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僧正殺人事件



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【この小説が収録されている参考書籍】
僧正殺人事件 (創元推理文庫)

僧正殺人事件の評価: 7.86/10点 レビュー 7件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.86pt

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No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

見立て殺人の元祖と言える作品は、知性と狂気のゲーム

マザーグースの歌詞になぞらえた殺人という推理小説の定番ジャンル「見立て殺人」の始祖とも言える作品ですね。
後世の無数の作品、あの『そして誰もいなくなった』にも影響を与えていると考えると、その功績は極めて大きいでしょう。

本当にマザーグースって本来子供のためのものなはずなのに、不気味で残酷で、そこになまじユーモラスさが混じるのが余計に怖くて、もう最初から「見立て殺人のためにある」ような題材だなぁと思ってしまいます。
日本の推理小説ではこういった見立て殺人をするには、別に血なまぐささを連想しないものを無理やり当てはめるか、あるいは『悪魔の手鞠唄』はじめオリジナルの不気味な唄を作者が創作しなくてはなりませんが、もし既存の幼少期からなじんでいるものが見立て殺人に使われたらさぞ物語に入り込めるんだろうなぁ、と向こうの人たちがうらやましくなりました。

名前や身体的特徴がたまたまマザーグースの歌詞と一致しているだけの人物を殺すという、まさにサイコキラーとしか言えない犯人ですが、容疑者は数学者や物理学者、チェスの名手などまさに知的水準はトップレベルの人間たちが揃い、狂っていながらこの上なく知的な犯人と探偵の対決を堪能できる名作だと感じました。

ただ、この作品に限った話ではないのですが、私の場合古典でしかも翻訳物となると、時代と言語(文化?)の2つの壁を感じて、読んでいても淡々とあらすじをなぞっているような退屈さが否めないんですよね。
この作品の場合も、読んでみて名作と呼ばれる所以は理解できました。話もよく出来てると思います。
しかし、じゃあ実際読んでいる時に面白かったかと言うと、最近の国内のボロクソに貶した感想を書いているようなB級ミステリの方が楽しんで読んでいるという事実があります。

この作品をもし私が「当時」の「英語圏」の人間として読んでいたら、多分「なんてハイレベルで面白い小説なんだ」と大絶賛していたはずと思うんですけどね。

マリオネットK
UIU36MHZ

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