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摩天楼の怪人



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摩天楼の怪人の評価: 4.00/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

往時のマンハッタンの雰囲気を味わいたい方へはお勧めか

往年のブロードウェイの大女優ジョディが死の間際に残した殺人の告白を発端に、大恐慌前後のマンハッタンの空気を濃密に描きながら、現代(1969年)において御手洗が謎を解くという体裁の物語。記述の殆んどは事件当時の担当刑事の視点で描かれる。
作者の比重としては、往時のマンハッタンの雰囲気を通して、文明のあり方等を論じている部分が大きいと思うが、謎解きとしても完結している必要がある。ジョディが口にしたファントムは妄想で、実在の人間と錯覚していると仮定しても謎は多い。
(a) 告白対象の興行師ジーグフリード殺害時、ジョディが1Fと34Fを行き来した方法は ?
(b) 踊り子と二人の女優の死は本当に自殺か ? 他殺とすれば偽装工作の方法は ?
(c) 演出家パンドロの殺害において、何故犯人はビルの大時計を用いるという大掛かりな仕掛けを用いたのか ? 目立つだけで、犯人の役に立ってない。
(d) ビルの設計者オーソンの死に際し、ビルの窓が全て割れたのは何故か ?
(e) オーソンが残した謎のヒエログリフの意味は ?
(f) 挿入される、セントラルパークの「地下都市」の話はどう係わって来るのか ?
(g) ジョディの掛かり付けの医師カリエフスキー殺害の動機と方法は ?
結末で明かされる真相は、相変わらず偶然性と環境の特殊条件に頼ったもの。特に、メインのアイデアはアメリカの高層住宅では珍しく無いのではないか ? (f)の謎が放置されるのも腑に落ちない。にも係わらず物語として読めるのは、犯人の造形と時代の雰囲気がマッチしているせいであろう。往時のマンハッタンの雰囲気を味わいたい方へはお勧めか。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.2:
(3pt)

ナゾな部分

ニューヨークの歴史を大変興味深く読んだ。
著者はよく唐突に場面が切り替わる書き方をするが、本書の「地下王国」部分は、最後まで触れられず、本筋からも浮いている。あの部分は一体何だったのだろう?何度読んでもあの部分だけはナゾだ。
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078
No.1:
(3pt)

オペラ座の怪人のオマージュ

 ご存じ御手洗潔シリーズ。最近は、発表される作品の時系列がバラバラなので、いつの話かというと1969年だから、ちょうど、御手洗が京大を辞めた後、ということになる。一応、コロンビア大助教授という設定だ。だから、石岡君は登場しない。ストーリー上の年代と発表年代がバラバラなので、やや混乱。
 マンハッタンの摩天楼に暮らす老女優の死に際の殺人告白。「ファントム」の力を借りたその殺人は、実現不可能なものだった。この他に、猟奇事件(時計台の針が少しずつ動くギロチン)。密室殺人?、幽霊、地下都市など出てくる出てくる。作品タイトルとストーリーから誰が読んでも「オペラ座の怪人」を思い出さずにはいられない。
 トリックについては、大胆不敵物理トリックだろうと、早い段階から考えられるし、ファントムの正体も、御手洗シリーズを読んでいる人なら、だいたい想像がつくだろう。
 ただ、全貌が明らかになった時のイメージ=世界観は酔える。翻訳ものの海外ミステリを読んでいるようなカンジがした。文体のせいなのかな。
<警告>
本書には、要所要所に摩天楼を描いたイラストが挿入されている。喜んでこれをパラパラ見てはいけない。本文を読まずともトリックが判ってしまうから。注意。
 ネタバレっぽくなるが、ミスリーディングを目的としたエピソードがあり、これに最後まで惑わされてしまった。くやしい。
ところで、レオナが解決?した「ハリウッド・サーティフィケイト」事件の続き(更なる恐ろしい事件が起こる筈だが、、)はどうなっているの?
摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)Amazon書評・レビュー:摩天楼の怪人 (創元クライム・クラブ)より
4488012078

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