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玩具修理者/酔歩する男
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玩具修理者/酔歩する男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全120件 81~100 5/6ページ
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小林泰三先生の本は基本的にすべて読んでいますが、 個人的に酔歩する男が最高傑作だと思っています。 表題作の玩具修理者ももちろん面白いんですが、 酔歩する男の恐怖は新しい恐怖でした。 登場人物は基本的に3人で3人だけで世界が完結している恐怖です。 ホラー好きでなくても楽しめる作品ですのでぜひお手に取ってみてください。 きっとお気に入りの本になると思います。 | ||||
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本書を読了後、私は虚脱感から立ち上がることができなかった。 「玩具修理者」でジャブをくらい、「酔歩する男」でストレートを打ち抜かれたのだ。 「玩具修理者」は、スプラッターホラーのグロさと日本的ホラーの不気味さを合わせた様なストーリーに目を奪われる。ただグロいだけではなく、緻密なストーリー展開に最後まで目が離させない。 しかし、これほどの作品が恐怖の序章に過ぎなかったとは… 「酔歩する男」の恐怖は、痛み、不気味さをはるかに凌駕する。 ネタばれになってしまうので、あまり深くは触れないが、人間にとって時間の概念がいかに大切かを改めて実感した。 マラソンはスポーツの中で一番きついスポーツだと言われている。 しかし、誰もが参加している「人生」はゴールが見えない為、途中で苦悩し、見えない未来に懊悩する。そのきつさはゴールが見えているマラソンよりよほど大きなものである。だが、その苦悩もいつかは死が訪れるという救い(?)から、ある人は夢を見、またある人は毎日をただ消化し、その苦しみから逃れることができる。 この最後の救いがないということがどれだけの恐怖か。 積み上げていくことも消化していくこともできないということはどれだけの絶望か。 通常のホラー作品では「死」の恐怖を展開していくが、この作品では「生」の恐怖を展開している。 改めて、そのパンチ力の強さに打ちのめされた。 | ||||
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酔歩する男が本当にすごいです。 これがきっかけで小林泰三さんの作品を買うようになりました。でもこれと並ぶ話はなかなかありません。 是非読んで見てください。 でも酔いに注意 | ||||
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「酔歩する男」は個人的には、小林泰三の最高傑作だと思っています。 「玩具修理者」はオマケです。 | ||||
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玩具修理者も面白かったけど、こっちも違った面白さがある。 タイムトラベル物はありふれていると思うけど、これは確かにホラー寄りのものだった。永遠に時間を行ったり来たりで彷徨うという状態の途方も無い残酷さが伝わる。認め観測した時点で世界が決定するというようなことを『波動関数の収束、発散』という言葉で表している部分が面白い。過去や未来の改変は波動関数の発散、逆に自己が認めて決定されるのが収束という具合に。この話の流れでいくとどうしても、主観の中の世界という考え方をしないと意味が通らない。自然、それぞれ個々人の世界があって、それらが可能性の枝分かれをしているようなイメージを受けた。 自分というものの主観時間を維持しながら世界の時間間のみを移動できるタイムトラベルは、一つの一貫した時間感覚を持っている自我が可能性によって枝分かれした無数の世界のある一地点に突然ワープするといった状態を想像させる。そこに過去、未来改変といった要素を含めると辻褄が合わなくなる。例えば今から三日後にとんだとして、それまでの三日間の欠落が一貫した自分の歩んだ点としての人生だったなら、周りの状況的にもちぐはぐなものになっていると思う。枝分かれした可能性の世界に於ける無数の自分の自我をその時々でハッキングしている状態という方が正しいのかもしれない。 とにかく、訳わかんなくても面白いから良し。 | ||||
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正直、気が狂うかと思いました。 それほどまでに物語の世界は完成されており、無機質で、蟲惑的で、恐怖のどん底に突き落とされます。 自分のように精神病を患っているor精神的に不安定な方は自己責任のもとで 本書を読まれるとよいかと思われます。 表題作である『玩具修理者』ですが 唐突にはじまる男女2人の会話から女の独白、驚愕と自己崩壊のラストまで 一瞬たりとも興味を逸らさせない作りで、女の語り口が恐さのレベルを数段跳ね上げています。 とても淡々とした口調なくせに不気味さを少しも隠そうしない女の話は どこかとり憑かれたように、淡白で氷のように冷え切っています。 また、真相に迫るにつれ、聞き手は緊張と期待と不安で心臓が押し潰されるでしょう。 ラスト以降、男女の関係はどうなってしまうのか、、 そして『酔歩する男』は永遠の苦しみを味わうことを義務づけられた男の話です。 永遠に決定されない現在に絶望し雄たけびをあげ、迷宮に迷い込んだ老人は 果たして、いつまで正気を保っていられるのか。 家庭、仕事場、人間関係‥人間とは切っても切り離せないものに価値を見出せなくなると それは拷問なんて言葉では言い表せないほどの嘆きを味わうことでしょう。 人は弱いから頭が壊れてしまう前に因果律という安全装置をつくったという一文に 深く感心し、また因果関係から孤立した老人の行く末は明るいものにはならない『現実』が 舌なめずりしながら、老人の周りを取り囲むように陣取っている想像をしてしまいました。 話を聞かされた主人公が気が狂いながらも必死に回りと闘ったのにラスト1行が残酷です。 これもまた、観測してしまった現在の一つなんでしょうね。 2編とも読者を置いてけぼりにするかの如くグングン話は展開されていきますが、 現状把握に徹し、内容をしっかり読めばきちんと理解できます。 SFやらグロが苦手な人でも一読の価値あり。傑作です。 | ||||
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玩具修理者は★4 映画を先に見たのだが、映画より本の方が面白い。文章が上手いから。雰囲気が出てる、腹話術・・のくだりなんかもいい。オカルトではなく女の作り話ととらえることも出来る。名作 酔歩する男は★2、5 設定も文体も良い。最初の方は面白かったが、途中から意味不明、基○外の脳内という感じ。上手くまとめれば名作になっただろうけど、まとめきれてない。作品として成立していない。 | ||||
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数年前に読んで、再読してみました。 「玩具修理者」と「酔歩する男」の2編が入ってます。 表題作の「玩具修理者」は 大衆向けのホラーとでもいうべきでしょうか。 壊れた玩具を修理してくれる男の元に 死んでしまった弟を持ち込み、修理してもらう。 この修理していく過程が、グロテスクです。 オチの台詞が、ゾッとします。 2作目の「酔歩する男」は、短編というには長く中篇です。 こちらの方は、小林ワールド炸裂で かなり強いインパクトが有ります。 簡単に言うと、タイムトラベラー話で”終わりの無い世界” どんな恐怖よりも、怖いです。 ただ、独特の世界なので 好き嫌いがハッキリと分かれると思いますね。 どこかで読んだ世界観…だとデ・ジャブを感じて 途中で「目を擦る女」だと気づきました。 このSFチックで、摩訶不思議な世界は ハマる人にはハマる世界。 しかし、よくもこんな不思議な着眼点があるものかと 感嘆させられます。 よくわからないところもありましたが、難解な部分がさておいて エンタメ度的には及第点なんじゃないかな…と思います。 | ||||
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怖い、怖い、恐ろしい。 量子力学やら波動関数やら中二心をくすぐるハードなSFこそ、真なるホラーだと痛感しました。 現実にありそうでなさそうで、あるかもと思わせるヤスミンの文体は、読者の安心を木っ端微塵にしてしまう。 うううん、恐ろしい。 | ||||
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表題作である「玩具修理者」は小気味良いテンポで楽しく読める。 妙に理屈っぽい会話の応酬も小林泰三氏の特色なのでしょう。 グロテスクなホラーでありながら所々笑えますし、オチで心地よい恐怖を感じそのままレジへ。 「酔歩する男」は家でゆったりと寛ぎながら読みましたが、個人的にはこちらの方が好きです。 特に、導入部の不可解な会話は読者を間もなく混乱させることでしょう。 主人公と同様、「こいつはいったい何を言っているんだ?」と理解できずに相手の正気を疑ってしまいます。 ただことによっては、本当に何の説明もされないまま物語を終わらせることもあろうかと少々警戒していましたが、全ての謎が明かされると共に導入部の会話の意味が理解できるようになります。 終盤ではちょっと理解に苦しむ場面もあるのですが、自分が混乱してるのか作者が混乱してるのか、いや、そもそも登場人物が狂気に塗れているのですからそこら辺はあまり気にしないでも物語に差し障りはないでしょう。 ラストの畳み掛けるような主人公の混乱は読んでいる者の現実すら揺さぶります。 読後は暫く前後不覚に陥り”酩酊する恐怖”を味わいました。 | ||||
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2編が収められているが、 タイトル作は、いい。 だが、飛び過ぎていて慄くような冷たさを求めていたので ちょっと期待はずれ・・・。かな。 | ||||
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評価がかなり高いので買ってみました。 玩具修理者も酔歩する男も、なんか無理やり感が強くて、 考えながらじゃないと飲み込めませんでした。 すいすいと心に入ってくるような恐怖感を味わいたかったのですが、 なかなかこの本に入りこめず・・・; 先が気になる展開でもなく・・・; ただ坦々と最大の山場がどこなのかもわからないまま… 好みじゃなかっただけの話なのでしょうが、薄い本ながらに読みきるのには一苦労。 かなり好みが別れるかと思います。 酔歩する男の方が長いので、酔歩の最初3ページ位読んで見てから買うか決めるべし。 | ||||
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ここでのレビューが良かったので期待しましたが、若干実力不足を感じた。 「玩具修理者」は40ページくらいで非常にあっさりした作品。 異様な雰囲気は面白かったけど、拙い文章に途中で白けてしまった。 「酔歩する男」はタイムトラベルもの。 こういう切り口はあまり無かったかもしれない。 途中の物理理論のくだりが冗長に感じたが、最後のオチまでなかなか楽しめた。 総じてアイデアは面白いが、全体的には凡作という印象。 | ||||
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表題作の「玩具修理者」も悪くないですが、「酔歩する男」が最高です。 「自分ってほんとうは何者なんだろう」という気持ちがじわじわ湧いてきます。 例えば人間は一年経てば細胞が完全に入れ替わる、という話があります。 髪の毛や爪が生え変わった自分は自分といえるのか、など、そういう感覚を思い出させてくれます。 永遠に続く時間のなかで、どの瞬間が自分らしくあり、どの世代が自分と乖離したのか、 それは誰にも解らないし、自分ですら解らないと思います。 信じられないほど膨大な時間を経て、絶望と希望を同時に感じながら、 その記憶を持つ自分は昨日の自分とどう違うのか。登場人物が抱く疑問は、そのまま私たちの疑問になります。 「玩具修理者」のファンタジー性に気を抜いていたら、「酔歩する男」で打ちのめされる構造。 是非一度読んで貰いたい作品。そして不安定になって欲しいです。 | ||||
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ホラー小説としての評価が高かったので購入しました。 ネタバレになるので詳細については触れませんが、 描写・設定が不自然(途中で遭った近所のおばさんの言動、成長の変化に気がつかない親など)、 何でもありの修理(その部品でなぜ治るのかについて説得力が皆無)、 取ってつけたようなラスト(意外性を狙ったんでしょうが…)。 正直、読んでいて失笑する部分のほうが多かったですね。 「ホラー小説だから突拍子もない設定や効果があってもいいだろ?」という考えなのかもしれませんが、 そういう考えは、逆にホラー小説の社会的地位を貶めるだけだと思います。 ホラー小説とは言え、読者をうならせるような説得力や理論が必要。 そういった説得力や理論が本作では皆無でした。 同じ角川のホラー小説のなかには 『墓地を見下ろす家』 『リング』 『黒い家』 『天使の囀り』 『ワタシnoイエ』 など良作がたくさんあります。 それらの作品と比べると一段も二段も劣る駄作としかいいようがないです。 | ||||
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内容はともかく、あまりにも文章が稚拙すぎる。まるで入試英文の和訳のよう。 玩具修理者は短編なので我慢して読んだが、もう一篇は読み通すのに耐えられそうになかったので数ページであきらめた。 この本を買おうとしている人は、立ち読みで少し読んでから、文体が自分に合うかどうか確かめた方がいいでしょう。 | ||||
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表題の「玩具修理者」は散々書かれているので省略します。 個人的にはあまり感じるものはありませんでした。 そして「酔歩する男」。 これには、ただただ震えた。何度も何度も読み返しました。 それから約9年、この時味わった眩暈が欲しくて 似たような題材の本を読み漁りましたが、 残念ながらまだ酔歩するに至っていません。 個人的にはこちらにホラー小説大賞をあげたい。 傑作です。 | ||||
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レビューの方が書かれているほど『玩具修理者』はグロくなく,またそれほど『酔歩する男』は難解ではありません。 ちょっと拍子抜けしました 『玩具修理者』はコメディっぽく感じました…(怖さはあまり感じずむしろ笑えます(笑)) 『酔歩する男』はそこまで難しくありません 「シュレディンガーの猫」が分からないというひとがいましたが山口雅也の『奇遇』を読んでいれば普通に理解できます(むしろあっちはかなり難しいです。)あれぐらいの難しさを期待していました…とはいったものの,きちんと理解するためには何回か再読する必要があります 設定は面白いので読む価値はあります(値段も普通の文庫本より安いです) | ||||
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まず玩具修理者は、いかにも短編チックな作品。二人の会話と回想を通じて徐々に高まる 興奮と悪寒。ラストの衝撃も大きい。 だがもう一つの作品。酔歩する男が素晴らしい。もう途中で唸りまくりだったよ。 あっちへ、こっちへ時間を行き来する眩暈のような感覚と、絶対に終わらすことのできない 恐怖ってのをまざまざと感じさせてくれる。終われない・・・発狂するしかない。いや発狂しても終われない・・・ | ||||
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個人的な感想として、2話ともホラーという感じはしませんでした。 不思議という感じ。 奇妙というか。 「玩具修理者」は何の話しをしているんだろうという感じが。 最後まで真相が読めずまさに道雄状態。 でも魅力を感じました。なぜだろう。 「酔歩する男」の方が筋が通っているというか、意味は理解できました。 ただやはりトリップしてますけど。 1回読んだだけでは全て理解できたわけではないけど、もやもやが残るわけでもなし。 不思議におもしろかったです。 あと表紙、商品画像では目玉のイラストですが、今回購入したものは変更されていました。 お人形さんが修理されたところでしょうか。 | ||||
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