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一の悲劇
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一の悲劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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主人公が時代錯誤も甚だしい愚かな中年男なのが、読んでいて非常に辛かったです。 同じくらいの時代に描かれた作品でもここまで酷いのはみたことないです。 思慮が浅く自分勝手で、自己評価が高く何事にも上から目線、根本的な人間性や性格、思考が酷いので、嫌悪感しか抱けませんでした。 作中で本人も語っていますが、自分の蒔いた種で苦しんでいるという自業自得な状態なので、主人公の置かれた状況に全く同情できませんでした。 内容的に意図してこのような人物を描いているのかもしれませんが、もうちょっと好感の持てる人物にして欲しかったです。 事件を追う語り手がこれなので、全体を通してあまり気持ちよく読めませんでした。 上記の点を除くと、ストーリーもトリックも質が高い方なのではと思います。 展開が目まぐるしく変わるのでこちらを飽きさせず、緊迫感のあるシーンも随所に盛り込まれており、スピード感とテンポの良さでグイグイとストーリーに引き込まれました。 そして展開がどんどん変わっても置いてけぼりにされない読みやすさと表現力の高さで、読み手の事を考えた良質な作品だと思いました。 終盤のどんでん返しも見事で、動機にこじつけ感はあるものの、犯人にはびっくりしました。 ただ、ラストがスッキリしないのが残念でした。 少々ネタバレになりますが、主人公の人物設定からして、主人公が再起不能になるくらいとんでもなく最悪な事態に陥るのだろうと勝手に思っていたので(笑) | ||||
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流れるような物語の運びで、文体にも変なクセが無いため、好感を持つことができた。 その一方で、読後感としては、特に印象深い何かが、心に強く残るということは無かった。 結局は、本作は自分にとっては、「暇つぶし」以上のものではなかったのだということになる。(乱暴な言い方であるのかもしれないけれど) 問題点を挙げるとすれば、人物造形が手薄であること。 これにつきる。 特に致命的であるのは、犯行の真相だけでなく、犯人の心情に至るまでの全てを、法月に「解説」させたことだ。 犯人は、真意を吐露することも無いままに、自ら命を絶つ。 法月の「解説」が、絶対的なものであるとする「予定調和」を、読者は無条件で引き受けなければならない、 という、本作の構成には、抵抗感を覚えたし、なにより、最も描かれなければならない部分、つまり、犯人の心情吐露を、なぜ省略したのかという疑念と 失望感が残ってしまったのは、大きな減点材料であると言わざるをえない。 ここまで丁寧に書いてきたものを、どうして、最後の最後に、投げ捨てるような形で終わらせてしまったのだろうか。 非常に残念である。 描き漏らした部分を埋めて、リメイクしたものを、「改訂版」として出版して欲しいほどである。 「完成された作品とは言い難い」と本作を評するのは、以上のような理由によるものである。 | ||||
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