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特捜部Q Pからのメッセージ
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【この小説が収録されている参考書籍】
特捜部Q Pからのメッセージの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 21~40 2/3ページ
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と言ってはいけないような雰囲気なのですが、今回の作品では子供を誘拐しては 身代金を奪取し、あろうことか誘拐した子供を殺める悪魔のような犯人を特捜部が追うことになります。 「44」の犯人は殺めることが目的だったのに対して、本作では偏った宗教上の解釈と金です。 その違いから、異常性、残酷性は控えめでしたね。 また、本作では魅力的な登場人物達の本性が少し顕在化していきます。 でもね、サイドストーリーがてんこ盛りなので、評価が別れると思いますねえ。 ボトルのメッセージの解明と犯人の追跡がメインストーリーなのですが、 一点集中的にお話が進捗していく訳ではないので、「ちょっと散漫かな?」と 感じる方も多くいるでしょう。そして涙を誘う結末、ラストでチョンボして窮地に陥る カールとアサド、もパターン化しているような嫌いもあります。 その点が★4になった事情なのですが、ファンにとっては数々の賞を受賞した本作は必読ですね。 Qシリーズは鬱屈して息が詰まる閉塞感や絶望感、暴力性、残虐性と言った面が控え目で、 少々コミカルでT・スミス作品の浮かばれない後読感とは決定的に違う点で、 ファンはそこに惹かれるんでしょうね。 人生の先達ならではの懐の深さ、優しさやナイーブさではユッシさんの方が私のマインドにはフィットします。 見た目は物凄く怖いけどね(ー_ー;) ヾ(ーー )コレコレ | ||||
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最初に「檻の中の女」を読みその面白さに脱帽!そして、3作目のこちらが評判が高いのでこれを先に読み、次に2作目の「キジ殺し」を読みました。結果、この「Pからのメッセージ」が今のところ一番面白かったです! プロローグで、Pからのボトルメッセージが投げ込まれたところから、もう目が離せません。たった一つのボトルメッセージがいくつもの事件を解決に導くなんて奇跡ですね。まあ、こんな話は「Q」のようなオモシロおかしい架空の物語の中でしかないことでしょうけれど。 私は今流行りの北欧ミステリが苦手なんですけど、この特捜部Qシリーズだけはハマりました!なんといっても、カールとアサドの珍コンビのやりとりが楽しい。キジ殺しをとばして、先にこちらを読んでしまったので、ローセの登場を見逃していたので、いきなりユアサの登場から入ったのですが、いや~ビックリしました(笑)。これもまたQですね。 特捜部Qシリーズ、おすすめです。1作目からでもいいし、シリーズ最高傑作のこちらから入ってもいいかなと、個人的には思います。 | ||||
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特捜部Qは相変わらずおもしろい。 今回は宗教に因んだ事件で、事件そのものは毎回陰惨なのだけど、マーク、アサド、ユアサほかそれぞれの登場人物の背景が所々描写されていて、私としてはそれもある意味ミステリーの一種で、ストーリーに味わいを与えていて読み進めるのがとても楽しみ。 回を追うごとに3人の関係がどう変化していくのかも興味をそそる。 少しの希望を持たせる終わり方も良かった。 | ||||
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スコットランド最北端の町、ジョン・オーグローツの巡査部長は、トロール漁船の甲板員から紙切れの入った瓶を渡された。網を引き上げた時に紛れ込んでいたのだ。ただその瓶は直ぐに調査されたわけではなく、長い間、留め置かれた。やがて廻り回ってデンマークの特捜部Qの所に辿り着く。 紙切れの中味は血文字で助けてと書かれているので捜査していくのだが、同時並行の類似性のある犯罪と時間差が有るので、最初は戸惑うが、やがてこれが連続誘拐事件の端緒となる。お馴染みのコンビと前回から登場したローセが活躍するかと思いきや、その双子の姉(?)・ユアサの登場で、複雑怪奇で一筋縄でいかないこのシリーズをより興味深くさせている。 一つひとつのシチュエーションが妙な具合に絡まり合い、サスペンスフルで面白く、予想出来ない怒涛の展開は、特に、後半かなりのページ数があるので安心出来ず、冷や冷やものである。誘拐された子供たちは救えるのか、そして勿論、悪党は追いつめられるのか。この2点に収斂していくラストは読みごたえたっぷりで、読書の醍醐味を堪能させてくれるお手本になっている。 | ||||
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派手なスケールの大きいミステリーと言うと、どうしてもアメリカ的になってしまうけど、 北欧のイメージをそのまま維持しつつ、読ませるのは文書の良さからだろうか。 毎回の発想が楽しみなシリーズです | ||||
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商品に問題なく包装も丁寧でした。類似の本に比べて新刊価格と中古価格の差が小さいのは、人気のシリーズだからだと思いますので価格にも不満はありません。 | ||||
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シリーズものなので全部読みたくなりました。メインの登場人物、3人の警官が最高に変人でそれぞれ応援?したくなります。主人公が過去の事件に関して、怪しい奴かもと思わせられるんですが、本当はどうなんでしょう。 | ||||
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まだ、読み終わっていないが、期待していた通りのないよう内容で満足している。 ミステリ-ファンの皆さんに読んでいただきたい一冊です | ||||
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『檻の中の女』と『キジ殺し』を面白く読んだので今作も楽しみにしていた。 誘拐された少年が瓶に入れて流したSOSのメッセージ。年月を経て読むのが難しくなった手紙を解読していくQのメンバー、という設定は素晴らしい。この設定から生まれるドラマを想像するだけで涙腺が緩みそうになるほど。 それだけに全体を読んだあと、描写が過剰ゆえの物足りなさが際立つというか、もったいない感がハンパじゃなかった。ローセの衝撃の秘密とか、犯人の継父が出てくるくだりなんか絶対いらんでしょう。あと犯人の父親と誘拐された子供の父親が、二人ともちょうどのタイミングで心臓発作で死ぬというのは都合が良過ぎる。こういう描写は作品を安っぽくしてしまう。 登場人物の一人一人を丁寧に描写するあまり、肝心の事件捜査の描写がコマ切れになっているのも残念。作者が時空を移動させるたびに、こちらは感情が盛り上がったりしぼんだりの繰り返しでフラストレーションが溜まる。こんなに話を膨らませずシンプルな筋立てにした方が設定が生きたのでは。 そもそも犯人と彼の犯行にリアリティーが無い。恨みという情動に突き動かされ殺人を犯す犯罪と、用意周到に準備を重ね計算ずくで金を盗る犯罪はまったく違う。欲望に突き動かされたシリアルキラーは存在する。金目当ての誘拐犯も存在する。だが大金と殺人の両方を目的に行動するシリアルキラー誘拐犯は聞いたことがない。こんなスーパー犯罪者なんて、度が過ぎていて存在が嘘臭い。 ラストもよくわからない。同情すべき点はあるけど、人格に問題がある金の亡者として描かれていたイーヴァ。彼女に優しいラストにする理由はなに?イーヴァより、一行でもいいから亡くなった大勢の子供たちに触れて欲しかった。 | ||||
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1作目と似たようなといえば,いえなくもないのですが, 特捜部Qが未解決事件を対象にしているのでパターン化するのは仕方ありません. それでも,グイグイと引っ張っていく展開はうまいです. まあ正直言って,アサドとの会話だけ読めれば,もうどんな話でも良いです. 主役はアサドです. | ||||
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コペンハーゲン警察内「特捜部Q」。主人公カール警部補と助手アサドがともに手がけるのは「未解決事件」の山。 第一作「檻の中の女」では女性議員失踪事件。第二作「キジ殺し」ではセレブ階級の闇をあばいて公私ともに疲労困憊しているカール警部補の唯一のなぐさめはカウンセラー、モーナ・イプスン。 このシリーズはカール周辺の人々のおこすサブストーリーが実に面白いのだ。 シリア人アサドには謎が多く、文化の違いによる日常生活でドタバタがおきるし、カールのアシスタント、ローセも自己中な女で本作では姉のユアサが登場。彼女もとんでもない女性でオフィスをピンク1色で飾りたてカールの頭は爆発寸前のところへ別居中の妻が帰ってくるは、アサドが謎の老人と密談しているところを見てしまうはで疲労感一杯の状態である。 しかしメインストーリーはいつものように衝撃的なプロローグで幕を開ける。 少年はボート小屋の中で手足を革紐で後ろ手に縛られ、口には粘着テープを貼られたまま3日間放置されているのだ。助けを求めるために手首に木片を突き刺し紙に血で手紙を書く。最後の署名をすると瓶の首にそれを詰め込んだ。 <瓶は放たれた。> 長い時間をかけてその瓶が流れついたのはスコットランド。中には血で書かれた手紙が入っていた。が、書かれた言語はアイスランド語のようだ。時はめぐり手紙は「特捜部Q」のもとへたどりつく。はっきりと読める字は「助けて」と「P」だけだった。 本作の事件は宗教がらみに見事なひねりを加えたプロットで進行していく。 「彼」は幼いころ<現実の厳しい視線と厳しい言葉から逃れ>ながら<退屈な現実と親の不当な要求を克服>しなければならず<彼と妹の暮らしの中で笑う者はいない>生活を強いられて育った。そしてついに重い事故が起き「彼」は<すべてに報復すること>を決意する。 その知的で冷血な「彼」がとった方法とは? いくつもの事件があったと予想されるのに何故一度も告発されていないのか。それは<故意に閉鎖的な環境で行われた>からではないのか。 13年前の事件と現代の事件が重なり合ったとき、特捜部Qのメンバーたちは怒涛のごとく「彼」を追いつめていく。この終盤は三作中最もサスペンスあふれる追跡劇が展開され劇的なエンディングは警察小説として最高の読後感を読者にあたえてくれる。傑作。 <彼はどれほど多くの人に苦しみを与えてきたのだろう。そして誰が、あの男を止められるのだろう。> | ||||
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特捜部Qシリーズ3作目。「ガラスの鍵」受賞作。 2作目の『〜キジ殺し』が1作目の『〜檻の中の女』に比べると、いくらか物足りない、という印象を受けていたが、この3作目は1作目に劣らず、非常に濃密な作品だったと思う。1作目は個人に向けられた悪意だったが、こちらはむしろ社会全体に対する悪意で、どちらもものすごい質量の悪意と、それを実現していくための周到さとを備えた犯人、という読んでいて非常に疲れるような作品だと思う。賞を受賞するというのもよくわかる作品だった。 | ||||
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シリーズ三作目で基本的なストーリーの構図は変わらず、冷酷かつサイコパスのような犯罪を繰り返す犯人をカールを初めとする特捜部Qが追いつめていくもの。 今回は子だくさんの新興宗教信者家庭から子供を2人誘拐するパターンを繰り返す犯人を追いつめていくことになる。 前作のキジ殺しでは、犯人のキャラ造形はよかったが、アサドなどの特捜部Qメンバーがあまり生き生きしていなかったのが不満だった。 本作では登場人物のキャラ造形がすばらしく、アサドの奇人ぶりと隠された過去が垣間見えだしたり、前回は脇役でちょっとしか登場しなかったローセも活躍しているし、犯人や被害者の描きこみも十分でストーリーに重みを与えている。 ガラスの鍵賞(北欧のミステリー賞)を受賞したのもうなづける出来栄えであり、2012年のミステリーランキング入りは間違いないと思う。 | ||||
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特捜部Q 『檻の中の女』『キジ殺し』そしてこの『Pからのメッセージ』 いずれも相当なボリュームだが、ページを繰る手を止めさせない極めて良質なエンターテイメント警察?小説だ。 “手を止めさせない”理由はいくつもあるが、 まず、 ・いずれもサイコパスと呼べる犯人の人物造形や犯行に至る背景がしっかりと描かれていること→やはり犯人がどうしようもなく卑劣ではあるもののある意味魅力的でないとカタルシスが得られません。 ・絶体絶命のタイムリミットが絶妙に設定されていること→ハラハラドキドキ大事です。 ・ハラハラドキドキの中にも主人公カールと助手アサドやローセとの軽妙な会話やカールの胸中のつぶやきなど(下品なものも多いが)上質なユーモアあるいは社会風刺がちりばめられていること ・(主人公を取り巻く様々な人物との)複数の魅力的なサイドストーリーが絶妙に挿入されていること→アサドの正体は?ハーディーは治る?モーナやヴェガとどうなる?etc.etc. そして何よりも、救い様のない犯罪を描きつつも、(警察官のみならず)正義に向けて必死に戦う人たちがいて、ちゃんと(表現が古いが…)「勧善懲悪」で終わるところが良い。 そしてこの『Pからのメッセージ』では、誘拐された子供の両親(特に母親)の大活躍や犯人の妻とその恋人の奮闘等メインのストーリーに厚みがあり、 また、アサドやローセ(ユアサ)の活躍もますます板につき、サイドストーリーも従来作以上に充実しており、3作目にして確実に面白さが増していると言えよう。 この手のものでいえば、ここ数年で読んでいる中では、ジェフリー・ディーヴァーの「リンカーン・ライム」シリーズが出色だったが、 “ライム”の推理が当たり過ぎ、私的には若干魅力が薄れてきつつある。今後はこの「特捜部Q」シリーズに大いに期待していきたい。 | ||||
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買って読んで損はありません 一気に読んでしまいました 偶然から関係することになったボトル入りの手紙 手紙を追ううちに判明する、恐ろしい連続誘拐殺人事件 夫の行動に疑問を持つ妻 人妻を心から愛する男 出会った男に不信を持つ女 誘拐された子供のために行動する忌まわしい過去を持つ女 他の事件も絡めながらとてもよく構成されています ただ、毎回同じことを言っているのですが 主人公は家庭に恵まれない(シリアスでないところが救い) 主人公は心に傷を負っている (シリーズの柱にしたいのでしょうか?少し謎を持たせています) 犯人は少年時代に心に傷を負っている この設定はやめてほしい ミステリーの王道ワンパターンで感情移入はとてもできません また、ドラマ化映画化を意識したかのような 二重人格の疑いのある女性部下 行動に疑問があるアラブ系の部下 この設定はいくらなんでもだめでしょう 舞台は一応警察なんですから とはいえ、一気に読ませる本でした 順序は逆になりますが、シリーズ前2作も買いました それだけ良かったということです | ||||
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コペンハーゲン警察の地下で過去からの未解決の難事件を専門に扱うたった3人の新部署「特捜部Q」の粘り強い活躍を描くデンマーク・ミステリーの人気シリーズ絶好調の第3弾です。本書は分量的にもヴォリューム満点の長さで内容的にも抜群に面白い多くの方が押す著者の最高傑作であるのは間違いありませんが、でもこのシリーズはどれを取っても当たりはずれのない素晴らしい出来栄えの傑作揃いですので、3作の中でどれが一番のお気に入りかは読者それぞれの思い入れの強さや好みの問題で分かれるだろうと思います。 特捜部Qを率いるカール警部補が今回任された事件は長い時間を掛けてスコットランドの海辺に流れ着いたボトルメールの謎だった。しかしカールは最初から子供の悪戯ではないかと考えて気乗り薄で、担当外の最近多発している連続放火事件の方に関心が向いてしまう。だが冒頭に「助けて」と書かれた謎の書き手「P」からの判読が困難なメッセージに部下のアサドとローセの2人は強い関心を示して真剣に取り組む。やがてカールの態度に憤慨して出て行ったローセの代役でやって来た双子の姉のユアサが更に手紙の解読を進めた事でようやくカールも事件の重大性に気づき本気モードに突入するのだった。 本書を読んで気づいたのは今回のサイコパスの犯人像が今年読んだポケミスの「アイ・コレクター」にとても良く似ているなという点でした。勿論ぴったり同じではありませんし、それぞれに犯人が心を病む原因となる事情が異なっていて、どちらも悲惨な話ではありますが迫真の心理描写で説得力があり誠に見事だと思います。でもこのシリーズ全てに言える事で普通のサイコキラー物との決定的な違いが今回わかりました。それは犯人が世間から身を隠してひっそりと悪事を為しているという事実で、派手ではなく地味ですがその事がミステリーとしての確かなリアリティーを生んでいると思えます。結論として本シリーズの成功の理由は最初からほとんど犯人の正体を明かしながらも読み手に少しも不満を感じさせない徹底したドキュメント・ノベルの手法にあるのだと思います。本書でも幼時から厳格な牧師の父に虐待された為に宗教に恨みを抱いてサイコパスと化し歪んだ心で復讐を繰り返す犯人の異常心理が生々しく実感出来ますし、そんな狡猾な犯人に対し全く力が及ばないながらも懸命に耐えて抵抗する3人の女性達の闘志も強く印象に残りました。さて、そんな息詰まる展開のメイン・ストーリーの合間に繋ぎで語られるレギュラー陣を巡るエピソードが楽しく心が安らいでホッとさせてくれます。労働環境監督署の査察員が因縁をつけるアスベスト問題、何やら不審な行動を繰り返しその理由を一切明かさない秘密主義の奇人アサド、ローセとユアサの双子の姉妹の秘密はやっぱり・・・・でもカールとアサドは動揺せずに彼女を信じて温かく見守りますね、カールが今も時折発作に苦しめられるアマ島での襲撃事件の真相は謎のままで、全身不随の元相棒ハーディの全快と事件解決の日は果たして来るのか?カールと別居中の妻ヴィガが再びよりを戻したがる気持ちになった後にやっぱり取った行動、ヴィガの母を老人ホームに見舞ったカールが彼女に調子を聞いた時の思わず赤面する驚くべき答、心理カウンセラーの美人女医モーナと至福の一夜を過ごしたカールが翌朝すっかり消耗しあまりにも幸せ過ぎて腑抜けと化す顛末、等々です。私はこれら喜怒哀楽それぞれの感情の流れが最終的にほとんど全て著者一流のしみじみとしたペーソスに向かって描かれている様に思われ、本書では特にラストの幼い男の子を巡る実母と一時の母の二人の女の揺れる思いを綴ったシーンが鮮やかに心に刻まれました。最後に今回も大詰めの犯人とのボーリング場での駆け引きやボート小屋での対決シーンは大迫力の読み所で、カールにとっては卓越した能力でそういったクライマックスまで導いてくれる部下のアサドとローセ&ユアサは今やなくてはならない存在なのですから、どんなに奇矯でもひたすら彼らの人間性を信じてまた新たな事件解決に向けて前進して欲しいと願っています。 | ||||
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設定は、さらに、荒唐無稽、おまけに、やっぱり、グロテスク。ふと、思うに、ヴァランダーも大枠この方向だし、ミレニアムは、将に、こっち方面だったような。北欧は、少々、グロ趣味が濃いんだろか?。それと、悪役は、若き頃の、クーンツが描いたものを、なんとなく、匂わせるような感触。 ということで、聊か、下手物っぽいのに、兎も角、読ませてくれる。なんだか、面白い。全体に流れる、妙な緊張感か、それとも、みょうちきりんな、主人公たちの、奇矯な行動か?、何かに、引っ張られてしまう。冷静に考えると、ストーリも、謎も、無いに等しい位、お粗末と言えるし、事件の残虐さと、主人公たちの能天気振りが、相当アンバランスなのだけど、なにやら、面白い・・・感じがする。 脳天気といっても、正義感とか、倫理観とかが、まともというより、尋常ならぬ強さと謂う所が、このシリーズの面白みだろか?。脇役二人の、異常性は、現実感乏しいが、主人公含む、この3人は、個々、異様な過去のトラウマに、突き動かされているというような設定なんだろか・・・?。また、次を読まねば、脇役たちの過去がわからん・・・。 | ||||
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一気に読んでしまいました。前作はちょっと期待はずれでしたが、今回は文句なしに面白かったです。 宗教問題が絡んでくるのですが、本書で初めて知ったことも多く驚きでした。 アサドとローセのこれからにも興味津々です。 | ||||
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カールとアサドのコンビにローセ(今回ユアサ)を加えたチームのキャラが立ってきた! 比較的短い期間で翻訳→発売されているので,シリーズものの醍醐味である登場人物のイメージがどんどんわいてくる。 ストーリーに直接は関係ない枝葉の部分も読み飛ばせない,本巻だけに納まらない伏線があるような気がして気がして,じっくりと時間をかけて 大切に読みたくなってくる。 この本からではなく,できればシリーズ第1号から丁寧に読んでほしい。ストーリーもさることながらキャラのイメージを育てつつ。 | ||||
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何年も前に海から流れ着いたボトル・メッセーシが回りまわって特捜部の手元に...そしてそれが発端となって、今暴き出される、 過去に私憤を募らせた犯人が引き起こす宗教絡みの誘拐殺人事件。この狡猾な犯人追い詰めのメイン・ストーリーが、スピーディーで疾走感一杯で 読みだしたら止められなくなる面白さで、シリーズ一番の出来と言わざるを得まい。 これに何時もの特捜部の面々の複雑な私生活の裏表がチラチラ醸し出され=これがなかなかハッキリしないんで、<はやく次回作を読ませてくれ> と懇願したくなってしまう。 どうやら格闘技の達人らしいが、突然イラク出身の刑事と殴り合い、偽の(?)父親とスカイプするアサドの真の姿は? ユアサとローセ姉妹の真の関係は? カールが撃たれ、同僚アンカーが死亡し、ハーディが半身不随に陥った事件の真相は? カールの新しいカウンセラーの握る真実は? これらは、多分シリーズ最終作で明らかにされるのだろうが、待ちどうしいような、出来るだけ先に延してほしいような、 複雑な心境。 | ||||
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