■スポンサードリンク


摩天楼の怪人



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

摩天楼の怪人の評価: 3.96/5点 レビュー 23件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.96pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(5pt)

とても良い商品です。

大変良い商品です。ありがとうございます。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.16:
(4pt)

初期作品のようなよさあり、いつもの臭みも少しあり

<ネタバレ全開、ご注意あれ>

 ありがたいことに、本作の舞台はNYで日本人は御手洗以外に登場せず、つまりは著者の日本人批判が発動しにくい。そして若い御手洗の人当たりは穏やかだw
 また持ち味の個性的な建造物を使った島田ファンタジーに加えて、著者得意の都市論が展開されることもあって、総じて初期作品の良さが戻ってきたようで、随分と楽しめた。

 本作は当初、『ライオン大通り』と題するつもりだったらしい。
 なるほどライオン大通りは、第三章のタイトルであるとともに、本作の謎の中核に関わって中盤の興味を牽引するものだが、物語全体のイメージとしては、『摩天楼の怪人』が正解だろう。
 この題名は、いかにも『オペラ座の怪人』を連想させるもので、美人女優にその守護者の仮面の怪人といったモチーフは、それを助長するものだが、個人的には「怪人」の語感から、乱歩作品へのオマージュを強く感じた。
 時計塔の内外でのアクションと云えば、乱歩自身よりも彼の『幽麗塔』にインスパイアされた『ルパン三世/カリオストロの城』だけれども、時計の針に断首される恐怖というモチーフは、作品名は忘れてしまったが、乱歩作品に通じるし、謎解きの一環として登場したあるガジェットには、「湖畔亭事件」を連想させられた。
 また言わずもがなだが、戦争帰りの仮面の男と云えば、横溝正史の『犬神家の一族』だ。
 ちなみに、本作でボツらせたライオン大通りの題名は、すぐに「UFO大通り」として別作品でリサイクルされたw

 といった他作品の連想も含めて、本作には随分と楽しませてもらったのだが、いい歳こいて島田ファンタジーに圧倒されるだけではやや情ないので、若干のツッコミをしておきたい。

 本作の最後で、記述者のジェイミー・デントンは“犯人”に対して、「私以上に文学を愛し、他者への思いやりも、柔らかな感性も併せ持つ、魅力的な人物だった。自分と違いがあるとすれば、それは戦争だ」(P.680)とコメントしているが、そもそもセントラルパーク・タワーに"あの仕掛け"が施されたのは、当然竣工した1910年以前である。その目的は、覗き見以外にない。
 とてもヤバい思考が強い実行力に結びついた超危険人物だw
 また従軍する前の1916年において、一方的に信奉した女優を誘拐しただけでなく、すでに殺人も実行した。ファントムが存在し続けた事実への圧倒的重みにデントンがくらくらしたのはわかるが、そんな人物を酌量する必要はあるか?
 というか、著者の日本人以外への甘さが漏れ出たのかw

 そしてブリオロフによるタルマッジの代役に関してが、よく理解できなかった。
 自分の整理のために、1921年の一連の事件の時系列を並べてみると、

9月5日……サンドリッチ殺害
9月6日……大時計の撤去を決定
9月7日……サリナスとファントムが二度目の邂逅
9月8日……撤去作業。文字盤中央の丸穴のみ時間切れで残る
9月10日……タワーの窓が大量破砕、タルマッジ転落死
9月27日……エルグ“自殺”
10月3日……ジーグフリード殺害

 となるので、エルグ事件の際の凶器とストッキングは、誰がどうやって入手したのかということに関しては、9/8~9/10のあいだにタルマッジが入手してファントムに渡していたということで可能だと理解できた。
 撤去作業が始まるまでの僅かな間なら、ファントム自身が出かけることも可能ではあったが、その外見では難しかっただろう。
 しかしそれならば7日の邂逅で、「君の今度の『インディアン・フラワー』は素晴らしい、もう何度も観た」(P.105)というのは、一体どこでどーやって観たというのだろう?

 そして、ファントムはこうも云う。「こういう顔になって、私は人前に出ることができなくなった。以来、彼がオーソン・タルマッジになった」(P.615)
 しかしタルマッジとブリオロフが「一緒にアメリカに来た」(P.615)のは、1921年の従軍からの帰還時ではないはずだ。明言はないものの常識的に考えれば、セントラルパーク・タワーの設計当時から、二人は共同作業していたようだし、となると、1916年~1921年のタルマッジ不在時には、ブリオロフは彼自身としてタワーに居住していたのだろうか?
 またタルマッジは摩天楼の設計者として、メディアへの露出はそれなりにあったはずだが、問題は生じなかったのか?
 それにしても、1910年~1916年までは特に事件が起こってもなく、二人が同居していたというのに、タワーの管理人のハワード・スミスすらブリオロフの存在を知らなかったのが解せない。
 数百人が住んでいそうなタワーとは云え、最上階付近のハイソな居住者のことくらいは管理人なら知っていそうなものだが、そこは「大都会の孤独」で、部屋の名義がタルマッジというだけで、特に居住している人の数や顔の弁別などは範疇外ということか……。

 そして肝心のサリナスによるジークフリード殺しでは、殺したのは間違いなく自分で、しかしその手段はわからない(魔王の魔法の力による移動)と自身で述べていたが、廊下に窓がない建造物内で停電中の漆黒状態とは言え、それはちょっと信じられない。聴覚や触覚はあるだろ。どこともわからぬ場所ならともかく、自分の普段の生活範囲なのだから。
 「両手を前にあげて歩いていったら、壁を抜けて、そこが彼の一階のオフィスだったと?」「これ以上はもう語りません」(P.43)のニュアンスからも、そこは気づいていたのだろうと思いたい。そうでもなければ、他の女優のことを「オツムときたら、帽子を載せるためだけについてるの」(P.371)なんて辛辣な批評は到底許されるものではないw

 もう一つだけ。事件の第一幕と云える1916年から第二幕の1921年に飛ぶのは、その期間、ファントムが従軍していたからだという。その戦争はもちろん欧州の大戦なのだが、それなら1918年あたりに帰還した兵士も多かったはず。
 それが1921年だというのは、引き続いてロシア革命干渉戦争にも従軍していたからではないのか?
 ファントムは戦争で大怪我を被ったわけで、その治療と回復に時間がかかったと解釈もできるが、帰国時の船には、同様に帰国する従軍兵士が多数乗船していたような描写もあった。
 「一九二一年に入り、マンハッタン島に欧州の戦線から多くの兵士が帰還するようになった」(P.198)

 戦争が兵士に植えつける巨大な精神的ダメージは、本作の重要な裏テーマになっていて、だからこそデントンも最後に的外れなコメントをしたのだが、著者はWW1に連続するロシア革命への欧米各国の拒否反応には一切触れようとしない。ノイズになると考えたのか、ほかに何らかの理由があったのか、むしろ注意深く排除している。
 一方で本篇終了後、著者自身の「後書き」の前に配された「NY摩天楼史 年表」では、摩天楼には何の関係もないながら唐突に、「1918年 日本政府、シベリア出兵を宣言」の一行があって、あたかも日本だけがシベリアに出兵したかの作為がある。
 いわゆる“シベリア出兵”は、日英同盟に従ったロシア革命干渉戦争への協力参加である。日本が最後(1922年)まで派兵を続けたことは事実だが、それは生真面目さに加えて、日露戦争でさんざん国民を疲弊させながらどうにか勝利的引き分けにこぎつき、数年後には協商まで結んで漸く友好関係を手に入れた近隣の大国が、あっという間に得体のしれない社会主義国に変貌したという恐怖が、欧米よりも強かったからだと考えるのがフェアなのでは?
 そして大いなるレッドヘリングの「第四章 地下王国」の章からは、安直に社会主義に親近感を抱いている気配を感じるし……。

 どーにもこのあたり、著者は歴史分野に興味があるはずなのに、肝心な処に光を届かせようとしない……。
 著者は御手洗潔と同じ1948年生れ。
 この世代は、GHQが立案・主導して、それに乗っかった日本人左翼や特亜が最大限に利用した戦後自虐史観を色濃く吸収した世代である。
 しかし著者は近現代史に興味があるはずなのに、日本悪玉説では歴史の流れにうまくフィットすることなく、断絶に近い飛躍があることに気づけないものか……。
 残念ながら、老境の著者にはもはや自分の思想を修正することはかなわないのだろう。(本書の執筆当時は、まだ老境というには早かったが、問題の「戻り橋と悲願花」を書いたのはこの後であるw)
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.15:
(4pt)

紳士な御手洗潔も良いものです

海外ではいたって常識人な御手洗氏ですが振り回されるキャラはやはり必要なようで、石岡君の偉大さがわかります。
もちろん石岡と出会う前のお話ですから無茶なのですが。
マンハッタンの情景が浮かぶような文章はさすがです。
やはり実際に住んでいないと書けない文章だと思いました。
Kindle版で出ていれば星は5つでした。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.14:
(5pt)

御手洗潔

どんでん返しで思いもつかない犯人とトリックでした。ドキドキワクワクの連続でした。御手洗潔の推理は全部読みます。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.13:
(4pt)

600ページは長いよ!

「オペラ座の怪人」を思い出させる内容とタイトル。詳しくは言えないものの、最後もそっくり。一種のオマージュのような作品ですね。

 内容も奇妙奇天烈なストーリー。まさに島田荘司にしか書けないプロットでしょう。これほどのケレンを思いつくのは、日本では彼以外にいない。おまけに舞台は大好きなニューヨーク。探偵御手洗潔は母校の助教授と来た。うんうん、嬉しいぞ。というわけで、最後まで十分に堪能致しました。

 しかし、それにしても…。600頁は長いよー。もうちょっと短く、コンパクトにならないかな。読み手のことを少しは考えてほしい作品です。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.12:
(4pt)

フルコースの島田ワールドをご堪能あれ

「幻想」「連続殺人」「建築史」「完全密室」「怪人(本作では『ファントム』)」「社会的不合理」「歴史」「風俗」などが随所にテンコ盛りですべてが伏線となる。もちろん主人公は「キヨシ・ミタライ」で最初から最後まで存分に純粋な推理小説を楽しむことができた。1か所だけ余計な幻想というか回想があったがこれも読者をいい意味で裏切るための技術であって残念感は残らない。

ブロードウェイの国民的大女優がいまわの際に突然告白を始めた殺人事件への関与は、はたして記憶の混沌がなせるわざだったのか?もし真実だったとしても物理的に移動が不可能(もちろんここに大トリックがあることは言うまでもありませんが)なのにどうしてそれができたのか?そして、その事件のどれもがニューヨーク・マンハッタンにそびえたつ超高層ビルという巨大な密室であり、各部屋にも建築上の細工があり窓の開閉は不可能。そのビルのシンボルである大時計での凄惨(このおどろおどろしさの描写も作者ならでは)な殺人、火薬も使わずに吹き飛ばされた窓ガラスのすべて、転落死してしまう設計者である建築家まで含めてすべての謎を一気に解決するこの小説はまさに「新・本格派」第一人者のプライドを感じずにはいられなかった。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.11:
(4pt)

久しぶりの読み応えのある御手洗もの

龍臥亭シリーズやレオナの主人公もの、犬坊里美ものが会話シーンばかりで
あまり好きになれなかったのですが、
久しぶりに読み応えのある島田氏らしい分厚い(笑)御手洗ものでした。
摩天楼の成り立ち等バックグラウンドも興味深く、とても面白かったです。
それから石岡君と御手洗の掛け合いはもう書いてくれないのですかね
※ネタバレの指摘がありましたので一部削除いたしました。(2009年10月)
ご指摘ありがとうございました。またネタバレで作品に対する興味を失ってしまった方がいらっしゃいましたら、申し訳ございませんでした。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.10:
(5pt)
【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[]  ネタバレを表示する

脳科学要素はなし。

御手洗潔が石岡くんに当たり前のことだと言わん語り口で解決を導きだす真相に驚愕!したい自分としては石岡くんと御手洗が揃わないのは若干物足りない感はある。しかし、最初に提示される壮大な謎は申し分なく、御手洗の調査範囲がマンハッタン全範囲に及ぶという珍しい走り回る(走ってはいないが)アクティブな御手洗が描かれているという点では貴重だ。一時期傾倒していた脳科学の蘊蓄はないが、摩天楼やマンハッタンの蘊蓄はたっぷりで歴史というよりは一番発展が目覚ましかった時代への憧れ、ロマンをふんだんに含んだ内容となっており、十分楽しめた。最後に島田荘司が描いた摩天楼をある視点からみたときに事件の解決以上に芸術的な美しさが目の前に示されたと感じたのは自分だけだろうか。挿し絵の大きさ、カラーという点で文庫読了後ハードカバーもチェックして欲しいところ。挿し絵で事件の大きな要素が分かってしまうのでペラペラと後ろの方を見てしまわないように注意が必要だ。トータル最近では少ない良作ではないだろうか。関係ないが、島田荘司の弟子たちは島田荘司は越えられないんだろうな…それぐらいパワーを感じる。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.9:
(5pt)

奇想の復活

近年の島田荘司作品のうちでは群を抜く作品です。

奇想こそが、この作者の最大の魅力だと思っている私にとって、

この小説は心行くまで堪能できるものでした。

昔ファンで今は離れてしまった人(私もその一人ですが)は、絶対に読むべき一冊です。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.8:
(4pt)

御手洗シリーズの新作

ニューヨーク摩天楼の一室で、死の床にあった往年の大女優が、半世紀近く前の殺人を告白、そして女優たちの自殺、謎の爆発、建築家の死、時計塔の凄惨な殺人等々の謎解きを御手洗に託して亡くなった。
読み進むうちに収集がつかないんじゃないかと思わせる、話の広がりと深さ。
いつもながら見事な結末です。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.7:
(4pt)

壮大なミステリ

御手洗潔シリーズ最新作です。ニューヨーク摩天楼の一室で、死の床にあった往年の大女優が、半世紀近く前の殺人を告白。同じ摩天楼に住む女優たちの自殺、ビルの窓ガラス全てを破壊する謎の爆発、建築家の死、時計塔の凄惨な殺人。全ての事件に絡むファントムの存在。舞台はニューヨーク。日本に来る前の御手洗潔が、この謎に挑みます。久々の御手洗ものの長編です。堂々600ページ。さすがです。トリックといい、人物描写といい、情景描写といい、素晴らしいです。文章も良い。ぐいぐい引き込まれます。冒頭に掲げられる事件は、いつものように実現不可能なもので、不思議にあふれています。この大風呂敷をどう収束するのか。見所です。しかし、さすが大御所島田荘司。単なる物理トリックに終わらず、心理トリックも加味しながら、壮大なトリックを構築しています。久しぶりに読み応えのあるミステリでした。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.6:
(4pt)

若い。

少年探偵団シリーズのようなタイトルがイカす、御手洗シリーズ待望の新作。
久々に、御手洗潔が長編の中でガッツリ動いてくれます。感涙。
魔都ニューヨークのマンハッタン。バベルの塔のように天に向かって伸び続けた摩天楼。
そこに50年にわたって鎮座し続ける幻想的な謎に、御手洗が挑みます。
アメリカを舞台にすると、台詞がジョークやユーモアに彩られ。
はい。
90年代の御手洗シリーズを思わせる、物語作家・島田荘司の筆運び!
底無しのロマンティシズム、詩情、クライマックスのカタルシス。
で、今回は一発大技、もありますが、数々の技巧も読み所。
まさに「壮大な与太話」(誉めているのです)が炸裂する、島田荘司・本格ミステリ!
気持ち良かったです。お薦め。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.5:
(5pt)

会心

今年は御手洗ものは出ないのかなあ、と淋しく思っていましたら、ちゃんと出してくれました。やった!やはり、島田氏の主力は御手洗シリーズに注がれているという気がします。いつもながらの大胆な謎、奇怪でロマンティックな雰囲気に加え、文化や歴史的な背景もきちんと押さえてあり、引き込まれます。そして、ラストではすべての謎が実に気持ちよく解決されます。見事にフェアで、楽しい、島田ミステリの会心作だと思います。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.4:
(5pt)

精緻なるアウトプット

ミタライ・シリーズ。ミタライはコロンビア大医学部の助教授。ミステリィの世界は助教授が好きらしい。
本作は島田荘司のアメリカ研究が随所によく出ている。『ロシア幽霊軍艦事件』の時のアナスタシアの説明も見事だったが、本作の摩天楼の説明も実に精緻で凄い。永くLAに住み、アメリカというものを作家としての体内に充分にインプットし、見事に熟成させて今、続々とアウトプットしている感じだ。ハリウッドをアウトプットした『聖林輪舞』も素晴らしかったが、CG制作の友田星児氏の作品を入れた本作はより素晴らしい。島田荘司のイマジネーションにただ脱帽である。タイプ的には『ロシア幽霊軍艦事件』型。ただ、モニュメントのヒエログリフによる使い方など、なんとなく『ギリシャの犬』にも似ている。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.3:
(5pt)

ゴシックロマンの魅力に酔う

摩天楼がそそり立つNYが舞台。しかし、島田荘司の手にかかると上品なゴシックロマンにあふれる世界に変わる。
冒頭から不可能犯罪の連続にはらはらするのだが、スケールの大きな謎が、ラストで見事にコンパクトに畳み込まれてしまう技は秀逸。
古典的な純愛ロマンスは感動的。凄みすら感じる。
上質のスコッチウィスキーをストレートで飲んだような快楽を久々に味わった。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.2:
(5pt)

若き名探偵・御手洗潔の活躍

島田荘司の御手洗シリーズ最新作。
舞台は1969年のニューヨーク。オーソン・タルマッジによって1910年に作られた摩天楼セントラルパーク・タワーに安藤忠雄のガラスの直方体が突き刺さった年、アメリカを代表する大女優ジョディ・サリナスは御手洗潔に告げる。
「私は、あのフレデリック・ジークフリードを殺しました」
若干20歳にしてコロンビア大学の助教授となっていた御手洗はセントラルパーク・タワーにて1916年から21年までに起こったいくつもの怪事件を読み解いていく。
サリナスの言う「ファントム」とは何者なのか? 死んだ建築家の持っていたヒエログリフのメモの意味は? 密室での女優たちの死はどのようにして起こったのか? 嵐の夜の停電の中、サリナスはどうやって34階から1階まで移動したのか?
ニューヨーク、マンハッタン島の歴史を紐解きながら事件は暗闇の中からその姿を現す。
すべての謎を解いたとき御手洗は何を見るのか?
若いころの御手洗潔の胸のすくような活躍に島田荘司のパワーを見せつけられました。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.1:
(4pt)

摩天楼の怪人を読む

大作なので、土日かけて読み終えました。一気読みしました。面白い。これでもかというほど、謎が連発して提示されるので、収拾可能か?と思いますが、最後は見事に解決されます。年代設定が、1969年、御手洗潔は、コロンビア大學の助教授という設定で、舞台は、NYのマンハッタン。摩天楼建設の歴史や、セントラルパークの歴史、さらには、謎の提示者は、ブロードウエイの往年の大女優と、道具建ては、完璧にアメリカなので、このあたりの道具建てや歴史背景に興味がまったく無いと面白さは半減するかもしれません。 知的好奇心を満たしてくれる快作です。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!