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旅のラゴス
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旅のラゴスの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全264件 241~260 13/14ページ
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面白くて、通勤電車の中や昼休みなどに、寸分を惜しむようにして、一気に読んでしまった。 読後、しばらくたって、ふとこの本のことを思い出した。自分はこの本を読んでいる間、自宅(新宿区)と職場(港区)の間を往復していただけなのだけれど、なんだか長い間とても遠くに旅をしていたような不思議な感覚がした。 | ||||
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旅というのは、人生に役立つ何かを得ることができると同時に、何かを 捨てなければならないものでもある。いろいろな人たちとの出会いと別れ、 さまざまな体験を繰り返すラゴス。そんなラゴスの旅で特に印象に残ったのは、 ボロ村でのできごとだった。ドームの中でひたすら本を読むラゴス。そんな 彼にアドバイスを求める村人たち。ドームの中のラゴス自身は何も変わらない のに、ドームの外の村は急速に変化していく。「人間とはこういうものなのだ。」 作者の声が聞こえてくるような気がした。 求めていたもの。30年たっても変わらず求めていたもの。それが分かったとき、 ラゴスは再び旅に出る。求めているものは得られたのだろうか?笑顔で旅を 終えることができますようにと、願わずにはいられない。人は誰でも、人生という 道を歩く旅人なのかもしれない。この作品を読んでそんなことを感じた。 | ||||
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遥か昔に、異星(恐らく火星)から高度な文明を持ってやって来た祖先が、時が経つに連れ文明を失う代償として、人類が転移、予知などの特殊能力を身に付けた時代を背景に、ひたすら旅を続ける「ラゴス」の姿を描いた作品。「ラゴス」がナイジェリアにあるアフリカ第二の都市名である事と、乾いた文体から舞台はアフリカ北西部と想像される。 ラゴスの旅の一応の目的は、祖先が降り立ったという"キチ"という南の村で祖先が残した書籍を読む事である。"キチ"は宇宙"基地"の意であろう。しかし、キチに辿り付くまでの過程を読むと、旅そのものが宿命とも言える。壁抜け芸人の悲哀。怪鳥と大蛇の町。ラゴスを愛する女達との非情とも言える別れ。銀山での奴隷生活。全ての人に愛着を持たれながらも、ラゴスは南を目指すのである。そして愛馬スカシウマとの友愛は詩情さえ感じさせる。元々北の都市部で教育を受けたラゴスが書籍で得た高度な知識を活かす事によって、キチの村は栄え王国になるが、ラゴスは現代人がその高度な知識を用いる事の危険性を感じる。逆進化論者の筒井としては格好の題材の筈だが、物語はあくまで静かに進行する。そしてラゴスはキチを去り、また旅に出る...。 出逢いと別離、そして再会。略奪賊と友好的村人。現実と甘酸っぱい回顧。旅の最中でのこうした感情・状況が構成力豊かに描かれる。特に、スカシウマとラゴスが同化して谷を飛ぶシーンは美しく、ここで終っても良かった。故郷に戻ったラゴスはダ・ヴィンチよろしく万能学者として活躍するが、時代のレベルを忘れない。技術先行の現代への警鐘と言える。「人生そのものが旅である」。"氷の女王"を目指して、ラゴスはまた旅に出る...。詩情とロマンに溢れた秀作。 | ||||
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大崎梢の「平台がおまちかね」で、「出版社営業マンが選ぶ10冊の文庫」に入っていたので久しぶりに手にした筒井康隆。 筒井康隆は昔、何冊も読んでいたが、こんな作風があったとは。 前半、時間の関係で途切れ途切れに読んだせいで、若干入り込めなかった。後半は一気読みしたので、ぐんぐん引き込まれた。ううむ、最初から腰を据えて読むべきだった。 ここでの皆さんのレビューを読んで大後悔。 次回は初めから一気読みしようと思う。 SFの要素をふんだんにちりばめつつ、壮大なファンタジーと、そして旅とは何か、人生とは何かを考えさせられる作品だった。 知性にあふれ、モラルもあり、醜い欲も無く、 いつも旅を求めて遠くを見ている、かっこよすぎるぞ、ラゴス。 きっとラゴスは今も終わり無き旅を続けているのだろう。 | ||||
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とてもきれいなお話。1年に1回は読みたくなります。読み終わった後、さわやかな気分になりたい人にお勧め。 | ||||
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一人の男の壮大な旅を描いた物語。 あるいは題名に則せば、旅をするラゴスを描いた作品と言ったほうが適切かもしれません。 世界観、人物、展開どれをとっても秀逸で、ラゴスの生き様に瞬く間に引き込まれていきました。 読後に「読んでよかったなぁ」と思える数少ない作品の一つです。 SF的な設定は簡潔であるため、SFに抵抗がある方や、SF初心者の方にもおすすめできる作品です。 | ||||
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世界1000万部の大ベストセラーといわれるパウロ・コエーリョの『アルケミスト』と似たような不思議な雰囲気を漂わせた名作。 どちらも主人公が愛する人を心残りに思いながらも旅をし続けて歳を重ねていくという点で非常に似通っているのだが、 『アルケミスト』がやや宗教的というかスピリチュアル的な要素が強いためやや説教じみた部分を感じるのに対して 『旅のラゴス』はややSF的であるが癖がなく読みやすい。 そして人生についてより深く考えさせられるのも『旅のラゴス』の方である。 ただ、もしご興味があれば『アルケミスト』と読み比べてみると面白いと思う。 | ||||
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「人生そのものが旅である」と書かれた文章に触れたりする事がある。 非常に漠然と抽象的なコピーだからいまいちイメージがつきにくい。 まだ年端も行かない子供に、若者に、そしてある程度人生を送ってきた年配者に、 具体的に人生とはどういったものかというヒントを与えてくれる1冊 と言っても良いのが本作である。 この作品を読了した最初の感想は「この作品が日本人作家によって 日本語で書かれたこと自体が奇跡である。」というものであった。 本作の性質から言って筒井の数多ある作品の中でも異彩を放っている点 については異論を挟まないであろう。 本作はSFファンタジーの世界を舞台にしているが ようは一人の男の青年時代から老年時代までの時間を それぞれ印象に残るエピソードを交えながら 淡々と冷静に書き連ねていく人生物語である。 頻繁ではないかもしれない。 しかし年に一度は手にとって読みたくなるような1冊。 「傑作」と言う意味を知りたければ本作を読めば分かるであろう。 | ||||
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久しぶりに,かなりよいと思える小説に出会った。筒井作品の中では異色と言われているが,全然よいと思う。地球によく似た,しかし異なる世界(時間的にはだいぶ未来だろう)を旅する主人公ラゴス。彼の求める「何か」を通して,他者との関わりと愛情,知識と実践,実社会から一歩引いたところにある内的な人生観に関する,著者の考察と思考実験が綴られてゆく。この小説は,一種のシミュレーションとも取ることができそうだ。ラストに「旅の答え」がはっきりと提示されるわけではないが,そのような終わり方をするのがもっとも効果的な物語の1つだと思った。 | ||||
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最高に面白かったです。旅先での出会い、別れ。そしてまた旅。読み終わった後、とても心地がよかったです。 私はザムラの話、ポロ村での話が一番好きです。 | ||||
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異世界の話、と聞くと「ファンタジーかよ、こどもっぺぇな」となりがちな私が「おお、すげぇ」と思った作品。 筒井氏の作品の中では異色な存在らしいが、それが少し残念だ。しかし、何作も続けて書いたとして大人を満足させられる質を維持できるようなジャンルでもないので、しかたないとも思う。 超能力だとか滅亡した高度文明だとか、いかにもな設定を設けながらも読ませるのは、そこに大人の思考や観察があるからだろう。馬鹿馬鹿しい話だと感じたページはなかった。 主人公がいとも簡単に年を重ねてしまうのが、切ない。一番の印象はこれ。 | ||||
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物語の世界は、超能力が存在するファンタジーのような世界。 主人公は、知識人であり常識人。 旅の最初は青年だったのが、どんどん年を取り、 それでも旅をつづける。 著者が考える理想の人生って、もしかしたらこんな感じなのかなあ、 と読んで思った。 | ||||
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10年に一度くらいこんな物語が読めれば読書生活も幸せざんすね。 | ||||
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何らかのことがあって文明を失った世界が舞台です。 主人公のラゴスは、豊かな北方都市から出て行って、辺境を旅をしています。 本作はそのラゴスの旅の軌跡を描いた連作小説です。 なんというか貴種流離たん的な作品で、筒井さんとは思えないほどしっとりした(笑)。 実はこの作品が筒井さんの中では一番好きです(というと筒井ファンは馬鹿にするかもw) ちょっとファンタジー小説ぽい?ラゴスは最初からこの世界では、高度な知識を持つ人間として描かれていますが、ある出来事により、この時代においては到底考えられないような知識と見識を持つようになります。 このあたり、未来にタイムスリップした主人公が先のことまで知っている(『リプレイ』とかそういう一連の物を思い出してほしい)という感じに。 ラゴスの旅自体がヴィルドゥングスロマンとしてかなり素晴らしいです。 彼の成長がひしひしと伝わってきます。ラゴスの旅が人生の象徴そのままであるかのような作品でした。 筒井康隆の意外な変化球ということで。 | ||||
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筒井康隆、おもしろいらしいから読みたいなと思いつつ、なかなか手を出せないでいた私ですが、この本はなんとなく「ジャケ買い(&タイトル買い)」してしまいました。美しい草原。 中空の地球儀。 乗馬したアラブ風の男。 なんかくすぐられるものがあります。読んでみたら大当たりでした。ラゴスという非常に理知的な人物の一代記。過去だか未来だかわからない不思議な世界観も魅力的。テーマは愛と知恵と旅、でしょうか。語り口は簡潔で直接的。読んでいて気持ちよくなります。ラストシーンもぐっときます。「これがツツイだと思うと間違うよ」というようなことをほかの方が書いておられますが、それを確認するためにも、少しずつ読んでいこうかと思います。ラゴスのように、計画的に。 | ||||
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ラゴスという男が、不思議な能力を持った人たちと出会ったり、危険な目に遭ったりしながら、世界を旅していく物語。 久しぶりに筒井康隆さんの作品を読んだのだけれど、どうしてもっと早く読まなかったんだろうと口惜しくなったくらい、これは素敵な作品でした。この謎はどういうことなんだろう? という、ミステリー風の味わいも感じました。殊に、以下の三つの謎に興味を引かれました。 ○ラゴスという男は、この世界では、一体どういう人間なのか。 ○ラゴスの旅には、何か目的があるのか。 ○ラゴスが旅する世界は、そもそもどういう世界なのか。ラゴスの冒険談がエピソード的に積み上げられていくなかで、上記の謎も明らかになっていきます。作品の副次的な要素ではありますが、この伏せられた謎の行方は、かなり気になりました。なんにせよ、清々しい風合いを感じた作品。ラゴスという男のキャラに、「旅に病んで夢は枯野をかけ廻(めぐ)る」と詠んだ芭蕉の姿が、ダブって見えました。人生を旅に明け暮れたラゴス。旅に憑かれたかのようなラゴス。 旅することの自由な息吹が、全編にわたって(特に、後半に行くほど生き生きと)いい風を吹かせていたところが、本当に素晴らしかった。さあ、スカシウマに乗って、あなたもラゴスの旅に出かけてみませんか? | ||||
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みなさんがレビューに書いている通り、私にとってもオールタイムベストの小説です。何度でも読み返したくなる珠玉の一冊です。おまけに文庫版に掲載されている、鏡明さんの解説がすばらしい。この解説もベストです。 | ||||
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「旅のラゴス」は筒井氏の作品の中でも異色な本と言えるでしょう。 かなり正当的なSF小説(筒井氏が書いたSFにしては、という意味で)で 筒井氏らしくないとも言えますが、間違いなく筒井氏の数ある作品の中でも 傑作と呼ぶにふさわしいものだと思います。筒井氏ファンの私ですが一番好きな小説はこの「旅のラゴス」です。筒井氏ファンの人達でこの小説が好きという人は多いと思います。 ファンではない方や筒井氏の作品はあまり好きじゃないという人達にも この小説は是非読んで欲しい。私にとって2.3年に一度無性にまた読みたくなる、そんな小説がこの 「旅のラゴス」です。この小説を読んでなにも感じる事がないという人はいないだろうという気持ちをこめて「旅のラゴス」を読んでみることをお勧めします。 | ||||
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私が高校生のときに読んだんですけど、本が嫌いでいままで読めなかった私にとっても、この作品は読みやすくて本当に感動した物でした。 まだ読んだ事ないひとにはとてもオススメです | ||||
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最初は謎解きのような話かと思ったが違った。なぜ、ザムラがラゴスと旅をしたかったのか、画家ザムラが一体誰の顔になったのか、ウンバロが壁から抜け出せたのか分からないまま旅が続いていく。まあ、人生ってそんなもの。たとえ旅程を同行した者の真意ですら分からないまま、どんどん先へと歩いていかざるを得ないものだ。分かるまで立ち止まろうとしたこともあるけれど、結局分からないままでも歩き出さなければならないのが人生の旅路だなあと、しみじみ思わせる。放蕩息子のようなモチーフがあるけど、パロディですらないような。男女問わず、不思議と好かれる奴。都会にも田舎にも奴隷生活でも順応して暮せる。筒井さんにとって、こうなりたいという人物なのかも。旅の果てに出会うドネルは、最初ヨーマのなれの果てかと思ったが、あるいはラゴスの影のような存在かもしれない。でも、ラゴスの旅はまだ続く。集団転移、おそらく地球からの移民だった先祖が残した宇宙船、スカシウマとの同化、ドラえもん的世界観とでもいおうか。目くるめく楽しさ。最高なのは、スカシウマとともに絶壁を飛び越えようとするところ。 | ||||
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