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名探偵に薔薇を
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名探偵に薔薇をの評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.02pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全49件 41~49 3/3ページ
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| 名探偵を、有名な私立探偵、と定義するなら、明智小五郎や金田一耕助 などにしか当てはまりません。 実際は、この定義に当てはまらない、「名探偵」がいくらでもいるわけです。 また、星影龍三などの、一時期には私立探偵をやっていた、とされる、 微妙な存在もいます。 そんななかで、本作に登場する、瀬川みゆきも微妙な存在と言わなけれ ばならないでしょう。 彼女は、第一部では、大学生として現れるからです。 しかし、第二部では、どうやら、探偵的な活動を生業としているようで す(明記されてはいない)。 ですが、それ以上に、彼女は本質的に、名探偵として規定されているよ うなのです。 詳しいことは本書を参照してほしいのですが、この名探偵観を知る事は 『スパイラル』などの他作品を読解する際にも、きっと役立つことでし ょう。 | ||||
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| 小人地獄。無味無臭にして、一度体内に入れば何の痕跡も残さず速やかに死に至らしめる毒薬の名。著者はこの毒薬を道具として、名探偵の苦悩を描いた。 本書は二部構成になっており、第一部では小人地獄の由来と威力が示され、読者にとっての”現実”として小人地獄の存在を印象付ける。第二部では、第一部で得た知識が謎解きの前提として活用されている。 本来ならば起こるはずもない殺人。一つの事件の動機が明らかにされるとき、また一つの不幸が訪れる… 謎はすっきりと解き明かされるかもしれませんが、読者の心に爽快感が訪れるかは自明ではありません。 | ||||
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| ダイヤモンドは言わずと知れたこの世で一番堅い物質。 しかし、それ故圧力が掛かった時に、その力を分散できずにすぐに砕けてしまう。 つまり堅い強い物質ほど脆いものなのだ。 この作品の探偵役『瀬川みゆき』。この人物もそんな存在だ。 天性の才能が有りながら、その過去、その運命に翻弄され苦悩しもがき続ける様子が、ありありと描かれている。 苦悩故の天才。 天才故の苦悩。 それが読む者の心を揺さぶる作品である。 中身は一部作の『メルヘン小人地獄』、二部作が『毒杯パズル』の二部構成。『メルヘン小人地獄』の猟奇的な事件を受けて、その数年後に起こった事件として『毒杯パズル』が描かれている。 一部作が基盤となって、二部作がそれを受けて逆転に次ぐ逆転を見せる誰にも予想できないような結末を迎える推理劇。 けれども、それですらラストの天才『瀬川みゆき』の壮絶なる苦悩の描写を引き立てるアイテムでしかない。 読み終わった後に、あなたは何を感じるだろうか? | ||||
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| 最初は冬休みの暇つぶしにと思い、この本を読みました。 私は小説はあまり読みませんし、この本もマンガ『スパイラル』の城平さんの作品だからという理由で読んだのですが、じつに面白いです。 物語の中の季節も冬なので、今の時期に読むのがいいかなのとも思います。 内容は二部構成で、第一部は猟奇的ですこし怖い事件でした。しかしこれは第二部の序章のようなもので、この第二部に全てが集約されていると思いました。 また私はこの物語の探偵である「瀬川みゆき」私淑の念を懐きました。哀しさがあり、優しさがあり、勇ましさのあるこの人物に対して言葉では表せない感情が湧いてきました。 私のような素人の読者がとやかくと語ってるのを聞くより、まず読むのがベストだと思います。読んだ人にはこの物語の素晴らしさがきっと解ると思います。 | ||||
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| なんとなく、『スパイラル』の城平京だしまあ裏切られんだろ、 と気軽な気持ちで読んでみました。 ・・・・・でもそれが仇となりましたよ、まったく。 なんせ話の筋が奥深いのなんのって。 それにしてもまず名探偵がすごい。 怖いくらいに自分を追い詰め、決して自らを許そうとしない。 その姿勢、その度胸。 こんな人間って、そうそういませんよ。本も、現実にも。 でも、なぜでしょうね、かわいそうだとは全然思わないんですよ、 不思議と。 題名どおり、薔薇を一輪あげたくなったとしても、 私の場合、手を差し伸べようとは思えないんです。 なぜでしょうね。 もう一回本を読み返せばわかるかもしれませんけど。 なんだか当分できそうにありません。 途中でやりきれなくなってしまうんですよ。 ああ、またああなるんだ・・・・って。 むなしいですよ。 でも、そこがまたすごいんですよ、城平京って。 読者にそう思わせちゃうところが。 いや・・・・もうファンです。 マンガ買おうかな・・・・スパイラル・・・・・ | ||||
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| この作品は2章から成り立つ。前半部はとある毒物に関わる事件、その謎を「名探偵」が解き明かすという本当に至極真っ当なミステリーである。ここでの魅力は、架空の完全犯罪を成し遂げることが可能な「毒物」を使った犯罪ではなく、それを巡る事件が謎解きの中心となるところである。「完全犯罪が可能な」が免罪符ではなく単なる小道具の一つとして扱われるところが私的に気に入った。後半部は少し毛色が変わる。むしろ本作品のテーマの大部分はこちらに集約される。前半部はイントロダクションでしかない。天才的推理力を持つがが故に、「名探偵」であり続けるという宿命を背負った主人公。ひたすらに苦悩する主人公を描き続ける。これは後の「スパイラル」にも共通するところがある。そしてラスト。なんとも、やりきれない。これはミステリーにおける「名探偵」を描いた本質的な意味での「探偵小説」である。 | ||||
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| 個人的に、「スパイラル-推理の絆-」…コミックスで身近に親しみのあった作家さんであります。この方は、センスがいい。読みやすい文章、伏線の数々、セリフのテンポなど、うなる部分が多々あります。読者をひきつけるテーマ選び(『小人地獄』に『毒杯パズル』ネーミングも素晴らしい♪)にもそれはうかがえます。久しぶりに一気に読破。興奮を覚えました!もっと城平 京の本読みたいぞ!! 名探偵が自分と同じ苗字だったのも面白い本だけに嬉しかったりします…(^u^) ☆4つは、結末がもうちょい明るければな~と。 | ||||
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| 東京創元社の第八回鮎川哲也賞の最終候補まで残った(のを改稿した)作品らしいです。二部構成という形態とっているこの作品。第一部「メルヘン小人地獄」では、とある不気味な童話になぞらえられた連続殺人事件が、第二部「毒杯パズル」では、第一部踏まえての、ある不合理な謎を包含する――「本編」とも言うべき――事件が、それぞれ描かれています。そして、この作品の魅力の一つが、主人公の瀬川みゆきという「名探偵」の存在にあると思います。彼女が名探偵という業に悩み、それでも事件に果敢に挑んでいく姿はとても魅力的だと思います。また、鮎川哲也賞の審査では、「他で用いられたことのあるトリックが使われている」とか言われていたようだけど、僕はそっちの本を読んだことがなさそうなので、全然問題なかったです。 | ||||
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| 第八回鮎川哲也賞最終候補作。二部構成で、第一部と第二部で関連する事件が語られます。第一部。いかにも怪しい犯人がいるが、充分な証拠がない。それをいかにして追いつめるか、という名探偵と容疑者との駆け引きは、その後の漫画原作「スパイラル」シリーズにもつながるものだと思います。さらに第二部では、第一部の事件を下敷きにしてさらなる事件が。真相は二転三転し、最終的に驚きのラストへとつながります。このラストは、正攻法でいてかつあっと言わされるものがありました。 | ||||
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