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春にして君を離れ
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春にして君を離れの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.48pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全221件 41~60 3/12ページ
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自分の中ではノルウェイの森に次ぐくらいのレベルの恋愛小説.この十年くらいで読んだ中では一番良かった作品かもしれない. 初めてのアガサ作品であったけれども,もっと早く読んでおけばよかった後悔するレベル.本当によかった. 砂漠で立ち往生することで時間ができて物思いにふけるが,これがジョーンにとって,おそろしい時間の始まりとなる.人は死なないが,自分の過去がミステリーとなって物語を展開させている.それまで考えないようにしてきたことが砂漠の太陽のもとでつぎつぎに明るみに出ていく. 最後にロドニーは選択を迫られる.これまでの自分の人生を,ロドニーとの関係を改めるのか.それともこれまで通り生きていくのか.ネタバレになるから書かないけど,人生ってそんなもんだよねって感じがしていいですね. 実際の人生も他人や自分が変わったとしても,誰も気づかないかもしれない.そのまま人生はただ過ぎていく. あのときああしていたら,何かが変わっていたのかもしれないという分岐点が誰にでもあるわけで,そういった未遂の選択の可能性で人生は満ちているよねっていう省察がうまく描かれている.著者が意図したものかは分からないが. 他のアガサ・クリスティー作品も読んでみよう. | ||||
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主人公ジョーンは中流階級の主婦です。夫は弁護士、三人の子供は成人して独立しました。ある日、バグダッドで暮らす末娘のお見舞いに行き、嵐が過ぎ去るまで砂漠地帯の鉄道宿泊所で待機することになります。悪天候、慣れない異国での一人になった不安、旅の疲れは彼女をネガティブな感情にさせていき…というのが大筋です。 今より遥かに体感時間の流れが遅かった時代、英国特有の身分制度、主婦特有の世間の狭さ、そういった悪い要素が絡み合って登場人物たちの内心がかなりエグイ作品に仕上がっているお話です。特にジェーンもロドニーも自己中で自身の考えこそが正しいと思う正義厨なので現代人が読むとかなり嫌な人間だと考えられます。 | ||||
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年季の入った本ですが、中村さんの翻訳が好きで、キルケゴールの一文を取り入れたあとがきも好きです。アガサクリスティ「ベツレヘムの星」読後、もう一度本書を読み直したく、購読。出来る事なら、この装丁翻訳のまま、活字だけ、現在の、老眼でも読み易いもので再販して下さらないかなぁ… | ||||
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はっきりそう言えるだろうか。 という問題提起が、 この小説のもっとも恐ろしいポイントだと思う。 ホラーやミステリといわれる作品を読んだり見たりしてきたがここまで現実に•読者の心に浸食する恐怖は他に無い。 年齢によっては理解できないだろうなぁ | ||||
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【本作品を選んだ理由】 アガサ・クリスティーは、言わずと知れたミステリの女王。今でも語り継がれる傑作ミステリが多数。 長年ミステリを読み続けている私が、最近気づいたのが、本作品の存在。 ネット上でも、絶賛の記事が多数あるけど、私は題名を聞いたこともなかった。 本作品は、別名義で発表されたものでミステリではない。 このため、ミステリのオススメ本のようなものには掲載されず、私の目に触れることがなかったのかもしれません。 でも、これだけ評価されているのだから、必読、と判断しました。 【率直な感想】 確かに、ミステリと称してはいないけれど、ミステリの要素は多分にあると感じました。 ミステリファンの間では、「最後の一撃」という言葉があります。 つまり、最後の数行に衝撃的なことが書かれていて、鮮やかな幕切れとなる手法です。 私の読んだ、Kindle版では、この最後の数行に、「144人がハイライト」とありました。 それだけ多くの人が、このラストに感銘を受けたということでしょう。 本作品の主人公の女性は、結婚して、海外で暮らす娘夫婦のもとを訪ねた帰りに、学生時代からの友人に出会う。 それをきっかけに、これまでの自分の人生を回想する彼女は、次第に、ある疑念を抱くこととなるが…。 この作品の肝は、「人間描写」だと思います。 人間の個性は、その心理状態にある。その人がどんな「心」を持っているか。それは、人間にとって大きな関心事。だから、多くの作家は、「人間描写」を丁寧に行い作品づくりをします。 ミステリの世界では、1920年代を中心に「黄金時代」と呼ばれ、いわゆる名探偵が大活躍し、数々の傑作が書かれ、それらは、今日では、古典的な名作と呼ばれたりします。 アガサ・クリスティーのミステリとしての傑作の数々もこの時期に書かれていています。 ただ、彼女ほど、現在でもその作品のほとんどが版を重ねて、世界中で読まれているミステリ作家はいないのではないか、と思います。 それは、いわゆるミステリファン以外の方々にも読まれているからだと思っています。 その要因として、彼女は、「人間描写」が巧みな作家だからだ、と本作品を読んで感じました。 日本にも、優れたミステリ作家がいますが、直木賞を受賞できるのはごくわずかです。 直木賞は、芥川賞と同時発表される文学賞の最高峰ですが、「文学」であるが故、「人間描写」が重視されます。 また、小説を読む方の多くは、「人間描写」に期待しています。 だから、どんなに優れたミステリ作家で、ミステリ・ランキングで上位ランクの作品を連発していても、「人間描写」が巧みでないと、直木賞を受賞することはありません。 そして、直木賞作品は、ミステリ作品でも、「人間描写」が優れていることで、ミステリファン以外の読者からも受け入れられ、ベストセラーになっていくのです。 これと同じことが、アガサ・クリスティーにも言えるのではないでしょうか。 確かに、初期の作品は、ミステリとして傑作だけど、こうした作品は、あまり「人間描写」が巧みではないので、これら諸作品だけで終わっていたら、ミステリファンだけの作家で終わり、ほとんどの作品が現代でも売れ続けるということにはならなかったと思います。 それが、名探偵ポワロが登場する作品も、後期の作品では、ポワロ以外の、他の登場人物の「人間描写」が巧みな作品が多くなっていきます。 【全体評価】 私としては、結論として、本作品は、「人間描写」の巧みなミステリ小説と感じました。 人間の心理描写に迫り、ある種、人間の本質である「人はどんな心を持っているのか」という「最大の謎」を解明していく、名作だと思いました。 同じテーマで、現代の作家が書いても成立する内容を、1944年という第二次世界大戦終戦間近の頃に書き上げていたことに、深く感銘し、高く評価します。 | ||||
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アガサさんの本の中で、実は最も恐ろしい物語なのかもしれない。 初めて読んだ時は半分も意味を理解していなかったけれど、それでも何かが怖かった。 大人になって何度も読み返し、その度にぞくぞくしたし、感情移入する対象が変わった。 訳もすごく上手なのだと思う。 この怖さが分からない人は、とても幸せな人かまたは・・・・ | ||||
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若い時に実家の母の本棚にあり読んで衝撃を受けた。 殺人ミステリーではないのに、ミステリーだった。 主人公の性格と私の母の性格が似ているところがあるので『この主人公、お母さんみたい』と言ったら怒られた。 最近日本で舞台劇になったとYouTubeで見て電子版で再読した。 初読の時は20歳過ぎだった私も成人したばかりの息子を持つアラフィフのおばさんになった。 母親としての私にもこの主人公の要素が沢山あった。 私の価値観で息子を操作しようとして反発を受けた事は数え切れない。 家族といえど、自分以外の人間は他者である。 自分の思う幸せと夫や子供それぞれの思う幸せは違う。 家庭を持つと、その線引きが難しくなる。 善意であっても相手への理解や共感がない事は、結局独りよがりの押し付けで相手を苦しめる結果になる。 『ほら、私の言ったとおりにしたから上手くいったでしょ』と私が進みたかった道を諦めて別の道に進んで苦しんでいた時に母に言われて『人って自分の見たいものしか見れないんだな』と思った。 この物語に共感する人は沢山いるのではないだろうか。 | ||||
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アガサ・クリスティーの代表作の一つ。 イギリスのある一人の婦人が、回想を通じて人生を振り返り、新たな気づきを見つけていく物語。 順風満帆に思われていた人生だが、他人を見下したり決めつけたりすることで自らを正当化し続け、実は自分自身が周りから疎まれる存在であったことに気づいていく。 時代も国も立場も、現代の我々とはかけ離れた存在でありながらも、読んでいて自身と重ね合わせてしまう部分が非常に多いと感じた。 回想を中心に描かれた物語であり、決して目まぐるしい展開があるわけではないながらも、読者にとって共感と気づきが得られる深い物語だった。 時代を越えて読み継がれる名作なだけあると感じた。 | ||||
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良き夫、子どもたちに恵まれた女性が、旅行先で自分自身を見つめ直し、自身の結婚生活の真実に気づく。 人も死なないし、ミステリーと言えるのかよくわからないが、こういうのもありかなと思った。ちゃんとどんでん返しがある。 テンポの良さはいつものアガサ・クリスティ。 変わり種だけど、なかなか良かった。 | ||||
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現代で言う「毒親」の主人公ジョーンが、世話を焼いていた家族から煙たがられていたことに気づくという話。 今ではこういった性格は育った環境によるという見方もあるため、夫のロドニーが指摘しない態度にスッキリしない人もいると思います。 自分の本性を自覚せずに人を傷つけていた主人公、それを明かさなかった家族、白黒つかない人間関係のミステリーということでしょうか。 ちょっと古い感じがしましたが、アガサに落ち度は無いので星5。 | ||||
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表題はシェイクスピアのソネットです。以下かなり意訳のうえに端折っていますが 春にして君を離れ…何物も私に夏を語らせることはできず…まだ冬のようだが、君はいない。私は君の影と遊ぶように、それらと遊ぶ。 と続きます。 裕福で優しい夫と三人の子供を持つ中年女性であるジョーンは、遠方で出産した末娘を見舞った帰り道で悪天候による足止めをくい、列車内でしばらくの間一人きりで過ごすことになります。 春にして家族を離れ、することもない車内で回想にふけるジョーン。やがて列車は動き出し、彼女は帰宅します。 私は…遊ぶ。ラスト数ページは圧巻です。 | ||||
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初めて読んだアガサクリスティがこれでいいのかという感じはしますが。 今でいう毒親とか、知的に問題のない自閉症とか、そういう人の頭の中がどんな感じになっているのかよくわかりますが、読んでいて疲れるし、まあ、かったるいよね | ||||
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すべての結婚している女性に読んでほしい。結婚生活の自分を見直すために。 | ||||
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キレイでした | ||||
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どこかのレビューで、この題名を見つけたのですが、クリスティの上質な推理小説を求めた人には不向きです。 女のグチグチした独り言が最後まで続きます。 善意で自信にあふれた良妻賢母が、旅行で鉄道を何日も待たされる間に、(もしかして私って毒親? 毒妻?)って内省するお話です。 結婚前、子育て前の女性は、一つの参考として読んでもいいかな。 でもさー、子育て終えた女からすれば、何でここまで母親のことを馬鹿にされなきゃならないの、ってとこはあります。 子どもに尽くし夫を支える妻、 農場経営したかった~って夢見る中年オヤジの夫、 才気煥発な長女、 おちゃらけた長男、 どこにでもいる軽率な次女 こういう家族構成で、三人の子供を立派に育て上げた主人公ですが、 実は夫の夢を破ったのではないか、娘の気持ちを踏みにじったのではないか 自分は自分のことしか愛してなかったのではないか、と反省する。 自分の結婚&子育て生活は、独りよがりなものだったのではないか、と。 主人公を心の中で「何もわかっていない女」「可哀そうな女」と馬鹿にする夫と子どもたち。 主人公は、いろいろと反省したが、イギリスに戻ればやはり、自己中心的な妻に戻ってしまう。 っていうストーリーですが、お前らこの母親無しだときちんとやっていかれんかったんやぞ、と思いました。 夫は秘めた恋を内心で振りかざして、その女を勇気ある人として敬慕を抱き、主人公を見下していますが、お前なんか農場経営してもどうせ貧乏暮らしで後悔してたんやぞ、としか思えん。 女性が頑張って家庭を支えているのに、男は独りよがりで本当に胸糞。 | ||||
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自分の理想が正しいと信じて止まず、家族や友人ら他人にも否応なしにその考えを押し付けようとするKYおばさんの話。 読んでる限り、長所は外見だけ。50歳を目前に控えた現在も、夫の目からは28歳に見える。 こんな他人の話を一切聞き入れず、自分の主張を貫き通すような人が配偶者や親だったら本当に大変で不幸になると思った。 これから結婚を控えている人には、戒めにしてもらいたい一冊です。 | ||||
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毒親と気づいていない毒親のストーリーです。 自分の母親と被ります。 孫が産まれたことさえ知らせてもらえない親。 所詮その程度の存在というか、母親が自分の子供に 与える影響から守るための手段だと思います。 大好きな作品です。 | ||||
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読みやすい だれでもひとりだねー なんも企画のかめんどくセー | ||||
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作品としては大きな出来事は何も無い。ここには謎もなく、静かな失望と変化の難しさがあるだけ。アガサ・クリスティーの作品の中で特に好きな作品です。 1人になり、自分の生活を省みる時、今まで自分が送ってきた満ち足りた生活は他人の犠牲の上に成り立っているのではないか。アガサ・クリスティーの繊細かつ的確な人物描写の光る傑作でした。 | ||||
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サスペンスではない夫婦の物語なのにこの上なくサスペンスフルな作品。一役買っているのが旅と砂漠で、こちらも私好みの要素です。クリスティファンならずとも虜になること請け合いの作品。表紙の写真にもグッときます! | ||||
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