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猫と鼠の殺人



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猫と鼠の殺人の評価: 5.33/10点 レビュー 3件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.33pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(4pt)

期待を悪い意味で裏切られる

カーによる当時アメリカで人気を博していたアニメ『トムとジェリー』を主人公にしたミステリのノヴェライズ版・・・ではもちろんない。妙な題名だがれっきとしたフェル博士シリーズである(ちなみにWikipediaで調べてみると、『トムとジェリー』はなんと1940年に既に放映開始されており、本作の発表が1942年だから符合はする)。

事件はアイアトン判事という被疑者に容赦なく死刑を判決する判事が娘の婚約者を殺したかどで自身が被疑者になるという、なかなかドラマチックな内容である。
題名の話に戻るが早川書房のポケミス版では英国版の原題を忠実に訳した『嘲るものの座』となっている。意味は解りにくいものの、まだましだ。本書の題名は文中にある容疑者となる判事が「猫が鼠をいたぶるように」被疑者を追い詰めるという表現から来ている。しかしもう少し何とかならなかったものだろうか。全く読む気をそそらない題名である。

で、本書のメインは殺人現場にいたのが判事と被害者のみという状況の中、フェル博士は本当に判事が殺ったのか否か、解き明かせるかという至極シンプルな問題だ。ここで注目したいのがあくまで容疑者の冤罪を証明するのが誰からも嫌われている人物だというところだろう。こういう趣向の作品では往々にして価値観の逆転が起こるもので、ドラマとしては読み応えがあるのだが、ここで敢えて云えば、その期待は裏切られる。カーが以前より作品に盛り込んでいた人間の予期せぬ行為が不可能・不可解状況を生むという趣向はありはするが、作品にプラスアルファに働いているかといえば、そうでもない。
後々気づくのだが、本作でカーがやりたかったのは『ユダの窓』の別ヴァージョンではないだろうか。敢えてこのような結末を取ったのはカーとしてはその作品があってこそのひねりだったと思い、自身はほくそ笑んでいたのかもしれない。が、作品としては凡作にすぎず、最後に読み終わった率直な感想は、ちょっと際どい表現になるが単純な事件を単にこねくり回して遠回りさせられただけだという感慨でしかない。恐らく読み終わった時、全ての読者が私と同じ表情をするのではないだろうか。その光景だけが目に浮かぶ。

Tetchy
WHOKS60S
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

猫と鼠の殺人の感想


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ショボタン
G1380KCM
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

誰が猫で誰が鼠であるか

誰が猫で誰が鼠であるか二転三転する話の構成は面白い。
だけどラストがしっくり来なかった。

▼以下、ネタバレ感想

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Ariroba78
5M53WTS6

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