが普通だったのか……。
 そこのところがもっと知りたい。

 【注1】著者に並び称される女流推理作家のドロシー・L・セイヤーズの同時期の作品「アリババの呪文」にも、メンバーを数字で呼ぶ犯罪組織が登場しているので、当時この二人だけでなく、もっと広範囲にこの手の設定の流行を論じることができるかもしれない。

 【注2】安直に考えれば、18章に分かれているので、18週に渡って連載されたのかもしれない。エピソードでざっくり分ければ、「導入および精神病院からの脱走患者の事件」「ダートムアのジョナサン・ホェイリイの事件」「サリー州の科学者、ハリデイ氏失踪事件」「パリでの後日談とヘイスティングスの潜入捜査」「ウースター州のペインター氏死亡事件」「チェスの世界的名手突然死事件」「ヘイスティングス誘拐事件」「No.4の絞り込みとフロッシー・モンロー事件」「ハートフォートシャーのテンプルトン氏中毒事件」「最後の戦い」の10件に相当。【注5】

 【注3】リー・リン・チェイはジェット・リーの本名。デビュー時はこの名前だった。

 【注4】ある人物に化けたNo.4は、ヘイスティングスを「日本の柔道」(P.86)で投げ飛ばすけれど。

 【注5】ペインター氏が始末された原因は、彼が『中国の見えざる手』という本を書いたからw 100年近く後、同じ題名で大ヒットする書物が登場するとは……。
ビッグ4 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-77))Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-77))より
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No.14:
(2pt)

さてはゴルゴムの仕業に違いないw

予告は受けていたwが、これほどとは思わなかった。
 トミー&タペンスに代表される、著者のちょい緩めのスパイスリラーは嫌いじゃないので高を括っていたのだが、なにしろビッグ4の存在によって、頭のネジをもう二回ほど余分に緩めておく必要があったw

 この時期、著者のアマチュア気分のファン気質はまだ多分に残っていたと思われるので、ビッグ4の設定はモリアーティ教授のオマージュに過ぎないかもしれないが、英国の犯罪を裏で操作するモリアーティに較べて、世界の争乱を裏で操作するビッグ4は、ポワロを陰謀論の世界に強力に追いやってしまった……。【注1】
 なにしろこの秘密組織、「やつらの目的は全世界を征服することなのです」(P.61)で、「やつらは、保有している磁気引力の新兵器をテストしてみたのにすぎないのです」(P.62)だとか。
 そして不可思議な事件が起きれば、あのポワロが灰色の脳細胞で、「これは裏にビッグ4の手が回っているに違いない」と呟くのである……。
 これではポワロは馬淵睦夫どころか、なんでもかんでもゴルゴムの仕業だと喝破する南光太郎も笑えないw

 本書はもともと、『ポアロ登場』や『教会で死んだ男』に主に収録された初期短篇群と同じThe Sketch誌に、翌年の1924年に掲載された連作短篇だったが、著者は1926年末の例の事件を含む精神状態で執筆どころでなかったので、1927年の年明け間もない頃に長篇にまとめ直してやむなく?出版したものである。
 予備知識なしで読んだら、トップ三人の影がやたら薄くて、ポワロはNo.4とばかりやりあっていることにも驚かされる筈だが、雑誌連載時の共通タイトルはThe Man Who Was No.4だったという。長篇にまとめ直すにあたっては、義理の兄(やらかした夫の兄ということだ)が協力しているらしく、どの程度の変更が入っているのか不明だが、もしかしたら、雑誌掲載の形で読むほうがツッコミ処は少なかったかも……そんなことないかw
 しかしできれば、元の連作短篇状態のものにも目を通してみたいものである。【注2】

 プロットへのツッコミ以外に、なぜ前作?の「クリスマスの冒険」でヘイスティングスをせっかく南米に葬ったというのに、わざわざ家族を置いて一時帰国という無理やりな設定を組み込んでまで、彼を復活させたのかも理解できない。
 ファン人気があって、編集部から命じられたのだろうか。
 おかげで、ビッグ4という巨大なツッコミ処に目を瞑っても、ポワロが心配で残していけないという理由で、危険も示唆されている家族を放置して半年以上もポワロの側に居続ける、正義感が強いだけのまったくの無能なヘイスティングスを、こちらは我慢し続けなければならなかったw
 えっ、クライマックスの策略には、彼の存在が不可欠だった?
 いいえ、そんな言い訳は通じませんww

 もう一点、これはツッコミではないのだが、組織を束ねる影の薄いNo.1はチャイナ人である。
 リー・リン・チェイリー・チャン・エイというチャイナ人【注3】で、レーニンやトロツキーも裏から操作していたそーな。
 登場が1924年であることを考えれば、ノックスのツッコミに該当する一例ではあるが、元より本作でポワロと主に対決するのはNo.4なので、いわゆる「怪しげな術を繰り出す支那人」が前に出るものではない。しかし同じアジア人国として、日本の影が薄かったのはやや気になった。【注4】
 まぁぶっちゃけたところ、著者に東洋への興味がそれほどなかっただけだった可能性が高いが、以下、一般的に英国人の目に映っていたであろう日本を描写してみるw

二流人種のくせに白人様の猿真似を始めたと思っていたが
日清戦争や北清事変で、意外に他の黄色人とは少し違うところを見せた。
われわれは以前からロシアの東方への拡大に警戒し続けてきたが
南アフリカ等の対応で手一杯だから
日本を利用して少しでもロシアの防波堤にするつもりで、日英同盟を結んで平等に扱ってやった。
ところが彼らは予想以上に働いて、日露戦争にまさか勝利してしまった。
 その手柄で他の白人国とも平等条約を結ぶようになり
第一次欧州大戦でも役処を守って動いたから、名誉白人とおだてられたりもした。
そうすると生意気にも調子に乗って、人種差別反対とか人類はビョードーとか言い始めたこともあって
特に海を挟んだ隣国のアメリカは警戒を強めた。
彼らはわれわれが大戦中の巨額な借金で頭が上がらないのをよいことに
日英同盟を破棄させた。
ところがこんな背景に気づかず、日本人はわれわれを裏切り者だと言い始めて
アメリカと同じように敵対視するようになった……。

 こんなところか。
 この流れの中で、日英同盟の破棄がまさに1923年。
 つまり一年前まで同盟国だったというのに、多くの一般英国人にとっては、日本への関心などないのが普通だったのか……。
 そこのところがもっと知りたい。

 【注1】著者に並び称される女流推理作家のドロシー・L・セイヤーズの同時期の作品「アリババの呪文」にも、メンバーを数字で呼ぶ犯罪組織が登場しているので、当時この二人だけでなく、もっと広範囲にこの手の設定の流行を論じることができるかもしれない。

 【注2】安直に考えれば、18章に分かれているので、18週に渡って連載されたのかもしれない。エピソードでざっくり分ければ、「導入および精神病院からの脱走患者の事件」「ダートムアのジョナサン・ホェイリイの事件」「サリー州の科学者、ハリデイ氏失踪事件」「パリでの後日談とヘイスティングスの潜入捜査」「ウースター州のペインター氏死亡事件」「チェスの世界的名手突然死事件」「ヘイスティングス誘拐事件」「No.4の絞り込みとフロッシー・モンロー事件」「ハートフォートシャーのテンプルトン氏中毒事件」「最後の戦い」の10件に相当。【注5】

 【注3】リー・リン・チェイはジェット・リーの本名。デビュー時はこの名前だった。

 【注4】ある人物に化けたNo.4は、ヘイスティングスを「日本の柔道」(P.86)で投げ飛ばすけれど。

 【注5】ペインター氏が始末された原因は、彼が『中国の見えざる手』という本を書いたからw 100年近く後、同じ題名で大ヒットする書物が登場するとは……。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.13:
(1pt)

老人にこんなサスペンスができる?

色々指摘される痛い点(痛い点以外にこの作品の特徴があるのか?)は差し置き、ポアロにこんなアクティブな行動ができるのだろうか? 大陸からスタイルズ荘近辺に避難してきた時点ですでにベルギーの警察署長を定年退職していたはず。それから13年も経ってまだ元気すぎる。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.12:
(2pt)

訳者と編集部は安易なカタカナ語訳を極力減らすべき。

内容については★3。
しかしポアロの台詞で、例えばかつての田村隆一氏の訳では「方法」と訳していたのを「メソッド」とカタカナ語で済ませているところなどが気になった。
新訳「このエルキュール・ポアロのやり方は独特のものですからね。秩序とメソッド、それに灰色の脳細胞ーーそれだけがものをいうんですよ」
田村訳「このエルキュール・ポアロの捜査方法は、わたし独特のものなのです。秩序と方法、そして”小さな灰色の脳細胞”があればいいのです」

他にも「ブラッドハウンドよろしく」といった下りでカタカナ語が目立つ。
ブラッドハウンドが猟犬だと知っている日本人、あるいはハウンドが吠えるという意味から犬、ブラッドが血で「猟犬」を意味するのだと想像できる日本人がどれだけいるというのだろう。
たしかに英語に近いカタカナ語は響きが良く恰好いいかも知れない。しかし分かりやすい日本語に訳して読者に提供するという本来の翻訳の目的としては不親切だと思う。
私は英語もそこそこ読めるしカタカナ語でも分かるのだが、日本語の文章としては田村氏の「人間猟犬のように」のほうがずっと親切で読みやすいと感じた。

訳者と編集部は日本語として定着しているかどうかも分からないカタカナ語を安易に使うよりも、カタカナ語訳を極力減らすべきである。日本語への翻訳なのだから。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.11:
(1pt)

クリスティーの偽書です

一般の人は読まれない方が良いと思います。
著者はアガサ・クリスティーとなっていますが、実際にはクリスティーの義兄がまとめ上げた作品とのこと。
クリスティーを読破するつもりだったのですが、この作品を読んで本当に消耗してしまいました。
クリスティーのファン(初級・中級)、ならびにクリスティー本人の名誉のためにも、この作品はアガサ・クリスティーのオリジナル作品とは区別したほうが良いように思います。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.10:
(1pt)

もう一度読む気には到底なれない。 TV版とも全く別物ですよ。

クリスティの短編サスペンス集(>ハヤカワ文庫:リスタデール卿の謎)でもやはり荒唐無稽・おとぎ話すぎてげんなりさせられましたが、これもわざわざ買って読むほどのものでは全くなし。NHK放映のTV版ポアロの「ビッグ4」を見て、これも原作を読んでみようと思う方がいたら絶対おやめなさいって言います。TV版ビッグ4は完全オリジナル脚本です。TV版ですら荒唐無稽さを抑えきれないのですが、この原作と較べたら秀作に見えちゃいます。ポアロものとして世に出すことに迷いはなかったんでしょうかね~(タメ息)
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.9:
(1pt)

当時のアガサの苦しみが産んだ駄作ではあるが、アガサの歴史におけるその存在意義は大きい。

アガサ・クリスティを敬愛し、その作品はすべて読破している。
彼女はときどき面白くない作品も書いてしまうが、それらも彼女独特の安心感があり、なんだかんだ理由をつけて許せてしまう。
しかし、本作のみはかなり異色である。
酷評する表現はいくらでもあるのだろうが、まるでミステリー作家を目指している小学生が出来心で書いたのかと思うような陳腐な絶対的駄作である。
彼女の作品でなければ10ページも読み進まない内に書庫の奥深くに眠らせ、そのまま評価もせず、語る事も無いだろう。

物語としては中心軸に大きな犯罪組織の存在を据えた設定になっているが、なんの事は無い、小さな事件が起っては無理矢理ある組織と関連づけられ、それが立体的に謎を深めるでもなく、何か奥の深い謎が解き明かされるでもなく、ドタバタしながら繰り返されるだけ。
残念ながら説明がなければ、とても巨悪の組織を思い浮かべる事などできない。
最後の幕引きなど目も当てられない。

このように酷いのだが、この作品は現にアガサ・クリスティの名を冠している。
ミステリーの女王の名を冠してしまっている以上は、この体たらくに対して何らかの意味づけ、位置づけをし、厳格に解釈させていただくのが礼儀なのであろう。
一体全体このような愚作が如何にして生まれたのだろうか。

実は、本書の刊行される少し前にアガサ・クリスティはご主人の不倫が原因で失踪事件を起こしている。
そうした彼女の辛い身の上を案じて義兄が考えたのは、それまでに某誌に掲載された短編をつぎはぎにして長編にし、彼女の作家としてのキャリアが中断しないようにしようというもの。それが本作品となったようだ。

実際、どこまでアガサが校正し直したかは分かっておらず、かなりの部分が義兄の手によるものとも言われている。
物語としてのプロットの尋常ならぬ出来の悪さ、他のポアロ作品に無い異常なまでの話のこじつけぶり、どんなにレベルの低いアガサ作品でも有している独特の安心感が本作からは得られない事などを考えると、義兄が単独で本作を校正したのではないかと訝ってしまう程だ。
よって、個人的にはこれをアガサの作品と呼ぶのも憚られる。
そもそも短編が苦手と思われるアガサの底の浅い短編を集めてきて、ほぼ素人の義兄がつなぎ合わせたのだとすると面白くなるワケが無い。

しかし、当時の彼女のおかれた状況を考えると同情を禁じ得ない。
そして、また、考え方によっては、逆にこの作品を出版したからこそ、その後のアガサ作品が存在しているともいえる。
そういう意味では非常に重要な作品ではないだろうか。
内容ではなく、その存在という意味で。

という訳で、こんな作品でも、なんだかんだ理由をつけて許してしまうのであった。

まぁ、しかし、彼女の作品の良さを知らない段階では読むべきではないし、多々秀逸な作品がある中で本作を選ぶ理由も無いだろう。
余程好きでもなければ、最後まで敢えて読まずとも良い作品とすら言える。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.8:
(2pt)

トミーとタペンスものだったら、あるいは...

本書は異色のポアロのスパイ・スリラーもの。
本格推理作家として知られる作者だが、1920年代は『茶色の服の男』『チムニーズ館の秘密』『七つの時計』と、むしろスパイ・スリラーものが充実している。
しかし、その中において唯一本書のみが駄作である。
まず、ご自慢の「灰色の脳細胞」で推理するポアロで、スパイ・スリラーものを演じさせるという設定自体が既に間違っている。ポアロがまるで狂言回しのようである。
こういう作品はトミーとタペンスのような行動派探偵向きで、推理派探偵向きではない。
それにナンバー・スリーと対峙したときのタバコの件、私が昔(幼稚園か小学生の頃)に見たマンガやアニメの中でしか見たことのないような、子供だましにさえならない馬鹿馬鹿しすぎる仕掛けである。
それでもこれがトミーとタペンスものだったら、多少荒唐無稽でも面白いと思えたかもしれないが。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.7:
(1pt)

クリスティー最低の書!

荒唐無稽なクリスティーの最低の書。
元々は雑誌に連載されていた短編を集めたものらしく、ひとつの作品として一気に書き上げたものではないから、まとまりがないのはそのせいかも知れないが、それにしてもひどすぎる。

これが名作「アクロイド殺し」の翌年に書かれた作品だなんて、シンジラレナ〜イ!
ビッグ4 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-77))Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 1-77))より
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No.6:
(2pt)

クリスティーには珍しい駄作

 これは正直いって駄作です。
 謎の犯罪組織「ビッグ4」を倒すべくポアロがとび回る!というおよそありえそうにない話です。
 もとは短編だったものをまとめて長編に仕立て上げたらしいですが、つなぎが雑です。
 主要人物であるナンバー・フォーの描かれ方も雑です。13章までは「変装が上手く頭脳明晰な殺し屋」という感じに描かれていたのに、14章で彼の弱点が判明して以降、扱いがお粗末になります。あんなに頭いいやつがこんなミスをするかよ!?と思ってしまいました。
 「ビッグ4」が具体的にどういう組織なのか、なぜポアロが「ビッグ4」と関わるようになったのかよくわからないし、ロシア革命を「文明の崩壊」と呼んでいるのもどうかと思いました。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.5:
(1pt)

クリスティーの最低の書

荒唐無稽なクリスティーの最低の書。
元々は雑誌に連載されていた短編を集めたものらしく、ひとつの作品として一気に書き上げたものではないから、まとまりがないのはそのせいかも知れないが、それにしてもひどすぎる。
これが名作「アクロイド殺し」の翌年に書かれた作品だなんて、シンジラレナ〜イ!
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No.4:
(2pt)

肩透かし(未読の方は注意して読んで下さい)

序盤は面白かったです。ポアロvsルパン一味みたいな雰囲気もあり楽しんで読んでました。しかし後半からグダグダしはじめ、話は進まないしたいした謎解きもなしでつまらなかったです。何より最後はひどかった。無理やり終わらせたみたいな感じですごくがっかりしました。
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No.3:
(2pt)

駄作ではないけれど…

とにかく、テンポがはやい!いつもとは違う急なタッチで粗削りな作品。おもしろいことはおもしろいのだがやはりいつものクリスティーとは違います。まあ、この頃のクリスティーの背景を考えるとしょうがないかも…
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.2:
(1pt)

アガサクリスティ最大の駄作(;'Д`)ハァハァ

(;'Д`)ハァハァ アガサクリスティの書いたミステリーの中でも最大の駄作と名高い小説である(笑)
ポアロ 対 世界征服を企む悪の秘密組織ビッグ4!!!
組織のメンバーとして、恐るべき中国人、怪しい大富豪。
キレ者の女 そして最後に控えしは・・・謎の人物。組織のトップ。変装が得意。
ポアロの兄貴まで出てくる始末(笑)
もう滅茶苦茶ですよ。
この作品に関しては黒歴史なので『無かった事にしてください』だ。
読まないほうがいいと思われ
ポアロのイメージダウンw
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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No.1:
(1pt)

クリスティの数少ない駄作

クリスティの本はホントハズレが少なくて感心していますが、これは面白くありません。まずプロットが壮大すぎて、一つ一つが実に薄い。様々な人物、事件が出てきますが、これがすごく描きかたがうすいのです。さらに、国際的悪の組織「ビッグフォー」もコンセプトこそ壮大ですが、ほとんど何も詳しいことが書かれていない為にリアリティに乏しく、物語に入り込めません。ポアロファンは読まないことをお勧めします。
ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)Amazon書評・レビュー:ビッグ4 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)より
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