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名探偵に薔薇を
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名探偵に薔薇をの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 21~40 2/3ページ
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| 小人の童話が全てのキーとなります。 設定は面白いし、探偵としての心情や苦悩が上手く現れていると思います。 唯一つ、何故御主人はそんな危険物を捨てないの??? 子供がいたら普通、処分するよね。 危険物さえ愛妻の思い出として捨てられないのに、速攻再婚しているところもどうにも理解出来ず、話に入り込めない。 ちょっと残念なところもあるのですが、探偵の心情のお話として、こういうミステリーの形があるんだと斬新なお話ではありました。 | ||||
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| 本作が鮎川賞最終候補に残った際の5作品のうち、受賞作を含めて4作が単行本化されているという、例年にない高度な選考年度となった回の惜しくも受賞には至らなかった作品。 2部構成だが、いわゆる2部構成ではなく、連作短編が重なっているような雰囲気だ。だが、1部があるから2部が引き立つという理想的な構成である。 敢えて現実世界から遊離したような探偵の存在が前提とされた世界観で、究極の毒薬を巡っての悲劇が描かれる。 全体の趣向に前例があるため、それがマイナスポイントとなって受賞を逃したのだが、それはあまりに酷というものだろう。そんなことを言い出したら殆どのミステリーなど前例があるだろう。前例がある云々ではなく、いかにストーリー的にその趣向がうまく活用されているかが重要であり、本作はそれを最大限に活かしきっている。 本格ミステリーファンなら必読の力作と言える。 | ||||
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| 本作は第1部「メルヘン小人地獄」と第2部「毒杯パズル」の2部構成。 第1部は、猟奇殺人、確実なアリバイ、それを解き明かす名探偵、といったまさにミステリといった筋書。 ただ一つの例外、完璧な毒薬「小人地獄」を除いては…。 この「小人地獄」はそれこそファンタジーかSFにでも登場しそうな、あまりにも突拍子もない架空の毒薬なのだが、 これを見事に作品に落とし込み、物語を紡ぎだした作者には、惜しみない拍手を送りたい。 基本的に、本格ミステリ物しか読まない私にとっては、本当に衝撃的で感動的だった。 第2部、この「小人地獄」に関わる新たな事件の中で、名探偵・瀬川みゆきの苦悩を描く。 第1部では「颯爽と現れ悪を倒すヒーロー」であった彼女は、何を思い謎を解き、何を信じ謎を解くのか。 彼女が「名探偵」であり続ける理由とは…。 「謎はすべて解き明かされるべきか。いや、解き明かすべきではない謎も存在するのかもしれない。」 私はこれまでミステリを読んで、こんな風に感じたことはなかった。 | ||||
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| スパイラル、ヴァンパイア十字界で知られる城平京先生の秀作。本編は2つの物語で構成されており、前編の事件を踏まえ後編への事件へ続くというスタイル。儚い、悲しい事件に名探偵は挑む。 | ||||
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| 評価が高かったので購入してみたのですが、個人的には面白く感じられませんでした。 理由は2つです。 1文章での表現が大げさ過ぎる これが1番大きかったです。 些細なことにも大げさな修飾表現がついていたり、登場人物の台詞がくさかったりとリアルさを全く感じることができませんでした。 そのため読んでいる間もどこか冷めた目で見てしまい、あまり物語に入り込めませんでした。 2オチがいまいち 特に後編です。 私としては犯人の動機があまりにもちゃちく感じられました。 考えれば他にいくらでも方法はある筈なのに、なぜ今回のような形をとったのか全く理解することができませんでした。 本というのは好き嫌いが出やすいですが、もし以上の理由に共感される方は購入される前に少し書店で確認してみると良いと思います。 | ||||
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| 解説で津田裕城氏がコメントしている通り、この小説の魅力を語るには、「読んでください」の一言で十分だろう。 叙述トリックではないどんでん返しを読みたい方にも是非。 | ||||
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| マンガのスパイラルが好きで購入しました。 スパイラルもそうですが「ミステリーはトリックを解くのを楽しむものだ」と思っている人には向かないでしょう。 そんなに難しいトリックではなく、犯人が誰かもだいたいわかります。 ミステリーファンが好みそうな猟奇殺人の割に、解決はあっさりとして少し拍子抜けするかもしれません。 しかし大事なのは犯人探しやトリックの解き明かしではありません。 大事なのは後半です。 後半を読むと前半は「瀬川みゆきという名探偵の苦悩の物語」を描くための序章だったことがわかります。 前半を読んだうえでの登場人物それぞれの想い、犯人の動機、そこにリンクする瀬川みゆきの過去。 全てが明かされた時、それは納得のいく結末ではないかもしれません。少なくともスッキリはしないでしょう。 でも推理だけでは解決できない想い、裁くことのできない罪を考えさせられることになります。 スパイラルのラストといい、この作者は自分では解決しようのない理不尽な問題をつきつけるのが好きなんでしょうかね。 でもそういう結末に悩むのが好きな方にはとてもおススメです。 名探偵瀬川みゆきと共にじっくり想い悩んでください。 | ||||
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| 2部構成とは知らず、猟奇小人地獄殺人事件が、えらく簡単に解かれてしまい、おやおやと思っていたら、2部のための1部だったのですね。 最後のおとぎ話で、涙腺が壊れました。 ネタバレはしたくないので、多くは書きません。 ただただ、悲しかったです。 | ||||
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| 同一の家を主な舞台にした二部構成の作品。第一部は三橋という狂言回し役の視点で描かれる。その第一部の「メルヘン小人地獄」は、「小人地獄」という陰惨で特殊な毒薬の製作過程・存在を背景として見立て殺人、猟奇殺人を扱ったもの。事件の構造自身は単純であり、狙いは「小人地獄」という特殊な毒薬(微量で殺人可能の上に死体からの検出が不可能。一方、多量では嚥下出来ない)及び三橋の知人で名探偵の誉れ高い瀬川という女性を紹介する事にあったと思う。第二部への繋ぎ役である。 その第二部の「毒杯パズル」は、この「小人地獄」という毒薬を用いた毒殺事件を扱ったもの。「小人地獄」の特質に反した毒殺方法を何故犯人が選んだかが肝である。被害者が無味覚症という設定はご都合主義の感があるが、犯人の候補は限られているのに、動機及び毒殺方法の選択理由が不明という謎の設定は面白い。こちらは主に瀬川の視点で描かれる。その解決は、連城三紀彦氏の初期短編に同工異曲の動機があったと思うが、瀬川自身を含めた錯綜した人間模様を活かした巧緻なもの。中々楽しめる。 ただし、全体的に名探偵が抱える宿業・悲劇といったものに焦点を当て過ぎていて、違和感を覚えた。もっとストレートなミステリ劇に仕立てた方がより楽しめる作品になったと思う。 | ||||
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| ストーリー,登場人物共に非常に好みの内容で一気に読みました。 ミステリーは好きで、昔ハマった“スパイラル”という作品の筆者であったことから購入しましたが過去の作品のファンという目線抜きで楽しめます!! 内容はネタバレにも繋がるので書けませんが狂気,哀愁が漂うのに何故かお伽噺のようにキレイな物語でした。 他の作品でも共通した部分は運命や因果に抗おうと信念を持ち,行動もしているのにやはり運命は残酷に立ちはだかるという切ないけど後ろ向きにならない魅力が筆者にはあります。 映像化されたら間違いなく見るだろうな。 | ||||
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| 大きく2部に分かれていて、前半はちょっと猟奇的殺人事件の謎解き、後半は意外な被害者ともっと意外な犯人ともっともっと意外な真相…、という構成で成り立っています。 最後までロジックはしっかりしていて立派な本格推理小説と言っても良い作品です。 後半の最後はこれでもかと、どんでん返しがつづきますが、ちょっとクドいと思いました。 推理小説マニアなら一読すべき作品だと思います。 | ||||
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| 第8回鮎川哲也賞の最終選考候補作。 1998年の作品のようで、2014年に10版がでている。 帯紙には、「衝撃を与える脅威の二部構成」とか「こんな傑作ミステリを今まで知らなかったことをきっと後悔します」などと刺激的なポップが躍る。 内容はというと、特異な毒薬にまつわる因縁に運命を振り回される人々と、やたら猟奇的な描写が目立つおどろおどろしいシーンの数々、横溝の再来かという第一印象だ。猟奇的表現に眉をひそめることは、たぶん何回かあるかもしれない。ナレーション的な微妙な表現の地の文が気になりつつも読み進めると、、、終盤一気に事件の幕引きが図られ、第1部は完結する。 そして第2部の冒頭、さっそくとんでもない事件が、、、という流れである。 解説氏も詳細に述べているが(この解説記事は読了前に読んではいけません)、第1部もそれなりにひねった、いわゆる思い込みによる盲点的なトリックになっていて、伏線も一応あって、おーなるほどと読者は膝を打つ、といった出来なのだが、第2部のそれは、いろいろなものがガラガラと崩れていくさまが、そうとう擦れたミステリマニアでもう~んとうなること間違いなしだ。 | ||||
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| 【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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| 推理小説は結構読んだつもりでいたけど、夢中になって夜通し読んだのはこの作品と麻耶雄嵩のデビュー作でした。二部構成でどちらも面白い。おどろおどろしさと、題名のスマートさにやられました。ラストもよめなかった。鮎川哲也系と創元推理文庫に外れはない。著者の他の作品も探したのですが、寡作な方なのかな。 | ||||
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| スパイラルや絶園のテンペストの城平先生の小説!! 最初のメルヘン小人地獄は克人の娘、鈴花が殺されるかもしれない緊迫感と小人地獄を知る内容です。 後半の毒杯パズルは三橋が鈴花を自分のものにしようとし、鈴花を汚そうとしたが、みゆきは三橋に説得して三橋を立ち直らせた。 全体的に論理とトリックを使ったり、普通の推理物では味わえない、緊迫感と論理力があって面白かったです。 余談だが週マガの某元編集長も小説を出しているが城平先生には逆立ちしても勝てないだろうね。 | ||||
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| 城平京の長編ミステリデビュー作にして、第八回鮎川哲也賞最終候補作です。 第一部メルヘン小人地獄と第二部毒杯パズルの二部構成になっています。 マンガにでも出てきそうな隙のない完璧な毒薬である小人地獄や、瀬川みゆきという名探偵の存在、 また事件によって生じる人間関係など、第一部はそういったものを物語に違和感なく潜り込ませるための 第二部への伏線に過ぎなかったことには、その構成力また完成度に驚きを隠せませんでした。 勿論、メルヘン小人地獄単体でも十二分に面白いものになっていてます。 特に犯人があえて限りなく黒に近いグレーという状況を自身で作りだす型にはまらない展開は新鮮でした。 やはり、この物語の肝は瀬川みゆきの名探偵ゆえの苦悩でしょう。 その純粋さ、またそれに伴う脆さには胸を打たれました。 | ||||
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| 城平さんが原作を担当されている「スパイラル」や「ヴァンパイア十字界」などの漫画が好きで、 「虚構推理 鋼人七瀬 (講談社ノベルス)」がとても面白かったので手に取りました。 普段はファンタジー物が好きなので、推理小説どころか現代物は苦手で読まないんですが、 導入の「メルヘン小人地獄」のインパクトが強いので、苦手意識はすぐになくなりました。 どころか、続きが気になって気になって、あっという間に読み終えてしまいました。 ◆◇◆ 前半は、「メルヘン小人地獄」を主軸にした推理もの。 これだけでも徹夜で読みふけってしまうほどに十分面白かったんですが、 それ以上に後半の展開が面白く、驚きと共に引き込まれました。 前半の推理はただの序章にすぎません。後半の名探偵の物語がこの本の主題だったんでしょう。 けれどもちろん、前半よりも派手さはないものの、後半の方が推理も面白いように感じました。 人は死ぬものの後味の悪さはありませんが、推理は解決したはずなのに切なくて仕方ありません。 それがこの物語の主題なんでしょうけれど…。 全体の話の構成も設定も、何より登場人物の魅力が目を惹きました。 城平さんの初期作であるこの「名探偵に薔薇を」ですが、漫画のファンにもぜひ手に取ってほしい一冊です。 私のように推理小説を読まない人、漫画やライトノベルしか読まない人にも、きっと楽しめることでしょう。 | ||||
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| 推理小説でもなければ、探偵小説でもない。1部を作ってしまった事により、2部の1行目で犯人もトリックも解ってしまった。もともと2部の方がメインだったのだから、1部を追加する必要がなかった。シリーズ物として2部1部の順で上梓すれば違っていただろう。 | ||||
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| 斬新な二部構成が特徴の本作。 第一部は、グロテスクな創作童話にもとづく連続見立て殺人。 容疑者の男には鉄壁のアリバイがあり、しかも過去の因縁に より、その男が被害者家族を恐喝するという展開を見せます。 そうした困難な状況に対し、名探偵・瀬川みゆきは、見立てと事件の 齟齬を糸口に、事件の構図を鮮やかに反転させ、真相を導き出します。 また、見立てに用いられた童話に登場する小人の名前や、その小人の殺害方法に込められた犯人 の悪意と企みもそれぞれ秀逸で、第一部だけでも水準以上のミステリとして楽しむことが可能です。 しかし、やはり本作の主眼は、第二部にあるというべきでしょう。 第二部では、冒頭に〈誰が、何のために、ポットに毒を入れたか〉という謎が 掲げられ、使用法さえ守れば絶対に検出されない究極の毒薬を敢えて犯行 が露見する状況で使った犯人の動機について瀬川が推理していきます。 瀬川は、犯人の背後に黒幕の存在を嗅ぎとり、その時々の手持ちのデータ をもとに、二度にわたって仮説を構築しますが、どちらも真相には届きません。 しかも、その挫折のたびに現前する、苛烈な「真相」 に打ちのめされ、苦悩を深めていくことになるのです。 そういった煩悶を、倒錯的なナルシシズムと断ずる向きもあるかもしれませんが、 名探偵という業を自らに課し、厳しく己を律する瀬川の姿はやはり胸を打ちます。 | ||||
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| 二部構成の作品です。前半は完全犯罪を可能にする毒にまつわる事件。トリックもよく練られていながら単純であり前半部分だけでもよく売れてる推理小説と同等かそれ以上に楽しめる。そして第二部。第一部がすべて第二部のためにかかれたことに気付かされます(実際第二部の方が先に完成しておりそれに第一部を加筆した)。審査員の評価ではすでに使われたことのあるトリックの使用がマイナスに見られていますがトリック云々より名探偵であることの苦悩がひしひしと伝わってくるタイプの小説です。なかなかいい小説でした。 | ||||
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