007/ムーンレイカー
- 007 (16)
- ジェームズ・ボンド シリーズ (6)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
007/ムーンレイカーの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ぶっとんだ内容の映画版があまり好みではなかったのですが、原作は適度にリアリティーもあり楽しめました。任務中以外のボンドの意外な私生活を垣間見ることが出来た点も良かったです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「ジェームズ・ボンド」シリーズはほとんど読破しているが、第1作『カジノ・ロワイヤル』の新訳版が出版されたのを機に、再読。それで評者の中で火がついて、それ以外の作品も読み返したくなった。 本作はシリーズ第3作。英国のみを舞台とした唯一の作品だ。はじめてリージェント公園に面した秘密情報機関(SIS)本部や00課の日常業務やキングス・ロードのボンドのアパートの様子が詳しく描かれている。もっとも、現実には当時SIS本部はブロードウェイ・ストリート54番地のブロードウェイ・ビルディングにあった。 ボンドの敵役は「ヒューゴ・ドラックス卿」こと「フーゴ・フォン・デル・ドラッヒェ伯爵」。独英混血だが心はドイツ人で、戦前はラインメタル社の子会社で働き、第2次世界大戦中はオットー・スコルツェ二―中佐率いる第150機甲旅団の一員としてアルデンヌで英米軍の後方を攪乱したという設定だ。英兵に偽装して英軍の伝書使を襲撃するが、ドイツ空軍の戦闘機に機銃掃射されて気絶し、英軍の野戦病院に担ぎ込まれる。さらに、味方が仕掛けた爆弾が炸裂して、瀕死の重傷を負う。やむを得ず記憶喪失の英兵を装って、ドラックスと名乗る。 英国に「復員」すると、ロケットやジェット・エンジンの材料として欠かせないコロンビウム(正式名称はニオブ)を買い占めて成り上がる。私財を投じて大陸間弾道ミサイル(ICBM)「ムーンレイカー」を製作し、英国政府に寄贈すると提案。ケント州のドーヴァーとディールの中間あたりに基地を建設して、戦時中V2ロケットを開発したドイツ人科学者を集める。だが、その裏でソ連と秘密交渉して原爆を受け取り、ムーンレイカーの弾頭に搭載し、ロンドンに撃ち込んで壊滅させようと企てていた。 俳優であり作者イアン・ランカスター・フレミングの友人でもあったノエル・ピアース・カワードが、ドーヴァーとディールの中間にあるセント・マーガレッツ・アット・クリフ村の海岸に、コテージを2軒所有していた。そのうちの1軒を借りていたフレミングは、ケント州の地理に詳しかった。第7作『ゴールドフィンガー』でも、「オーリック・ゴールドフィンガー」のロールス・ロイスを追って、ボンドがアストン・マーチンをロンドンからラムズゲートまで駆っている(第6作『ドクター・ノオ』が映画化されるときフレミングはカワードを「ドクター・ノオ」役に推薦したが、実現しなかった)。 フレミングが『ムーンレイカー』を執筆したのは1954年1月から2月にかけて。ソ連がスプートニクを打ち上げたのが1957年、米国がアトラスを実戦配備したのが1959年だから、時代を先取りした内容だといえる。 米ソがドイツ人科学者を自国に連行してジェット機やロケットの開発に協力させたというのも、よく知られた事実だ。 ちなみに、現在の英国政府はICBM保有を断念して、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)一本でいくという政策を採用している。 「ムーンレイカー」は「水面に映った月を熊手で掻き寄せようとする人」つまり「愚か者」という意味。大英帝国の威信をかけた新兵器につけるにしてはおかしな名前だ。フレミングも本作の題名を『ムーンレイカー』とするかどうか迷ったが、ジョナサン・ケープ社の編集者ジョージ・レン・ハワードに強く勧められてこうしたという。 第1作『カジノ・ロワイヤル』と第2作『死ぬのは奴らだ』でボンドの前に立ちはだかるのはスメルシュだが、本作ではドラックスに原爆を供与したソ連側機関は語られていない。だが、第5作『ロシアから愛をこめて』で、これがソ連軍参謀本部情報総局(GRU)の陰謀だったと明かされている。 考えてみれば、手間暇かけてミサイルを開発しなくても、トラックの荷台に隠した原爆をバッキンガム宮殿の前で起爆すれば済む話だが、まぁそれを言っては身も蓋もない。 負けず嫌いのドラックスは、会員制クラブ「ブレイズ・クラブ」のコントラクト・ブリッジでいかさまをする。それに気づいたクラブの会長が、会員のSIS長官「M」に相談。ドラックスの醜聞がムーンレイカー計画の妨げになることを恐れたMが、戦前モンテ・カルロのカジノでルーマニア人スパイに勝つために、いかさま師からさまざまなテクニックを学んだボンドに、ドラックスの不正を見破るよう依頼する(モンテ・カルロでのエピソードは『カジノ・ロワイヤル』でも軽く触れられている)。 このブレイズ・クラブの様子が50ページにわたって描かれている。ブレイズ・クラブは架空のクラブだが、フレミングが会員だったブードルズ・クラブをモデルにしている。日本人にとってはもちろん、英国庶民にとっても、こうした高級会員制クラブはおいそれと足を踏み入れられる場所ではない。フレミングはその歴史や内装や高級料理を緻密に描くことで、読者の覗き見趣味をくすぐろうと考えたのだろう。 夜中にソ連の潜水艦から基地に原爆が陸揚げされる現場を、軍需省から派遣された保安係「トーロン陸軍少佐」が目撃。そのことを知ったドラックスが、痴情のもつれに見せかけてトーロンを殺害。ドイツ人科学者の身元調査をSISが行ったことから、ボンドが後任の保安係として基地に乗り込む。首都警察特別科からドラックスの秘書として送り込まれた婦人警官「ガーラ・ブラント」と協力し、トーロン殺害の謎に挑んでいく。 ドラックスに正体を見破られたボンドとブラントは、クライマックスでムーンレイカーの地下格納庫に閉じ込められる。試射のロケット噴射で焼き殺されそうになるが、命からがら脱出。映画版『ムーンレイカー』は小説から登場人物の名前やロケットというアイテムだけを拝借したSF作品だが、この危機一髪のシーンはスクリーン上でも活かされている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画じゃ現実世界のスペースシャトルより一足早く打ち上げに成功した本作。 しかし小説では舞台は宇宙に移ることもなく、核弾頭搭載型ミサイルを英国防衛の為プレゼントすると偽りつつ、当の英国に落としてしまおうとする話であります。 なので光線銃戦闘もジョーズとドリーも出てこないから脱力の心配はいりません。 カジノでのイカサマの攻防から前作以上にズタボロにされる終盤までバッチリ楽しませてくれます。 私はなぜかコネリーボンド&バーナード・リーのMを吹き替えで脳裏に浮かべつつ読みました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
懐かしい風味が、今、ここに再現され、最高。007映画の小説化の醍醐味、脚本家による小説の独特の詳しい情景描写、本当に素晴らしい読書向けの作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本当に有り難う御座いました。また何かありましたら宜しくお願い致します!! ☆評価は5. | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 9件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|