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一の悲劇
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一の悲劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全22件 1~20 1/2ページ
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★★★★☆ | ||||
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設定が凝っており、冒頭から一筋縄ではいきそうにないムードが濃厚。過去の過ちに呪縛されて、窮地に陥った主人公の、何としても妻を守る決意に、強く共感したのだけど、作者の計算通りだった。おかげで、ラストに近付いての、二転三転のどんでん返しに手もなく翻弄され、意外な真犯人に驚愕した。 論理的に犯行が可能な人物は誰かと考えれば、真相にたどり着くはずなのに、複雑な人間関係に幻惑されて、まさかの真相に強い抵抗を覚えたようだ。見事な構成で、ラストのどんでん返しが鮮やかな、本格ミステリーの傑作と評したい。 | ||||
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とても読みやすくあっという間に読み終えた。 山倉の息子と間違えられて近所に住む息子の同級生が誘拐される。私はあまり予想をせずにのほほんと読んでいくので、最後の最後まで二転三転する真相に私もコロコロ転がされた。自分勝手な山倉さんがイマイチ好きになれない…自分勝手過ぎでしょ。探偵の法月綸太郎の活躍もっと見たいので他も読んでみよう。 | ||||
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誘拐事件の顛末、三浦の自宅で起きた事件の顛末がスリリングで読み応えがあった。 誘拐事件に秘められた犯人の真意は捻りがあって意外。 誘拐事件で犯人が行った〇〇の偽装、アリバイトリックの方法等など、犯行計画が実に巧妙。 最後に犯人候補が二転三転するところも面白い。 私は、真犯人以外の犯人候補に対しては全員疑いを持っていたのだが、真犯人だけは候補から外していた。電話の子供の声に騙されていたのだ。 誰が茂を誘拐できたのか、ということを考えれば、確かに犯人はこいつしかいない。 | ||||
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思わぬところからハウダニットが飛び出して、心地よい混乱のまま結末を迎えました。 私はすっかり筆者のペースにはまってしまったタイプだと思います。 読後のやられた!感が爽快で、大満足の一冊です。 | ||||
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久々の徹夜本。圧倒的なリーダビリティに中断しどきがわからずそのまま一気読み。「頼子のために」「生首に聞いてみろ」に続いての本作でしたがやはりこの作家のミステリーは面白い! 間違い誘拐から物語が始まる本作ですが、最初から最後まで二転三転するストーリーに息つく暇もありません。 ですが中盤での探偵役のセリフ通り、今回の事件は動機がわかれば自動的に犯人が誰かわかる仕組みのため、トリックはともかく犯人で悩むことはないはず。しかしフーダニットの点を差し引いても十二分に読ませる作品に仕上げているのはさすがです。 トリックについてはところどころ無理やりすぎて説得力に欠ける部分もありましたが(Cワードの保存についてなど)総合的に見てプラスマイナスゼロかな。 そしてこの作家の作品は登場人物たちがきちんと生きて動いているのが好印象。ミステリー小説において主役になりがちな探偵役をあえて物語の引き立て役にしてストーリーを進めるのはこの作家ならではな気がします。あくまで本作の主人公は父親なんですよね。それがたまらなくいいんです。 本作はタイトル通り悲劇的なお話なのでスカッと爽快な結末は期待しないでください。しかし一抹の希望を感じさせるラストには胸がじわりと締め付けられました。ミステリー小説でありながら家族のありかたも考えさせられる傑作だと思います。 | ||||
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約1年前に購入して、最初だけ読んで後はずっと放置していました。 今日久しぶりに読んでみたら、あれよあれよと引き込まれ、読破してしまった。 僕は単細胞なので、複雑なトリックだとかは分からない。でも『一の悲劇』は難解そうに見えるけれど、作者の簡潔で洗練された文章によって、描写が頭に浮かびやすい。 あとは題名が素晴らしい!算用数字の「1」ではなくて、漢数字の「一」。読んでいただけたら、「なるほど」と思うでしょう。 それと最後の場面には、ホロっと来た。人によってはちょっと後味が悪くなるかも。 | ||||
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あらゆる推理作家の中で最も論理的と言われる著者だけに結末が二転三転する複雑な犯罪を見事にまとめています。登場人物の人間像も掴みやすく読みやすい作品です。尤もこれは好みの問題ですが、ここまで複雑な犯罪になると相当な推理小説ファンでないと付いていくのは困難です。どんでん返しが何度もある作品が好みの人にはお勧めです。 | ||||
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私は今まで自分はミステリー小説は好きじゃないと思っていた。 今まで読んできたミステリーではなれなかった夢中な境地に『一の悲劇』は連れて行ってくれた。 文体に吸いつけられるようになって、ページをめくった。 法月綸太郎の他の作品も読んでみたくなった。 | ||||
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本は直ぐに溜まってしまうので数年おきに処分するのだが、本書はその度に残った。たしか死体の移動(運搬)に斬新性があり、これは凄いなと思ったのだ。しかし、細部は殆ど失念しており、本書が評判を呼んでいることから、久しぶりに読んでみる事にした。 誘拐モノには黒澤明「天国と地獄」このかた人一倍興味があり、それは推理小説の世界でも同様だが、なかなか期待に応える作品には出会えてなかった。本書も数多い誘拐モノの一つだが、冒頭から緊張感が走り、これはイケルかなと期待させる。 人間関係と状況把握で読者を戸惑わせるから、自然と頁を繰るのが早くなり、法月の術中に嵌ってしまう。そしてラストにさしかかる辺り、どんでん返しの連続と、死体移動の解明が成される段階で、そうか、こんなシチュエーションだったのかと驚かされる。 今更ながら本書を処分しなくて良かったのと、面白い本は必ず誰かに支持され、蘇えるものなのだなと確信する。 | ||||
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他の評者も述べているが,プロットや仕掛けられたトリックは良いと思うが,登場人物の描写が薄く,彼ら・彼女らへの感情移入が難しい。そのため,読後に心に沁みわたる何かがない。 これがあるかどうかが,一流作品とそうではない作品との違いなのだろう。 | ||||
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新聞の紹介で読みたくなって取り寄せました。期待に反することなくなかなか面白い推理小説でした。 私は若い頃は、エラリー・クイーンなど読んで居ましたからちゃちな推理小説では満足しません。 | ||||
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ただの誘拐殺人の話かーと思ったら、事件も内容もちょっと複雑な話で、読んでいくうちにはまっていきました。 主人公の気持ちや行動にとてもリアリティーがあって、読んでいてハラハラするシーンも多くありました。 最後に行くにつれ、事件の数としては少ないはずなのに全く犯人がわからない。読む人をさらに混乱させていくところもすごいなーと思いました。 綸太郎ものですが、そんなに綸太郎さんの出番はなく、そこは残念でしたが、ここぞというときに出てきます。 タイトルも、読み終えるとなるほどという感じです。 | ||||
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作者自身もいっているように、 前半は本当に原りょうの『私が殺した少女』に似ている。 清水辰夫の作風にも近い。 そんな「ハードボイルド meets 本格推理」が吉と出るか、凶と出るか… と思っていたのだが、まあまあうまくいったんじゃないかと思う。 法月綸太郎が登場するとちょっとちぐはぐな印象に映るときもあるけれど、 取り立てて異分子になることなく溶け込んでいたのではないか。 一気に読ませる疾走感はあった。 作者の筆運びはかなりのものだと思う。 | ||||
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法月氏が誘拐もの推理に挑んだ意欲作。 1990年代前半に出版されているが、氏の尊敬する作家の文体や雰囲気を真似ていることもあり、70年代の本格推理を読んでいるかのようなクラシカルな風格漂う一作。 複雑な人間関係を盛り込み、最後の最後まで目が離せないスリリングな展開である。 法月探偵シリーズでは最初の一冊としてお勧めできる傑作です。 | ||||
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原寮『私が殺した少女』とパトリック・クェンティン『二人の妻をもつ男』のプロット を下敷きに、志水辰夫の文体を目指した、家族悲劇がテーマの誘拐ミステリ。 タイトルの『○の悲劇』は、当然、クイーンの《レーン四部作》に 由来し、『一』は、一人称の叙述形式であることを表しています。 (それ以外にも、《レーン四部作》の第一作『Xの悲劇』同様、 ダイイング・メッセージとしての含みも持たされています) さて、本作のアイデアで最も秀逸なのは、犯人が使ったアリバイ・トリック。 捜査側の盲点を衝くことで、わずかな労力しか 用いずに、鉄壁のアリバイが構築されています。 のみならず、誘拐された子どもの実父で、視点人物である男に身代金を持たせ、 夜の街を車で走らせる行為自体が、犯人が受けた苦しみを象徴的に反復させる 復讐でもあることには唸らされました。 ところで、本作をシリーズ全体から見ると、作者自身が語るように、 前作『頼子のために』の姉妹編にして、アンチテーゼでもあります。 前作で特権性を剥奪された名探偵・法月綸太郎は、今回、他者の 視線に晒されることで、その存在意義が改めて問い直されています。 | ||||
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原寮『私が殺した少女』とパトリック・クェンティン『二人の妻をもつ男』のプロット を下敷きに、志水辰夫の文体を目指した、家族悲劇がテーマの誘拐ミステリ。 タイトルの『○の悲劇』は、当然、クイーンの《レーン四部作》に 由来し、『一』は、一人称の叙述形式であることを表しています。 (それ以外にも、《レーン四部作》の第一作『Xの悲劇』同様、 ダイイング・メッセージとしての含みも持たされています) さて、本作のアイデアで最も秀逸なのは、犯人が使ったアリバイ・トリック。 捜査側の盲点を衝くことで、わずかな労力しか 用いずに、鉄壁のアリバイが構築されています。 のみならず、誘拐された子どもの実父で、視点人物である男に身代金を持たせ、 夜の街を車で走らせる行為自体が、犯人が受けた苦しみを象徴的に反復させる 復讐でもあることには唸らされました。 ところで、本作をシリーズ全体から見ると、作者自身が語るように、 前作『頼子のために』の姉妹編にして、アンチテーゼでもあります。 前作で特権性を剥奪された名探偵・法月綸太郎は、今回、他者の 視線に晒されることで、その存在意義が改めて問い直されています。 | ||||
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いかにも簡単に犯人を見つけられそうな展開に、途中で飽きそうになってしまいましたが見事に最後は裏切られました。真犯人を読者に予想させ、その度にくつがえされる展開にハマってしまいました。 古い作品ではありますが、時代的な(電話やポケベルなど)モノ以外はトリックも心理描写も全てが完璧だと思います。 よく考えられた、非常に奥の深い本格推理小説です。 | ||||
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いかにも簡単に犯人を見つけられそうな展開に、途中で飽きそうになってしまいましたが見事に最後は裏切られました。真犯人を読者に予想させ、その度にくつがえされる展開にハマってしまいました。 古い作品ではありますが、時代的な(電話やポケベルなど)モノ以外はトリックも心理描写も全てが完璧だと思います。 よく考えられた、非常に奥の深い本格推理小説です。 | ||||
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名探偵法月綸太郎シリーズ。巻末で作者自身が吐露しているように、プロットや文体にはかなりの模倣はある。これは小説内に出てくる義弟の小説家のセリフの端々にもどこか作者自身の作家としての正直な吐露が感じられる点にも出ている。しかしながらそれを自身で語る法月綸太郎氏は正直にして正々堂々の作家である。そういった要素を加味しても本作は見事な出来映えである。どんどん複雑になって行く現代の家族の形態と、それを形成していく面々の心情を実に見事に表現している点を高く評価したい。プロットや文体よりも、家族を組成している面々の描き切り方が見事だ。子供とは何か。家族とは何か。正直な自分とは何か、を考える傑作である。 | ||||
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