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わたしを離さないで
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わたしを離さないでの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全714件 21~40 2/36ページ
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| 面白くなってくるまでが長すぎて(そしてそこまで面白くもない)脱落してしまう人が出てくる話だと思った。 この話の長さを3分の1に凝縮したらもっと評価上がるのに。 翻訳がまわりくどくて読みにくいせいか。 原文を読むともっと感想が変わってくるのかもしれない。 | ||||
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| この話は未来とか臓器とかを奪われる苦しみの話ではない気がする。ではどんな話か?それはトミー曰く提供人でなければわからないという。だがキャシーはトミーを失うことでそれを悟ったのだと思う。 提供人が俺たちと同じなのか? これはわからない。何故なら提供人の例えにモーニングデールという強化人間? のことが上げられたからだ。ホモ・サピエンスはネアンデルタールを駆逐した。それがモーングデールと人間の間に起きたと私は思っている。つまりこれは我々人間と同じ存在かどうか疑わしく、人権的前提で語ることが難しいことが示唆されてると思う。 展示会においてはそういった意味で絵と魂の問いがなされたのだろう。だが教師たちはそんなことは予想しておらず、恐らく子供達がこの世界で資本主義的な発明や発展に寄与できるなら救うべきではないか?という問いがあったかのように思う。しかしこの物語の人類は自身のエゴのためにそれを無視することに決めたようだ。そしてトミーはその構造に怒り狂った。しかし提供人は未来がないことを洗脳されて来た存在で、猶予の話も本気だったのかわからない。彼が何に怒り狂ったのか? それがわからないままでいる。 カズオイシグロは『ホモ・サピエンス』に優れた作品だと寄稿している。ホモ・サピエンスの中では人間は虚構に生きる存在だと言われている。よって猶予という虚構に踊らされた彼らは間違いなくモーニングデールではなく人間だったと定義できる。 トミーはだから明らかに(お客様扱い)人間扱いされてないことに昔から怒っていたのかもしれない。だがキャシーはトミーを失ったことに明らかに反応を示す。だが、それは愛する人を失ったからではないハズだ。彼女はそれ以前にすっぱりと別れを経験したのだから。 私の感想としてはキャシーが失ったものはヘーシャルムで育まれた仲間とか覆っていた世界像を奪われたことだと思う。マダムのように幸せだったヘーシャルムやトミー、ルーシーの記憶を抱いて『私を離さないで』と念じるがそれが帰ってこないというシーンに帰結すると思われる。そのシーンへの回帰だけを見るならこの作品は芸術的に昇華されているだろう。 つまりこの話は過去の約款とかモラルに囚われた人間の話だったのかもしれない。しかし言うほど過去の話だろうか?と言う気はする。何故ならこの世界では未だに約束事で成り立っている第三世界があるからだ。 とにかく私にとってはこの作品の提供人は自分の精神を超越しすぎて共感でき難いというのが実情である。もし私がキャシーだったら「残念だったね、ご愁傷様」といって本を閉じて、どこかの野原で歌いながら踊るキャシーの様に思いふけるぐらいしかできないだろう。そういう意味では私もキャシーの抱く過去に思いを馳せながらも彼女達の未来に思いを飛ばすことができない存在を共有できてるのかもしれないが。 | ||||
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| ノーベル賞受賞とのことでしたが、個人的にはイマイチハマらず読了しました。 | ||||
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| 世界初の哺乳類の体細胞クローン(複製)羊ドリーが誕生したのは1997年。残念ながら六歳のドリーは病気で安楽死させられたが、倫理上の問題をクリアすれば、次はヒトのクローンだと話題になったのを覚えている。 「スターウォーズ」などのSF映画にクローン人間がわんさか登場していて、とくに珍しくはなかった。純文学作家のカズオ・イシグロが、三部構成の本作で1990年代末のイギリスを舞台に、第一部第7章で登場人物たちの「将来の重大事」が「臓器提供」だと明かす作品に手を染めたことが驚きだった。 キャリア十ニ年目で現在31歳の介護人キャシー・Hと名乗る女性が、ふた昔前を回顧し「ヘールシャム」での思い出を語る。冒頭から謎に満ちた言葉「提供者」「回復センター」「保護官」「ヘールシャム」「販売会」「交換会」「展示館」などが飛び交い、ただならぬ雰囲気を漂わせる。 子供時代には甘酸っぱい思い出や思わず赤面したくなる出来事の一つや二つは、誰にでもある筈だ。仲良しのルース、ハナ、ローラたちと少女時代を過ごした施設「ヘールシャム」では、ヘマをして仲間の嫌がらせを受けていた癇癪もちの男の子トミーも同学年の一人だが、「毎週のように健康診断」が実施されていたのも変な話だ。 生徒の創作活動が奨励され、自作の絵や彫刻、焼き物、詩などを出品すれば、特典の交換切符で他生徒の展示物が買えたり、出品数が互いの評価に繋がるこの施設はどうも異様で奇妙に映る。「保護官」と呼ばれる先生方が生徒を恐れ、何か隠し事を苦にする様子も腑に落ちない。 「教わっているようで、実は教わっていない」実態を憂えたか、ルーシー先生は生徒たちの「無益な空想」を戒め、「決定済み」の将来の使命と真剣に向き合うように訴える。「あなた方に老年はありません」「みっともない人生にしない」で、と。 思春期から青年期に入り、卒業して「コテージ」に移ったキャシーとルースとトミーの関係も大きく変化する。「複製された存在」を自覚し「親」に当たる「ポシブル」を探したり、「前進し、成長し、ヘールシャムを乗り越えようと懸命に努力していた」ルース。タイトルさえうろ覚えの癖に、紛失した音楽テープを「イギリスのロストコーナー」ノーフォークで見付け出そうとしてくれたトミー。 再会できた親友二人との永遠の別離の痛手と「提供者」の[生の証]たる記憶という「宝物」を抱えて、Never Let Me Go. 耳朶にあの歌声が響くキャシーは、短い人生でも勤めを果たすべく歩みを止めない。 臓器提供を果たしたのちに死ぬ宿命のクローン(複製)人間たちの葛藤の物語から、真摯に生きるとはどういうことかを学び得た気がする。 | ||||
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| 映画を見てから原作を読んだ、どちらも秀作。 | ||||
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| 映画も良かった、本も良い 主人公のキャシーHは映画の方が綺麗で儚くて美しい 本の彼女は複雑で善人とまでも行かない 作者が推し描くキャシーは後者だろう 文体は簡潔で緻密、ストーリーは謎要素多くて面白い ハイレベルな純文学で完成度も相当に高い 訳文でこれだから原文はもっとだろう 訳は良かった、でも本の表紙はイマイチ、カセットテープかぁ?ってなる このレベルの作品なら装丁に凝ってほしい | ||||
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| 途中で、読むのを止め破棄。 | ||||
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| カズオ・イシグロの作品は初めて読みましたが、この作品は非常に優れています。 しかし、この作品がどう優れているのかを書こうとすると、どうしても重要な部分がネタバレになってしまうので、触れるのが難しいです。 後半に山場があります。それまで、細かい心理描写の掘り下げが続きますが、この心理描写はこの作品の場合、どうしても必要だと思います。作者はあえてこうしているのだと思います。 とにかく素晴らしい本なので、未読の方には、一読をお勧めします。 | ||||
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| 後を引く作品なのは間違いない。 でもテーマが好みではないので 評価が難しい。 | ||||
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| 前半は情報が少な過ぎだと思う。後半から終局に至る流れは圧倒的な出来。情報を出すタイミング、その順序、アイデアの豊富さ、全てが優れた傑作。期待を上回る面白さだった。 | ||||
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| 芸術には必ずある種の神話が含まれていると思います。それは小説にも当てはまるのではないかと思います。では、本作における神話とは何でしょうか?それは正義の神話だと思います。あなたはテレビでニュースを日々観ているかもしれません。そのニュースの中で例えば難民のニュースを観ることも少なくないと思いますが、難民であるということはどのような苦しみをもたらすのでしょうか?それは例えば、住み慣れた家から遠く離れた国へ逃れなければならないことを意味するでしょう。それによって、近しい隣人や友人、最悪の場合、家族とも離れ離れになるだけでなく、自分の故郷にあった言語、文化といった社会基盤を失うことによるアイデンティティの喪失を意味するのです。それによって逃れた国での差別や偏見だけでなく、難民であるがゆえに法律による権利も剥奪されるのです。このような他者の苦しみへの責任をあなたは日々感じているでしょうか?恐らくあまり感じていないというのが実情ではないでしょうか。または、同情を感じていても、ユニセフへの募金や紛争地域に赴いてボランティアとして活動するといった行動に移さず、見て見ぬフリをしている方も多いのではないでしょうか。ではなぜ見て見ぬふりをしてしまうのでしょうか。社会にはそういった悲劇を看過できずに怒りを感じ、正義を為そうとする方も少なからずいます。しかし、行動に移すことで自らがジャンルダルクと化してしまうこともあるのです。そのような悲劇のヒロイン・ヒーローの多くはメディアに取り上げられることもなく、悲惨な末路を迎えてしまうのです。しかし、一方でこのような多数の犠牲を払う過程の中で正義が為されることもあるのです。そして、これこそが正義の真実であり、本作を貫く正義の神話なのです。 あなたの正義はいかなるものか知りません。しかし、本作が正義について再考する一つの契機となることは間違いないでしょう。 | ||||
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| 目新しさや驚きは無いものの、丁寧な文章や構成で十分楽しめる良作でした。 | ||||
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| 内容の衝撃にくらべ、静かにストーリーがすすむ 主人公たちが自分の運命を受け入れているところに違和感を強く感じつつ そういう仕組みの存在を語っているということを理解して 不思議な感覚になる。 受け入れつつも、愛があれば、提供を間逃れるという伝説が生まれ その伝説に希望をかけるという物語が秀逸 | ||||
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| 丁寧な心理描写が見事。気まずさの描出がピカイチ。厳然と目の前に横たわる得体の知れない現実が明らかになる程、登場人物たちの実存感が際立つ。いやー本当に読んで良かった。 | ||||
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| 主人公達はヘールシャムという施設で理想的な(?)教育を受けながら、普通の子供たちのように育っています。時折ヘールシャムに来訪するマダムは子供達と話しをしないので皆は「お高くとまっている」と思っていましたが、8才の頃にルースが「私たちを怖がっているのよ」と断言します。そしてある事を実行し、マダムは「蜘蛛嫌いな人が蜘蛛を恐れるように子供達を恐れていた」という事が証明され、自分達が他の人間と違う何者かがわかるのです。印象的な場面です。子供達は成長し、クローン人間としての使命を果たしていきます。残酷な作品です | ||||
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| 独自の世界観を持つ小説であり、考えさせられる部分も持ちあわせている。とても面白かった。 | ||||
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| 自分の人生を、行く末を受け入れていることの怖さ、でも現実にあり得る、もしかしたらこういうことがすでに行われているのかと思う怖さがある。おすすめです。 | ||||
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| 取るに足りないような相手の言動によってもたらされる心のざわめきの描写が秀逸で共感しました。 全体的には感情的で大袈裟な表現がないのに、心が揺すぶられる内容でした。 | ||||
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| この物語において展開されるのは、個人のアイデンティティーをめぐる冒険の数々。とりわけ、社会規範が求める行動規範と、個人としての欲求の対立や葛藤が鮮明に描かれている。小説に登場するクローンたちは、どれも自らの使命に諦観しているが、心のどこかでそうした定めに抗いたい欲求を秘めている。事務職というごく平凡な仕事に就きたいと願うルースや、ささやかな幸福を願うキャシーとトミーも然り。しかし、現実として彼らに課せられている定めとは、介護士になるか、ドナーの提供者になるだけ。人間としての本質的な喜びを奪われた彼らは、人間らしさを保とうとする。「わたしを離さないで」というカセットテープは、そうした人間らしい愛情のシンボルであろう。人生は生きるに値するさまざまな喜びで満ち溢れているのである。 | ||||
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| 徐々に明らかになっていく世界観の謎に引っぱられ、あっという間に読み終えました。 現実とは全く異なる世界における、実在するはずのない主人公たちの物語です。 しかし、なぜか全く他人事には思えず、むしろ現実世界での我々の人生も、実はこの主人公たちにとても似ていることがあると気づかされてしまう。そんな小説でした。 登場人物の心の動きが、様々な描写によって非常に繊細にリアルに描かれているからこそ、そうした気持ちにさせられたのかなと思いました。 | ||||
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