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魔神の遊戯
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魔神の遊戯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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島田氏の御手洗シリーズの長編で、今回はスコットランドのインバネス周辺の田舎町が主な舞台となり、連続不可能殺人が繰り広げられる。 手記が挟まれていて、これは倒叙形式なのかと思わせておいて・・・という島田氏らしいトリッキーなプロットだが、真犯人と事件の背景は島田作品ではよくあるパターンという気はする。 御手洗ものとしては傑作とは言えないが、退屈させずに一気に読ませるパワーはあり、標準以上の出来である。 | ||||
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畳み掛け、先入観植え付けがシリーズでは強烈な作品に入ります。途中で挿入される記録が犯人を疑わせるヒントをさえぎってくれているという問題作といえば問題作。この作品にはなにやら怪しいというか明らかににおう人物が約1名いるし、構成も不自然なのでなにやら裏があるのは序盤で推測がつくかもしれません。しかもご親切なことににおうような表現がしてあるんですもの。シリーズを通して読んでいる人はあれ!ときっと思うに違いありません。そして事件の背景もある文によって巧妙にわからないようになっています。だけれども…この作品をうっかりでもとこうとするとくたびれますので素直に読み進めていくことを推奨したいと思います。最低限持ち合わせておきたいのはせいぜいミステリーの法則ぐらいでしょう。それを念頭に入れて著者の思惑に動かされないように気をつけてくださいね。壮大な作品なのでちょっと疲れてしまうかもしれませんね。 | ||||
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イギリスはスコットランドの北部、ハイランド地方のネス湖のほとりの小さな村ティモシーで、何十年かぶりにオーロラの見れた夜、陰惨な事件の幕が切って落とされた。村に住む六十歳以上の女性が次々と殺され、村のあちこちで発見されるバラバラに引きちぎられた死体。上空には魔神の咆哮が響き渡り・・・。スウェーデンから来た大学教授ミタライのくもりがちだが・・・。 常に犯人の後手後手に回り、いつもの快刀乱麻を断つような冴えが見られず頼りないミタライ教授ですが、幻想的な世界の中でおこる猟奇的な事件、不可能に見える事件の謎に大がかりなトリックと、御手洗シリーズの王道をいく、文庫で500ページを超える長編ミステリです。楽しめます。 | ||||
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この著者の作品を読むのは久しぶりだが、おなじみの御手洗潔モノなので違和感無くストーリーに溶け込めた。 私は謎解きの瞬間が大好きな軟派ミステリファンなので、途方もつかない怪異や事件が次々と起こり、人間の仕業とは思えない状況が名探偵の口から鮮やかに理路整然と解明されるこのようなストーリーは十分楽しめる。 強いて言えば、犯行の異常さに比べ、犯人の動機がいまひとつ弱い気もするが、面白かったからまぁいいか(笑) | ||||
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エピソードが織り交ぜられながら話が展開し、時間の前後がやや分かりにくいところはありますが(それも意図されているのかも)、島田作品ならではの、奇想天外!な事件の連続に、引き込まれてぐいぐい読めます。 これらの不可思議な事象について、最後にどう説明をつけるのか…というのが御手洗ものの面白さですよね。 一番最後で犯人がわかったところでの、動機がちょっと弱いかな、という点が残念だったので星ひとつマイナス。 | ||||
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読んでいる最中は、何故かテンポが悪い気がしていた。未来の村の記憶を持つ男の記憶のままに、陰惨なバラバラ殺人事件が連続で進行していくのだが、ちっとも前に進んでいないような感覚であった。 どうもテンポを悪くさせている要因は、事件の形にあるように思う。ただの連続殺人であるならば、被害者一人につき検証は一度である。しかしこれはバラバラ、で連続。ということは被害者の足が見つかった、頭部が見つかったということが、何度も起こり、その度に事件の検証が逐一行われるわけである。 未来の記憶を読者は辿るわけであるから、起こる内容もある程度は想定できている。それがテンポの悪さからマイナスに働いた。先に進みたいのに進めない感じは否めなかったのである。 しかし、読後にざらっと目を通すだけで、かなり早い段階で事件解決への手がかりが提示されていることには驚いた。最後まで、作者の意図どおり、ぶれずに展開されていることだろう。点から始まり、最後には点に集約されている。謎もすべて消化しているように思う。タイトルも秀逸だ。 ただ、記憶の真相と事件の真相が、つり合いがとれていない気はした。ミスマッチさは意図している部分であるとは思うが、事件の真相の方がどうにも弱い。 それと、動機と犯行の残忍さのアンバランスは気にはなった。 | ||||
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2002年8月30日発表。ミタライ・シリーズ21世紀最初の作品。カバー・デザインを京極夏彦氏がやっている。ミタライ・シリーズは、今ではその登場人物がまるでドラゴン・ボールのように成長し続けていている。考えてみるとそれはとても凄いことだ。島田"World"の中で、全てのキャラクターが人生を生き、成長していく。それは通子の娘ユキちゃんですら、である。その中でミタライは現在、北欧のウプサラ大学の教授である。これは『眩暈』の中での『脳』の不思議に取り組んだ島田氏の世界が成長していった結果だと思える。本作はその『脳』の不思議さを取り上げた『ネジ式・・・』・『ロシア軍艦・・・』と共通にしてアナザー・ワールドが展開していく。全てが初めから他の作家の数千倍の大きさに設計されたとてつもなく大きなプロット・デザインでできている。ストーリーはその超巨大プロットのある一点からスタートし、本作においては特に過去・現在・未来の意味を時間を止めて思考させる意図も感じられて読了後に初めてプロットの巨大な全体像が見えるという鮮やか仕掛けになっている。プロットの構築物としての特異さと巨大さに希有にして堅牢な建築物を見るような傑作である。必読!! | ||||
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御手洗潔の活躍する長編。まずシリーズ未読の方へ。シリーズ物ゆえ、探偵御手洗の特徴を事前に知っておいた方がいいと思われます。長編第一弾「占星術殺人事件」長編第二弾「斜め屋敷の犯罪」長編第三弾「異邦の騎士」等々、どれも本書にもまさる面白さがあり、読んで損なし(読まないと損あり)勿論、本書も面白さでは引けをとっていません。そしてシリーズ愛読の方へ。久しぶりの御手洗長編です。待望の本書、思わぬところから衝撃を受けるでしょう。嬉しい悲鳴です。 | ||||
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小さな村で起こった旧約聖書になぞらえた連続猟奇殺人事件読んでいる内に背中に寒気が走りましたが夢中になって4日くらいで読んでしまいました。海外での御手洗さんの活躍が読めたのはとても嬉しかったのですが彼独特のキツイ皮肉が気に入っている私としてはもっと堪能したかったです。ストーリーの方は巧妙な仕掛けで読んでいて思わず”あっ!”と思わされる箇所が多かったです。他の作家さんの話しを読んでいる時は結構さらっと読んでしまう事が多いのですが御手洗さんのシリーズはどこにヒントが隠されているのかが判らないので一文字一文字をじっくり目で追って読んでいます。今回の御手洗さんは颯爽と現れて次々と謎を解決しまた風のように去って行ってしまいましたけど今度は何処で御手洗さんの活躍を読めるのでしょう。楽しみにしています。 | ||||
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島田荘司といえば『新本格』と呼ばれる作家達のカリスマ的存在であり、常にその作品中には『神秘的な謎』が饗される。この作品でも旧約聖書の見立てになぞらえた連続猟奇殺人鬼と名探偵ミタライ教授が対決する。隅々まで考え抜かれた巧妙な伏線と、一見神秘的な不可能犯罪を見事に収斂させた手腕は見事としか言いようがなく、まさしく職人芸の世界である。あまりにも風呂敷を広げすぎて尻窄みになってしまう傾向がある作家達に見習って欲しい一作である。 | ||||
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