暗黒の森の中で銃声とともにこだまするうめき声。「来た。

「弟を殺そう」―身長195cm、体重105kgという異形な巨体を持つ小学生の雷太。

屈託のない笑顔で嘘をつく男。出会い系サイトで知り合った奇妙な女。

北島早苗は、ホスピスで終末期医療に携わる精神科医。

若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。

広大な沼地と河口に面し、わずかに水上に出た土手道で村とつながるだけ。その館は冷たく光りながら堂々とそそり立っていた。

日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞受賞作、待望の文庫化！ 岡山の遊郭で醜い女郎が客に自分の身の上を語り始める。

櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。

帝都・東亰、その誕生から二十九年。夜が人のものであった時代は終わった。

その島は風車と風鈴に溢れ、余所者には誰も本当のことを話さなかった―作家葛木志保が自宅の鍵を預け失踪した。

村人たちはそれぞれに凶器を握り締めた。「屍鬼」を屠る方法は分かっていた。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

玩具修理者は何でも直してくれる。独楽でも、凧でも、ラジコンカーでも…死んだ猫だって。

何でも売っている不思議な市場「夜市」。幼いころ夜市に迷い込んだ祐司は、弟と引き換えに「野球選手の才能」を手に入れた。

火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された…。

十一月七日水曜日。女子大生の藍は秋のその一日を何度も繰り返している。

国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。

昭和初期を舞台に、双子の兄弟を襲う恐怖と悲劇とは……。

上官の命令に服従する兵士、戦地で負傷した帰還兵、侵入者に拷問を加える憲兵、爬虫人のサーカスに夢中になる少年……。

目を奪う美貌と、小学生とは思えぬ色香。転校生の目童たかりは、謎めいた美少女だった。

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。

たとえば、苔むして古びた水路の先、住宅街にひしめく路地のつきあたり。

犯罪抑止のために開発された「人工脳髄」。

しんと静まった真夜中を旅する怪しい集団。

「あの年の夏祭りの夜、浜から来た少女カムロミと恋に落ちたわたしは、1年後の再会というあまりにも儚い約束を交わしました。

畳は腐り梁は限界、崩れ落ちそうな巨大な襤褸屋敷ー姑の世話をするため、文子は単身赴任の夫と離れ、娘と姑の３人でこの家に暮らし始めた。

本格ミステリ大賞受賞作家が綴る、”最凶”の家ホラー。 山の中腹に建つ家に引っ越してきた、小学四年生の日々乃翔太。

ホラー作家・鹿角南のもとに、旧友からメールが届く。ある廃墟で「肝試し」をしてから、奇妙な事が続いているというのだ。

映画は、ときに優しくロマンティックに、ときに生々しく、ときに手厳しく、恋の至福とテクニックを教えてくれる教科書。

エレベーターに暗証番号、廊下に監視カメラ、隣室に役員。厳戒なセキュリティ網を破り、社長は撲殺された。

弁護士のクリスは、森でハンティングの途中、小川に浸かる上半身裸の女を見つけた。女は大怪我を負い、ひどく汚れていた。

母親の遺品整理のため田舎を訪れた男が、農道ですれ違った般若の面をつけた女―記憶と時間が不穏に交錯する「面」。

怪談作家の鹿角南は、従妹の嫁ぎ先、菊池家の古い土蔵で見つかった『目嚢』という古文書を預かる。

過ぎてみれば、全部、どうってことなかった―― 日々老いを感じつつ山裾の町で暮らす絵本作家の雪代。

その物語は、人を殺す――。

叔母から受け継いだ町屋に一人暮らす祥子。まったく使わない奥座敷の襖が、何度閉めても開いている(「奥庭より)」。

物心ついた頃から、数多くの「この世ならぬモノ」たちと遭遇してきた著者。

三島由紀夫邸を寸分違わず模倣した変奇な館に、運命を手繰り寄せられた男女。

現世から冥界へ下っていく道を、古事記では“黄泉比良坂”と呼ぶ―。なだらかな坂を行く私に、登山姿の青年が声をかけてきた。

神の仕掛けか、悪魔の所業か。地獄のバトルが今、始まる。

軽井沢にほど近い、別荘と住宅が混在する静かな森の一画。

さらりと驚くような都市伝説を語る女。芸能界との繋がりを自慢する主婦。

6歳の奈津江には、不思議な能力があった。誰かが失くしたものを探し出すことができるのだ。

1958年の夏。

北米東海岸メイン州、海岸沿いのリゾート地。ある夜、残忍な殺人が起こり、女性二人が殺され、赤ん坊が行方不明になった。

1965年夏、ニュージャージー州の保養地スパルタで、地元の不良青年レイはキャンプをしていた二人の女子大生に向け、面白半分に発砲した。

避暑客が去り冷たい秋風が吹き始めた九月のメイン州の避暑地。ニューヨークから六人の男女が休暇をとって当地にやって来る。

N大学理論物理研究所助手の野々村は、ある日、研究所の大泉教授とその友人・番匠谷教授から一つの砂時計を見せられる。

からくも一家心中の運命から逃れた少年・タカシ。辿りついた南の島は、不思議で満ちあふれていた。

科学とは無縁の世界で育った青年はある日、月世界を目指して天空へと伸びる「天橋立」に向かう。

人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。

作家兼編集者の三津田信三が紹介された男、龍巳美乃歩が語ったのは、旧家、百巳家での迫真の実話怪談だった。

市役所の戸籍係をしている夫と美人ではないが清楚で控えめな妻。

9.11テロの傷痕残るニューヨーク。街では閉店間際のバーを狙った武装強盗が相次いでいた。

『僕には、きみの僕への想いが手に取るようにわかる。