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テロリストのパラソル
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テロリストのパラソルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全176件 101~120 6/9ページ
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「江戸川乱歩・直木賞W受賞!」との謳い文句にそそられて購入しました。アル中のバーテンダーである主人公が公園で飲酒中に、爆弾テロに巻き込まれ、、、というのが本作のストーリーです。自分はまずこの設定に驚きました。「主人公がアル中?」しかも「昼間から飲酒?」いったいどんな話の展開になるのか、期待半分心配半分でした。けどそんな心配は無用でしたね!警察・ヤクザに追われ、主人公の過去が暴かれていき、しかも昔の恋人の娘までが登場する。目まぐるしい展開に一気に読み上げてしまいました。2011年に読んだ最初の一冊目でしたが、最高の一冊になるかもしれません | ||||
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文章は簡潔で読みやすく、悪くない。偶然に頼るご都合主義にも目を瞑ろう。だが、主人公を取り巻く設定があまりにマンガ的(全共闘?東大中退?元ボクサー?アル中のバーテンダー?)で物語ではスーパーマンだ(笑)。若い娘がアル中の汚いオジサンに惚れることは絶対にない。作者は自分と同世代を主人公にして夢を託したのだろうが、あくまで中年作家の妄想に過ぎない。全共闘の成れの果てのアル中を美化しての「世代」の誇示は、ある種のコンプレックスの裏返しにも見える。それにしても、乱歩賞や直木賞の選考委員は『本宮ひろ志』の読み過ぎじゃなかろうか? 荒唐無稽な妄想小説。 | ||||
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*自分のブログに書いたものと同一内容です。 いやぁ、面白かった。 xx賞受賞なんてのにロクなものはないのだが、これは面白い。 アル中バーテンダーのハードボイルド的なものを想像して買ってみたのだけど・・・ ハードボイル・・・的ではある。 ミステリ・・・的でもある。 でもやっぱり人間ドラマというべきか。 真の黒幕は事件の発端と同時にそれと知れる。 が、そこに至るまでのドラマが面白い。 また謎解きシーンで、(ドラマ的に)意外な事実が知らされる。 レールの先が見えているジェットコースターストーリーとでもいうか。 夜中の2時頃に夜食を食いながら読み始めたら止まらなくなった。 結局読み終わったのは午前5時。 一気に読まされました('Д`) | ||||
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1968年12月の東大駒場での革マル派と早稲田を叩き出された社青同解放派との血を血で洗う内ゲバと無期限バリストを破壊せんとする日共=民青、右翼との暴力的衝突は大晦日まで15日間にも及んだ。この小説の舞台となる第8本館は東大全共闘=駒場共闘の拠点で革マル派と社青同解放派、フロント(自治会執行部)が立てこもっていた。ある時ノンポリ学生が民青が8本を攻撃していると通報してきたのでわれわれは鉄パイプで武装して包囲した民青と右翼に殴りこみ頭をめった撃ちにして蹴散らした。頭から血を噴出して倒れた民青を私はさらに殴ったが東大の教員に羽交い絞めにされ止められた。止められなかったら死んでいたかも。この小説の舞台と背景はそんなもんである。藤原伊織はこの第8本館に立てこもった駒場共闘に属していたかどうかは知らない。藤原は東大卒業して電通に入っているから活動家ではないのだろう。しかし駒場共闘の第8本館篭城のことは東大の学友に聞いて大体知っている。まあこの小説みたいなもんである。年が明け1月東大本郷の図書館前で全共闘と民青の大規模な衝突があり1・18、1・19の「決戦」となだれこんでいく。お正月気分などない戦いにつぐ戦いで睡眠もとれず暴れたのは若かった(20歳)からだろう。藤原の冥福を祈る。地獄で会おう。 | ||||
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江戸川乱歩賞と直木賞のダブル受賞作と期待して読み始めた。だが「どうしてこの程度の作品が・・・」と思わざるを得ないのだ。まず主人公の人物設定が荒唐無稽過ぎ、到底納得できない。東大中退の元過激派で、世界タイトルにも挑戦できる才能がある元プロボクサー。だが、現在は、アル中の40代男。東大中退に全く未練はない。こんなヘンテコリンな人間が世の中にいるだろうか。なるほど、文章は、短く簡潔でよませる文体である。だが、本作品よりも『誘拐児』ともう1つの作品(名前を忘れた)の方が、推理小説としては、よくできていると感じた。これは読者としての読後感ではない、江戸川乱歩賞に応募しようと思っている作者の立場の感想である。確かに、本作品と比べると、上の二作の文章は劣るけれど、ストーリーの展開には工夫していると感心した。これから江戸川乱歩賞の全受賞作を読むつもりだが、本作品は、賞をとった作品が必ずしもよくないという一例である。善悪の判断は評論家や他の人とがするのではない。あくまで自分がするものである。 | ||||
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藤原伊織さんは大好きな作家さんの一人なのですが、 特にこの作品は大好きで、もう何十回となく読み返しています。 江戸川乱歩賞と直木賞をW受賞しています。 新宿中央公園で起こった爆弾テロ。 そこに居あわせたアル中のバーテンダー島村。 そこには彼の大学時代の恋人と、親友も居あわせ、命を失ってしまう。 彼は過去に起こした事件から警察に疑われるが、 逃げながらテロの真相を探るうちに、意外な犯人に突き当たる。。。 直木賞の選考の際、選考委員の阿刀田高さんが 「なによりも文章がよい。“人が歩き電車が走り犬が吠く”といった普通のことを書いても味がある」 とこの作品を評しているのですが、ホントその通りだと思います。 淡々と進んでいくようでも、登場人物の魅力がきちんと描かれ、物語に引きこまれてしまいます。 何といっても主人公が魅力的! 中年でアル中でホームレス1歩手前くらい。 セーターは穴があいてるし、音痴だし、鈍感。 でも生き方や思考がものすごくかっこいいんです。 | ||||
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史上初の乱歩賞&直木賞W受賞作ということで読んでみましたが、ハードボイルド系の好きな僕にはハマリ過ぎました。 ちょっと屈折したハードボイルドな主人公は、外見的にはかっこよくないのに、なんやかんやと曲げられない芯を持っていて、結局かっこいい。 かかわる人物たちも手を抜くことなく、とても魅力的に描かれています。 やや飛躍した感のある設定も、エンターテイメント性も盛り込んだハードボイルドと思えば、素直にとても面白いです。 すでにお亡くなりになり、もう新作が発表されないのが、本当に残念です。 | ||||
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とにかく面白い。 時間がたつのを忘れていつのまにか読み終わっていました。 スピード感があり、且つ内容が濃く、ストーリーも良い、登場人物にも味がある。 乱歩賞受賞は当然だと思う。 | ||||
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これまで様々な小説を読んできましたが、私にとって、これが一番面白かったと言っても過言ではないものです。 この本の存在はずっと知っていたのですが、どこかの書評で、ある作家がタイトルのことを酷評していたのを見て、ずっと手が伸びずにいました。 それで実際に読んだのは、発刊されてから相当経ってからだったのですが、「どうしてもっと早く読まなかったんだろう」と後悔するほどでした。 ストーリーもすごく面白いのですが、何より登場人物の、特に主人公がとても魅力的です。 過去を背負った翳のある男の行方にどんどん引き込まれていきました。 「江戸川乱歩賞・全選考委員絶賛」も頷ける本だと思います。 | ||||
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物語のモチーフになっているのは60年代後半の学生運動時代。回想シーンはキャンパス内の建物に作ったバリケードから始まるのだが、平和な90年代の大学しか知らない自分にとって、この導入部は妙にハードルが高い。 こういう細かいところにつまづいては、この作品を楽しむことはできないようで、話が現代に戻ってからはテンポも良く、登場人物の会話もクール。「これぞハードボイルド」というスタイルを貫き、そのまま山場に突入。しかし、乱歩賞はともかく直木賞が取れる作品か、というと正直疑問。最後の仕掛けが奇抜すぎるし、登場人物が皆スーパーすぎるし、最後は2時間ドラマのごとく何事も喋りすぎ。スピード感と登場人物の会話を楽しむ作品と割り切るのが吉。 | ||||
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藤原氏の中でも最も著名な本作。 言うまでもなく大きな賞を同時受賞しているんですね。 藤原伊織氏(以下イオリン)は、どの作品も悲しいまでに主人公の設定を変えていません。 それについて叩きまくったレスも多かったです。 それでも変わらないイオリン。 それが好きだ!!という読者が多いのも事実だし、引き込まれてしまうのも事実。 どっちかっていうと、男性がハマるタイプの小説ですよね。 内容は散々書かれているので割愛。 イオリンの作品を、最初に読んだのが本作。 続いて発表される度に読みました。 どれもさいこー!!! 訃報を聞いた時のショックは今でも覚えています。 本作は、ミステリ好きには「とりあえず読んでおかないと!」って作品だと思っています。 | ||||
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テロというモチーフは今となっては新鮮味はないが 発表当時(95年)ならそれだけでインパクトがあったかもしれない. 全共闘,ハードボイルドといった要素もうまく取り込まれていて 好き好きではあるが,会話のやり取りに言葉のセンスを感じる. ラストには意外性もあり読後感は悪くない. しかしながら,主人公が過去には才能あるボクサーだったり ホームレスの元法医学教授が登場したり 関係者全員が同じ公園に集まったりという ご都合主義的な展開が目に付くのも事実. また,切断した身体の一部を保存してトリックに用いているが 10年以上前とはいえそれが判別できないほど 法医学の水準が低かったとは思えない. エンターテイメントとしては合格点だが ミステリーとしてはもう一歩というところか. | ||||
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物語の描かれ方が安定していたと思います。男の世界といった雰囲気で、ハードボイルドな世界にひたりたい人におすすめです。 | ||||
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それぞれの登場人物。物語の展開に無理はないのだが、 そもそもの爆破事件に無理があって、リアリティーに欠ける 展開に感じてしまう。読み進む気持ちに拍車がかからない。 作者が結局何を伝えたかったのか不明。ストーリで楽しませよう という事だとしたら、小説である必要、小説である利点が全く活きて おらず、少なくとも真保裕一ファンな自分は、次にどうなるんだろう、 とはまったくハラハラ、ワクワクしませんでした。 読者への良い意味での裏切りも皆無。イマイチ。 | ||||
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ご都合主義という意見には確かに納得です。主人公島村の行動範囲は警察から追われている身ということもあり狭いですし、得られる情報も新聞からやバーテンをしてた時の客やそのつて、そして奇妙なヤクザ浅井や被害者の娘塔子からなどで、近しい存在からがほとんどです(それに浅井や塔子は向こうからやってきますし)。また、学生運動に対するマスターベーション的小説という批判もたしかにできるでしょう。ストーリーや謎解きを重視したミステリー作品という観点からすると、欠点は多々あるかもしれません。でも、この作品をなおも傑作にしているのはここに込められている美学だと思います。どの場面をとっても、登場人物を介した作者の美学が息づいています。人生とは何なのか、どう生きるべきなのか。そしてその美学が端正かつ丁寧な文体によって表現されており、何度読んでも感動がよみがえってきます。この美学を表現するために、ミステリーという形式が必要だったとさえ思えるくらいです。単なるミステリー作品として読まずに、ここに込められた美学に共感した読者には生涯忘れられない作品になるのではないでしょうか。 | ||||
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ミステリーやハードボイルドに学生運動をまぜるとこういう作品になるという例。とにかく学生運動が前面に出てきて、それにシンパシーを覚える人には絶賛されたのだろう。講談社は最後にどんでん返しがある神業ミステリーと宣伝したが、たいしたどんでん返しでもなく、普通のミステリーならどこにでもあるような内容だった。 | ||||
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何だか作品がいま一つになってきたなーと思っていたら、やっぱり病気だったね。58歳で亡くなられた。まずはご冥福をお祈りする。 これから読むという方へ。藤原氏というのは、頭がよくて教養があり、でもひたすら情けない男を書かせたら右に出る者はいない。本書はその作品の中でも特によくできている。まあ、つまりデビュー作を超えられなかったという点では、定石どおりの方だったわけだ。というわけで、これは読んでも損はないと思う。次の「ひまわり」も面白いが、晩年の作品には期待しない方がいい。 無人島に三つ持っていくとしたらPCとタバコ、ドストエフスキー全集という回答を見れば、どんな経歴の方かは大体わかるだろう(笑)。 | ||||
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賞をとった作品だけあって、文章がしっかりしていて読み応えがあった。 文学作品としてミステリーとして引き込まれる作品でした。 様々な犯罪のある昨今。 「若者は危険!?」と言われているが、私にいわせると昔も同じかな・・・と。 テロリストの破壊型の心境、人間の心のダークな部分の描写にゾッとし、考えさせられた。 「そういう心情もあるのかもしれない」と分かったが、皆コントロールしているのでしょう。 最後のストーリー展開に、驚きました。 人間の狂気のスイッチは、“嫉妬・プライド・コンプレックス”どこにでもありそうなものだった! この狂気を違う形で使う道は人間にはないのでしょうか? みんなが幸せな暮らしができる社会であって欲しい。 しかし、人間には醜い感情もある・・・、分かっているから厄介なのかもしれませんね。 | ||||
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アル中男が、爆弾テロに巻き込まれて、次第に彼の過去との関係が明らかになってゆく。よくできた作品だと思います.文章もとてもうまく読みやすいので、あっという間に読んでしまいました.最後、犯人と対峙する場面や、犯行の理由などがちょっと安っぽい。「24」みたいで、ハリウッドで映画やTVシリーズにしたらよさそう。主人公のキャラクターは、ハードボイルドなのですから、まあこのくらい非現実的でいいんじゃないでしょうか。まさに「まじめなアル中、ジャック・バウアー風味」。でも、全共闘だの、安田講堂だのいわれても、最近の人にはなんのことかさっぱりわからないとおもいます。 | ||||
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アマゾンに数多くのレビューを投稿し、「ベスト○○レビュアー」になっている方がいるが、その方々の高評価本がほんとうに「当たり」なのかどうか、その試金石になると、個人的に考えているのが、この本。 福田和也氏も書いているように「かつて全共闘運動に従事し、挫折してから天才ボクサーとなり、今はアル中のバーテンなのだが、イノセントな若い娘に惚れられている」というのが、この主人公のキャラクター。 こんな、カッコ良すぎる主人公が活躍する小説に、5つ星をつけるレビュアーの方は、自分とは違った本の好みをもっているのだなあ、と思ってます。 | ||||
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