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予告殺人



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予告殺人の評価: 6.50/10点 レビュー 2件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
全1件 1~1 1/1ページ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

登場人物がお婆さんだらけの、クリスティ60歳の時の作品

『ミス・マープルシリーズ』では最高傑作との声が多く、ひいては戦後のクリスティ作品では最高傑作扱いかもしれない本作ですが、個人的にはあんまり面白くありませんでした。
新聞広告に殺人が予告され、その日時と場所に、野次馬気分や探偵ごっこのつもりで村人たちが集まったはいいが本当にそこで殺人が起こって……という導入部分は期待したのですが、てっきりその後も『ABC殺人事件』のように次々と第二、第三の殺人予告みたいな、緊迫感溢れる展開を予想していたのに、予告殺人は冒頭のそれ一件だけで、あとは淡々とした展開だったのが残念です。物語も終盤になって第二、第三の殺人が起き、話そのものに緊迫感は出るのですが、犯罪計画全体を見るとお粗末感が出てしまうものでした。
何より個人的にはもう作中序盤の最初の事件が起きた時点で犯人におおよそ見当がついてしまったのが最大の難点ですかね(動機は最後の最後までわかりませんでしたが……)

この作品は主役のマープルが老婆なのをはじめ、多くの年老いた女性が登場し、それまでの彼女たちの歩んできた人生というものがキャラクターに現れ、物語に影響を及ぼしていた作品でした。そして同時にジュリア、フィリッパ、ミッチーという3人の若い娘も登場し、彼女たちに対しては各々その後の人生をいろいろ想像したくなるような女性たちでした。
この作品の発表年にクリスティ女史は60歳を迎え、老境に差し掛かって自身の人生を振り返っていろいろ思うところがあった時期だから書けた作品かもしれないですね。
(もっともこの作品が決して彼女の晩年の作品と言うわけではなく、この後もクリスティはかなりの数の作品を発表していますが)

マリオネットK
UIU36MHZ

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