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テロリストのパラソル
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テロリストのパラソルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全176件 121~140 7/9ページ
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二大文学賞w受賞という前看板とレビューの多さから興味を持ち読みはじめました。 文章が簡単で、セリフのやり取りが多いせいか短時間で一気に読めます。 登場人物に「愛すべきキャラクター」が多く、生き生きと描かれていてリズムに乗せられ完読してしまいました。 「爆弾」「テトリスト」と言葉から連想するものを裏切り一貫して、暗い色はなく読み終わったあともすっきりしています。 テトリストと言う言葉から、もっと問題を掘り下げた生生しいストーリーを勝手に想像していたので、ちょっと肩透かしをくらった気分も。 登場人物は、本当に高感度が高く、現実感に乏しいかなと思ったり。 著者の言葉遊戯というか、リズムを伴うかのような単語の連鎖はとても好きです。 読んでいる間はしっかり読書に浸れ 読み終われば、本を閉じ戸棚に置き日常生活に戻れる、そんな作品です。 | ||||
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主人公の島崎は、かつて全共闘運動に挫折して東大を中退、その後プロボクサーとして脚光を浴びた事もあるが、今はアル中のバーテンに落ちぶれている。 そんな彼が、新宿の公園で爆弾テロに巻き込まれる。被害者の中には、なぜか彼の全共闘時代の仲間やエリート警察官が含まれていた。 島崎は容疑者として追われながらも、ホームレスとなって身を隠しながら事件の真相を突き止めようとする。 プロットは緻密でミステリーとしての出来は秀逸。 バラバラだった断片が終盤には見事につながっていき、最後まで一気に読んでしまった。 あえてケチをつけるとすれば、ハードボイルド風のセリフが少々鼻につくのと(やはり日本人には無理がある)、 薄汚い中年男である主人公が美人女子大生に惚れられてしまうのがかなり無理に感じてしまった。 また、昔の全共闘運動がストーリーに絡んでいるのは良いにしても、それが空虚なノスタルジーにしか感じられなかったのは残念。 | ||||
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文章はとてもよく、一気に読むことができました。 でも、読み終わったあとに思ったのは、あまりに都合がよすぎなんじゃないか?ということです。偶然が多すぎる! それに、主役の男性があまりにベタです(笑) 普段はうだつのあがらない男だが、実はものすごいヒーロー……という、古典的な設定。 周囲の人が「おまえはなんてすごいんだ!」と褒めすぎです。 読んでいるほうが恥ずかしくなりました。 でも、こういうベタが受けるのかもしれません。 | ||||
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1996年の直木賞受賞作で、この本は再文庫化されたものです。あとがきを読んで、内容が少し古いなという疑問が解けました。 最初にたくさんの謎があらわれ、解決したように見えて、次の謎が浮かび、最後に氷解するストーリーの構成が見事です。今読んでも充分に楽しめる本です。 | ||||
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切れ味のある短文が積み重ねるリズムは、ときに醜いほど綺麗である。 テロリストのパラソル。アル中バーテンダー。セントラルパーク。 カタカナたちの音が素晴らしく思えた。 登場人物たちも魅力的に描かれている。 もしかすると、自分にとってストーリーはさほど重要じゃなかったのかもしれない。 | ||||
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ほかのレビュアーのかたも書いていましたが、 犯人の動機が今ひとつ、共感できなくて・・・。 面白かったけれど、 「えー、そんなことでこんなテロを起こしちゃったのぉ?」 って感じでした。 主人公のアル中さんには、非常に魅力を感じただけに、 残念でした♪ | ||||
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ストーリー展開に引き込まれる事もなく、キャラクターの魅力に惹かれる事もなく。かといって、途中で飽きて読むのを辞めたくなる訳でもなく。意外と最後まで一気に読めてしまったのは多分、「作者の文章作成能力の高さ」のせいだと思います。ただ、文字を追っているだけで気持ちがよかった。これで、内容がもっとオモシロければ、言う事なし!なんですけど。でも、読んでソンをするような作品では決してナイと思いますので、興味がある方は、ぜひ。 | ||||
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史上初、江戸川乱歩章と、直木賞をダブル受賞した作品らしい。 ずっと読みたいと思っていたが、作者の藤原伊織さんが亡くなってしまい、 追悼特集ということで本屋に平積みされていたものを購入した。 新宿の公園で爆弾テロが起き、アル中のバーテンも巻き込まれる。 アル中のバーテンが主人公という、ちょっと変わったキャラクター設定。 テロの被害者の中には、かつての友人も含まれており、 色々なつながりや、過去に起きた事件なども絡んできて謎が深まり、 色々なことが紐解かれるラストの方は、気になって止められずに読みきった。 新宿の街の描写や、ホームレスの存在や、ストーリーを取り巻く背景が 馴染みがあるところもあり、とてもリアルに感じた。 新宿でテロ・・ ありそうで、怖い気持ちも正直ある。 | ||||
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中年のアル中おやじでありながら、不思議なくらいその魅力を感じぜずにはいられない主人公。 主人公が魅力的だと感情移入もしやすく、物語もがぜん読み進めたくなる。 ハードボイルドとしてもミステリーとしてもおもしろい。 犯人は途中で察しがついてしまうが、その犯行にいたる心情に同情すら覚える。 そしてこの題名の謎も解かれる。 藤原伊織さん、今年の5月に59才の若さで癌によりお亡くなりになったのですよね。 以前”ひまわりの祝祭”を読んで最高におもしろかったので、今回もおおいに期待して読みました。私的には”...パラソル”も良いですが、”ひまわり。。”の方がさらに面白かったです。早すぎる死にとても残念でなりません。 ご冥福をお祈り申し上げます。 | ||||
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江戸川乱歩賞受賞を納得する素晴らしいミステリーです。 中年のアル中男が巻き込まれた爆弾事件。その裏に潜む71年の爆弾事件。過去のの事件の関係者が、現在の爆弾事件の現場に何故引き寄せられているのか?主人公を襲うヤクザは何者か?麻薬の影も見えてきて、バラバラの出来事の断片を再構成し、爆弾事件で殺された青春時代の恋人のあだ討ちを決意する主人公。 中盤以降は、一気果敢に物語りは展開し、読みさすことが出来ず、最後まで読み進めさせます。 ミステリー小説なのですが、あの70年安保の闘争の中で味わった挫折感が、全編に感じられる作品になっています。主人公の菊池は勿論、その友人であった桑野にもそれを感じます。二十年の歳月を経てもその残滓をどこかに残している、それが、当時を生きた人間の証明なのかも知れません。 | ||||
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最初あまり好きになれない主人公が 読み進めるうちに段々好きになってくる。 脇役のヤクザも良い感じ。 ストーリーも良く出来ていて、 最後まで読ませてくれる。 江戸川&直木賞だけのことはある。 ただ犯人の動機がいまいち納得できず。 まあ、主人公を窮地に陥らせる為には、 それが必要だったのだろうが、 これではホントに単なるテロリストじゃないか。 もうちょっと感情移入できる犯人にして欲しかったかな... | ||||
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一気に読んでしまいました。 思わず、ずるずると全共闘世代に引きずられてしまいました。 おもしろい・・・ ストーリー、文章のたくみさとあいまって引きずられるように読み進みました。 | ||||
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江戸川乱歩章と、直木賞を史上初めてダブル受賞した作品だそうだ。 本当によくできた小説で、その伏線の入り乱れ方とストーリーの進め方にすごくスリルがある。 読み終わると、あまりにできが良すぎて印象に残りすぎてしまい、おそらく読み返すことはないか、もしくは何年もたってプロットをほぼ忘れてからになるだろう。 おそらく読み返さないというのが理由になり、星がひとつ減った。それでもこの小説は素晴らしい、最高峰の娯楽です。 | ||||
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いろんな方々のレビューを読んでいて、なるほど、自分が感激した作品についても、人によって様々に意見が異なるんだなあと、今さらながら感心しています。今頃何言ってんだと言われれば、スミマセンと申し上げるほかありませんが。 ただ、娯楽ものとしてのフィクションに対し、リアリティがないだのご都合主義だのという批判は的外れではないのかなあ。SFだってミステリーだって、それを言い出したらそもそも娯楽ではなくなってしまうように思います。カッコよすぎる魅力的な登場人物が、スカしたキザなセリフを述べる。いいじゃないですか。歌舞伎だって、あの隈取り、衣装、セリフ回し、どれ一つとってもおよそリアリティとはかけ離れたものではありませんか。ファンは歌舞伎独特の様式美に酔いしれているのです。リアリティの追求なんて求めてはいないはず。 そう、様式美。藤原作品にも独特の様式美があって、一つの閉じた作品世界の中では、何もかもが美しい。登場人物の一人ひとりが、悪人も含めてすべて美しい。読んでいて気持ちがいい。ミステリーとしての完成度うんぬんについては批判があってしかるべきでしょうけれど、私などは少々の瑕疵などどうでもよろしい、この様式美のもたらしてくれる気持ちよさの前では何でも許しちゃう、という姿勢で楽しんでいます。 それにしても、あまりにも早く天に召されてしまいましたね。残念。残念です。心よりご冥福をお祈り申し上げます。 | ||||
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この主人公が女だったらわたしものんだくれてみたい。 善人は良いかと問われれば悪人のほうが物事をはっきりと 分からせてくれたりする。雑多な世界がかってに滅びても しかたない。善人らしい正直者はなんとつまはじきになり身を 崩してしまう。それがわかるようなきがする。 われわれは善人ではない。ほころびから嘘と虚飾がチラついているじゃないか。 もーーくやしくてたまらない。がん!!そして藤原先生。もっと書いてほしかった。 独り旅立って、とてもそれが似合っていますよ。さみしいです、、、 ぜひ一読推薦いたします。 合掌 | ||||
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いくつかの賞をとった小説ですからその内容にはいくつかの側面があり、その理解は読み手によって違うのでしょうが、私は類いまれな恋愛小説と解釈しました。この小説の最終パラグラフにすべてが凝集されていると思います。 昔、愛し合っていた恋人(酔いどれ男)を“そっと見る事”或いは“一方的に会う事”ができる機会を偶然にも持てるなんて、陳腐な表現ですが、なんと嬉しく、そしてなんて悲しく切ない時間だったことでしょう(小説なんだから作家の自由、ともいえますが。それをいうのは無粋というものでしょう)。 彼女のその楽しい時間はテロリストによって奪われ、しかもこの恋人達とテロリストは不思議な運命の糸(意図)で繋がっていた・・・・・。是非、じっくり堪能していただきたい小説のひとつです。 物語の終盤に来て、話しが発散してしまい収拾が困難になって、意味不明の大爆発にせざるを得ない作品、逆に、途中までは盛り上がっているのだが肝心の終盤で萎えてしまう作品はたくさんありますが、この作品は最初から最後まで抑制が利いており好ましく感じました。 いわゆる(純)文学の観点から、この種(ジャンル)の作品の弱点を挙げるのは簡単ですが、「それを言っちゃ・・・・・・」、と思います。 | ||||
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江戸川乱歩賞&直木賞のダブル受賞作品。10年以上前の作品ながら、既にPCやネットも登場し、それほど違和感なく読めます。日本が舞台でも、現実的なハードボイルドは書けるのだな、と思いました 主人公・島村は、冤罪ながら爆破テロリストとして指名されている中年のアル中バーテンダー。かつて東大紛争時に同志だった仲間の気配に引きずられるように、隠遁生活から現実へと舞い戻ってくるさまが、克明に描かれています。 奇妙なヤクザ、20年以上前の恋人の娘、死んだはずの親友。ラストのどんでん返しは、やや都合よすぎる気もしますが、学生運動という時代を生きた者なら、多分、共感するところ大なのではないでしょうか。 もし今映像化するなら、桑野役には堺雅人さんをお願いします。 | ||||
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本書が史上初の乱歩賞・直木賞ダブル受賞作品としてベストセラーになってから数年が過ぎました。 だいたいベストセラー本にはろくなのが無いのですが、本書はさすがはダブル受賞を果たしただけあって、予想を大きく裏切る見事な作品でした。 文章の質も内容も展開も、全てが高いレベルに達しており、最後まで一気に読み切ることができました。 特に作品全体を支配する、静かでどっしりとした濃いめのセピア色的な空気感(表現が難しい)にはやられました。 謎の提示や伏線の張り方、展開の意外性などを見ても、本作品は十分に本格ミステリとして通用するだけのものを持っていると思います。 #最後がやや陳腐な終わり方になってしまっているのが惜しい。 単にひとつの作品としての面白さだけでなく、筆者の筆力の高さや作家としてのポテンシャルの高さも感じさせてくれる一冊でした。 ベストセラー本にもたまにはまともなのがあるんですね☆ | ||||
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直木賞と乱歩賞を受賞した稀有な作品。なにしろセリフがかっこよすぎます。最初から最後までスピード感あふれる展開とその魅力的な会話にまったく飽きることなく一気に読めてしまった。登場人物も主人公はアル中だし、パートナーはヤクザだし(これがまたカッコいいんです)、ヒロイン的存在の元恋人の娘塔子はとにかく魅力的、と個性十分。ハードボイルドですが、そう固くないです。そして素晴らしいのがこのタイトル。「テロリスト」と「パラソル」という一見真逆に位置するこの二つがいかに繋がったのか。ラストでこの意味を知ったとき何ともいえない悲しさが残った。 | ||||
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自分自身がこの手のジャンル物を読まないからなのか、全く面白いとは感じませんでした。 導入部では共闘世代の燃え残りな人物描写。 話の進展のきっかけは偶然ばかり、ご都合主義を感じてしまいました。 著者はコンスタントに執筆なさっているようですが、 自分はこの方の作品を今後読むことは無いと思います。 | ||||
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