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名探偵に薔薇を
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名探偵に薔薇をの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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あまりにも都合がよすぎる薬品・小人地獄のおかげで第一部そのものが「作中作」かとも思いましたが、 あくまでも「現実」として進行するため第二部の陳腐化がひどくなってしいました。 (個人的には第一部のみで長編にしたほうが面白くなったのではないかと思います) 第二部も(過去短編のリメイクで、こちらがメインらしいですが)「名探偵がボンクラにしか見えない」 「名探偵の苦悩 の内容が第一部で示されたことと違う(関連も示されない)」 「オチ(犯行動機)に前例が多い」「真犯人の退場方法が唐突で雑」などの難点が見受けられ、 鮎川賞受賞を逃したのも仕方ないかな・・・・・・と感じました。 *切り口は違えど類似テーマ・動機が主体となる後発作品が受賞していることを考えると 「前例があった」からではなく「扱いが下手だった」のが落選原因かと推察されます。 のちに出版された『虚構推理』シリーズも併せて読んでの印象ですが、 「既存のものを手際よく結合させてはいるが、うまく纏められていない・活かせていない」作家だと思いました。 | ||||
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同一の家を主な舞台にした二部構成の作品。第一部は三橋という狂言回し役の視点で描かれる。その第一部の「メルヘン小人地獄」は、「小人地獄」という陰惨で特殊な毒薬の製作過程・存在を背景として見立て殺人、猟奇殺人を扱ったもの。事件の構造自身は単純であり、狙いは「小人地獄」という特殊な毒薬(微量で殺人可能の上に死体からの検出が不可能。一方、多量では嚥下出来ない)及び三橋の知人で名探偵の誉れ高い瀬川という女性を紹介する事にあったと思う。第二部への繋ぎ役である。 その第二部の「毒杯パズル」は、この「小人地獄」という毒薬を用いた毒殺事件を扱ったもの。「小人地獄」の特質に反した毒殺方法を何故犯人が選んだかが肝である。被害者が無味覚症という設定はご都合主義の感があるが、犯人の候補は限られているのに、動機及び毒殺方法の選択理由が不明という謎の設定は面白い。こちらは主に瀬川の視点で描かれる。その解決は、連城三紀彦氏の初期短編に同工異曲の動機があったと思うが、瀬川自身を含めた錯綜した人間模様を活かした巧緻なもの。中々楽しめる。 ただし、全体的に名探偵が抱える宿業・悲劇といったものに焦点を当て過ぎていて、違和感を覚えた。もっとストレートなミステリ劇に仕立てた方がより楽しめる作品になったと思う。 | ||||
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