死者の名を読み上げよ
- リーバス警部シリーズ (14)
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ご存知、リーバス警部シリーズの第16作。2005年、G8サミットが開催されたエジンバラでの出来事を濃密に描いた、大型警察小説である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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’87年に『紐と十字架』で始まった、イアン・ランキンによるスコットランドはエジンバラ警察の<リーバス警部>シリーズ16作目の邦訳最新刊である。このシリーズは、’97年度は『黒と青』で英国におけるミステリーの頂点、「CWA(英国推理作家協会)賞」ゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)を、’04年度は『甦る男』でアメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」ベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)を受賞しており、英米で認められた実力派警察小説シリーズである。’05年7月6・7日と、エジンバラでG8サミットが開催された。本書は、これに関連する諸行事やデモ、オリンピック誘致の成功、ロンドンのテロ、定番の音楽祭などの騒乱の、7月1日から9日までのリーバス警部の行動を追ったものである。定年退職間近の彼は、この騒がしい約1週間に、相変わらず上司にたてつきながらも、連続殺人や政府高官の転落死、地元市会議員の殺害事件に、相棒のシボーン部長刑事と共に取り組む。読みどころは、たとえ停職処分になろうと何があろうと自分流を曲げない、地道な捜査に邁進するリーバスの姿であろう。G8に関係して集まってくる防衛産業の社長、外交官、公安警察のトップ、そしてリーバスの生涯の宿敵・ギャングのボス、カファティらとかかわりが詳細に描かれながら、そして彼は、複雑に絡み合った糸をしだいによりあわせ、ついに意表をつく真相にたどりつく。本書は、リーバスの目を通して活写される世紀の大行事と騒乱・大混乱と、“はぐれもの”リーバスとの対比、さらに意外性のある謎解きの興趣をもりこんだ、読み応え充分の大作である。次の17作目がこのシリーズの完結編であるとのこと。是非早く読みたいと思う。 | ||||
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一名の犯人は、すぐに予想が出来たが、残り4名に関しては、完全に意表を突かれた。三名と一名の関連は100%ないと思っていたのだが....意表は突かれたが、犯人像は職業柄(?)無慈悲過ぎる所はあるが、荒唐無稽では無い。ついに登場した、リーバス警部の好敵手か?!リーバス警部シリーズは殆ど読了しているが、本作品は読後感が、何時もに増してスッキリしている印象で、いつも終盤にサーヴィスが良いのは間違いないのだが、今回の<エピローグ>の”落とし前”の付け方には、<おおッ、ここまでサーヴィスするか..>と...それにしても、本シリーズはアメリカ産のミステリーに比して、”とっかかり”あるいは”つかみ”は本当に無愛想。本作も90ページぐらいまでは、リーバスを取り巻く”空気感”みたいなものの描写が主体で、下院議員の墜落死ぐらいしか盛り上がりも無く、地名にも、なじみの無い所ばかりで、全然頭に引っかからず、<後450ページ 興味を持続して読み通せるのか?>と不安に駆られるこのシリーズを読みなれていない”新人”読者もいるかもしれません。(おまけに、その後もG8とエジンバラに関するside plotの数々。)しかし、これが何時もの手順というか仕掛けというか、ここらあたりを通過できれば、話はグツと加速して、複雑怪奇で、ほとんど関係なさそうな人間関係は、ドンドン集約されて行き、最後に行き着く先の面白さ!今回は特に、今までに増して、何気ない伏線が旨く最後に、"ドカン"と効いて来る感じです。**後、日本では想像も付かない施設の描写があります。 地方裁判所の付属博物館で、<死と迷信に関する展示品>があって、<人形の入った棺桶>が 展示してある...すごいなぁ〜 | ||||
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いつのまにか年をとってしまったリーバス警部・・・ (弟ミッキーが54ってことは・・・)寄る年波をものともせず、今回もやらかしてくれますけれど。(Nodyさんも書かれているように)はみだし続けて30年!?私にとっては、ミステリ界の「イケてる3大はぐれおやぢデカ」の1人なので〜す。あとの2名は、ヒエロニムス(ハリー)・ボッシュとマット・スカダー。(厳密に言えばデカじゃない人もいますが)シブくてたまりませんっ。この3人にセマられたら、マジで迷いますね。(ありえない)そんなリーバス警部も、さすがに女ッ気はなくなってきたかな?今回はベルトの下はおとなしかったですね。が、あいかわらずシボーンとの、どうかなりそうでならない、絶妙な距離感も魅力です。(実はこのデカはあまり好きじゃない→)ダルグリッシュ警視シリーズ*は風前の灯火のようですが、このシリーズはまだまだがんばっていただきたいものです!*Nodyさんとは好みが合いそう。 | ||||
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スコットランドで行われたカオスのようなG8の舞台裏に描かれるリーバス警部の闘いの顛末。ありきたりなシリアルキラー物と思いきやフーダニットとしての驚きが用意されている点でミステリとして軽く及第点以上の出来だが、何より胸を打たれるのは作品に内包された社会の矛盾、偽善、権力へ向けられる怒りの激しさ。きしむ膝の痛みに苦しんでも、突き出た腹を自嘲してもリーバス警部の反骨精神は良い意味での青臭さ、誤解を恐れずいえばパンク精神を永遠に湛え続ける。ミステリを読んでこんなに感動し、心揺さぶられることはめったにない。(因みに本作のBGMはThe Whoの「四重人格」以外考えられない。読めば判る) | ||||
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