築地に奇妙な西洋館が建っていた。正方形の敷地を対角線で半分に割り、建物も中央のエレベーターを境に分割されている。

妖美幻想の世界を描く巨匠・江戸川乱歩の代表的名作! 名古屋市のある資産家の次男、青木愛之助は猟奇の徒であった。

悪魔の子と白鳥の騎士との虚々実々の戦い!巨匠・江戸川乱歩が練りに練った物語のおもしろさを十二分に発揮した傑作怪奇長編!親子二代にわたる因果物語の結末は?明治の末、台湾航路の客船・宮古丸が沈没し、有明友定男爵と親友の大曽根五郎、家扶の久留須左門の3人は果てし

*収録作品 緑衣の鬼 幽霊塔 自作解説 解題 註釈 解説　　海外作品をもとにしながら手法の異なる二作／山前　譲 乱歩氏一流のお世辞／伊藤秀雄（黒岩涙香研究家） 「君は学校へ行っている頃、原稿を送ってきたことがあったね、あれは歳の割によくかけていたよ」などと

工学博士・五十嵐東三の大いなる夢は、東京・ニューヨーク間を5時間で飛ぶ超高速機の試作であった。

H製糖株式会社取締役・川手庄太郎は差し出し人不明の脅迫状に悩まされていた。

グラスが二つ載ったテーブルを挾み、対峙する二人の男。夏の末以来、塩の湯A旅館に居つづけの湯治客だ。

九州の西岸にあるS市の旧家大牟田家のあるじ、子爵の敏清は、当時18歳の美女瑠璃子を妻とし、親友川村義雄と三人でしあわせな日をおくっていた。

わたし、野間五郎は青年時代から物忘れの大名であり、友人から、空気のようにたよりない男といわれ、そこから「空気男」というあだなが生まれていた。

オープンカーが車輪を石畳の外へと踏み外し、乗せられていた石膏像が投げ出された。

古くから娯楽の中心として発展してきた映画は推理小説と相性が抜群で、『第三の男』『オリエント急行殺人事件』『薔薇の名前』『犬神家の一族』『砂の器』など、ミステリー小説が原作の名画は枚挙にいとまがない。

展覧会場から、はたまた侯爵邸から、まんまと目当ての品物を盗み出す怪人が出没した。

大学を出たばかりの青年会社員・神谷芳雄がめぐりあったあそるべき怪事件。

東に人の弱みを探してゆすり、西でネタを拾って小説を書き、南に薄倖の少女を救い、北では美女を侍らせての豪遊……やることなすこと図に当たり意気揚々の影男。

M県のI湾に浮かぶ沖の島に突如として出現したものはなんであったか?富豪菰田源三郎と瓜二つの小説家人見広介は、源三郎が死んだのを幸いに源三郎になりすまし、菰田家の莫大な財産をもって、おのが空想した夢のパノラマ島をつくりあげた。

本全集には、従来の著者の全集に見られない特徴がある。それは全作品にわたって、著者自身が校訂をしたことである。

実業家小山田六郎氏の夫人静子を脅迫する陰獣・大江春泥のナゾを追求するわたしのまえに展開していった驚嘆すべき真相は何であったか?昭和3年発表の傑作中編「陰獣」と、初期の名作3編を収めた乱歩傑作集!

外務省書記官夫人である佳子は、美しく才能豊かな女流作家としても知られていた。そんな佳子の元へある日長文の手紙が届く。

大川を生首が流れ、その首をのせた板には「獄門舟」と書かれていた。

美術商・稲垣平造が女事務員募集の広告を出した。その広告にひかれて稲垣のもとを訪れた里見芳枝は、その日から消息を絶った。

社交界の花形で、腕に黒いトカゲの刺青をしたその女は、実は「黒トカゲ」と呼ばれる暗黒街の女王、恐るべき女賊であった。

D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。

見るも無残に顔が潰れた死体、変転してゆく事件像(『石榴』)。

あらすじ 郷田三郎は引っ越したばかりの下宿で、偶然、屋根裏への入口を見つける。

日本における本格探偵小説を確立したばかりではなく、恐怖小説とでも呼ぶべき芸術小説をも創り出した乱歩の初期を代表する傑作9編を収める。

蕗屋清一郎が下宿屋をいとなむ老婆を絞殺した。老婆がためていた大金をねらって…。

密室状態での恋人の死に始まり、その調査を依頼した素人探偵まで、衆人環視のもとで殺された蓑浦は、彼に不思議な友情を捧げる親友諸戸とともに、事件の真相を追って南紀の孤島へ向かうことになった。

乱歩の未完の傑作が完結! 犯人・密室・謎の記号の正体とその向こう側 江戸川乱歩のいわくつきの未完作「悪霊」 デビュー百年を越え、いま明かされる、犯人・蔵の密室・謎の記号の正体。

江戸川乱歩編『世界推理短編傑作集』刊行から五十余年。創元推理文庫が21世紀の世に問う、新たなる一大アンソロジー。

５大捕物帳の一つ、人形佐七捕物帳の著者の横溝正史氏は、「佐七」以外にも多くの捕物小説を残している。

シナリオ・ライター北村克彦は高利貸し股野重郎の妻あけみと通じ、股野を絞殺した。

都筑作品でも人気の“近藤・土方シリーズ”が遂に復活。贋札作りをめぐり巻き起こる奇想天外アクション小説。

横溝正史著の単行本未収録の捕物小説12編を収録。

売れないもの書きの廣介は、極貧生活ながら、独特の理想郷を夢想し続けていた。

大金を盗んだ紳士泥棒がつかまった。だが金の隠し場所は白状しない。

『江戸川乱歩全集』は昭和三十六年十月十日~昭和三十八年七月二十日発行の桃源社版全集全十八巻を、外函と外カバーを付して限定覆刻したものです。

時子の夫は、奇跡的に命が助かった元軍人。

妖艶な美貌と大胆なふるまいで暗黒街の女王として君臨する「黒蜥蜴」。

孤独な中年女性の日常への美しくも不気味な侵入者をえがいて、江戸川乱歩が奇妙な味の傑作と絶賛した「銀の仮面」、大嫌いな男に親友気取りでつきまとわれた男―奇妙な関係がむかえる奇妙な顛末「敵」、大都会の暗闇にひそみ、異国からきた青年を脅かす獣の恐怖を克明に綴って

大正末年から昭和初期に刊行した江戸川乱歩の創作集を完全復刻。生誕100年記念。

乱歩、澁澤龍彦も絶讃した、本邦三大ミステリのひとつ『黒死館殺人事件』の小栗虫太郎、もう一方の代表作。

一九二〇年創刊の「新青年」は、江戸川乱歩をはじめ数多くの作家を輩出した名雑誌であり、初代編集長の森下雨村は日本の探偵小説の生みの親と称される。

泡坂妻夫。奇術師にして紋章上絵師そして推理作家。

大正末期、大震災直後の東京にひとりの異才が登場、卓抜な着想、緻密な構成、巧みな語り口で読者をひきこむ優れた短篇を次々と発表していった。

昭和22年9月、小田原の成金倉田家に、白衣姿の異形の傷痍軍人が現れた。

江戸川乱歩が戦時統制下に筆を折っていたように、ミステリーは自由で民主的な社会でしか発展できない。