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テロリストのパラソル
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テロリストのパラソルの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.95pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全121件 1~20 1/7ページ
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藤原伊織さんの乱歩賞・直木賞ダブル受賞作且つ、筆者の最良作だと思います。 筆者の知的な部分とダンディズムが凝縮され表現された様な作品。 団塊世代の鎮魂歌的な作品は世に数多ありますが、その世代よりもかなり若い者の目から見た時、この作品が知る限り一番です。 リアルを知らない「歴史」だが、当時の情熱=青臭さと退廃・怠惰が同居した様な、一種独特でその時代にのみ存在したであろう空気・匂いを感じた。 団塊世代に対し賞賛的で無く明らかに否定的な若造に対しても、その時代の空気には一度触れてみたかった、と感じさせる作品。 ただ、この世代が甘受した経験と引き換えに、何十年も死に続けている今の日本があるのだという現実から見ると、大変複雑。 しかし、それだけの経験を出来た世代の描く作品には、それなりの濃度が存在するという根拠たりえる。 贅沢な経験出来た世代だけの特権、としておくのは勿体無く、それ以降に生まれ世代でも、その欠片を甘受出来るのも読書の醍醐味でしょう。 そこに何を感じるか?は、人それぞれですが。 | ||||
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一気に読めます。人物描写や謎の解かれ方と進行が相まってハラハラします。 | ||||
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冒頭の大事件を、過去に傷がありそうな主人公が一人称で探っていくハードボイルド。今更、今作を語ることは野暮であるが、やはりまとめ方に不満が残る。 | ||||
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亡くなってだいぶ経つのでもう忘れられた書き手かもしれませんが、本書がほんとうに好きで。しみ通るような哀しさ、静謐な。形容するならそんな感じでしょうか。レイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』いや今は村上春樹先生訳『ロング・グッバイ』が通りよいでしょうか、ともかくそのオマージュであることは明らかですが、ただの模倣に留まらず。登場人物が生きていて、そして魅力的ですね。チャンドラーのそれのオマージュにジェイムズ・クラムリー著『さらば甘き口づけ』もあり、これはこれで面白いですが、私は藤原伊織の方が好みです。話が脱線するようですが、昨日、丸山正樹先生の短編『シオン』を読んでいて、このトーンはどこかで読んだことがあるが、と感じておりました。ふと本書を手にとり、藤原伊織に通じるものがあるのだと気がつきました。直木賞選評での田辺聖子のものが、端なくも丸山正樹作品の評とも成り得るものになっています。「何より魅力的なのは文章の快いリズムで、」「淡々たる味だが水とはちがう。」「逝った青春への鎮魂歌といえようか。すぐれた一級のエンターテインメントだと思う。」あくまでも私の感覚です。本書の次になる『ひまわりの祝祭』は好みではなかったのでそれ以降の作品は読むことがなくきております。本書は、推理小説やハードボイルドが苦手な人でも面白く読めますので、未読でしたら読んでみても良いかもしれませんね。 | ||||
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オジさんはええ感じのキャラやと、ただオチが、そういう考え方になるんやーて感じでした | ||||
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返す返すも伊織さんの早逝が惜しまれる。 テロパラ・シリウス・雪が降る・てのひらの闇・・・1か月の入院中、再読し終わるのもったいなくて、 宮城谷さんの世界へ潜り込んだり色々浮気したのだが、結局名残り火で打ち止め・・・ 寂しいよー! | ||||
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早い、綺麗 | ||||
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初作家です。テロリスト、ハードボイルド?、アウトロー的な題材を好む方には合うと思います。(私もその1人です) 途中、70年代の学生闘争の話なども登場します。私は体験していないので、とても新鮮でした!女性の描写が、男性からみて『魅力的★』と思える女性像なのかなぁーと思いながら読んでいました(笑 | ||||
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面白いなぁ.............................. | ||||
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2023年時点で50代以上の人向けかな。少なくとも親が学生運動に関わっていたぐらいの世代じゃないと背景がわからないでしょうね。読み込みの浅い人が設定に無理があるとレビューで書いてるけど、とても丁寧に設定してある。だから乱歩賞も直木賞もダントツの評価で受賞してる。作者はもう故人となってしまったが、この作品を遺したことだけでも偉大だったと思う。 | ||||
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テレビ・ドラマ版を観たので、小説のことを想いだしながら書いてみる。 ドラマの放映が1996年11月15日、小説の発行が前年の9月14日、<ギャンブルでかさんだ借金の返済のため、賞金1000万円を目当てに>応募した江戸川乱歩賞を受賞する、という過程でドラマ化もなされたのだろう。同一作品が直木賞にも選ばれ、当時たいへんな話題だった。たまたま受賞前に読んで何人かの人に薦めていたので<予言した>とか言われたが、読んだ動機は人から勧められたからである。それくらい読めば共感する人は多いだろう傑作。 ドラマ版の主人公・島村圭介こと菊池敏彦役にショーケンこと萩原健一が扮している。学生時代からの友人・桑野誠役に根津甚八、松下(園堂)優子役に高橋惠子、その娘塔子役にまだ20歳の木村佳乃が演じた。この配役が功を奏してドラマ版も思った以上の成果を上げていた。近藤等則の物憂いながらも切れのいい音楽もハードボイルドにふさわしいものだった。最も興味のあった島村のつくるホットドッグが実においしそうで思わず舌舐めずりしてしまった。 この注文があってからキャベツを切りソーセージをのせトースターで焼くだけのホットドッグに“ハードボイルド”というものを象徴させた趣向がスパイスのように効いてくる物語。メニューは置いてない、後はビールしかないバー「吾兵衛」。ここが現在の彼のすべてだ。アルコールは過去からの逃走のための麻薬にしか過ぎない。これが、彼が20数年前の罪への食材ならぬ贖罪として選んだ存在の在り方なのだろう。 新宿中央公園での爆破事件によって、桑野、優子とも20数年ぶりに再会することになる。いや、正確には、優子はその事件で死に、娘・塔子と出遭うのであり、桑野とはまったく変わり果てた人物として再会する。つまり、学生運動のかつての同志とは“連帯”などではつながれてはいなかった、その混凝土のような現実に直撃してしまう男の悲劇といっていいだろう。 そのconcreteに直撃するまでの夢のBGMがGSサウンドだったというのがシャレている。島村が塔子に<ビートルズよりも好きだった>というのが、かつてテンプターズのリード・ヴォーカリストだったというのがうまい。全共闘と同時代に生きた作者・藤原伊織の、これが彼らへの総括であるかもと思わせる趣向もまたビターな味わいだ。 | ||||
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誰にも影響されずに、自分という世界観を生き続ける男の生き様を見ました。 この作品を読んだのは人のオススメからです。 普段の自分では手を出さない作品。 特にタイトルに「テロリスト」とついている。 ここに抵抗感を持って読まないと思います。 それをわざわざ読んでみて感じたのは、「出会えてよかった」という感覚でした。 主人公の生き様に触れて私だったからここまで一本の生き方を貫いていけるのか? この生き様を自分に例えると何を基準に生きているのかを考えさせられました。 誰かに、世間体に、国に、雰囲気に、何かしらに影響を受けて生きている自分。 その自分から抜け出した先に何があるのか。そんなことを考えました。 ぜひ、生き方の明確な基準がある人もない人も読むのがおすすめの作品です。 | ||||
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悲しくも温かいそんな小説でした。 主人公がカッコ良すぎます。 | ||||
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ホットドッグを食べたくなる。 | ||||
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主人公がアル中なのに頭が切れるうえ元ボクサーで強いし、妙に話のわかるカッコ良いヤクザには気に入られ、やたら機転が利く行動力の高い女の子にも好かれるという、まるで少年漫画のような有り得ない展開にびっくりしつつ、それが逆に潔くてとても楽しめました。 そして彼ら全員、キャラクターが立っていて生き生きとしているので、緊迫感はありつつもどこか明るい作風なのも気に入りました。 登場人物を含めストーリーにもご都合主義なところは散見されますが、スピード感のある展開でこちらに考える隙を与えず、どんどん読み進めたくなる力で細かい事は全部どこかへ吹っ飛んでしまいました。 何も考えずに、作品の持つ勢いにまかせて読むと非常に楽しめるかと思います。 ただ、黒幕が明かされてからの怒涛の後出し説明には、楽しい気分も少し冷めてしまいました。 推理小説ではない作品にこんなこと書くべきではないのでしょうが、推理に必要な要素をもっと提示してくれれば、後出しだと思うことも無かったかなと思います。 とはいえ、私は普段ミステリーを好んで読むためこのような感想を抱いてしまいがちなので、細かい事は気にせず娯楽小説として楽しむのが吉と思います。 多少の不満はありながらも満点を付けてしまうくらい、エンターテイメント性の非常に高い作品なので大満足でした。 | ||||
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大変気に入りました | ||||
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驚くべき小説である。 他のレビュアー様が挙げておられる通り、小説としての欠陥はいくらでも挙げることができるのだろうけれども、この小説の骨格から浮き上がる心臓は25年前の悲恋の結末であり、もつれにもつれた性別を超えた愛憎の決着であり、女性が男性に惚れ、男性が男性に向ける崇拝と嫉妬の結論である。 同時に1970年安保闘争で(それ自体は子供の革命で、政治的有効性は絶無だったが)人生を狂わされた人物たちが、25年を経過して人生にそれぞれの結論を出す話でもある。 その苦さと甘さ・・・ 青春のうちに人生が破滅しても、死ぬまででもない場合、その後、真摯か誠実か、狡猾か下劣か、どのように生きるかで人生は別の自我を育んでいき、数十年を隔てて、青春時代の自分にも別の解釈を与えるまでに相対化していく。 主人公も、副主人公も、女性も男性も、別の形で1970年を再解釈して、また、その後の人生を歩んでいる中で異なった人格を作っていき、それが結実が、この事件の中で咲いて散る。 長く誠実に苦しんだ複数の人間たちによる、真摯で高度な知性がぶつかり合う話だった。その執念をもちつづけて人生を送った人物たちの持続力と矜持に驚く。 この物語は現実ではありえない品格を備えた人物ばかりである。この主人公たちが、青春時代の体験を誠実に、あるいは誠実ではない形でそれを咀嚼しつづけ、それに基づいた解釈を下し、その時代の自分に恥じないように20年以上もプライドを保ち続けたことに私は驚く。 この結末は、主人公も、副主人公も、そして対立する人物も、すべて爽快…ではないかも知れないが、人生に決着がついた、という満足を覚えたのではないか。 その奥にあるのは藤原伊織の世界観を構成する挫折である。 本人が世を去って10年以上経過したあとに初めて読んだが、この作品は著者の世界観を賭けて、全体重を掛けて書かれた生涯の一書という気がする。 復讐と怨念、愛憎と鎮魂が交錯するこの著書を超える作品は、小説としての完成度はともかく、著者にとってもその重さは二度と再現できない密度ではないか。(それはこれから確かめますが…) その更に奥には、破滅への抜き難い願望に行きつく。 開高健「輝ける闇」「夏の闇」三島由紀夫「豊饒の海」にも感じた、これらの著者とその登場人物も本当は避けることが出来た破綻を最後は自ら選んでいった、崩壊への快楽が底にある。口実はどうでもよい。ベトナム戦争であり、神国日本であり、この「テロパラ」では全共闘となる。 作品を精査すれば、作品の舞台が後になれば後になるほど、思想でも宗教でもその純粋性は薄らいでいき、本人の自己主張は明確になり、遂には時代を口実にした本人の願望、世界の解決なり集約の不可能の認識と、その後の破滅と快楽による人生の決着というパターンに収束する。 最終的には本能かもしれない。 男性のなかのいくばくかは、快楽と化した破滅によって人生を完成させる欲望に抗しきれない。 「テロリストのパラソル」では、その最終段階において、開高健「輝ける闇」の「私」、三島由紀夫「奔馬」の飯沼勲に匹敵する自我が破滅する快楽を覚えた。 小説を読む快楽だけではなく、人生の決着をつける、大いなる段階に立ち会った…という深い満足を以てこの本を読み終えることができた。 この作品は日本文学史上に足跡を残す傑作に思う。 …それにしても1990年代は、桐野夏生「OUT」京極夏彦「魍魎の匣」そして当作と、極度に論理的に、透徹した破滅を描く傑作が陸続と現れたものである。 当作が刊行されたのは1995年、オウム真理教事件の年でもある。 時代に挫折したことから幕を開けるこの作品が、また別の時代が転換点となる年に刊行されたことも感慨を催させる。 まわる、まわる、時代は回るとはこの事だろうか。 | ||||
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主人公の会話が魅力的だ。くすんだようなその生き方も。新宿西口公園で爆弾事件が起こった。多くの死傷者が出たテロ事件だ。22年にわたる時間軸が最後に見事に集約する。悪役の造形も素晴らしかった。いいミステリーを読んだ。いや、ミステリー以上のものだったかも。 | ||||
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ハードボイルドの傑作と聞いて読みました。 新人向けの乱歩賞とベテラン向けの直木賞を同時受賞した最初で最後の作品らしいです。 たしかにストーリーは面白かったです。古い作品で、大学の闘争なんていう時代背景もあって、少し入り込めない部分はありましたけどね。 気になった点は、ハードボイルドなので、主人公自身はいたってクールなのですが、周囲が主人公のことを高く評価しすぎるんですよね。 女性はすぐに彼に惚れてしまい、やくざは一目置き、別の人物は嫉妬し、それでも本人は自分のことをそう評価していない、というのに、少し無理上がるなと感じました。 あと、ミステリー要素もあるのですが、最後に主人公が犯人を指摘するまでの間に、読者に十分な情報提供がなされておらず、「やられた!」感はないですね。 これは、ハードボイルドに多い傾向があります。 なので★4つとしました。 | ||||
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文庫本として、本屋で並ぶことは少ないので、amazonで購入できてよかったです。賛否両論ありますが、個人的には、探偵もの(?)として、傑作の分類に入ると思います。作者の急逝が惜しまれます。 | ||||
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