実直そうな青年アレックスは、茫然自失の状態だった。新婚旅行の初日に新妻のドリーが失踪したというのだ。

コンティネンタル探偵社支局員のおれは、小切手を同封した事件依頼の手紙を受けとって、ある鉱山町に出かけたが、入れちがいに依頼人が銃殺された。

テリー・レノックスという酔っぱらい男と友人になった私立探偵フィリップ・マーロウは、頼まれて彼をメキシコに送り届けることになった。

『マルタの鷹』『血の収穫』のダシール・ハメットはパルプマガジン「ブラックマスク」から登場し、ヘミングウェイやフィッツジェラルドと並ぶ二十世紀アメリカ文学の重要な小説家と見なされるまでになった。

『ロング・グッドバイ』の新訳刊行を機に、再評価の気運が高まるレイモンド・チャンドラー。

すべて当代一流の翻訳者による新訳で、チャンドラーの全中短篇を発表年代順に収録する画期的全集の第2巻。

本書にはチャンドラーが1939年後半以降に発表した8篇の短篇と2篇のエッセイが収録されている。

女の名はフィービ・ウィチャリー。二十一歳。

別荘の管理人ビルが大声を上げて指さしたものは、深い緑色の水の底でゆらめく人間の腕だった。

刑務所から出所したばかりの大男、ヘラ鹿(ムース)マロイは、 8年前に別れた恋人ヴェルマを探しに黒人街の酒場にやってきた。

私立探偵フィリップ・マーロウは、裕福な老女エリザベス・マードックから、出奔した義理の娘リンダを探してほしいと依頼された。

本書には、レイモンド・チャンドラーが1938年から39年前半にかけて発表した五篇の中短編が収められている。

私立探偵のリュウ・アーチャーは怪しげな人物からの依頼で、失踪した女を捜し始めた。

市政をあやつる黒幕、その力を利用しようとする上院議員、対立するボス。

『長いお別れ』で出会った富豪の娘リンダ・ローリングと結婚し、プードル・スプリングスの豪邸に住むことになったフィリップ・マーロウ。

私立探偵マーロウは、スターンウッド将軍の娘がゆすりにあっている件で、将軍家へ招かれた。

石油王が失踪した。失踪か? 誘拐か? 夫人の依頼により調査を開始した私立探偵リュー・アーチャー。

1928年、サンフランシスコ。

私立探偵マーロウは、ある弁護士からひとりの女を尾行し宿泊先を報告せよと依頼される。

妻と喧嘩し、あてもなく街をさまよっていた男は、風変りな帽子をかぶった見ず知らずの女に出会う。

「行方不明の兄オリンを探してほしい」私立探偵フィリップ・マーロウの事務所を訪れたオーファメイと名乗る若い娘は、二十ドルを握りしめてそう告げた。

ある若い女性が私立探偵サム・スペードに依頼したのは、駆け落ちした妹を連れ戻すことだった。

英国が誇る秘密情報部。なかでもダブル零のコードをもつのは、どんな状況をも冷静に切り抜ける腕ききばかり。

ニック・チャールズね、といってもぐり酒場のカウンターに近寄ってきたのは、昔なじみの若い娘だった。

ソ連情報部は、このところの失策続きをなんとか挽回しようとしていた。

ドーヴァーの岸にあるムーンレイカー基地では、億万長者ヒューゴ卿が国家に寄付する超大型原爆ロケットの製作が進行していた。

ヘミングウェイを初めとする〈失われた世代〉の作家たちに触発されて、一九二〇年代の推理小説界に忽然と登場したハメットは、俗にハードボイルドといわれる作風を確立して、推理小説に革命的な変革をもたらした。

稀代の魔術師が髑髏を模して改築した古城〝髑髏城〟。城主であった魔術師が走行中の列車から飛び出し、不審な死を遂げて十数年。

反米デモの夜、ストックホルムの市バスで八人が銃殺された。大量殺人事件。

街道沿いのレストランで働き始めた俺は、ギリシャ人店主の美しい妻コーラにすっかり心を奪われてしまった。

アフリカのダイヤモンド鉱山から巨額のダイヤが密輸されている。

鷲は舞い降りた!ヒトラーの密命を帯びて、イギリスの東部、ノーフォークの一寒村に降り立ったドイツ落下傘部隊の精鋭たち。

アームストロングの店に彼女が入ってきた。

男がバーで「マクジョージ」と叫び客を撃つ。が、撃たれたのはマクジョージではない?これは単なる間違いか。

ロスアンジェルスのネオンの中を無鉄砲に、しかし一抹の感傷を抱いて歩む主人公フィリップ・マーロウ。

ハヤカワ・ミステリ文庫創刊40周年記念作品 凶暴な父によって崩壊した家庭で育ったレオ、フェリックス、ヴィンセントの三人の兄弟。

ホテルで抱いた女は、三日して部屋を出るとき、俺と一緒だった。最初は、南へ向かう旅の途中で捨てるつもりだった。

当代最高のハードボイルド作品と言われる、ハリー・ボッシュ・シリーズの邦訳最新刊!冷厳冷徹に正義を貫き捜査を進める一方、仲間や恋人、愛娘に見せるボッシュの優しい姿が胸に響く不朽のLAハードボイルド作品です。

アモリー家に伝わる由緒ある屋敷、ローン・アベイ館。

ヴェトナム戦争直前のサイゴンで一人のアメリカ人青年が無惨な水死体となって発見された。

大学の図書館で厳重に保管されていた中世の稀覯書〈ゴッドウルフ彩飾写本〉が何者かに盗まれた。

イギリス情報部の極秘事項がソ連に漏洩した。スキャンダルを恐れた上層部は、秘密裏に二重スパイの特定を進める。

海辺の行楽地ブライトンに巣喰う十七歳の不良少年ピンキー。

「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」―アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎につつまれた若い美女。

常夏の南カリフォルニア、ロサンジェルス郊外、太平洋の青い波に洗われるマリブ海浜に、背中から心臓を射ちぬかれた若い女の死体が発見された。

フランスのどこか田舎町。車内に血のついた怪しげな車で逃げてきた、正体不明の男がいた。

大好評、探偵パトリック＆アンジー・シリーズ最新作！ 誘拐された四歳の少女。麻薬取引の売上を持ち逃げしていたアル中の母親。

広大な敷地を所有するデスパード家の当主が急死。その夜、当主の寝室で目撃されたのは古風な衣装をまとった婦人の姿だった。

1939年、一人のヒーローが誕生する。

このドーチェスターの街で、マフィアに狙われる人間の依頼を受けることは、最大の自殺行為だ。

裕福な家で大事に育てられたピュアな女―それが探偵パトリックの抱いた、カレン・ニコルズの第一印象だった。

しかし、ハメットこそは唯一無二の存在である。

依頼人のやり方は探偵の気に障った。

二人は学生同士の恋人だった。女は妊娠しており、男は結婚を迫られていた。