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テロリストのパラソル
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テロリストのパラソルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全176件 161~176 9/9ページ
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乱歩賞と直木賞を同時に受賞した作品とあって、期待をして読んだ。そして期待を裏切らなかった。素晴らしい。犯人を追い詰めてからが少々慌ただしく感じたが、そんなことはどうでもいいと思いたくなるほど、良く出来た作品だった。影のある雰囲気を最後まで崩さなかった文体に、作者の力量を感じる。乱歩賞に金字塔を打ち建てた作品といえよう。 | ||||
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なぜなら…これをしのぐ小説についぞお目にかかってない。チャンドラーも、クラムリーもさんざ読みました。はっきり言って、この作品は両者の作品に勝るとも劣らない!!これを凌ぐ小説、だれか紹介してくれよ…。 | ||||
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やっぱり読む決め手だったのは、本作が「江戸川乱歩賞と直木賞のW受賞」だという点。カナリ期待してました。主人公は、凄くカッコいいハードボイルドな“アル中バーテン”。彼のかっこよさだけでも、本作をグいっと最後まで読んでしまえる。作品としての魅力は十分。快く読めるし読後感は素晴らしい。その点で、凄くいい作品でした。期待をちゃんと満たしてくれます。ただ、唯一ちょっとな…と思ったのは最後ですね。こんなこと言うと今から読む人はガッカリなんだけど、ミステリーとしてはやや不満…。サスペンスという枠組みなら、広義のミステリーなんだろうけど、謎自体があんまり深くないです。あと心に残る本かといわれれば、「本というよりも主人公が記憶に残る」という完璧な超ハードボイルドのみの作品…(笑)まあ、作者のインタビューなどを読むと、むしろ“作者はそれが好きでそうしてる”という感じなので良いんですが…。いずれにせよ、良作なので読んで損はないです。 | ||||
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主人公のアル中島田は、とにかく頭がいい!相手との会話の中で、追い詰め、揺さぶりかけ、またカマををかける。そしてその会話をヒントに謎を解いていく。賢い主人公の頭脳から生まれるテンポのいい展開、スピ-ド感が素晴らしいです。久々に一息で読んでしまう作品に出会い、またこれを抜く作品になかなか出会えません。もちろん「ひまわりの祝祭」なども読みましたが、テロパラの楽しさには敵いません。友人・知人に薦めまくり、喜ばれています。 | ||||
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この作品の魅力は少々語り難い。強引に一言で言い切ってしまうと、「知的なハードボイルド」。但し、たとえば巧緻に構成された物語という意味でのそれではなく、この作品自体が醸し出ている「知的な」匂い、あるいは、「インテリ」の匂い。この匂いそのものが非常に魅力的。しかも、それは、ハードボイルドであり、孤独感や、切なさまでを伴っている。時折、そういう匂いを嗅ぎたくなって何度か読み返してしまう作品。 | ||||
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いい読み物を読んだ。言い過ぎかもしれないがラストは「亡国のイージス」並みの衝撃。書き方が福井晴敏と似ていたり似てなかったり。面白い作家だ。兼業にするのは勿体ない気がするのだが。 なんと言っても登場人物の描き方が上手い。ストーリー構成よりもこちらを重視している。ストーリーを重視できなかったのは乱歩賞故だからそれは仕方ないとして。主人公、島村圭介、40暮れのアル中バーテンダー。再起というわけでもないが、公園テロをきっかけによみがえっていく。自分を余計に不利な状況に追い込むのだが。浅井志郎は元警官のインテリヤクザ。島村も元東大生だしそうだがインテリっぷりが面白い。その、台詞かな。藤原伊織は島村の台詞、特に浅井とのやりとりに熱を入れている。松下塔子は共に学生運動をしていた松下優子の娘。爆弾事件に優子が巻き込まれてから出くわすことになり、かくまってもらう為に塔子とも協力する。その塔子とのやりとりも面白い。塔子の冗談にも似た発言、島村の洒落、両者のしゃべり方。笑ってしまう。 ストーリーを進めるに当たって事件の内容は頭の中で二転三転していく。その中でホームレスのタツやホームレスの通称、ハカセ。そして交錯してきた登場人物の過去。散りばめられてきた伏線が最後にはつながるのだが、ラストは衝撃かな。それだから、本書の終わりに島村が言った一言、「きょう、友だちをひとになくした。」が妙に切ない。藤原伊織は小説の世界でもリアルを求めているらしい。だが、ラストが急展開かな。ある意味仕方ないが。 誰でもすぐ読めると思う。ハードボイルドでもあるがそうでもなくもない。前にも書いたが島村の台詞は面白いから笑いながら読んだり。ペースは早くないが、小説自体も長くないのですぐ読み終わると思う。ペース上、途中、部分的につまらなくても最後まで読んでみることを薦めたい。 | ||||
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「無理やりすればハードボイルドに分類されるのだろう」との本作ですが、個人的には苦手なそれを感じさせないものだった。文章・会話が秀逸。またラスト近くで明かされる、タイトル:テロリストのパラソルの由来(とでもいおうか)がいい感じで明示され藤原伊織の作品に惚れた。年若い私でも楽しめた。主人公と同年代の方には背景的なものも含めもっと楽しめるのではないだろうか。個人的には奇妙なヤクザ、浅井が良い(笑) | ||||
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本作ほど訳の分からなかった小説も少ない。 現在はさえないバーテンダーをやっている男は、実は・・・。 現実の世界ではいじめられっ子のハリー・ポッターは、魔法の世界ではヒーローだった! という展開とさほど変わらず、使い古された感じ。 作中の「しゃれた会話」とやらが評価されたというが、どの会話もいたって普通にしか感じない。 背景にある1970年代の学生運動やその取締に関しても、今となっては「なぜ当時の日本はその程度のことで大騒ぎしていたのか?」と首を捻りたくなるだけで、緊迫感が伝わらない。 ストーリーもありふれたもので、読んだ後、何も残らなかった。直木賞とか乱歩賞て所詮この程度か、と思わせた。 | ||||
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20年以上も過去を隠して暮らす主人公のバーテンダー。爆弾テロに巻き込まれてしまった主人公は、過去にどんどん引き戻されていく。爆弾テロの犯人を捜す事になった主人公が、昔の恋人の一人娘、昔刑事だったヤクザ、新宿の路地で暮らす路上生活者達・・・・いろいろな人と絡みながら、自分自身も過去のテロリストとして追われながら、最後に行き着いた人物は・・・。無駄な言葉が一つもなくて、言葉の一つ一つがとても誠実な藤原伊織さんならではのハードボイルド。 | ||||
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―完璧なストーリー!―魅力溢れる登場人物!―気の利いたセリフ!どの評にもある通りの作品です。「テロ」という黒いテーマながら、そこの至る源風景や人間模様には、深くて一途な「愛」がある。世間に影響力もあった作品―直木賞&江戸川乱歩賞W受賞―実際に起きた新宿の爆破事件は…。もし、もしもまだ読んでない方は必・必・必読!という私も昨日読み終わったばかりでした。 | ||||
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江戸川乱歩賞・直木賞W受賞作です。確かに文体も古いし、ストーリーも問題があると言えばあるんでしょうが。それ補ってあまりある物がこの小説にはあります。文体も構成も限りなくパーフェクトに近い、と僕は思っています。主人公、そして彼の親友、彼の恋人の娘、ヤクザ、それぞれのセンチメンタリズムがいいんですね。ストーリーは最初の爆破事件からよどみなく進みます。やっぱり最後の一言ですね。あの終わり方は良いです。感傷的な文体も合わせてこの小説はすばらしいです。 | ||||
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前から読みたいと思っていた作品です。「東大安田講堂」を舞台にした導入。新宿中央公園での「事件」を巡る展開と結末。独特の雰囲気をもった藤原伊織のデビュー作にして期待を裏切らなかった傑作!といえます。 | ||||
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まず小説として当代一流のエンターテイメントである。特別点を加えたい。一方、世間評的な視点について、私の世代からみると、全共闘=団塊の世代であり、十把一絡げにもっとも厚顔無恥なご都合主義者であり、彼らの大半が路頭に迷うまでは日本株はあがらないという「敵」なのダ(ちなみにその子らも世の悪胤である)。が、例外はやはりある。けじめある大人、という生き方こそもはやハードボイルドと呼ぶべき現代において、このような先輩がいるのは嬉しい限りだ。その姿を描くにあたって、都市における匿名性を必要とした主人公の背景設定も憎い。「時代は感受性に運命をもたらす」と歌った詩人の題名が思いおこされた。 | ||||
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こういう本を面白い本と言わずしてなんというか。この本を面白くないと言ってどの本を面白いというか。みなさん点が辛くて4個半だったりするけれど、これは☆5つでも足りません。私の場合夕方手にして夜12時に眠る前に読み切ってしまいました。この文章、このストーリーテリング、会話のおしゃれさ、構成そして登場人物の魅力・・・・ああ・・・。あまりにもひさびさの大ヒットなので感想が陳腐になってしまう。とにかく登場人物に惚れます。読んでください。とにかく。 | ||||
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全共闘世代のマスターベーション小説という批判があるらしい。確かに主人公たちは全共闘の世代を生きてきた。しかし、時代と無縁の小説があるとは思えない。「テロリストのパラソル」にあっても、そこに描かれているのは全共闘の時代そのものではなく、その時代に生きた者たちの「今」の生き様だ。時代を懸命に生きたがゆえに過去を引きずる者たちを描き、エンタテイメント小説としても飛び抜けた存在感を持つ作品である。 主人公はアル中の中年男、島村。巻き込まれた事件の中で出会い、不思議な友情を交わすヤクザ、浅井。そして、かつて短期間だが同棲した女の娘、塔子。 彼らに限らず、過去を背負っていない者はない。しかし、ここに生きる者たちは過去と真剣に向き合った生き方を自覚的に選んでいる。作中に登場するホームレスの者たちでさえ例外ではないように思える。地に足をつけ、妥協を許さず、自分の設けたルールにはとことんこだわる。そんな者たちが絡み合いながら進むドラマがつまらないはずがない。 偶然巻き込まれたかのような新宿中央公園での爆破事故。真相に迫れば迫るほど、決して単に巻き込まれたのではないことが明らかになる。 読みやすく、切れのいい文章によって読む者はあっという間に作者の描く世界に魅せられる。その巧さには脱帽せざるを得ない。会話も気が利いている。しかしこの点は好みが別れるのかもしれない。癖が強いという印象を受ける者もいるはずだ。ただ、それこそが藤原伊織の世界なのだ、と開き直ってみたい。 読み返すたび、新たな発見がある。何気ない風景描写としか思わなかった箇所が意外な伏線であったことに気がつき、思わず膝を打つ。何度読んでも飽きるということがない。 この作品の魅力を一言で言うと? と問われれば、主人公たちの圧倒的な存在感! ということになるはずだ。 | ||||
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島村圭介は、吾兵衛という小さなバーを一人でやっています。彼は新宿中央公園に行き、手のふるえが止まるまで酒を飲むというのが日課でした。いつも通り公園で飲んでいて、死傷者50名以上の公園爆破事件に巻き込まれます。ヤクザに警察に外資系企業にテロリスト、政治家のお嬢さんがしだいに彼の過去に絡んできます。吾兵衛では、つまみはホットドッグだけ。1996年に作成されたテレビドラマでは島村役の萩原健一が作っていてとっても美味しそうでした。刻み目を入れたソーセージと千切りキャベツを炒め、バター、塩、黒胡椒、カレー粉で味をつけます。割いてバターを塗っておいたパンにキャベツとソーセージをのせて全体を温め、ケチャップとマスタードをかけます。ヤクザの浅井が部下と吾兵衛に初!めて来て、ホットドッグを食べ感心します。島村圭介は頭がいいくせにどこか抜けていて、何故だか気になるいい男で、彼が犯人に近付いていくのが気になって、読むのを止められなくなりました。 | ||||
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