■スポンサードリンク


ウィンター家の少女



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ウィンター家の少女 (創元推理文庫)

ウィンター家の少女の評価: 7.00/10点 レビュー 1件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(7pt)

古典的な謎に挑む氷の天使

キャシー・マロリーシリーズの第8作は、古風な大邸宅での58年前の大量殺人事件の謎が絡んでくるという、シリーズの中では異色の謎解きミステリーである。
NYの中心街にある大邸宅ウィンター邸で男が殺された。被害者は保釈中の連続殺人犯で、ハサミで胸を刺されており、そばにはアイスピックが落ちていた。強盗目的で侵入した男が住人にハサミで刺された事件として処理されようとしたが、この男を逮捕したことがあり、いつもナイフを使うという手口を良く知っているマロリーは納得できなかった。だが、当時屋敷にいたのは70歳の老婦人ネッダ・ウィンターと、その姪で小柄できゃしゃなビッティ・スミスの二人だけ。どちらかが正当防衛で殺したのだろうか?
ところが、この屋敷では58年前に9人が殺されるという未解決の大量殺人事件あり、ネッダは事件後に行方が分からなくなっていた当時12歳の少女であることが判明する。ネッダはあの事件の犯人なのか、58年間、どこにいたのか? 過去の事件と現在の事件は関係があるのだろうか? マロリーとライカーのコンビは、過去と現在を行き来しつつウィンター家の複雑な謎を解くことになった・・・。
本作は、大邸宅での大量殺人事件、関係者の失踪と再登場、富豪一族の家族の確執など、古典的な舞台設定でシリーズ読者を驚かせる。また、マロリーの言動が妙に大人しいというか、辛抱強いのも、これまでの作品とは異なっている。しかし、最後には自らの信念に基づいて突っ走るという、いつものマロリーに戻るのでご安心を。
本作はシリーズからの独立性が高いので、シリーズ読者以外の幅広いミステリーファンにもオススメできる、良くできた謎解きミステリーである。

iisan
927253Y1

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!