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特捜部Q Pからのメッセージ
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【この小説が収録されている参考書籍】
特捜部Q Pからのメッセージの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全42件 1~20 1/3ページ
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主人公の警部補たちの視点と、犯人側の視点、その双方から交互に物語を紡いでゆくのが本シリーズに共通した構成であるようだ。今回の犯人はキリスト教系の新興宗教の信者の家族のうち兄弟姉妹の多い家を選び、常に子供二人を誘拐して身代金を手に入れることを繰り返してきた人物。誘拐した子供の一人がボトルメールを流し、それが回り回って主人公の許へと辿り着くというのが発端だ。しかし手紙は損傷していて読み取れる文字は少ない。それゆえいかにして文字を読み取るか、ということが当面の主題となる一方、犯人は新たな「仕事」に取りかかる。果たして主人公カールは現在進行形の誘拐を解決できるのか、物語の焦点は最終的にそこへと至る。面白さの詰め込まれた570ページ。 | ||||
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このシリーズは本当に面白い。筋の展開もさることながら、事件の背景が印象深い。これは宗教2世の話で、親の宗教の押し付けのせいで嫌になった人間が、他の新宗教の子ども達を誘拐して金を奪って殺人を犯すなんてまるで旧統一教会の話を思い浮かべてしまう。新宗教を利用した政治家の暗殺を図る方向に行かなかっただけだ。この様な事件が起こるかもしれない。 | ||||
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シリーズをランダムに読んでいるので、ときどき前の話を知らないとわからないところが出てくる。「ユアサ」については後続作品でローセが「ユアサを呼ぶよ」と脅かすシーンがあるので、何かと思っていた。こういうことだったんだな。基本的にどれから読んでもさしつかえないが、アサドの過去・ローセの生い立ち・釘打ち事件の真相、なんかが共通の縦軸として小出しにされるので、できれば時系列に読むのが望ましい。 このシリーズでは、被害に遭うべきではない人が理不尽に殺されたり、傷つけられたりすることが多く、本作も例外ではない。しかし、最低限の勧善懲悪と救いも準備されている。本作もラスト1行の救いが大きかった。 | ||||
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今回も大満足!!前回キジ殺しを読んで驚愕!!ドラマで観ていたのと大違い(カールが暗すぎる)。原作ではカール、アサド、モーセのキャラがキラキラと輝いて、チームなのにバラバラ、でも肝心な時は身体を張って飛び込む。世界にはカルトに蝕まれている家族が、どれだけいるのかと思うと、言葉がなくなりますが・・次は、Pからのメッセージをドラマで検証します。 | ||||
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結論から言うと面白いです。 ただ、伏線を回収しきれていなかったり、モヤモヤが残る部分は多いです。 それとシリーズ既刊3冊まで読みましたが、主人公含め登場人物全般に好感が持てる 人物が少ないというのが、このシリーズの最大の欠点だと感じます。 特に主人公は、人柄が良いわけでも捜査能力が高いわけでもないので、 一体なんのためにいるのかと思う時が多々あります。 | ||||
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映画から入りましたが、今では小説にハマっています。 | ||||
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第三作だ。今回は十数年前に書かれた壜の中の手紙が発端となる。 劣化して読みづらい手紙は、切実に助けを求める内容だった。 アサドとローセは、渋るカールを説き伏せて捜査を続ける。やがて重大な犯罪の輪郭が明らかになる。 特捜部の活動と、田舎の主婦の生活が交互に語られる。主婦は謎の多い夫に隠れて若い愛人と逢瀬を重ねている。この状況がのちに大きな意味を持つ。 物語は一直線で、最後まで一気に読める。 じっくりディテールを書き込んであるが、ほかの北欧ミステリと違って重苦しくない。 どこかドライでコミカルなのだ。だから素直に楽しめる。 下巻からはある男の成育歴や現在の行動を追う。息苦しくなるほどの陰惨さだ。 子供が誘拐されて殺されても、警察に通報しない家庭(集団)がある。 にわかに信じがたい話だが、状況を考えると充分にありうる。過去に日本でも存在した。 もちろんフィクションだから事実ではないが、やっぱり宗教はロクなものじゃないな。 現実の生活に不幸をもたらすなら、神や来世以前の問題だろう。ああ、不信心でよかった。 作者の小説には「閉鎖された空間で苦しむ」シーンが多い。本作のそれは、極限である。 自分がこんな目に会ったら?想像するのも嫌だ。 中盤と後半に壮絶な活劇が用意されていて、ストレスを一気に吹き飛ばしてくれる。 特に終盤100ページのサスペンスは特筆ものだ。 たいへん楽しませてもらった。ところで、放火はまったくの別件だったのか。 | ||||
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上巻終盤に来て盛り上がってきます。 ぜひ読んでみてください。 | ||||
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狡猾な犯人に対して、主人公はじめ警察側の人間だけでなく犠牲者側の人間が複数立ち向かって死に物狂いの終盤を迎える。 ぜひ読んでみてください。 | ||||
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良かった。やっぱりラクダの話がいい。 三人の個性的なキャラが1番 | ||||
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さまざまな危機が描かれます。 数年前の誘拐事件の被害者の危機、現在の誘拐事件の被害者の危機、誘拐された子供の親の危機、犯人の家族の危機、などがおもなところでしょうか。 どの危機も、たやすく解消されません。 読みながら、 「早く助けてあげればいいのに」 と、じりじりしますが、 「ひひひひ、そう簡単に助けてたまるものか」 という著者のあざ笑う声が聞こえてくるようです。 この著者はサディストに違いないと思いました。 そうでなかったら、こんなに登場人物を痛めつけられないんじゃないでしょうか。 サスペンスたっぷりの、お勧めの一冊です。 | ||||
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pとは殺された子供からの必死のSOSの手紙なのだが、読んでいる間にあの殺された子供のメッセージは犯人が書いたとしても不思議ではない、神を信じていると言いながら悪魔のような大人たちに酷い仕打ちをされている世界の子供たちからのSOSだという、最近の映画で言うと「スピリット」みたいに犯罪者と被害者が同一の心の傷を持っているという一筋縄では言い表せない物語だとわかって、正直この犯人を単純に悪だとは断定できず、今作の主人公たちはなんか世界に鈍感な良識はあるが根本的な悪を解決できないダメな大人たちに見えて、だから犯人に共感してしまう読者がけっこうたくさんいるのではないか。実際もしPが生き残っていたら、どうなっていただろう、最後に主人公に助けられた子供はこれからどうなるのだろうと余計な心配をしてしまう。この犯人をサイコパスだと単純に片づけたら犯人の神の信者の振りをした悪魔のような親たちと同じになってしまう。 | ||||
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上巻で評者が探偵した(ローサ=ユアサ)ことがネールが剥がれたところを、カールとアサドが見て判明した。 カールとアサドも驚くが、阿吽の呼吸でその秘密を共有するとにした。 著者のポートレートを、カバー裏表紙で見ると、バイキングの末裔だと誰でも想像することができるだろう。 このご面相からこのような繊細なデティールを生みだすことが不思議な気がする(顔で小説を書くわけではないのだが・・・)。 これだけ愉快なローサ=ユアサなど(些末なことかもしれないが)事件とは関係ないところで読者を楽しませるエンタテーナーなのである。 ボトルメッセージなどという「ありえないぞ!」というようなテーマなのだが、とにかく読者の肝を掴むストーリー展開には脱帽するしかない。 堂場瞬一氏もこのシリーズの魅力は「混沌」だと思う。様々な警察小説を混ぜこんで独自の味付けをし、強引に読ませてしまう筆力、おそるべし。 と、巻末の解説で書いていたが、そのとうりだと思いながら本書『特捜部Q-Pからのメッセージ』下巻を読み終えた。 本書では、フーダニットもののように犯人探しをする楽しみなど皆無(犯人の行動も逐一描写しているから)なのだが、登場する人物たちを並列で描写する絶妙なタイミングなどは、堂場氏の「強引に読ませてしまう」筆力のたまものであることは間違いないだろう。 アサドの出自の謎、ローサとユアサの不思議、カールと部下が銃撃された事件の謎などを明かすことなく、この第三作目を終えている。 次作も読ませようとする著者ユッシ・エーズラ・オールスンの軍門に下るしかないのかな? | ||||
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ユッシ・エーズラ・オールスンの第一作『特捜部Q―檻の中の女』第二作『特捜部Q―キジ殺し』と読み終え、第三作の『特捜部Q―Pからのメッセージ』を入手し読むことにした。 第二作があまり面白くなかったので第三作に期待して読みはじめた。 デンマークのコペンハーゲン警察の地下の「特捜部Q」は、過去の未解決事件を再捜査する部署である。 第三作「Pからのメッセージ」は、スコットランドの漁船の網から発見されたボトルメッセージ(瓶のなかからSOSの手紙)と放火が疑われる焼跡から謎の焼死体が見つかり、火災保険詐欺を疑う事件を捜査するというモジュラー形式で始まる。 評者は、少し前に、ニーチェが著した『アンチクリスト』を、読んだことから、この物語がキリスト教の狂信的な家族から生まれたサイコパスの犯罪であり、ニーチェがキリスト教を徹底的に糾弾していたことを納得しながら読み進んでしまったのです。 親分のカールとアシスタントのアサド、そして変わり者のローサが始める謎解きは遅々として進まない。 判読不明のボトルメッセージの解読に心ここにあらずと没頭するローサ。 カールが他の仕事をローサに命じたら気分を害して職場放棄してしまった。 翌日ローサの代役として現れたのが、ローサの双子の姉妹のユアサ。 このユアサがローサを超える変わりものであるが、なかなか有能なところもある。 どうもユアサ=ローサ?じゃ~ないかな~、と探偵しながら下巻を読み進んだのですが・・・。 事件などの先行きは、おおよそ想像できるが、ジグソーパズルのピースを著者がどのように埋めてゆくかというのを楽しめるのが、この特捜部Qの真骨頂なのである。 特捜部Qの3人をとりまく個性あふれる人物などももちろん欠かせない魅力となっている。 本作でもアサドの出自は、相変わらず謎のまま、著者の手管に読者は嵌められながら読み進むことになる。 第二作で少しがっかりしたが、第三作でオールスン氏が復調したようなので安堵しながら『特捜部Q―Pからのメッセージ』上巻を面白く読み終えました。 | ||||
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デンマークという馴染みのない国の様子がうかがい知れて興味深い。普通の人でも過去に過酷な経験をしていたり軍隊経験があるのが、やっぱり違うなぁ、と思わせられる。 ローズの秘密が最後まで気になった。 | ||||
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特捜部シリーズは結構読んでて楽しく読んでます。次が楽しみです。 | ||||
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コペンハーゲン警察の地下で過去からの未解決の難事件を専門に扱うたった3人の新部署「特捜部Q」の粘り強い活躍を描くデンマーク・ミステリーの人気シリーズ絶好調の第3弾です。本書は分量的にもヴォリューム満点の長さで内容的にも抜群に面白い多くの方が押す著者の最高傑作であるのは間違いありませんが、でもこのシリーズはどれを取っても当たりはずれのない素晴らしい出来栄えの傑作揃いですので、3作の中でどれが一番のお気に入りかは読者それぞれの思い入れの強さや好みの問題で分かれるだろうと思います。 特捜部Qを率いるカール警部補が今回任された事件は長い時間を掛けてスコットランドの海辺に流れ着いたボトルメールの謎だった。しかしカールは最初から子供の悪戯ではないかと考えて気乗り薄で、担当外の最近多発している連続放火事件の方に関心が向いてしまう。だが冒頭に「助けて」と書かれた謎の書き手「P」からの判読が困難なメッセージに部下のアサドとローセの2人は強い関心を示して真剣に取り組む。やがてカールの態度に憤慨して出て行ったローセの代役でやって来た双子の姉のユアサが更に手紙の解読を進めた事でようやくカールも事件の重大性に気づき本気モードに突入するのだった。 本書を読んで気づいたのは今回のサイコパスの犯人像が今年読んだポケミスの「アイ・コレクター」にとても良く似ているなという点でした。勿論ぴったり同じではありませんし、それぞれに犯人が心を病む原因となる事情が異なっていて、どちらも悲惨な話ではありますが迫真の心理描写で説得力があり誠に見事だと思います。でもこのシリーズ全てに言える事で普通のサイコキラー物との決定的な違いが今回わかりました。それは犯人が世間から身を隠してひっそりと悪事を為しているという事実で、派手ではなく地味ですがその事がミステリーとしての確かなリアリティーを生んでいると思えます。結論として本シリーズの成功の理由は最初からほとんど犯人の正体を明かしながらも読み手に少しも不満を感じさせない徹底したドキュメント・ノベルの手法にあるのだと思います。本書でも幼時から厳格な牧師の父に虐待された為に宗教に恨みを抱いてサイコパスと化し歪んだ心で復讐を繰り返す犯人の異常心理が生々しく実感出来ますし、そんな狡猾な犯人に対し全く力が及ばないながらも懸命に耐えて抵抗する3人の女性達の闘志も強く印象に残りました。さて、そんな息詰まる展開のメイン・ストーリーの合間に繋ぎで語られるレギュラー陣を巡るエピソードが楽しく心が安らいでホッとさせてくれます。労働環境監督署の査察員が因縁をつけるアスベスト問題、何やら不審な行動を繰り返しその理由を一切明かさない秘密主義の奇人アサド、ローセとユアサの双子の姉妹の秘密はやっぱり・・・・でもカールとアサドは動揺せずに彼女を信じて温かく見守りますね、カールが今も時折発作に苦しめられるアマ島での襲撃事件の真相は謎のままで、全身不随の元相棒ハーディの全快と事件解決の日は果たして来るのか?カールと別居中の妻ヴィガが再びよりを戻したがる気持ちになった後にやっぱり取った行動、ヴィガの母を老人ホームに見舞ったカールが彼女に調子を聞いた時の思わず赤面する驚くべき答、心理カウンセラーの美人女医モーナと至福の一夜を過ごしたカールが翌朝すっかり消耗しあまりにも幸せ過ぎて腑抜けと化す顛末、等々です。私はこれら喜怒哀楽それぞれの感情の流れが最終的にほとんど全て著者一流のしみじみとしたペーソスに向かって描かれている様に思われ、本書では特にラストの幼い男の子を巡る実母と一時の母の二人の女の揺れる思いを綴ったシーンが鮮やかに心に刻まれました。最後に今回も大詰めの犯人とのボーリング場での駆け引きやボート小屋での対決シーンは大迫力の読み所で、カールにとっては卓越した能力でそういったクライマックスまで導いてくれる部下のアサドとローセ&ユアサは今やなくてはならない存在なのですから、どんなに奇矯でもひたすら彼らの人間性を信じてまた新たな事件解決に向けて前進して欲しいと願っています。 | ||||
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コペンハーゲン警察の地下で過去からの未解決の難事件を専門に扱うたった3人の新部署「特捜部Q」の粘り強い活躍を描くデンマーク・ミステリーの人気シリーズ絶好調の第3弾です。本書は分量的にもヴォリューム満点の長さで内容的にも抜群に面白い多くの方が押す著者の最高傑作であるのは間違いありませんが、でもこのシリーズはどれを取っても当たりはずれのない素晴らしい出来栄えの傑作揃いですので、3作の中でどれが一番のお気に入りかは読者それぞれの思い入れの強さや好みの問題で分かれるだろうと思います。 特捜部Qを率いるカール警部補が今回任された事件は長い時間を掛けてスコットランドの海辺に流れ着いたボトルメールの謎だった。しかしカールは最初から子供の悪戯ではないかと考えて気乗り薄で、担当外の最近多発している連続放火事件の方に関心が向いてしまう。だが冒頭に「助けて」と書かれた謎の書き手「P」からの判読が困難なメッセージに部下のアサドとローセの2人は強い関心を示して真剣に取り組む。やがてカールの態度に憤慨して出て行ったローセの代役でやって来た双子の姉のユアサが更に手紙の解読を進めた事でようやくカールも事件の重大性に気づき本気モードに突入するのだった。 本書を読んで気づいたのは今回のサイコパスの犯人像が今年読んだポケミスの「アイ・コレクター」にとても良く似ているなという点でした。勿論ぴったり同じではありませんし、それぞれに犯人が心を病む原因となる事情が異なっていて、どちらも悲惨な話ではありますが迫真の心理描写で説得力があり誠に見事だと思います。でもこのシリーズ全てに言える事で普通のサイコキラー物との決定的な違いが今回わかりました。それは犯人が世間から身を隠してひっそりと悪事を為しているという事実で、派手ではなく地味ですがその事がミステリーとしての確かなリアリティーを生んでいると思えます。結論として本シリーズの成功の理由は最初からほとんど犯人の正体を明かしながらも読み手に少しも不満を感じさせない徹底したドキュメント・ノベルの手法にあるのだと思います。本書でも幼時から厳格な牧師の父に虐待された為に宗教に恨みを抱いてサイコパスと化し歪んだ心で復讐を繰り返す犯人の異常心理が生々しく実感出来ますし、そんな狡猾な犯人に対し全く力が及ばないながらも懸命に耐えて抵抗する3人の女性達の闘志も強く印象に残りました。さて、そんな息詰まる展開のメイン・ストーリーの合間に繋ぎで語られるレギュラー陣を巡るエピソードが楽しく心が安らいでホッとさせてくれます。労働環境監督署の査察員が因縁をつけるアスベスト問題、何やら不審な行動を繰り返しその理由を一切明かさない秘密主義の奇人アサド、ローセとユアサの双子の姉妹の秘密はやっぱり・・・・でもカールとアサドは動揺せずに彼女を信じて温かく見守りますね、カールが今も時折発作に苦しめられるアマ島での襲撃事件の真相は謎のままで、全身不随の元相棒ハーディの全快と事件解決の日は果たして来るのか?カールと別居中の妻ヴィガが再びよりを戻したがる気持ちになった後にやっぱり取った行動、ヴィガの母を老人ホームに見舞ったカールが彼女に調子を聞いた時の思わず赤面する驚くべき答、心理カウンセラーの美人女医モーナと至福の一夜を過ごしたカールが翌朝すっかり消耗しあまりにも幸せ過ぎて腑抜けと化す顛末、等々です。私はこれら喜怒哀楽それぞれの感情の流れが最終的にほとんど全て著者一流のしみじみとしたペーソスに向かって描かれている様に思われ、本書では特にラストの幼い男の子を巡る実母と一時の母の二人の女の揺れる思いを綴ったシーンが鮮やかに心に刻まれました。最後に今回も大詰めの犯人とのボーリング場での駆け引きやボート小屋での対決シーンは大迫力の読み所で、カールにとっては卓越した能力でそういったクライマックスまで導いてくれる部下のアサドとローセ&ユアサは今やなくてはならない存在なのですから、どんなに奇矯でもひたすら彼らの人間性を信じてまた新たな事件解決に向けて前進して欲しいと願っています。 | ||||
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シリーズ3作目です。全部で10作になるらしい。 登場人物の背景がミステリアスで、これらは少しずつ明かされるのだろうけど、単品のエピソードもだんだん面白くなる。 北欧ミステリー 恐るべし といった感じです。 | ||||
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どんどんよく鳴るホッケの太鼓♪忘れさられ文面も消え失せたボトルメールにたったひとつ残されたhelpの文字!カールの無関心を他所に興味を持って取り組もうとするアシスタント達、同時進行していく隠された犯罪…犯罪者の企みと被害者の抵抗、やがて捜査線上に浮かび上がった犯行の影…“ガラスの鍵賞”受賞の本作は期待どうりの最高級のミステリーでした。 | ||||
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