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魔神の遊戯
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魔神の遊戯の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.56pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全18件 1~18 1/1ページ
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島田氏の御手洗シリーズの長編で、今回はスコットランドのインバネス周辺の田舎町が主な舞台となり、連続不可能殺人が繰り広げられる。 手記が挟まれていて、これは倒叙形式なのかと思わせておいて・・・という島田氏らしいトリッキーなプロットだが、真犯人と事件の背景は島田作品ではよくあるパターンという気はする。 御手洗ものとしては傑作とは言えないが、退屈させずに一気に読ませるパワーはあり、標準以上の出来である。 | ||||
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魔人の仕業とも思われる悪行の数々は魅力的だが、ネタに関してはこういうミステリで お馴染みなものなので、読んでいく途中で簡単に作者の狙いに考えが至ってしまうのがいただけない ただいくらなんでもそんな理由のためにそこまでやる必要はあったのかというのはリスクを考慮するととてつもなく疑問 全盛期の作者ならこの辺にもう少しきっちりとした理由付けをしたのだろうと思うと、そこが残念 | ||||
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本格ミステリ・マスターズの第一弾として刊行された本作には、著者のかなりの意気込みが込められていたのだと思う。 しかし、そのシリーズは現在のところ休止中のようだし、再開される目途はないだろう。 さて、著者が本格ミステリに強くこだわり、そのスタンスを維持していることは尊敬に値する。 その著者の意気込みは、しかし、少なくとも本作では空回りしたようだ。 思えば、著者はミステリーランドでも「透明人間の納屋」で第一弾を飾った。 あれもまた、本作と同様に空回りの一作だった。 著者の長編作品は、どれもスケールが大きい。 著者もそれを意識して、そのスケール感はどんどんインフレしていった。 本作がシリーズ第一弾ということもあり、そのスケールの大きさには、かなり気を遣ったと思う。 そして確かに、スケールは大きい。 不思議な現象が起き、謎が提出され、そして最終的には解決されるという、きれいなスタイルである。 しかし、謎のスケールが大きい分、その解決に相当の切れがないと、尻すぼみになることも確かだ。 本作は、そう感じる典型だ。 著者の御手洗ものファンは、どうしても作品に大きなインパクトを要求してしまう。 しかし、それはスケールの大きさ、謎の大きさでなくても良いのだ。 意外性の大きさ、つまり都筑道夫風に言えば、論理のアクロバットということである。 たとえば、中編「傘を折る女」や「ギリシャの犬」などは、その典型である。 つまり、良い意味できかせたハッタリが、うまく生きているのである。 本作では、その点にかなり甘い部分があり、それが作品の完成度を損ねている。 | ||||
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畳み掛け、先入観植え付けがシリーズでは強烈な作品に入ります。途中で挿入される記録が犯人を疑わせるヒントをさえぎってくれているという問題作といえば問題作。この作品にはなにやら怪しいというか明らかににおう人物が約1名いるし、構成も不自然なのでなにやら裏があるのは序盤で推測がつくかもしれません。しかもご親切なことににおうような表現がしてあるんですもの。シリーズを通して読んでいる人はあれ!ときっと思うに違いありません。そして事件の背景もある文によって巧妙にわからないようになっています。だけれども…この作品をうっかりでもとこうとするとくたびれますので素直に読み進めていくことを推奨したいと思います。最低限持ち合わせておきたいのはせいぜいミステリーの法則ぐらいでしょう。それを念頭に入れて著者の思惑に動かされないように気をつけてくださいね。壮大な作品なのでちょっと疲れてしまうかもしれませんね。 | ||||
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御手洗は差し置いても、ひとつのミステリーとしてほどほどに楽しめました。 アル中のストーリーテラーと、村の警察署長のやり取りがちょっとクドイいと思いましたが。 島田さんの最近の御手洗ものよろしく、トリック云々を楽しんで一緒に推理するミステリーではない ので、(推理するのは無理かと)考えすぎずに物語りとして淡々と読み進めました。 けっこうさらっと読めます。 終始冴えないミタライ。 まあ、いつもどおり、最後の最後に全て明らかになる。 その鮮やかな瞬間を味わいたくて、また御手洗を追ってしまうのです。 石岡くんがいればもっと嬉しいのですがね。 | ||||
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イギリスはスコットランドの北部、ハイランド地方のネス湖のほとりの小さな村ティモシーで、何十年かぶりにオーロラの見れた夜、陰惨な事件の幕が切って落とされた。村に住む六十歳以上の女性が次々と殺され、村のあちこちで発見されるバラバラに引きちぎられた死体。上空には魔神の咆哮が響き渡り・・・。スウェーデンから来た大学教授ミタライのくもりがちだが・・・。 常に犯人の後手後手に回り、いつもの快刀乱麻を断つような冴えが見られず頼りないミタライ教授ですが、幻想的な世界の中でおこる猟奇的な事件、不可能に見える事件の謎に大がかりなトリックと、御手洗シリーズの王道をいく、文庫で500ページを超える長編ミステリです。楽しめます。 | ||||
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この著者の作品を読むのは久しぶりだが、おなじみの御手洗潔モノなので違和感無くストーリーに溶け込めた。 私は謎解きの瞬間が大好きな軟派ミステリファンなので、途方もつかない怪異や事件が次々と起こり、人間の仕業とは思えない状況が名探偵の口から鮮やかに理路整然と解明されるこのようなストーリーは十分楽しめる。 強いて言えば、犯行の異常さに比べ、犯人の動機がいまひとつ弱い気もするが、面白かったからまぁいいか(笑) | ||||
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御手洗がスウェーデンの大学で昔話をするという形式で物語が始まる。舞台はネス湖畔の村。そこで、魔神が起こしたとしか思えない陰惨な事件が事件が起こる。しかも、それはロンドン在住の男の過去の記憶をなぞるかのように...。 雰囲気の盛り上げ方は巧いのだが、事件を魔人の仕業のように見せかけるトリックは相変わらず偶然性に頼ったもので進歩が感じられない。上述の「男の過去の記憶をなぞったような」謎も子供騙しでガッカリする。そして、村人が御手洗を呼ぶ際「ミタライ」と表記するのが致命的である。読む人が読めば綾辻氏の「十角館」と同じ趣向だとすぐ分かってしまう。後輩の過去のトリックをそのまま使って恥ずかしくないのだろうか ? 作者のデビュー時の情熱と独創性を知っているだけに近年の不振は目を覆うばかりである。もう一度、地に足を着けた作品を発表して欲しい。 | ||||
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エピソードが織り交ぜられながら話が展開し、時間の前後がやや分かりにくいところはありますが(それも意図されているのかも)、島田作品ならではの、奇想天外!な事件の連続に、引き込まれてぐいぐい読めます。 これらの不可思議な事象について、最後にどう説明をつけるのか…というのが御手洗ものの面白さですよね。 一番最後で犯人がわかったところでの、動機がちょっと弱いかな、という点が残念だったので星ひとつマイナス。 | ||||
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読んでいる最中は、何故かテンポが悪い気がしていた。未来の村の記憶を持つ男の記憶のままに、陰惨なバラバラ殺人事件が連続で進行していくのだが、ちっとも前に進んでいないような感覚であった。 どうもテンポを悪くさせている要因は、事件の形にあるように思う。ただの連続殺人であるならば、被害者一人につき検証は一度である。しかしこれはバラバラ、で連続。ということは被害者の足が見つかった、頭部が見つかったということが、何度も起こり、その度に事件の検証が逐一行われるわけである。 未来の記憶を読者は辿るわけであるから、起こる内容もある程度は想定できている。それがテンポの悪さからマイナスに働いた。先に進みたいのに進めない感じは否めなかったのである。 しかし、読後にざらっと目を通すだけで、かなり早い段階で事件解決への手がかりが提示されていることには驚いた。最後まで、作者の意図どおり、ぶれずに展開されていることだろう。点から始まり、最後には点に集約されている。謎もすべて消化しているように思う。タイトルも秀逸だ。 ただ、記憶の真相と事件の真相が、つり合いがとれていない気はした。ミスマッチさは意図している部分であるとは思うが、事件の真相の方がどうにも弱い。 それと、動機と犯行の残忍さのアンバランスは気にはなった。 | ||||
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2002年8月30日発表。ミタライ・シリーズ21世紀最初の作品。カバー・デザインを京極夏彦氏がやっている。ミタライ・シリーズは、今ではその登場人物がまるでドラゴン・ボールのように成長し続けていている。考えてみるとそれはとても凄いことだ。島田"World"の中で、全てのキャラクターが人生を生き、成長していく。それは通子の娘ユキちゃんですら、である。その中でミタライは現在、北欧のウプサラ大学の教授である。これは『眩暈』の中での『脳』の不思議に取り組んだ島田氏の世界が成長していった結果だと思える。本作はその『脳』の不思議さを取り上げた『ネジ式・・・』・『ロシア軍艦・・・』と共通にしてアナザー・ワールドが展開していく。全てが初めから他の作家の数千倍の大きさに設計されたとてつもなく大きなプロット・デザインでできている。ストーリーはその超巨大プロットのある一点からスタートし、本作においては特に過去・現在・未来の意味を時間を止めて思考させる意図も感じられて読了後に初めてプロットの巨大な全体像が見えるという鮮やか仕掛けになっている。プロットの構築物としての特異さと巨大さに希有にして堅牢な建築物を見るような傑作である。必読!! | ||||
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事件は衝撃的だ。そして、物語の作りも、ミステリーの王道を外していないと思う。御手洗潔の登場シーンも、期待を裏切るものではなかった。 ただ、「透明人間の納屋」を読んだ後だったのが、禍したのだろうか。素直に島田荘司の世界に入って行けなかった。あまりにも物語なのだ。脳科学やら、薬がでてくるところは一見、現実と小説の接点にようにも思えたが、どこか説明的で、小説の中に有機的に織り込まれていないように感じてしまった。 | ||||
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島田作品にしては、魅力に欠けていたような気がします。普通の推理諸説ですね、ありがちな。たくさん変な形の死体が出てきて、犯人を捜して、という王道。まあ、普通の推理小説としては、それなりに面白いかも。横溝正史ばりの、普通の推理小説が好きな方にはおすすめです。ただ、私はその普通って言う奴にかなり読み飽きているので、読んでいて退屈でしたね。犯人も「あーこういう風に書いてあるけれど、きっと違うんだろうなー」という感じで手の内が4分の1ほど読んだところで見えてしまいました。「ねじ式」や「ロシア」を読んだあとだったので、特に魅力が無く感じたのでしょう。読む順番って大切ですね…。 | ||||
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島田先生の全作品の7割を読み、御手洗シリーズは100%読んでいる大ファンの私。だめだ~先生、犯人わかっちゃった論理的に推理してわかったわけじゃないんだけど読みながら、あれ?なんか変だな。ん?なんだこれま!まさか!いやまさか…島田先生に限ってそんな事…ああっそうだよっこれ、「あれ」落ちだよ…たぶん…はぁ~すると犯人はこの人だよねあ、ここんとこは異邦の騎士に似てる。ここはあの作品と過去の先生の傑作も次々と思いおこされ…う~ん手抜きとは言わないけれど、義理かななどと余計なことまで考えてしまうありさまファンでなければ純粋に楽しめ、もっと評価も高いと思うけどでも先生、買ったひとのほとんどがファンだと思いますヨ | ||||
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御手洗潔の活躍する長編。まずシリーズ未読の方へ。シリーズ物ゆえ、探偵御手洗の特徴を事前に知っておいた方がいいと思われます。長編第一弾「占星術殺人事件」長編第二弾「斜め屋敷の犯罪」長編第三弾「異邦の騎士」等々、どれも本書にもまさる面白さがあり、読んで損なし(読まないと損あり)勿論、本書も面白さでは引けをとっていません。そしてシリーズ愛読の方へ。久しぶりの御手洗長編です。待望の本書、思わぬところから衝撃を受けるでしょう。嬉しい悲鳴です。 | ||||
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小さな村で起こった旧約聖書になぞらえた連続猟奇殺人事件読んでいる内に背中に寒気が走りましたが夢中になって4日くらいで読んでしまいました。海外での御手洗さんの活躍が読めたのはとても嬉しかったのですが彼独特のキツイ皮肉が気に入っている私としてはもっと堪能したかったです。ストーリーの方は巧妙な仕掛けで読んでいて思わず”あっ!”と思わされる箇所が多かったです。他の作家さんの話しを読んでいる時は結構さらっと読んでしまう事が多いのですが御手洗さんのシリーズはどこにヒントが隠されているのかが判らないので一文字一文字をじっくり目で追って読んでいます。今回の御手洗さんは颯爽と現れて次々と謎を解決しまた風のように去って行ってしまいましたけど今度は何処で御手洗さんの活躍を読めるのでしょう。楽しみにしています。 | ||||
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ひさしぶりに御手洗さんの活躍を読めて、本当にうれしかったです。彼はいつもさっそうと現れる・・・なんてステキな人!まさに「異邦の騎士」!でも・・・私はもっと御手洗さんのキツい皮肉や、さりげない思いやりや、「こいつヤな奴だけど、かなわない」的な感じを味わいたかったですね。そうなるとやっぱり、語り部は石岡さんじゃないとうまくいかないのかしら。今度はどこで御手洗さんの活躍を見られるのかしら。いまからワクワクします。ところで、肝心のミステリの方はというと・・・いまいち釈然としないというか、なんというか・・・(ネタバレになりそうなのでうまくかけないのです)ちょっと御手洗さんのキャラに頼りすぎてるかな、と思いました。シリーズを読んでいる人ならすんなり入ってい㡊'!!ると思いますが、これが始めてという人には、いまいちインパクトが薄いように思います。御手洗さんの(吉敷さんも)魅力もさることながら、それ以上にミステリとしての魅力満載!という島田さんの作品が大好きです。読み出したらとまらない!という感じの作品を期待してます。 | ||||
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島田荘司といえば『新本格』と呼ばれる作家達のカリスマ的存在であり、常にその作品中には『神秘的な謎』が饗される。この作品でも旧約聖書の見立てになぞらえた連続猟奇殺人鬼と名探偵ミタライ教授が対決する。隅々まで考え抜かれた巧妙な伏線と、一見神秘的な不可能犯罪を見事に収斂させた手腕は見事としか言いようがなく、まさしく職人芸の世界である。あまりにも風呂敷を広げすぎて尻窄みになってしまう傾向がある作家達に見習って欲しい一作である。 | ||||
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