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水生 さんのレビュー一覧

水生さんのページへ

レビュー数401

全401件 101~120 6/21ページ

※ネタバレかもしれない感想文は閉じた状態で一覧にしています。
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No.301:
(6pt)

服用禁止の感想

アントニイ・バークリー初読了。自殺か他殺か、それとも病死かあるいは事故か--。多重解決物の醍醐味は複数の選択肢を検証していく「情報集め」の過程にあると思う。自白に向かわせていく論調と、あるアイテムの扱われ方が非常に効果的だと思いました。
服用禁止 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)
アントニイ・バークリー服用禁止 についてのレビュー
No.300:
(7pt)

小さな異邦人の感想

連城三紀彦さん最後の短編集。表題作と「蘭が枯れるまで 」が個人的ベストです。
小さな異邦人 (文春文庫 れ 1-18)
連城三紀彦小さな異邦人 についてのレビュー
No.299: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

○○○○○○○○殺人事件の感想

第50回メフィスト賞は前代未聞のタイトル当て、その内容は王道のガジェットに彩られた本格パズラーです。笑い転げそうになるほどのバカバカしい(褒め言葉)真相と、それによって構築された端正なロジックは、タイトル当てという奇抜さだけではない面白さがありました。
○○○○○○○○殺人事件 (講談社文庫)
早坂吝○○○○○○○○殺人事件 についてのレビュー
No.298:
(5pt)

貘の檻の感想

道尾秀介さん初読了。全体に暗い雰囲気で幻想的・情緒的な文章は綾辻さん、または横溝正史の岡山物に似ている。過去に事件と悪夢・それを調べつために故郷に戻った先で起こった事件が徐々に重なっていく。個人的には本格ミステリではないように感じましたが、旧農村の陰鬱な雰囲気は味わえました。
貘の檻 (新潮文庫)
道尾秀介貘の檻 についてのレビュー
No.297:
(6pt)

御子を抱くの感想

2014年8月時点で石持浅海さん最長の作品。特殊なコミュニティ内での事件という点で「扉は閉ざされたまま」や「水の迷宮」を、不思議なカリスマ性を持った人物の死を発端としている点で「月の扉」や「届け物はまだ手の中に」をそれぞれ連想させる内容でした。前半が人間関係や状況設定の描写に力を入れて書かれているため少々退屈に感じられましたが、後半はその設定を根拠として構築されたロジックには惹きつけられました。
御子を抱く
石持浅海御子を抱く についてのレビュー
No.296:
(8pt)

異次元の館の殺人の感想

初読了の森江春策シリーズ。SFミステリで複数エンドのサウンドノベルゲームを表現したらこんな感じじゃないかと思いました(やった事はないです)。間違った答えを出すたびに選択肢が狭まり正解に収束するのは面白かったです。
異次元の館の殺人
芦辺拓異次元の館の殺人 についてのレビュー
No.295: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

消失グラデーションの感想

長沢樹さん初読了。繊細な筆致で描かれる青春ミステリ。明かされる真相は切なさを感じさせると同時に、この趣向のミステリにはどうしても生じてしまう「言及しない事の不自然さ」を打ち消すという効果を見事に発揮している。本格ミステリとしても青春小説としても傑作。
消失グラデーション (角川文庫)
長沢樹消失グラデーション についてのレビュー
No.294:
(8pt)

破門の感想

第151回直木賞受賞作。ハードボイルドにしてヤクザ小説、あるいはユーモアサスペンスといった印象でした。殺伐としたストーリーながら、軽快な大阪弁の掛け合いが面白かったです。シリーズものでしたが前作を読んでいなくても問題なく読めました。
破門 (単行本)
黒川博行破門 についてのレビュー
No.293: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

とむらい機関車の感想

「とむらい機関車」・「カンカン虫殺人事件」・「あやつり裁判」が個人的ベストです。
とむらい機関車 (創元推理文庫)
大阪圭吉とむらい機関車 についてのレビュー
No.292:
(4pt)

豆の上で眠るの感想

綿密なプロットや心理・思考の描写は他の湊作品と比べて遜色はないものの、登場人物の動きの不自然さが目立っていて今まで読んだ中ではあまり好みに合いませんでした。
豆の上で眠る
湊かなえ豆の上で眠る についてのレビュー
No.291:
(7pt)

魔法使いと刑事たちの夏の感想

東川さんのシリーズ物は2作目からが本番。コメディパートに伏線を巧みに隠し解決パートで構築する技法は前作よりも遥かに噛み合っている。ダイイングメッセージの使われ方が独特だった「魔法使いと死者からの伝言」と、傘のロジックに爽快感があった「魔法使いと傘の問題」が個人的ベストです。
魔法使いと刑事たちの夏 (文春文庫)
東川篤哉魔法使いと刑事たちの夏 についてのレビュー
No.290:
(6pt)

旧校舎は茜色の迷宮の感想

第6回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作。主要登場人物達の中で交わされるオカルトや都市伝説に対する捉え方の違いなどは興味をそそられた。その事件の何が謎なのかを明確に提示する技術は優れていると感じましたが、真相の提示が少々アンフェアに感じられてしまったのが不満点でした。
旧校舎は茜色の迷宮 (講談社ノベルス)
明利英司旧校舎は茜色の迷宮 についてのレビュー
No.289:
(8pt)

冷たい太陽の感想

鯨統一郎さん初読了。誘拐犯からの奇妙な指示、それ以外はオーソドックスな誘拐ミステリかと思いきや、用意周到に張られた伏線とミスディレクションにひっくり返されました。これは想定外でした。探偵役を第三者に移すことで、誘拐ミステリで「犯人当て」を成立させてるのが面白かったです。
冷たい太陽 (光文社文庫 く)
鯨統一郎冷たい太陽 についてのレビュー
No.288:
(7pt)

夏期限定トロピカルパフェ事件の感想

<小市民>シリーズ第2弾。各章で張られた伏線が鮮やかに収斂し、ビターな結末、そこから後シリーズへの転換となっています。1章の倒叙ミステリ風日常の謎と、エピローグで全てを収束するロジックは特に秀逸でした。
夏期限定トロピカルパフェ事件 (創元推理文庫)
米澤穂信夏期限定トロピカルパフェ事件 についてのレビュー
No.287: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

朧月市役所妖怪課 河童コロッケの感想

青柳さんの浜村渚シリーズ以外ではこれが初読了となります。妖怪と人間が共存する自治体を舞台にした社会派エンターティメント・青春小説として面白く読めました。発生する事件が常に妖怪絡みであることを念頭に入れれば変則の「日常の謎」としても読めると思います。
朧月市役所妖怪課  河童コロッケ (角川文庫)
青柳碧人朧月市役所妖怪課 河童コロッケ についてのレビュー
No.286:
(6pt)
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神様ゲームの感想

「さよなら神様」が出たのを契機に読了。児童書レーベルで出されたとは思えない救いのないラストに唖然となりました。最初はキツいブラックジョーク程度に思ってたけど……。「神の如き名探偵」へのアンチテーゼなのかとも思いました。 リドルストーリとしては3通りの解釈ができるのは面白いと思います。
神様ゲーム (講談社文庫)
麻耶雄嵩神様ゲーム についてのレビュー
No.285: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

11枚のとらんぷの感想

泡坂妻夫さん2冊目の読了。長編の中に短編集が挿入されている。ただし奇をてらっているわけではなく、作中作も単独で面白く、解決編で効果的に使われている。ロジカルな消去法的推理も自分好みでした。奇術好きならより楽しめると思います。
11枚のとらんぷ【新装版】 (創元推理文庫)
泡坂妻夫11枚のとらんぷ についてのレビュー
No.284: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

孤島パズルの感想

有栖川有栖さん3冊目の読了。まさにパズラー。謎の提示・推理合戦と検証・解決編とそれぞれの部分で楽しめました。解決編まで推理してみる余裕があったのがその要因。解決編前半の臨場感と後半の切なさが対照的。
孤島パズル (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
有栖川有栖孤島パズル についてのレビュー
No.283: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

虐殺器官の感想

伊藤計劃さん初読了。近未来を舞台としクラヴィス・シェパードとジョン・ポール、繰り返し言及される「虐殺器官」を主軸としたハードSF。SFは不慣れなジャンルでしたが、全体に漂う仄暗い雰囲気と衒学的な文章、終盤に明かされる「虐殺器官」の真相に引き込まれました。
虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)
伊藤計劃虐殺器官 についてのレビュー
No.282:
(6pt)

贖罪の感想

15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。まさに言霊による負の連鎖が引き起こした悲劇。淡々とした独白が繰り返されることでその感覚は一層強まっている。
贖罪 (双葉文庫)
湊かなえ贖罪 についてのレビュー