野村絹枝の背中に蠢く大蛇の刺青。

衆人監視の白木の箱の中から突如消えた“人形の首”。

眉目秀麗、頭脳明晰、白面の貴公子。輝かしい形容に彩られた名探偵、神津恭介。

深夜の公園、デートを楽しむ男女の眼前に瀕死の女性が空から降って来た!「アクマ」と呟き、間もなく女性は死亡。

神津恭介を殺す―伊豆の郊外「懶惰の城」で隠遁生活を送る神津のもとに不穏な封書が!都内で発生した満員電車内の毒殺事件、衆人環視下のマンションでの死体消失事件、そして京都のホテルで起こった失踪事件と、相次ぐ怪事件への捜査協力を依頼された直後のことだった。

明晰な頭脳にものをいわせ、巧みに法の網の目をくぐる。ありとあらゆる手口で完全犯罪を繰り返す“天才的知能犯”鶴岡七郎。

貴公子然とした容姿端麗の名探偵、神津恭介。世間にも名高き彼の下に、事件は絶えず舞い込む。

奥州衣川で非業の死を遂げた源義経。モンゴル帝国を築いたジンギスカン。

華やかな披露宴の席上、八百人もの出席者の眼前で新郎が刺殺された。

“今宵、汝の娘は一人、水に浮かびて殺さるべし”紅霊教教祖の孫娘は、湯槽の中で血まみれとなって殺され、予言は的中する。

16世紀イングランド。

謎の絵師といわれた東洲斎写楽は、一体何者だったか。後世の美術史家はこの謎に没頭する。

英国史上最も悪名高い王、リチャード三世——彼は本当に残虐非道を尽した悪人だったのか？　退屈な入院生活を送るグラント警部はつれづれなるままに歴史書をひもとき、純粋に文献のみからリチャード王の素顔を推理する。

東洋の寂れたバーの片隅で、過去幾たりもの歴史学者を悩ませてきた謎がいともあっさり解明されてしまうとは。

大昔、日本は北と南でアジア大陸と地続きだったが、温暖化によって……。

埼玉県と長野県の境近く、かつては個人の別荘であった寮「リラ荘」を、日本芸術大学の学生七名が訪れた。

探偵小説を愛し、戦争中は仲間と犯人当てゲームに興じた安吾。

日本最古の歴史書であり、物語も謎もふんだんの「古事記」。

カウンター席だけの地下一階の店に客が三人。三谷敦彦教授と助手の早乙女静香、そして在野の研究家らしき宮田六郎。

若い女と少年の死体が相次いで車のトランクから発見された。

母一人子一人で暮らしてきた四十五歳の娘は七十五歳の母親をなぜ殺害したのか?不明だった事件の動機を、美人大学院生・桜川東子が昔話・浦島太郎の大胆な新解釈で解き明かす(表題作)。

一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。

広島市内の大学に通う観音崎栞は、実家のある宮島に戻っていた。

「あの島には悪霊がとりついている】額から血膿の吹き出した凄じい形相の男は、そう呟いて息絶えた。

失踪した恋人―瀬木良介を追って台湾へわたった高嶋聖子。

次から次へと殺人を犯し、ニューヨークを震撼させた連続絞殺魔〈猫〉事件。

16世紀ロンドン。法廷弁護士シャードレイクのもとに、従弟殺害の罪を問われている少女エリザベスの弁護依頼が舞い込む。

1514年夏。

「古事記」に描かれた記述を通じて解き明かされる邪馬台国、ヤマトタケル、神功皇后など古代史の謎の数々と、古事記成立に秘められた驚くべき真相とは?―――日本最古の歴史書としてあまりにも名高い「古事記」の、歴史的叙術と神話的物語が織りなす世界に今、まったく新しい

“私の事を、父は「ガラスの人形」だと呼んでいた。脆い、脆い、透き通ったガラスの人形だと。

大化改新の立役者天智天皇は、弟天武天皇によって暗殺された!壬申の乱後、正当に皇位を継いだ天武―それが歴史の定説である。

奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くときぞ秋は悲しき―百人一首にも登場する伝説の歌人、猿丸太夫が詠んだ歌に秘められた謎。

深夜、東京の閑静な住宅街に一台のトラックが突っ込んだ。やがて起きる二つの殺人事件。

世界的に有名な京都・伏見稲荷大社の千本鳥居に吊された四人の遺体。

松下研三が古道具屋の店先であぶらを売っている時だった。

日本最古の神社の一つ、奈良・大神神社近くの河原で高校生が殺害された。

差出人不祥の、東北の山荘への招待状が、六名の男女に届けられた。

南朝に殉じ命を落とした勇将・楠木正成。太平洋戦争中、彼はその生き様から軍神として崇められた。

美人歴史学者の静香、ひとみ、東子の女子三人は、吉野ヶ里遺跡の古代墓で、知人の考古学者の死体を発見。

「わたしは、妹を二度殺しました」。金田一耕助が夜半遭遇した夢遊病の女性が、奇怪な遺書を残して自殺を企てた。

「……り……に、毒を」被害者は奇妙な言葉を遺して死んだ。毒物の正体は不明。

星城大学の研究者早乙女静香は宮田六郎と京都へ旅することになり、かねて興味を抱いていた崇徳院について調べようとする。

鮎川哲也の戦後本格の出発点となった里程標的名作。綿密な校訂と著者の加筆訂正による決定版。

富豪の一人娘が、別荘で不審な事故死を遂げる。

渋谷区のバー“森へ抜ける道”。マスターの島のもとには探偵の工藤、ライターの山内が集う。

科学知識を駆使したミステリを描いた、日本SFの先駆者・海野十三。

あの名探偵・神津恭介がバイクにはねられ、重傷を負って入院した。だが、思いのほか回復が早い。

五つの時計／白い密室／早春に死す／愛に朽ちなん／道化師の檻／薔薇荘殺人事件／二ノ宮心中／悪魔はここに／不完全犯罪／急行出雲／の十編を収録。

首なし死体、密室、蘇る、死者、見立て殺人……。

古神家の令嬢八千代に舞い込んだ【我、近く汝のもとに赴きて結婚せん】という奇妙な手紙と佝僂の写真は陰惨な殺人事件の発端であった。

一柳家の当主賢蔵の婚礼を終えた深夜、人々は悲鳴と琴の音を聞いた。新床に血まみれの新郎新婦。