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マッチマッチ さんのレビュー一覧
マッチマッチさんのページへレビュー数321件
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かなり評価が高かったので手にした。
うーん、こんなものか。 初心者向けというか中高生向けのライトミステリーという感じ。 ところで、文庫本のP192の7行目に次の一文がある。 ・・・ 二人は警視庁を出て、タクシーを拾った。小春日和の午後であった。 ・・・ 実はこの小説、2月頃のお話なのである。 流石にこの季節に「小春日和」はないであろう。まるで素人さんがやるような誤用である。 正直、このあたりで興ざめしてしまった。 本題のミステリーの流れもやや都合良すぎて、それも含めて並評価の5点とした。 |
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軽ーく読めます。安定感たっぷりのミステリー小説。
とにかく読み易いのは、良くも悪くもこの著者ならではです。 しんどいのは序盤だけ。序盤に登場人物が紹介を兼ねて、次々と現れます。 事件の舞台になった別荘地のイラスト図が、最初にカラーで綴じられているので、そちらを見ながら人物の名前や続柄・関係などをメモしておくと、あとは楽勝です。 加賀刑事が探偵役となって、事件の共犯者を被害者の中から炙り出していくという設定なので、『どちらかが彼女を殺した』のような読者に推理させるような小説ではありません。 読み終えるとすべてが明らかになる。いわゆるオーソドックなミステリー小説のお手軽本ということでしょうか。 ところで、探偵加賀の一人称が、『俺が・・・』と時々使われていましたが、当方読んでいて、ストーリーとは全く関係ない部分で、こちらが妙に気になってしまいました。冷静沈着な「加賀刑事には似合わないような、、、 ▼以下、ネタバレ感想 |
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なかなかのボリューム感。上下巻の約900ページであるが、活字はかなり小さい。
これから読もうと思われる方は、覚悟して読み始めて欲しい。 900ページの構成は、1947年の「怪文書」で始まるプロローグ。 その後は、1990年の「第1章(男たち)」。1994年「第2章(前夜)」。1995年春「第3章(事件)」。1995年夏「第4章(恐喝)」。1995年秋(第5章(崩壊)」。終章のエピローグと続く。 この各章のタイトルを見るだけで、ある程度のストーリーは予想できるであろう。確かにその通りの展開なのである。 だから特段驚くような結末が待っているわけでもなく、ワクワク・ドキドキするようなスリルを味わえるわけでもない。少々、退屈というと、それは確かに退屈な小説とも言える。 とは言え、当方にとって「怪文書」から始まる「第1章(男たち)」は、非常に興味深く面白かった。この部分は秀逸であり、以後の展開を期待させます。 ただ実際はそれ以降がやや冗長過ぎで、少々ダレます。とにかく徹底してリアルに拘るのはいいんだけど、くど過ぎる。特に恐喝されたビール会社は、扱いが長過ぎでリアル過剰です。 反して、恐喝する側の「男たち」の心理描写が、中盤から後半にかけて乏しかったのが残念。 また終盤にかけての警察の扱いは、もはや警察小説としての範疇の枠外ですね。 どちらかというと、この小説は、1つの恐喝事件を軸にしたその事件に関わる人物たちの群像劇と思います。そういうスタンスで読むと、この小説は深いです。 ストーリーを展開を期待すると、低評価。群像劇として個々の心理を楽しむならば、高評価でしょう。 当方、最後まで読んで、この小説、警察小説・社会派小説の仮面を被った主人公の純愛小説という印象で読み終えました。 そういう意味では、逆に面白く斬新に感じ、この評価となりました。 |
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なかなか難しい小説であった。
気楽には読めないし、エンタメ感も一切ないので、その向きを楽しみたい方にはお勧めできない。 山岳ミステリーのようなタイトルで、序章はまさにその通りなのだが、実際の中身は警察小説のほぼど真ん中という所だろう。 しかし、警察小説というと、ミステリーっぽい内容を期待したいところだが、それは殆ど無い。どちらかというと、人間関係とか心理描写に重きを置いている。 とにかく展開は遅く、警察関係者を中心にじっくりと話が進む。 また、この小説を難しく感じる原因の一つが、登場人物が多く、かつその人物の特徴が何故にかつかみにくく、名前とその人物がイメージできないことである。 当方、最後まで刑事の名前と特徴が頭にイメージできず、「はてこの人誰だったっけ?」と考えてしまった。 さらに、意外と一文が長いので、そういう意味でも読解力を要する。そういうしんどさもあった。 ということもあり、なかなか小説の中身についての感想を書きづらい。 さて、この小説、 「合田雄一郎刑事シリーズ」の1作目で直木賞作品である。 サイト評価はBランクであるが、3作目がAランクになっている。 警察小説というジャンルは好きなジャンルなので、この1作目の雰囲気がどのように変化したのか、近日中に読んでみたいと思う。 |
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某田舎町の中学校が舞台のいじめをテーマにした長編社会派小説である。
ミステリー要素はほぼ無いが、その真相が知りたくてストーリーに引き込まれる。 エンタメ的な面白さは無いが、ノンフィクション小説と誤認するかのようなリアリティ感。これが実にいい。 都合よく展開する小説には鼻白むが、この小説にはそれが全く無い。 当方、あっという間に読み終えた。だから著者の長編は好きなのだ。 中学校でのごくありふれた日常の中で起こった男子生徒の死亡事故。 いじめ加害の少年たち、少年の親たち、被害者の親、学校の先生、捜査にあたる刑事、検察官、事件を取材する女性記者等、多くの視点で事件が語られ描かれる。 そういう面では、著者が常用する社会派群像劇でもある。 ポイントは、亡くなった少年からの視点はなく、彼の心情は一切分からないこと。 また、最後の数ページで真相は明らかになるが、それはある程度予見されていたことでもある。 見方によっては尻切れトンボのエンディングという形にも思え、消化不良感を覚える方もいるかもしれないが、当方は逆にスッキリと肯定的にこのラストを捉える。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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ミステリー要素はほぼありません。
雪山冒険エンタメ小説という感じでしょうか。 ダム関連の説明等で、やや小難しいところもありますが、全体を通して読み易いです。 スピード感もありますので、ページ数の割には簡単に読み終わりました。 内容的には主人公富樫の一人舞台という感じですかね。驚異的な体力と精神力。これを良しとするか否かで評価も分れるところでしょう。 惜しむべきは影の主人公と成り得たテロ犯笠原の最後。もう少し表舞台に出して最後を迎えさせたかった。 また、人質となったダムの職員、職員の身内の心情、これらへの書き込みも全く無かったが、これも少々拍子抜け。 さらにテロ犯リーダーらの真のテロ目的が明確に語られなかったのもマイナス点。 これらが全て描かれていれば、重厚な冒険小説に成り得ただろうに、惜しい気がした。 まあ、そこも加味して総合評価7点としたい。 |
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『殺し屋シリーズ』4作目という触れ込みである。
まさに伊坂ワールド全開。軽妙で軽快。面白かった。 「マリアビードル」で出てきた殺し屋天道虫が再登場。 列車内という閉鎖空間からホテル内という空間に変更されているが、味付けは一緒。 ただし、マリアに比べるとセブンはいささか小粒。 「マリアビードル」の評価が高かった方には、マリアの番外編という感覚で読むと大いに楽しめるでしょう。 当方も気軽に楽しめました。 マリアに比べると評価は少し落ちるけど、読後感も悪くはなく、7点程度でいいでしょう。 なお、これは映像化必須ですね。 3時間程度の映画で見ると、よりスリル感・スピード感も高まり、本で読むより間違いなくバズると思います。 タイトルもそのまま『777~トリプルセブン~』ピッタリです。 |
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イヤミスの女王と称される湊氏のデビュー2作目の作品である。
著者の作品は本作で、4冊目[絶唱(5P)→リバース(5P)→贖罪(7P)→本作(?P)]。 著者独特のその作風は、そのまま。 人の負の心理・行動を、軽いノリで軽妙に描く。だから、イヤミスとは言え、さほど重すぎることはない。 それどころか却って、人のバカさ加減が滑稽に見えて笑いを誘う。 よって本書は、気負わず暇つぶし程度で気楽に読み、楽しめばよい。 ラストのオチも「自業自得」・「因果応報」と割り切って、笑い飛ばしましょう。 さて本書の焦点は、2人の女子高生の心理の対比であろう。 序盤はその2人の目線がどちらの目線なのか、とても分かりづらい。慣れるまで少々時間が掛かった。 しかし、後半は分かりやすく、テンポよく展開する。 ミステリー風の伏線もキチンと漏れなく回収される。もちろんその分、伏線回収はいかにも都合良い。しかしその都合良さも、この小説のライトさで考えると、違和感はない。 それで本書の評価であるが、単なるイヤミス的内容ではなく、2人の少女の友情も味わえ、当方にとっては読後感もさほど悪くはなかった。 これまでの3作の最高点7点越えの8点としたい。 |
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親子の葛藤を描いた作品。
完全なるノンミステリー。著者のイメージからミステリーを期待したい方は、パスしてOK. でも読んで損はない。読後感はとてもよろしい。 物語は、補導委託で問題少年を受け入れた南部鉄器工房の親子と工房の職人、そしてその少年を中心にして話が進む。 工房の息子が父に思うわだかまり。少年の心のわだかまり。さらに少年の両親の思いと工房の父の思い。これらが徐々に明らかになり、ほぐれていく。 話は淡々とゆっくり進む。さほど大きな事件が起こるわけでもない。エンタメ感は一切期待してはいけない。 面白さを求めるのではなく、感動・感情の揺れを味わいたい。そういう作品であった。 惜しむべきは、南部鉄器を育んだ岩手の風土、自然、季節の変化などの言及が物足りない。唯一「チャグチャグ馬コ」については、興味深く読めた。 工房で仕事をした少年が南部鉄器に何を感じたのか、ここへの言及はあっても良かったのでは。 それらがマイナス評価。この辺りを十分に書き込み本書のテーマと融合させたら、より重厚な一冊となっていたのでは、、、 よって、アマゾン評価の5点には届きませんでした。4の下で、7点です。 |
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シリーズ1作目、「警官の血」を読んだのがちょうど1年前。
読み応え抜群ですね。 スピード感なく展開が遅いという感想を持つ方もいるとは思いますが、当方にとっては、妙にサクサクと話が進むより現実的で落ち着いて読める。 「警官の血」のような脈々たるスケール感はないが、それはそれで、却ってリアルで良い。 本格的な王道の警察小説である。犯人探しのミステリー的楽しみかたではなく、警察内部の覇権争いや手柄をめぐっての現場の主導権争いを、観察し楽しむ小説である。 本冊の焦点は、3代目和也と和也が売った加賀谷。 この和也と加賀谷の件(クダリ)については、「警官の血」を読んでいなくとも、ある程度は説明されている。ただし、1作目を読んでいた方が、より話に深みが付いてくる。 どう読んでも、主人公は加賀谷であろう。1作目同様、和也はまだ未熟で発展途中。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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「第68回江戸川乱歩賞受賞作、 選考委員満場一致」との触れ込みで手にした小説。
なかなか序盤のつかみは良い。小惑星「テロス」が日本に衝突。2か月後には確実に死ぬ。 そんな極限の状況で、主人公は太宰府で自動車の教習を受ける。 山道教習では、途中で落下してきた首つり死体に教習車が激突したり、行き先のダムでは生きる希望を失った人間の自殺場となっていたりと、非日常の世界を描いている。 そんな中、主人公小春は、なぜこの時期敢えて自動車学校に通うのか?そもそも自動車学校がなぜ営業されており、唯一残っていた指導教官イサガワ先生とは一体何者なのか? ここまでは、今後の展開期待大ですこぶる良かった。 しかしながら、その後の展開は、ある殺人事件の謎解き小説。 ハッキリ言って、この謎解きは陳腐である。せっかくの究極の極限状態という設定が、あまり活かされていない。 そもそもこんな状況で、殺人事件の犯人探しなんて、超非現実的。ありえない。 登場人物の生い立ち、背景、性格、心理描写、この辺りの記述が妙に軽くて表面的。 描写・文体もこなれていないというかちょっと、幼い感じ。 結局、テーマの割にはライトすぎるという感覚か。 ということで、あまり高評価は与えられなかった。 ただ、序盤が気に入ったので、中庸点の5点とした。 |
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短編集です。4編中3編がSF。1編が表題作のミステリーです。
4編の関連は全くありません。 SFの3編は、あまり面白く感じなかった。特に1作目の、「夜の記憶」はややわかりずらい。最後の「赤い雨」がある程度マシかな。 表題作の「罪人の選択」。こちらは本短編集では、一番の良品でしょう。でも短編ミステリーの醍醐味であるオチの切れ味は、さほど感じれなかった。 やっぱり、この著者は長編が向いているのではないだろうか。 「黒い家」や「天使の囀」のようなヒリヒリする小説を読みたい。 ということで、評価は辛めのアマゾン評価2点。 |
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正真正銘の青春小説。非ミステリーです。
読んで思い出す自身の学生生活。 大学生になり一人暮らしをし、大人になったつもりでも結局は子供なんだよ。 世間に庇護され自由に生きる、オアシスのような生活。 タイトルの砂漠こそ、著者の意図するアンチテーゼ。 そのオアシスで青春を謳歌した5人の登場人物。大学生の北村、鳥井、南、東堂、西嶋。 そしてもう一人の登場人物社会人の鳩麦さん。鳩麦さんは、彼らを優しく見守っていたんだね、砂漠から。 あっと言う間に過ぎ去った4年間。卒業式での学長の祝辞。 「・・・学生時代を思い出して、懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ」 著者も自身の学生生活を振り返って、これが一番言いたかったんだろう。 懐かしく楽しんで読ませてもらいました。 ★7つ。 |
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失敗しちゃった。
Anotherの評価がえらく高いので、これは面白そうだ読み始めたのが、これ。 これ、AnotherじゃなくてAnother2001という続編。 読んでいる途中で気づいて、がっかりしちゃった。 結構楽しんで読めたが、果たしてこの後Anotherを読んで、楽しめるだろうか。 どちらかというとそっちの方が気になってしまう。 完全にホラーミステリーですね。 結局は、正体がつかめない不可解な世界。 やっぱり、この手の不可解で奇怪な出来事は、その正体が明らかになることで、物語がしっかり腑に落ち楽しめる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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先日の日経新聞で、SF界のスポークスマンとも呼ばれる大森望氏の絶賛書評を読み、手にした。
中国SFが急速に台頭する一方、アメリカSFの影が薄い。そもそも、一般に知られる作家や作品が出てこない。 そんなアメリカSF界のさびしい状況を打ち破る希望の星が、『火星の人』で2011年にデビューしたアンディ・ウィアー。・・・ ・・・しかし、その『火星の人』をも上回る人気を得たのが、21年に出た最新長編『プロジェクト・ヘイル・メアリー』・・・ ・・・「だれが読んでもおもしろいSF」という無理難題に果敢に挑んで見事に成功した奇跡的な傑作だ。 という書評である。これは是非読まなくてはならない。 確かにシンプルに楽しめた。 上巻の大半が、主人公グレースの一人称語りでストーリーが展開する。 ややもたもたしているが、上手く疑問を膨らませる。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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