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テロリストのパラソル
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テロリストのパラソルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全176件 21~40 2/9ページ
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主人公に魅力を感じないし、自分はアル中だと連呼してるけどアル中とは思えない元気っぷり。 単にキャラ付けのためにアル中絶対にしたんだろうなぁ…と。アル中なのにカッコいいでしょ?といういやらしさを感じた。 かっこつけのオンパレード、薄汚れたアル中のおっさんに惚れる若い娘、リアリティーがあまりない。 | ||||
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大変気に入りました | ||||
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驚くべき小説である。 他のレビュアー様が挙げておられる通り、小説としての欠陥はいくらでも挙げることができるのだろうけれども、この小説の骨格から浮き上がる心臓は25年前の悲恋の結末であり、もつれにもつれた性別を超えた愛憎の決着であり、女性が男性に惚れ、男性が男性に向ける崇拝と嫉妬の結論である。 同時に1970年安保闘争で(それ自体は子供の革命で、政治的有効性は絶無だったが)人生を狂わされた人物たちが、25年を経過して人生にそれぞれの結論を出す話でもある。 その苦さと甘さ・・・ 青春のうちに人生が破滅しても、死ぬまででもない場合、その後、真摯か誠実か、狡猾か下劣か、どのように生きるかで人生は別の自我を育んでいき、数十年を隔てて、青春時代の自分にも別の解釈を与えるまでに相対化していく。 主人公も、副主人公も、女性も男性も、別の形で1970年を再解釈して、また、その後の人生を歩んでいる中で異なった人格を作っていき、それが結実が、この事件の中で咲いて散る。 長く誠実に苦しんだ複数の人間たちによる、真摯で高度な知性がぶつかり合う話だった。その執念をもちつづけて人生を送った人物たちの持続力と矜持に驚く。 この物語は現実ではありえない品格を備えた人物ばかりである。この主人公たちが、青春時代の体験を誠実に、あるいは誠実ではない形でそれを咀嚼しつづけ、それに基づいた解釈を下し、その時代の自分に恥じないように20年以上もプライドを保ち続けたことに私は驚く。 この結末は、主人公も、副主人公も、そして対立する人物も、すべて爽快…ではないかも知れないが、人生に決着がついた、という満足を覚えたのではないか。 その奥にあるのは藤原伊織の世界観を構成する挫折である。 本人が世を去って10年以上経過したあとに初めて読んだが、この作品は著者の世界観を賭けて、全体重を掛けて書かれた生涯の一書という気がする。 復讐と怨念、愛憎と鎮魂が交錯するこの著書を超える作品は、小説としての完成度はともかく、著者にとってもその重さは二度と再現できない密度ではないか。(それはこれから確かめますが…) その更に奥には、破滅への抜き難い願望に行きつく。 開高健「輝ける闇」「夏の闇」三島由紀夫「豊饒の海」にも感じた、これらの著者とその登場人物も本当は避けることが出来た破綻を最後は自ら選んでいった、崩壊への快楽が底にある。口実はどうでもよい。ベトナム戦争であり、神国日本であり、この「テロパラ」では全共闘となる。 作品を精査すれば、作品の舞台が後になれば後になるほど、思想でも宗教でもその純粋性は薄らいでいき、本人の自己主張は明確になり、遂には時代を口実にした本人の願望、世界の解決なり集約の不可能の認識と、その後の破滅と快楽による人生の決着というパターンに収束する。 最終的には本能かもしれない。 男性のなかのいくばくかは、快楽と化した破滅によって人生を完成させる欲望に抗しきれない。 「テロリストのパラソル」では、その最終段階において、開高健「輝ける闇」の「私」、三島由紀夫「奔馬」の飯沼勲に匹敵する自我が破滅する快楽を覚えた。 小説を読む快楽だけではなく、人生の決着をつける、大いなる段階に立ち会った…という深い満足を以てこの本を読み終えることができた。 この作品は日本文学史上に足跡を残す傑作に思う。 …それにしても1990年代は、桐野夏生「OUT」京極夏彦「魍魎の匣」そして当作と、極度に論理的に、透徹した破滅を描く傑作が陸続と現れたものである。 当作が刊行されたのは1995年、オウム真理教事件の年でもある。 時代に挫折したことから幕を開けるこの作品が、また別の時代が転換点となる年に刊行されたことも感慨を催させる。 まわる、まわる、時代は回るとはこの事だろうか。 | ||||
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主人公の会話が魅力的だ。くすんだようなその生き方も。新宿西口公園で爆弾事件が起こった。多くの死傷者が出たテロ事件だ。22年にわたる時間軸が最後に見事に集約する。悪役の造形も素晴らしかった。いいミステリーを読んだ。いや、ミステリー以上のものだったかも。 | ||||
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ハードボイルドの傑作と聞いて読みました。 新人向けの乱歩賞とベテラン向けの直木賞を同時受賞した最初で最後の作品らしいです。 たしかにストーリーは面白かったです。古い作品で、大学の闘争なんていう時代背景もあって、少し入り込めない部分はありましたけどね。 気になった点は、ハードボイルドなので、主人公自身はいたってクールなのですが、周囲が主人公のことを高く評価しすぎるんですよね。 女性はすぐに彼に惚れてしまい、やくざは一目置き、別の人物は嫉妬し、それでも本人は自分のことをそう評価していない、というのに、少し無理上がるなと感じました。 あと、ミステリー要素もあるのですが、最後に主人公が犯人を指摘するまでの間に、読者に十分な情報提供がなされておらず、「やられた!」感はないですね。 これは、ハードボイルドに多い傾向があります。 なので★4つとしました。 | ||||
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事件に関連する人物が多すぎる上に、個々人の意思がはっきり見えず、後半非常にわかりにくい。全共闘崩れのアル中、風変わりなヤクザ、ホームレスと、いかにもハードボイルドでございという道具立てが陳腐だ。そしてとにかくご都合主義。その割にはちゃんと読めるものになっているので、作者はやっぱり上手いんでしょうね。星3つにしたのは自分が新宿中央公園のすぐそばに長年住んでいて親近感があったから。東京に住んだことなかったら星2つにしてたかも。 | ||||
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文庫本として、本屋で並ぶことは少ないので、amazonで購入できてよかったです。賛否両論ありますが、個人的には、探偵もの(?)として、傑作の分類に入ると思います。作者の急逝が惜しまれます。 | ||||
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人物は誰一人好きになれなかった。 出てくる人たちの感情や行動に共感できず物語の都合で動いてるとしか思えなかった。 人間というより物語のための駒としか思えなかった。 何より出会う人物は何故かみんな警察は嫌いだが主人公の事は好きになるのだが 自分には主人公の魅力は一切分からなかった。 都合の良い展開ばかりで物語に感心する部分が一切無かった。 ただ、文章は読み易く嫌いな世界観ではないと感じたので 読み終わった後すぐこの作者の他の作品はどうなんだろうと気になった。 | ||||
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「学園闘争は世間の悪意をも相手にしていた」「桑野は主人公の自由なのんきさに嫉妬し、対抗するため爆弾を製造した」この場面、私の未知の世界でした。 | ||||
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再読中。直木賞受賞時に購読して以来。 ミステリーとしては、展開が分かってしまうのだが、何より文章が良い。 序盤の一文。 『私は時に差別を受ける。身なりで。』とか。 終盤の一文。 『沸点か、と思った。私にも変質するなにかの契機はあるのか。引き金を絞るだけの契機』 最後のセリフ。 『きょう、友達を一人なくした』 文章はカッコつけてナンボです。読んでいない方は是非。 | ||||
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読書家の知人に勧められるままにポチりましたが大正解でした。日頃小説はあまり読まないのですが、これは一気に読み終えてしまいました。手に汗握るサスペンス映画を観ているような感覚でした。 | ||||
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綺麗な状態でした | ||||
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汚かったしふやけてたよ。 お風呂で読んだのかな? 蕎麦食べながら読んだのかな? 何でも良いのだけど、値段がこれじゃ 仕方ないって諦めるべき? もう少しでヨイから綺麗にしてから 売ってくんないっすかねー | ||||
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作品の全体的な雰囲気がノスタルジックで、特に団塊世代とその前後の世代の人にお勧めです。 読み始めてすぐ、ミステリーなのに表現力が、すごいと感じました。 自分世代よりちょっと年上の人たちの時代背景ですが、ノスタルジックなところに、ちょっぴり涙が出ます。ビートルズより、「長い髪の少女」がぴったりくる主人公。「長い髪の少女」。そういう時代ありましたね。また主人公の人間性が素晴らしい。物語はそこのところが1番大事だと思います。最後に直木賞受賞作と知って頷けました。 | ||||
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一気読み出来るストーリー展開の巧さを感じる良い作品でした。お薦めします。 | ||||
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最近実用書ばかり読みミステリー離れしていたのですが、この本を読みまたミステリー欲がうずうずしてきました。 一晩徹夜して…ほどのパーフェクトさではないものの、なかなか面白かったです。 | ||||
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ボクシングが絡んでいるからそう思うのかな。主人公なら雰囲気も似ている。エルロイの現代版であり和風版でもあると感じた。 重要な真相が派手な装飾なく、次の行で突然現れる技法も好きです。読み手を裏切る方法を熟知している。 | ||||
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結局、悲劇の出発点はいつも男女間の愛憎劇。2人の男と1人の女がいれば、物語的にはお決まりのパターン。学生運動の時代を肌で知ってる人の感想を聞いてみたいが、個人的にはあの時代の空気感は想像しにくく、作品の普遍性を邪魔している。 | ||||
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直木賞と江戸川乱歩賞をどちらも取った作品ということで期待して読んだ。なかなか面白かったものの、手放しで絶賛する気には到底なれない。 時間的に射程の広い物語は魅力的だし、 一部のそんなことあるわけねえだろというご都合主義に目を瞑れば登場人物の造形も台詞回しもなかなかである。それらの要素が絡み合って生まれたハードボイルドな香りのする文体にも一見の価値がある。(あくまでミステリーの中でであって、所謂「文学的な領域」ではもっとぶっ飛んだ個性・独自性を持つ作家は腐るほどいる) ただ、度肝を抜くような部分がない。物語には起伏があるし、筆致は安定していていかにも賞レースで勝ち抜きそうな、そして実際に勝った作品なのだが、何か物足りない。もっと読者をあっと言わせる何かが物語の最後に待ち構えていてほしかった。 娯楽としてミステリーを読んでいる人ほど、本作を読んだときの物足りなさは強くなると思う。本作はその文体が魅力の一つだが、娯楽と割りきってミステリーを読む層は文体なんぞに毫も興味がないのだから、物語に強烈な部分がないと「もっとすげえ結末なのかと思った」と評価されてしまうことは避けられないだろう。ましてや頭の固い文学好きからは「文体がもっとやべー奴なんてごろごろいるだろ」と言われてしまうことは必至である。賞の威光に目が眩みでもしない限りこの作品に5はつけられないだろう。 全ての要素が星3.6ぐらいの作品というのが妥当だと思う。 | ||||
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この主人公、アル中に見えない程 冷静に状況を把握して、行動している。 人の感情がない、淡々と作業する ロボットのよう。 ハードボイルドにしたくて みっともない姿やら 弱っている姿をあえて描いていないのか? わざとにしてもあまり感情移入できなくて 取り残されている気がした。 人としての感情はどこへ? もう少し可愛さがあれば もっと熱中できると思う。 学生運動の話が出てくるがその時代に 生きていた訳ではないので なんとも現実味がない。 よくも悪くも昔の作品だなと感じた。 | ||||
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