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海辺のカフカ
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海辺のカフカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全520件 281~300 15/26ページ
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大変ベタな言い方になるが「文学性」と「通俗性」が極めて高いレベルで融合しているのが村上作品の素晴らしさと認識していたのだが本作品では後者がやや(かなり?)強く表れ過ぎているようだ。もちろん作家としては「確信犯」ではあろうが匙加減を少し間違えたのでは?と言わざるを得ない。特にナカタ老人とホシノ青年の珍道中がカフカ少年のメインストーリーと最後まで絡まなかったのは個人的には不満。結果として「父なる」ジョニーウォーカーと「子なる」カフカ少年の対決と相克というひとつのクライマックスが極めて消化不良であったのは残念。 | ||||
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私は文体云々や他の人と比較してなんてことはわからないので、素直に読んだ感想を書きます。 批評的な文章は沢山あるので、肯定的なことを。 私は世界の終わりとねじまき鳥しか読んだことがないのですが、それらの作品と比べると描きたかったであろう内容が明確だったと思います。それはズバリ生きるということ。この人間の宿命ともいうべき命題に真っ向から挑んで作者なりの答えを提示した作品だと私は解釈します。 村上さんの考えを一番素直に感じられた気がしました。村上春樹の作品に慣れていない人でも取っつきやすいのではないでしょうか。総括として、他の方が述べられるように納得いかないところはあるかもしれません。確かに、モチーフの使い回しは否めないですけれど。しかし、それを差し引いても余りあるメッセージ性がこの作品にはあると思いました。ただの駄作でくくれるようなものではありません。 一読の価値はあるのではないでしょうか。 | ||||
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15歳の誕生日、少年は家を出た。一方、ネコ探しの老人ナカタさんも、西へと向かう。 暴力と喪失の影を抜け、世界と世界がむすびあうはずの場所を求めて―。 物語を通して随所に散りばめられたメタファー。訳すと「隠喩」。 それをみつける事が、この本の醍醐味であろう。 例えば、こんな文がある。 「開け放しにした窓から世界をすこしでも完璧なものにするために、小さな蜂が入りこんでくる。」 これは、主人公とそれを取り巻く人間関係が一つに纏まっていくことを暗示するメタファーだと、私は察する。人によっては、別の意味として理解する事もあるだろう。でも、それでいい。それがいい。 それこそが、村上春樹独特の「純文学」の世界観なのではないだろうか。 | ||||
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村上春樹の本は『ノルウェイの森』を読んで以来である。その感想を映画でたとえるなら、「邦画」ではなく「洋画」を観ているみたいだった。 この『海辺のカフカ』の感想も然りである。メインは15歳の少年の家出物語であるが、別の章ではナカタさんという猫と話しが出来る老人が登場する。その他ユニークで愛すべき人物が脇をかためていて、更に先の読めないストーリー展開はまさしく読書の醍醐味を教えてくれる。 個人的に一番面白かったのは私が15歳で家出をしたなら、そして時間をつぶす手段を考えるなら図書館だろうなと思ったが、カフカ君もそこへ行ったのでびっくりした。 下巻に入ってからはナカタさんの章の方が面白く、それが全体を引っ張っていった感がある。 ごく大雑把に言えば、少年の自立と再生が主題であるが、これがベストセラーでしかも若い読者が多いという事実を知るにつけ、日本もまんざら捨てたものではないなと思った。 | ||||
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これが村上春樹さんの本ではじめて読んだ作品で、大ファンになり彼の作品はほとんど読みました。 全てを知って生きるとはどういうことか。 何も知らずに生きるとはどういうことか。 過去にとらわれた人生と、過去がない人生、 どちらが幸せなのだろうか。 カフカとナカタさんの心理を比較しながら、人生について考えさせられる作品です。 | ||||
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かつてこれほどまでに絵に描いたように理想的な生活を送る15歳の少年をあなたは目の当たりにしたことがあるだろうか? 答えは恐らくノーである。 『日々精進』をモットーに日々の生活を送ってきた私ですらこの少年の自己鍛錬への異常なまでの志の高さには度肝を抜かれた。 もし、読者を代表し評価をつけることが許されるのならば、本作は読者に対する強い影響力を備えた唯一無二の作品であることを認めざるを得ない。 事実、読み進めていくうちに興奮に似たようなものを覚えた私は、居ても立ってもいられなくなり冒頭の数十ページを読み終えると、すぐさま近くのジムへ車を走らせた。 | ||||
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村上作品を鼠3部作から大体読んだ後だからかもしれませんが、すんなり作品世界に馴染め、楽しめました。 特に『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』が好きな方は入りこみやすいかも。 村上的な無意識の波動? による曖昧な物語とリズムが、体質的に合うかどうかでしょうか。 私の場合はうまくはまれて、どんどん母親の子宮へ帰っていくような気分になっていきました。 それでちょっと癒やされた気分。「癒やされた」という人は他にもいるようですね。逆ももちろんあるでしょう。 うつっぽくて疲れているときに読むと、いいかも? (でも確かに、教養主義はちょっと鼻につくなあ) | ||||
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村上春樹ワールド炸裂です。やっぱりわたしは好きにはなれませんでした。話がチグハグし過ぎていて、混乱するし、内容自体おもしろくありませんでした。好きな人は好きなのかも… | ||||
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父を殺め、母と交わるという、ソフォクレスの『オイディプス王』と同じ「予言」を受けた15歳の少年は、1人東京から高松に旅立つ。 少年が訪れ、暮らすようになる図書館の司書(大島さん)は言う。 「…世界の万物はメタファーだ。誰もが実際に父親を殺し、母親と交わるわけではない。そうだね?つまり僕らはメタファーという装置をとおしてアイロニーを受け入れる。そして自らを深め広げる」 『海辺のカフカ』的小説世界を端的に言い当てたこのことばのように、この小説は、たとえば、「愛への渇望」、「世界に存在する圧倒的で捉えがたい暴力」、「独りで世界に対峙するという現実」、「自身あるいは他者の内面へ踏み込むこと」等が、非常にメタフォリカルな方法で、鮮やかに描出されている。しかし、それは、同時に、非常にリアリスティックな意味で読者の心を揺さぶる。 田村カフカ(僕)、ナカタさん、大島さん、佐伯さん、ホシノさん、カーネルサンダース、ジョニーウォーカー、さくら…登場人物は多岐に渡るけれど、それぞれが魅力的で忘れられない印象を与える。ときに哀しく、ときにユーモラスな人たち。 そして、いつもの村上春樹さんの長編と同じく、物語へと引きずり込む圧倒的な文体の力、物語の駆動力。 「世界で一番タフな15歳」になろうとする田村カフカくんの、流されることなく自分を見据え、自分自身と世界に向き合い、成長していく強さは、われわれに希望を与え、勇気付けてくれます。 | ||||
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私はそれほど著者のファンというわけではなく、昔、中学生の頃「風の歌を聴け」を読んで感じるところがあって、しばらく著者の作品をぽつりぽつり散読したクチなんですが、色々あって、著者の全作品を読んだというわけではないのです(いつも新刊が出るたび気にはなっていたのですが)。ついこの前に「螢・納屋を焼く〜」「中国行きのスロウボート」の文庫本を押入れの奥から引っ張り出して読み返す機会があり、その余韻が残っていてその延長で本作を読みました。 読んでる間ずっと薄暗いトンネルの中をそぞろ歩いているような感覚があって、文中の言葉の端々が、自分がこれまでの半生の中で感じたことと不思議と共鳴する感覚があって、この小説は何やらすごいという感じがしました。 私は大学出ではないし、文学や哲学の理論めいた難しいことは分かりません。文中のどの言葉が何の引用であるかなどは、私にはあまり分かりません。しかし、深いところにある「何か」の存在、そのイマジネーションに過ぎぬであろうなにか説明のつかないものに滾々と触れているような、静謐で不思議な寓話を読んでいる感じがしました。それは、子供の頃よく内容も分からずぼんやりと読んでいた何かやさしげな絵本に似ている。読み終えた後、自分の中の何かが終わったような気がした。一年ほど前、近しい或る意味敬愛していた人に不幸があり、それから、釈然とせぬ何かが心の内に残っていて大変望ましくない思いをしていたのですが、本作を読んで、特に「カラス」という主人公の分身と主人公の関係や、ホシノさんとナカタさんのやりとりには大変癒されたように思います。まだ読んでいない、また内容を忘れてしまった著者の他の作品も追々読んでみようと思います。 | ||||
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世界において全てが分かることなんか不可能 読者は神じゃない 全てわかる必要はない 世界はわからないことがある それは物語の中でも同じだし それに様々張り巡らされた伏線は全く重要じゃない あくまでカフカの森に突っ込んでくことへの補助にすぎない カフカが森に突っ込んでくあの場面は作品の躍動感を感じました 最後に作品のまとまりから見てもやはり謎が解明される必要はないです ミロのヴィーナスです 黄金比です 謎が残るからこそのリアルとミステリアスが心地良いと思います | ||||
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1Q84, ノルウェイの森、に続いて読みました。それまで、松本清張さん、宮部みゆきさん、堂場瞬一さんらを好んで読んできました。多読家です。しかし、村上春樹さんの作品を読む前は、「難しそう」と思って食わず嫌いでした。これらの作品群を心から楽しみました。決して難しいとは思いませんでした。突拍子も無い部分もありますが、それぞれを分かり易く描いてくれているので、置いてけぼりは食わなかったです。大人になってから読む本だと思います。性描写も”不可避な事”として受け入れられました。主人公は15歳の少年とは思えず、40代の自分自身と重ねながら読みました。佐伯さんの行動からも、年齢に囚われずに読んで良い、と感じました。これから、他の作品も読んでいきます。 | ||||
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現代のノストラダムス、村上春樹氏の作品です。この作品は、読者一人一人に、個別のメッセージが込められているのはずなので、一概に感想を述べることはできません。ですが、共通したメッセージとしては、以下の3点を挙げたいと思います。・中国、ロシア(ソ連)との復讐戦を警戒しなさい。・そのために怒りと恐れを手放しなさい。・怒りと恐れを手放す最終期限が、そろそろ近づいています・・・。怒りと恐れを手放すことができた人には、シンクロニシティを伴ったさまざまなメッセージが伝えられていると思います。 | ||||
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ねじまき鳥クロニクルを越えて、村上作品の最高峰だと思います。切実さは遠のき、円熟と知性とユーモアと、魂の救済があります。なんだかんだ言ってもやっぱり、結局のところ「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」が一番だよな〜と思っていたけど、1Q84後に再読し、改めてその力に圧倒されました。何を読んでいたのか、と自分であきれました。これからの人生で何度も読み返し、そしてその都度、それまで気づかなかったその力を実感することになると思います。本当にすごい本だと思います。 | ||||
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「主人公が嫌い」という作品が面白いわけがない。父親を殺しておいて、「タフにならなければいけない」なんて気取っている15歳のナルシストはグロテスクですらある。初期作品にみられる、「ナイーヴで頑なだが、筋の通った青年」には素直に共感できたのに。近年の作品では、主人公に魅力を感じない。魅力を感じない以上、物語を楽しめない。駄作、もしくは読む価値はないと判断するが、これが売れているということは、いまや「国民的作家」となった村上春樹が目指す路線と、私の嗜好がずれてきただけなのか。どちらにしろ、もう読まない。 | ||||
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これは極論すれば、生と死をテーマにした物語だ。登場人物は生と死の境で、それぞれの向かう場所を選び、戻るべき場所へ帰って行く。 どこかのサイトで1Q84について、国語的想像力と数学的解析力が必要な本だ、と書かれた(著名な?)方がいたが、まったくその通りだと思う。それはこの本にも当てはまる。だから読書を選ぶ。よく村上春樹は謎を投げっぱなしにする、といった意見を目にするが、それは違う。材料はテーブルの上にちゃんと置かれいる。それもきちんと必要な分だけ。あとは読者がどう料理するかは自由だ。例えばラストの謎の白い物体。私的には招かれざる者として描かれたジョニーウォーカーだと理解したが、解釈は人それぞれ違うだろう。 読後の独特な感覚。それは心の中にモヤモヤした混濁を抱えながら、しかし頭は自然とすっきりしている。そしてモヤの向こうに光に投影された何かの輪郭がぼんやり見える。村上春樹の作品を読むたびに感じるものだ。こんなことを感じさせくれる作家は滅多にいない。 | ||||
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この小説の全編で読み返したいと思うのは、ナカタさんを巡る一連の猫エピソードと人間模様である。特に、ナカタさんが四国へヒッチハイクする過程で出会った運転手さん、例えばホシノ青年等との道中は思わず心がホノボノとしてくる。すなわち、この小説の中で最も魅力的な人物は礼儀正しく人柄のいいナカタさんであり、この小説の心暖かい面白さの中核をなし、ストーリー全体の雰囲気を著しくアップしている。 これに対し、主人公の15歳の少年のキャラクターには惹き付けられる要素があまりない。そもそも、この主人公の少年が大島さんとかの年長者にため口なのはどういうわけか? こういう点が主人公にいまいち共感できない一因である。また、この15歳の少年に絡む大島さんの言葉もリアリティーに乏しい。彼ら二人の会話は話に(おそらくは見せかけの)深みを添えるための観念(メタファーとか)の表明でしかないが、その技巧はあっぱれである。 とはいえ文章は平易で読み易く、ついつい先に読み急いでしまう筆力は流石であり、この先一体どうなるのか、読者の興味を常に駆り立てる技量も素晴らしい。 この小説は、暇な時間を楽しく過ごすための娯楽小説として一級の出来であることには間違いない。 | ||||
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挿入されるエピソードに突拍子もないものが多く、読んでいて混乱させられる。また、登場人物の会話も、妙に硬くてぎこちなく、作者の思考が反映されているような不自然さを受ける。プロット間の整合性がチグハグで、全体的な統一感に乏しい。主として以上に挙げた理由から、読後感は悪く、再読したいと思える作品ではなかった。通読できたのは、これまでの仕事に対する信頼感のせいだろう。 | ||||
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村上さんはすげえよ。子供心を保ちつつせいちょうしているんだろうなー。こういう感覚は現代にたりないきがするよ。他のはあんまり読んだことないけど。この人のはたぶん駄作はないんだろう。特に上巻の最後のほうに出てくる歌詞には心底おどろいた。純粋で人間らしい人間じゃないとあの言葉たちは出てこない気がする。村上さんや何人かの「人間らしい」人間の持つ柔軟性は 本来人間全員が持つもの。人の感想はあてにしないで、自分が読みたかったら読めばいいと思うよ。自分が純粋なら 君がかかわるもの全部に感動があるとおもうよ。 | ||||
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まず、この『海辺のカフカ』をお読みいただくに当たってこの小説の大きなテーマが誰もが経験する『大人への成長』である事を念頭においていただきたいと思う。そして、そのうえで初めてファンタジーであったり、時にはダークであったりもする様々な要素がこの小説を飾り立てているのだ。であるから、決して後者はメインキャストではない。その為、それらの描写は時に曖昧で読者を深く考え込ませたりもする。しかし、だからこそ前者として挙げた大きなアウトライン(筆者の伝えたい旨)に沿ったうえでの読者ひとりひとりの自由な解釈が可能となり結果として、読者は自らがあたかも一人の登場人物として作中に参加しているような感覚を与えられうるのではないだろうか。決して一字一句に対して理論的な解釈を求めるようなつまらない読み方ではなくぜひ、"あなた"の世界観に沿った『海辺のカフカ』を読んでいただければと僕は思う。 | ||||
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