「しずくは観覧車に乗りたい」富豪の夫人に売られてゆくことが決まり、最後の願いを口にした見世物小屋の人魚は、観覧車の客車から泡となって消えた。

ある日萬朝報に載った『記憶に自信ある者求む』という求人広告。

ヨーロッパを巡業中の曲芸一座で、敏腕の番頭として名高い孝介と料理上手の新入り・晴彦。

安西検事の口から語られるロータスとの因縁。そして大怪盗の思惑が、高広と礼を巻き込んで交錯する。

昭和30年代の新宿、珈琲店の二階に住む美しき青年・水上櫂が開いたその探偵社は、「雨の日だけ営業する」そう噂されていた―。

樹齢千二百年の金木犀が見守る昔懐かしい街。

高校入学七ヶ月目のある日。

天文学者ローウェル博士は、自分の住む孤島で毎年、天体観測の集いを開いていた。

神隠し伝説が残る田舎の高校に転校してきた徹は、孤高の少年・大地に誘われ廃部寸前の地学部に入る。

弟を喪った晴彦はパリに戻り、曲芸一座の名番頭・孝介の下で再び働き始めた。

オフィス・カメレオン―対象は生物、非生物を問わず。

「僕は何もしていないよ、揉め事が勝手に起きただけだ」 帝都を騒がす怪盗ロータスこと蓮と、 その幼馴染であり元検事の安西省吾。

密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。

悪魔のごとき頭脳を危険視され、わずか13歳にして特殊房に収監されている少年、ローレン・ディルーカ。

明治三十九年の東京。

熊本・天草において、真夏日に大雪が観測され、天空に忽然と巨大な十字架が浮かび上がった。

時は明治。銀座は南紺屋町に「静修館」という古いけれど居心地の良い下宿屋がある。

青春ミステリーの旗手が挑む、絶体絶命探偵日常小説! 探偵事務所を営む嶋岡が調査中、階段から転落し意識不明に。

宇宙技術振興推進株式会社――通称STeP。

明治末期の日本――貿易の拠点として栄えた港町・横浜で起きる難事件を、美貌の青年名探偵が鮮やかに解決！

笑いの本質とは?能面はなぜ必要か?世界の神話と日本の神話はどうして似ているのか―。

民俗学者・蓮丈那智と助手の内藤三國は差出人不明のメールを受け取った。「鬼無里がなくなる……」と。

横浜・馬車道にある喫茶店「ペガサス」で働く毅志は、二階に探偵事務所を開いた皆藤と山南の仕事を手伝うことに。

想い出の中に取り残されていた謎をめぐる、ミステリー珠玉集。

平賀とロベルトのもとにエチオピアから奇跡調査の依頼が入る。

結婚おめでとう。大学時代、新婦とは一番の親友だった。

寂れた商店街の片隅に佇む、「おもいでの時修理します」という不思議なプレートを飾った飯田時計店。

悪魔祓いの補佐としてドイツに赴いたロベルトだったが、駅で連日同時刻に死者が出る連続不審死をはじめ、異常事件が頻発。

海に浮かぶ街、ヴェネツィア。 この地で友を亡くし、同じ悲しみを知る君と出会った。

市立高校に入学したばかりの頃は、こんなにも不可思議な事件に巻き込まれて、波瀾万丈な学園生活を送るとは、僕は想像だにしていなかった――。

武蔵野連続バラバラ殺人の顛末を描いた『魍魎の匣』が発表された。

「復刊ドットコム」で絶大な支持を得た傑作サスペンス、待望の文庫化！ 1954年、イギリスの名門パブリック・スクールで学ぶ14歳の気弱な少年ジョナサンは、同級生ばかりか教師にまでいじめられ、つらい日々を送っていた。

真実は絵の中に。呪いの絵画をめぐる美術ミステリー! 英国で図像学を学んだ千景は祖母の営む『異人館画廊』で暮らしている。

10年ぶりの再会が、騙し合いの始まりだった。 青春を奪った体罰教師に卒業生たちが仕掛けた罠。

書店員がその年一番売りたい本を選ぶ書店大賞。今夜はその授賞式。

「あなたに、悪夢を」 ――火村英生シリーズ、最新長編登場! 「俺が撃つのは、人間だけだ」 彼は、犯罪を「狩る」男。

フリーライターの真以が書斎がわりに使う、東京郊外の寂れたファミリーレストラン。

ちょっとおかしな新シリーズ始動! いまや事業認定された超能力で、所長の増山ほか、能力も見た目も凸凹な5人の所員が、浮気調査や家出人探しなど依頼人の相談を解決!

幼い頃に家を出た父親を捜すため、姉弟が寂れた商店街を訪れる。手がかりは一枚の葉書のみ。

児童養護施設・七海学園に勤めて三年目の保育士・北沢春菜は、仕事に追われながらも、学園の日常に起きる不可思議な事件の解明に励んでいる。

家庭では暮らせない子どもたちの養護施設「七海学園」で起きるささやかな事件――繊細な短編群が大きな物語を創り上げる、第18回鮎川哲也賞受賞作。

カンボジアの地を彷徨う日本人少年は、現地のストリートチルドレンに拾われた。

ノルウェーの研究都市でFBI捜査官・ビルは不可思議な事件に遭遇。屋敷の主人は氷漬けの密室で凍死していた。

とある屋敷で暮らす美しい姉妹のもとにやってきた「わたくし」が見たのは、対照的な性格の二人の間に起きた数々の陰湿で邪悪な事件。

真以は恋人の南野刑事との久しぶりのデートに心をときめかせていた。

仕事にも恋にも疲れ、都会を離れた美容師の明里。

独自の意味を背景や小物として絵画に書き込む手法、図像。英国で図像学を学んだ千景は、祖父の死を機に日本に戻ってきた。

人の住まぬ荒地には、夜どこからともなく現れた女のけたたましい笑い声が響き渡るという。

「とある地方の小さな書店が経営の危機にあるらしい」よくある悲しい噂のひとつだと思っていたが、書店営業仲間の女性がそのことを妙に気にしていて…。

「ファンの正体を見破れる店員のいる店で、サイン会を開きたい」―若手ミステリ作家のちょっと変わった要望に名乗りを上げた成風堂だが…。

まだ早い春の日、思い出の山を登るひと組の男女。だが女は途中で足を挫き、つかの間別行動をとった男を突然の吹雪が襲う。

助産院に勤める紗英は、不妊と夫の浮気に悩んでいた。彼女の唯一の拠り所は、子供の頃から最も近しい存在の奈津子だった。

駅ビルの書店で働く杏子のもとに、長野に住む元同僚・美保から手紙が届いた。

第4回ミステリーズ! 新人賞受賞作の「夜の床屋」をはじめ、四季折々の「日常の謎」に予想外の結末が待ち受ける、新鋭による不可思議でチャーミングな連作短編集全7編。

あの夜、わたしは出会ってしまった。ハナカマキリのような、獲物を求める恐ろしい女に。

“夜見師”―祀られている祟り神を始末する者。その存在を知る者は限られている。