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失われた過去と未来の犯罪



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失われた過去と未来の犯罪の評価: 7.00/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

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No.1:
(8pt)

失われた過去と未来の犯罪の感想

全人類が記憶障害になり、長期記憶が出来ない世界になった話。
非常に面白かったです。あまり経験のない新しい読書体験でした。

序盤は斬新な災害もの小説としての混乱が描かれます。
突然記憶が保てなくなる世界。何かおかしいと感じても、その感覚すら忘れてしまう。また、全人類が同時に記憶障害になると、そのおかしさを指摘できる者もいなくなる。災害小説としての斬新な発想と、そうなった世界では何が起きるかのシミュレーションとしてのリアルさを感じました。

中盤からは記憶が保てなくなった世界。長期記憶を補う為に、脳と外部記憶メモリを繋げた未来が描かれます。人間の記憶が外部メモリ化された世界では、どのような問題が発生するのか。また違法な犯罪が行われるのか。短編集のようにいくつかのパターンの物語が描かれます。これらも総じて面白い。個人的には、SFやミステリというより人間の心は何処にあるのか?という哲学を感じました。肉体と記憶が分離できる場合、人の死とは何なのか、肉体が滅んだ時?記憶メモリが破壊された時?と言った具合に考えさせられます。

著者の本は少し読み辛く苦手なイメージがあったのですが、本書は扱うテーマが難解ではあるものの設定や世界観が分りやすいので読みやすかったです。

egut
T4OQ1KM0

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