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チューリップ



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    初公開日(参考)2015年11月
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    チューリップ ダシール・ハメット中短篇集

    2015年11月12日 チューリップ ダシール・ハメット中短篇集

    『マルタの鷹』『血の収穫』のダシール・ハメットはパルプマガジン「ブラックマスク」から登場し、ヘミングウェイやフィッツジェラルドと並ぶ二十世紀アメリカ文学の重要な小説家と見なされるまでになった。1961年に亡くなるまで書き続けられ、未完となっている中篇小説「チューリップ」を中心とし、初期の文芸作品風の短篇も収めた小説集。ハードボイルド小説の日本での紹介者・小鷹信光個人訳に、評論・解説を付す。 ハードボイルド精神とは何か? 遺作と編者特選短篇を集めた愛蔵版。(「BOOK」データベースより)




    書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

    チューリップの総合評価:7.50/10点レビュー 2件。Cランク


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    全1件 1~1 1/1ページ
    No.1:
    (7pt)

    ハメット・ファンに

    ダシール・ハメットの遺作でありながら未完成のため単行本未収録だった「チューリップ」を始めとする、11篇の中短編作品が収められている。
    作品の出来にはばらつきがあり、さほど評価できないものもあるが、各作品の解説、作品リストを含めて資料価値は高い。

    iisan
    927253Y1
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    ※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
    未読の方はご注意ください

    No.1:
    (4pt)

    収録全作のそれぞれ最後に(前でなく)訳者解説が付されているのが、いい

    本書巻頭収録の『チューリップ』は、ある時期からほとんど作品を発表することのなかった作者ダシール・ハメットが長く呻吟しながらだろうか、結局完成させることのなかった中編小説である。巻末の作品リストによれば、1934年を最後に61年の死没まで、もう一作(「不調和のイメージ」)と本作以外に作品はない。読後感は整理しにくい。長年、彼の小説や伝記を訳し続けた訳者による《「作家ハメットのハードなコアを堪能した」のひとことに尽きる》という切実であるに違いない言葉にもっと寄り添って考えるべきか、それともこの小説のなかの一人物による《「あなたの友だちのチューリップは変わった人だね?」》にならって、その「変わった」作品性にポイントを置くべきか迷う。

     逝去するまでの長い期間のなかでハメットがどのくらい文章を練り、作品に集中したのか定かではないが、いくつかの点において作者が可能なかぎり作品の「彫琢」を目指したとは思えない。
     たとえば専門家である訳者にさえ特定できない固有名がいくつか登場するが、あたかもそれは公表を考えない私的なエクリチュールの残滓のようである。初めのほうに一人称で進行しながら急にチューリップの物語(三人称)に入る箇所があるが、かなり不思議な文章運びである(閉じる部分では《こんな具合にチューリップが自分の脚色した話を語っているあいだに、》とあるが)。「私」が書いたというある書評をチューリップが「私」に読ませるかたちで「引用」しているところも唐突感は否めない。
     ところでハメットの短篇に長い会話体で事件を明かして結末をつけるものが複数ある。この『チューリップ』では後半に長いセリフで「私」が自分のことを語るものの、それはまったく結末感をかもしていない。そのことも含め本作が面白いのはハメットがそれまでのハードボイルドから脱しようとしているところだ。上記の指摘箇所なども、瑕疵〔かし〕というより、この小説の奇妙な味わいを増幅させる要素になっているようにさえ思う。書けなさというそのことが書きこめられている感じだ。
     
     『チューリップ』の最後にはリリアン・ヘルマンによる「結文」が付されているが、訳註で《訳文十行の》とあるのは雑誌における訳を踏襲したミスであろう。ここでは七行しかない。それにしても本書において、この作品にだけ7ページもの訳註があることが、本作の性質を現わしている。オリジナルを読もうとする人も、これは必要であろう。
    チューリップ ダシール・ハメット中短篇集Amazon書評・レビュー:チューリップ ダシール・ハメット中短篇集より
    4794221568



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