失われた過去と未来の犯罪



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初公開日(参考)2016年06月
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長編小説

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失われた過去と未来の犯罪 (角川文庫)

2019年08月23日 失われた過去と未来の犯罪 (角川文庫)

女子高生の梨乃はある日、記憶が短時間で消えてしまうことに気付く。この現象は全世界で発生し人類はパニックに陥った―。それから数十年。記憶する能力を失った人類は、外部記憶装置なしでは生きられなくなっていた。記憶=心が切り離せるようになった世界で「わたし」は何人分もの奇妙な人生を経験する。これは本当に自分の記憶?「わたし」は一体、何者なのか…?『アリス殺し』の鬼才が贈る、予測不能のブラックSFミステリ。(「BOOK」データベースより)




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失われた過去と未来の犯罪の総合評価:7.54/10点レビュー 13件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(6pt)

失われた過去と未来の犯罪の感想


突如訪れた「大忘却」によって人類は新たな情報の記憶能力を失った。 覚えてられるのはごく最近の出来事である短期記憶と体に染み付いた手続き記憶だけ・・・。 遠くない未来、人間の記憶は体に埋め込む機械型のメモリーに委ねられた。 ここに一つのメモリーがある。 体は事故で失ってもう無い。 生きた人間にこのメモリーを挿し込めれば。 これは未来の犯罪の物語。

 小林泰三氏の「記憶」をテーマにしたSF作品。
第一部にて人類が記憶能力を失った様子をパニック小説のように描いている。あくまで失ったのは「大忘却」以降の記憶能力で機械の操作などの手続き記憶やそれまでの人生での記憶は保持されていた。実際過去の記憶を完全に失っても言葉は話せるんだから本当に不思議である。ほとんどの人類が行動しては忘れてを繰り返す中、少しづつであるがこの驚異に立ち向かうものがいた。やがて人類は外部に取り付けたメモリーに記憶を蓄積することによって従来の生活を取り戻していく。
第二部から物語が始まったと言って良い。メモリーという擬似的記憶装置にて新たな復活を遂げた人類とそれに併発する未来の犯罪の物語だ。今まで肉体に付従してきた記憶という概念が完全に肉体から切り離されたのである。しかしメモリー=命といって良いのになぜそんなに剥き出しで取外し可能なのだろう?普通誰にも見せなくないでしょ。
小林氏らしいブラックなオチの付くSF、気に入ったら記憶破断者もおすすめだ。





りーり
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No.1:
(8pt)

失われた過去と未来の犯罪の感想

全人類が記憶障害になり、長期記憶が出来ない世界になった話。
非常に面白かったです。あまり経験のない新しい読書体験でした。

序盤は斬新な災害もの小説としての混乱が描かれます。
突然記憶が保てなくなる世界。何かおかしいと感じても、その感覚すら忘れてしまう。また、全人類が同時に記憶障害になると、そのおかしさを指摘できる者もいなくなる。災害小説としての斬新な発想と、そうなった世界では何が起きるかのシミュレーションとしてのリアルさを感じました。

中盤からは記憶が保てなくなった世界。長期記憶を補う為に、脳と外部記憶メモリを繋げた未来が描かれます。人間の記憶が外部メモリ化された世界では、どのような問題が発生するのか。また違法な犯罪が行われるのか。短編集のようにいくつかのパターンの物語が描かれます。これらも総じて面白い。個人的には、SFやミステリというより人間の心は何処にあるのか?という哲学を感じました。肉体と記憶が分離できる場合、人の死とは何なのか、肉体が滅んだ時?記憶メモリが破壊された時?と言った具合に考えさせられます。

著者の本は少し読み辛く苦手なイメージがあったのですが、本書は扱うテーマが難解ではあるものの設定や世界観が分りやすいので読みやすかったです。

egut
T4OQ1KM0
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.11:
(4pt)

「SFミステリ」というより、「ミステリ風味のSF」のように感じました。

ミステリを期待して読んでしまうと、読後の感想が「SFだったなあ」で終わってしまうかもしれないので、ご注意ください。(私がそんな感じだったので…。)
結末部分も、ミステリの結末というより、SFの結末です。
思考実験的な話が好きな方におすすめしたい小説だな、とも思います。

星を3つ付けるか4つ付けるかで迷いましたが、「ユニークな着想を、丁寧に物語に仕立てている」点については申し分ないので、4つとしました。
失われた過去と未来の犯罪Amazon書評・レビュー:失われた過去と未来の犯罪より
4041034698
No.10:
(5pt)

表紙は陽菜、陽香、[陽菜]…このややこしさもクセになる。

久々にのめり込んで読みました。
大きな災害があって、その後の新世界の話がオムニバスに展開。どれも面白い。2話完結くらいでアニメ化してほしい。
失われた過去と未来の犯罪Amazon書評・レビュー:失われた過去と未来の犯罪より
4041034698
No.9:
(5pt)

珠玉の思考実験

著者が織りなす舞台に翻弄され魅了され続ける一冊。
ある日突然人類が記憶を保持できなくなる、という設定から始まり、前半はパニックに手探りで対処する人々の姿を描き、後半は状況に対処した人類がその上で直面する難題を描きます。
非常に面白い一冊でした。

ここまでの世界を構築できたのは、「人格は記憶にのみ依存し、脳そのものには依存しない」という仮定を採用した作者の判断によるものでしょう。
妥協とも言える割り切りですが、それゆえに、記憶装置を入れ替えた時に何が起きるかがシミュレート可能になったように思えます。
そして、次はその仮定を超えた世界を見てみたいと思ったりもしたのでした。
失われた過去と未来の犯罪Amazon書評・レビュー:失われた過去と未来の犯罪より
4041034698
No.8:
(3pt)

アイデアはすごい。

記憶が短時間で消えてしまう現象が全世界で発生し、外部記憶装置なしでは生きられなくなった人類のお話。SFミステリです。
色々な時代の多くの人の話が短編のように細切れに出てきます。それが最後になんとなくそれぞれの繋がりがあって…ということなのでしょうが、繋がるまでいろいろな人の短い話が出てきては終わりの繰り返し…で、正直しんどかったです。
ただこういう突拍子もない世界を描き出すのは凄いアイデアだと思いますし、そもそも自分とは一体何なのか、記憶が人格になるのか…という禅問答みたいのは楽しかったです。
失われた過去と未来の犯罪Amazon書評・レビュー:失われた過去と未来の犯罪より
4041034698
No.7:
(3pt)

まさにタイトル通り

※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります

突如,記憶を保てなくなった人類という,唐突で突飛な一つの世界設定を中心に,
『世にも奇妙な物語』のようなエピソードを重ね,肉体と記憶,魂の関係をはじめ,
人格,そして自分とは,他人とはと,その奥底にあるのは,考え始めたら止まらない,
終わりのない答え探しが繰り返されるSFであり,ブラックな喜劇と悲劇という印象です.

また,記憶の回部保存や,引き起こされる騒動は,少しありきたりにも映りますが,
混乱しつつも理解はしやすく,作中で触れられた以上の犯罪の可能性まで浮かぶなど,
記憶が失われる世界での人と罪について,まさにタイトル通りの一冊と腑に落ちました.

反面,事の起こりの第一部と,中心となるその未来が描かれる二部構成なのですが,
第一部が少し長すぎるようで,そちらのやり取りに序盤から引き込まれたこともあり,
当時の大混乱や記憶装置の登場など,第一部の世界観で読んでみたかったのも確かです.
失われた過去と未来の犯罪Amazon書評・レビュー:失われた過去と未来の犯罪より
4041034698



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