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死の味



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死の味の評価: 7.67/10点 レビュー 3件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.67pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

英国本格ミステリーから警察小説になった傑作

ダルグリッシュ警視シリーズの第7作で、三度目の英国推理作家協会賞シルバー・ダガー賞を受賞した作品である。
小さな教会で大臣を辞職したばかりの下院議員・ベロウン卿が死体で発見されたのだが、そこには浮浪者の男も死んでおり、二人ともベロウン卿のカミソリでのどを切られていた。ベロウン卿は自殺したではないかと思われたが、ベロウン卿のスキャンダルを示唆する怪文書を見せられて、相談を受けていたダルグリッシュが調べを進めると、死の数週間前からの卿の周りで不可解なことが数々起きていた。貴族の一員として広大な屋敷に暮らす名門ベロウン卿一家には複雑な家族関係があり、家族それぞれが殻にこもった暮らしを営み、誰もが容疑者になりうるようだった。ダルグリッシュを中心にしたチームは人間心理に関する鋭い知性と感性で、こじれた人間関係の闇に分け入り、様々な嘘を暴き、ついにアリバイ崩しに成功する。
殺人事件の謎解きとしても一級品、それに加えて警察チーム、被害者一族の人間ドラマとしても一級品。さすがにCWA受賞作である。特に、ダルグリッシュのみならず、同僚であるマシンガム、ミスキンの人間的な悩みにかなりのボリュームがさかれていて、単なる英国本格派ミステリーだけに終わらない、現在の警察ミステリーにつながるテイストが印象的である。
ダルグリッシュ・シリーズ、P. D. ジェイムズのファンはもちろん、重厚長大なミステリーのファンにはぜひおススメしたい。

iisan
927253Y1

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