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玩具修理者/酔歩する男
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玩具修理者/酔歩する男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全120件 101~120 6/6ページ
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まず、表題の玩具修理者。短編っぽい感じで、割とあっさり読み終えられる作品です。 人を修理するという発想が面白いのですが、一番驚いたのはラスト。 短編でこそ出来る技なのかもしれませんね。 全体的に語り口調で進められますが、なんとも言えない味を出している様な気がします。 この事が過去の物であるからこそ面白いかも、と。 で、酔歩する男。 こっちは結構長くて小難しいことも沢山書かれているのですが、なんともリアリティに溢れる作品でした。 実際にタイムスリップなんてないだろうけど、近い将来これに近い形の物が何か出来るのではないか?と思わず思わせるような新感覚の物語です。 正直、ホラー小説ではないかと。 あっても玩具修理者の方ですね。 短編と長編が一冊に入った感じです。 どちらの作品も面白いので、自分に合った方を楽しんでください。 | ||||
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表題作で「命」とは何か?を「酔歩する男」で「時空」とは何か? と言う人類史上最大の疑問に答えてしまう名作。 個人的には生命と非生命には差がない、と言う作中の論調は前々か ら自分でも考えていた事なので深い共感を得た。 宇宙の全ての物はその複雑さが異なるだけで、全ては同じ事だと 考える。究極のAEは人間の脳と何の違いもなく、生命と言う言葉 に意味はない。 同様に我々の生きる空間もあやふやで不確かなものであるのである。 | ||||
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最近この本を知り読んだのですが、「玩具修理者」「酔歩する男」どちらも実にすばらしい構成になっております。 個人的には「玩具修理者」よりも「酔歩する男」が気に入っております。 こちらの話は物理学などの要素が大変多く、波動の発散や収束など基本的には“多世界解釈”的な内容を元に話が進められていきます。 所詮物理は数学公式を使ったものであり、数学の公理ですら実は確かなものではないので、この話を読むと妙に納得させられてしまう部分等も多々あり、1度ではたりず2度3度と読み返してしまうでしょう。 内容は違いますが“ウラシマ効果”などのパラレルワールド系の話が好きな方にはオススメの1冊です。 | ||||
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表題作のほうもそれなりに面白かったですが、なんといっても「酔歩する男」に感銘を受けました。 あの話は、本当に恐ろしいです。 恐ろしいといっても幽霊やグロテスク系などの恐ろしさとは違って、精神的に追い詰められる恐怖です。 自分が時間という罠に囚われて一生脱出できないとしたら、、、同じ日を何度も何度も経験しないといけないとしたら、、、もしそんな運命が自分に降りかかったらと思うとゾっとします。 一度読んだだけでは飽き足らず、二度立て続けに読み返してしまいました。 精神を不安定にさせる(?)絶品です。 | ||||
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この本の世界は、いくら頑張っても現実に起こることは無いでしょう。不可能です。人を細かな筋一本一本まで分解して、壊れたおもちゃを螺子一本一本までも分解して、そして全てをごちゃ混ぜで完璧に修理する。人間の目が違うものに変わっていたりする。しかし、ちゃんと治っている。そんな事がこの世に起こることはない。しかし、文章力があるのか、容易に想像できてしまう。これは素晴らしい一冊だと言える。しかし、一般の平和主義者、心臓の弱い方、胃の弱い方は遠慮したほうがよろしいでしょう。 | ||||
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表題作はとてもおもしろかったです。ただ、「酔歩する男」は自分には難しすぎました…。 でも難しいのは苦手な人にも表題作の「玩具修理者」は理解できる作品なので、この本はお勧めしたいです。 また、苦手だとしても両方読んでみてください。分かる人も沢山いると思います。 | ||||
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「玩具修理者」のほうはかなりグロイです。気持ちが悪くなるくらいグロイです。 分解しますからね、人間を。 それでも個人的には好きですけど。 どこからどこまでが生物なのか考えました。分解して、また組み立てても人間なのだろうか…。もう一つの作品は、理解するのに時間がかかりましたが、迷宮のような面白さがありました。 じわじわ怖いです。怖いと言うより、不安と言うほうが適切かもしれません。 時間と精神の話です。脳の一部をいじることで、タイムトラベルをしようとします。 私はかなりぐるぐると引き回されたような気分になりました。 自分が立っている基盤を揺るがされるような作品です。 | ||||
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初めて小林泰三を読んだのは短編集で。 その後すぐに本屋に走ってこれを買った。すっげ~~~…の一言。 今までいろんなホラーを読んできたが、久しぶりのHITだった。 表題のほうはグロテスクさが一面に出ていて、ちょっと読み返す気持ちになれなかったけど、副題の方はまたよかった!! 何回も読みたくなった。 てゆーか何回か読んでやっと理解できたんだけど…ね | ||||
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文章の最後の部分でアッと驚く展開になるのが小林 泰三のセオリーである。SFとりこんだホラーを書かせると身近に起きそうな風に(ありえないことでも)書いて驚かせてくれる。本職は会社員のようだが、まだたくさん作品を書いて私たちを楽しませてほしい。 | ||||
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表題作の玩具修者は秀逸。雰囲気作りが上手い。淡々とした不気味な短編傑作。ただしグログロなので食事前後はやめてほうがいい。 それを遥かにしのぐのが、酔歩する男。設定が非常に上手い。眠るのが怖くなる。そして、また圧倒的なまでの雰囲気。徹底的な心の揺れを描く最後の二、三ページ。そして全てが収束される最後の一行。 傑作! | ||||
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この「玩具修理者」という本は、タイトルと表紙でなんとなーく買ったのですが……怖い。普通に怖い。元々ホラーを読む人間じゃなかっただけに衝撃的だった。「玩具修理者」は、想像したらグロいけれど、なんとなくオチがわかった。けれど、「酔歩する男」は…何なんだコレは!?最初のうちは小難しくてワケがわからんと思っていたけれど、段々この話の全体像が見えてくるにつれて恐怖を感じた。その日は、眠るのが怖かった。 初めて味わった。『死ねない恐怖』というものを。 | ||||
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(;'Д`)ハァハァ 玩具修理者はつまらん。ありがちな、ホラー小説 だなwうほほっ?! だがなぁ…。酔歩する男は面白いぜ?! うほほっ?! 阪大工学部卒という経歴が少々、気にいらんが まぁ そこそこやるんじゃねぇの??w | ||||
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表題作は短編にしては上手くまとまっていると思う。もちろん細かい点を上げれば、この女も全身分解されたことになり結局は男となんら変わりないのではないかと思ったり。もう一作もタイムパラドクスを上手く処理できていて読みやすかった。精神の時間移動を続ける男の悲哀がよく表現できている。ただ、精神が完全に崩壊してしまったらどうなるんだろか…考えただけでも恐ろしい。 | ||||
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『酔歩する男』に出てくる設定、「精神のみのタイム・リープ」は恐ろしかった。同じ設定を使った小説では高畑京一郎の『タイム・リープ』(電撃文庫)がある。こちらはいわゆるライトノベルらしい出来上がりになっていたが、この『酔歩する男』では「明日は何時につれていかれる?」という恐怖がひしひしと伝わってきました。 | ||||
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とくに「酔歩する男」は傑作です。脳や精神を文章で破壊するとしたらこの作品がうってつけでしょう。読了したあとは目を閉じて眠りにつく事さえ恐怖になるでしょう。僕はたぶん二度と読みません。でも一読の価値ありです。こんな矛盾したことを言わせるくらいの傑作です。 | ||||
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表題の作品は、正直ありきたりな話かな~と感じました。 しかし、「酔歩する男」。この話には衝撃を受けました。 あまりにも恐ろしすぎる話です。 最初の方は説明が難しく、取っ付き難いなあと感じましたが、中盤あたりからはその内容の恐ろしさに鳥肌が立ち、一気に読んでしまいました。無限、永遠、文字通り終わりのない人生。想像するだけで背筋が寒くなります。 | ||||
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最初の短編「玩具修理者」は、それほど面白くありませんでした。 ラヴクラフトのクトゥルフ神話を思い起こさせるホラー小説。 おにぎりを食べながら読んだのもマイナスに働いたんでしょう。 気持ち悪くなりました。しかし、次の「酔歩する男」はとても面白かった! 最初のうちは、『ドグラ・マグラ』を読んだ時のようなぐるぐる感、めまい感に襲われて、訳分かんねーぞーという気持ちでした。 そこをこらえて読んでいくうちに、「まるでこりゃあ、ディック みたいじゃないか。現実と夢とが混沌、朦朧として溶け合うような フィリップ・K・ディックの作品。読み手を不安感に誘っていく 手際なんざ、なかなか見事。うん、これは面白い」と、いつの間にか話の中にずるずると引きずり込まれていました。ある日、気の合う仲間と飲みに来た店で、ひとり残ってタクシーを 待っていたわたしこと血沼(ちぬ)が、ふとしたことから店にいた 小竹田(しのだ)という男と会話する。そこから、妙ちきりんな話が 始まっていきます。ふたりの噛み合わない会話を読んでいるうちに、めまいがしてきました。そしてこの辺からすでに、「この現実というものが 本当に、あなたが考えているとおりのものなのか? もしかしたら 気づいていないだけで、それは全く別の世界なのではないか?」 という作品の世界観に、からめとられていたのかもしれません。 これはまさに、昔ハマったディックの作品を彷彿とさせる味わい。話の途中、「シュレディンガーの猫」といった量子力学の理論が引き合いに 出されたりしますが、そこんところはあまり理解できませんでした。 「ふーん、なるほどー。いかにもって感じもするけれど…」と、 まあ、分からないなりに面白がって読んでいきました。で、話はいよいよ迷宮を彷徨うかの如く、とんでもない方向に進んでいきます。この「とんでもなさ」「迷宮感」「不安感」というのがまさにディック・ワールド を思わせるもので、久しぶりにめまいを覚えるおもろい話を堪能させてもらった 気がしました。 日常見慣れている景色がぐにゃりと歪むような、あるいは底の見えない穴に 落ちていくみたいな、そんな不安感にとらわれました。 | ||||
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小林泰三氏のデビュー作。デビュー作品とは思えないほどの完成度。 表題作「玩具修理者」も傑作だが、「酔歩する男」はすごい!読みながら、めまいが。まさに「酔歩」してしまうのだ! | ||||
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わたしには、七歳違いの弟がいる。このまま、「ひとりっ子」として過ごしていくのか、と思っていた頃に現れた彼は、それまで占めていた、わたしの空間に突然入り込んできた「不法侵入者」のように、嫌な存在だった。主人公の「わたし」にも七つか八つ離れた弟がいる。弟を背負っている描写の場面は、わたしも昔、弟を背負って歩いた夏の記憶とシンクロする。標準より体格の小さい小学校ニ年のわたしには、漬け物石のように重く、ぐんにゃりとして――、そして、高い体温が、異性物のように気味の悪い存在だった。一度、背中におぶっていて、落としたことがある。この小説のように「壊れ」はしなかったが、後頭部に出来た瘤は、かなり大きくなっても残ってしまった…。もし、あの時、「壊して」しまっていたら、わたしも「ようぐそうとほうとふ」のもとへ持ちこんだかもしれない。部品が何であれ、もとのように動くように直してくれる「修理者」は、大変魅力的な存在だ。ただ、同時収録の『酔歩する男』は、やや難解。もう少し、文字と版型を大きくして、写真もしくはイラストを挿入して、『玩具修理者』のみの独立した作品として読みたい気がする。文庫やコミック、ビデオなど様々な媒体で装幀が違うが、わたしは、この破壊されたアンティックド-ルの表紙のものが一番作品世界を表していると思う。 | ||||
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この本に出会ったときの衝撃はいまだに忘れられない。ある日、学校から帰ると玄関に投げ出されている本書を発見。訝しく思うのも早々に読書モードに入ってしまう。時間の経つのも気にせず、黙々と読むこと2時間。読了後、茫然自失となってしまうのであった。それにしても凄い。表題作の玩具修理者は本当にデビュー作かと野暮な疑いを持ってしまう程の傑作。女の語る玩具修理者にまつわる過去を恐怖に徐々に支配されながらも聞く男。驚愕のラストは世界の崩壊を目の当たりにすることになる。二編目の酔歩する男もやはり傑作。誰にでもあるような間違いが、男の恐るべき過去に収束されていく過程は、玩具修理者同様世界の崩壊が待ち受けている。この本を読めば、現実がいかに脆いものかと否応なしに認識する!ことになる。こちら側にストレートに伝わってくる恐怖はこの作品ならでは。一度お試しあれ。ところで、何でこの本が玄関に投げだされていたのかはいまだに不明。不思議なこともあるものです。 | ||||
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