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海辺のカフカ
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海辺のカフカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.76pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全520件 421~440 22/26ページ
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自分に選択肢は与えられてはいませんが、どこかRPGのような雰囲気を感じる作品だなと感じました。村上氏らしい教養の高く、気品すらただよう文体は、いつの間にか読者をその世界に誘いこみ、あたかも自分の内面に入り込んでゆくような錯覚さえ覚えました。特にこの『海辺のカフカ』が扱っているテーマが主人公の「内省的な成長」というようなものであったので、主人公と同年齢程度の若者には多くの共感を生むのではないでしょうか。 本作品を読み終えて―というか、村上氏の他の作品を通じても―感じたのは、その時々で読者個人が必要としているものを与えてくれるという印象です。主人公をながめながら、様々な伏線を想像しながら呼んでゆくことで、主人公同様、内省的な気持ちにさせられます。 カラスと呼ばれた少年は、あるいは「ゲド戦記」に登場する影のような、自分のもう一つの側面を表しており、作中に登場する森は、葛藤を抱える人間の胸中を象徴しているようでありました。 間違いなく、本作は「象徴」、「メタファー(隠喩)」という一筋のテーマをもって編まれたもので、だからこそ、人それぞれ感じ方が違い、必要なものを与えてくれているような、自分個人に文体が話し掛けてくれているような錯覚を覚えるのではないでしょうか。象徴や、メタファーの感じ方は人それぞれなのだから。 主人公の少年はテグジュペリが砂漠に飛ぶ孤独なパイロットを「象徴」として描きたかったことであり、人間そのものなのではないかと感じました。 大変面白い、深みのある作品でした。 | ||||
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従妹に散々勧められて読んだ海辺のカフカ あっという間に引き込まれていきました 上下巻ですが長く感じませんでした。 不思議な世界です。 | ||||
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読むほどにキャラクターに愛着が湧いてくる。 一章ごとに登場人物と場面が入れ替わり、それが終盤に向かって段々近づいてゆく。この辺りの展開の巧さは流石。 不思議な事件、奇妙な人物、不可解な謎が次々と現れるが、謎解きや明確な答えは何も与えられない。しかし、それが不思議と不満には思わない。 人は、答えのない物語に惹きつけられるのだろう。 ファンタジーとSFの世界のような、それでいて登場人物の行動はリアルに迫ってくる。 頻繁な性的描写や泥臭い人間の行動など、これまでの作風からの変化に賛否両論のようだが、面白い物語ということは確かだ。 | ||||
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少年の成長を描いた物語。自分の父を知り、自分の母を知り、自分自身を見つめていく。物語には現実に並走する仮想現実(精神世界)があり、主人公は両方の世界を行きつ戻りつする。 読書中は、主人公とともに未知のことを発見し、精神世界のベールがはがれていき、この先どうなるんだろうっていう胸の高鳴りを感じ、本の世界に落ちていける作品です。 | ||||
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「ノルウェイの森」を読んで感激して、そのすぐ次で読みました。 相変わらず(と言っても2つしか読んでない訳ですが)独りよがり の極致という内容で、読者の謎解きに等一切付き合ってくれません。 ではつまらないか、というと、ところがそうではなく、一気に読ま されてしまいました。感じるのは、この人の強みは文章の上手さ、 なのでしょう。上手すぎて、登場人物が皆、15歳の少年も、自衛隊 上がりの元不良青年も、知恵遅れの老人まで、皆大層頭が良く感じ られてしまう。実にウィットに富んだ会話を繰り返す。カーネル氏 とホシノ青年の会話等、そのやりとりをずっと聞いていたい、と うっとりしてしまいます。でも、恐らく作者が伝えたいのは、その 様なウィットではなくて、生きるということ、自分以外の人間と向き 合うことの大事さ、なのでしょう。これが胸に来るか、というと、個人 的には余り来ない。来る人は勿論居るのでしょうが。「ノルウェイ〜」 では、その不細工な恋愛振りに、個人的にも大層共感したのですが、 こっちはちょっとピンと来ませんでした。誰かが書いていますが、 エヴァンゲリオンとかが好きな方には良いのでしょう。それでも、 読まされてしまうのは、やはり文章の上手さ。これだけでも星4つ。 読み手を選ぶでしょうね。 | ||||
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1人称と3人称の使い方がうまい。 ところどころで、見方を変えて描写している。 それでいて、違和感もなく、難しくもなく、気づかない人も多いのでは。 すばらしい芸術だと思います。 もちろん、本の内容も面白いですよ。 | ||||
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『ノルウェイの森』以来の村上作品を久しぶりに手にとった。 村上作品の独特の静けさが今は大好きとなっている。年をとったものだと自覚したりして・・・。 『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』が大好きで。 この作品と『ノルウェイ〜』を足したような作品だ。と、思いながら読み進めていた本作品。 佐伯さんとの別れの言葉。と、大島さんのお兄さんとの会話はラストの方だったし心に残っております。 大島さんは難解でした。 田村カフカくんが逃げないでちゃんと自分自身に戻ろうとする。 旅立ち?って感じ。(逆旅立ちだよね) しかし少年カフカ15歳にしては早熟だよね。 | ||||
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上巻だけを一ヶ月間の旅行のお供にして、下巻は帰国して読みました。じっくり上巻を読んでいた分大体結末は読めてたので、15歳の少年の方は冗長に感じましたが、ナカタさんと星野さん編は読みやすくて良かったです。二人のエピソードに絞った物語を読みたいなあ・・ | ||||
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不思議な世界に導いてくれる作品だ。何が現実なのか、どこからが幻想なのか。 しかし、最後にはすべて現実の話と一致していく。。。 特に印象強いのは、幼少の頃に不思議体験をして頭脳明晰から一転おバカになったという"老人ナカタ"。 それと強烈に絡むのが、猫の首集めの"黒服の男"。 もう壮絶です。なにが凄いって、目の前で繰り広げられる展開が・・ これは、ファンタジーでありながら、かなりブラックが効いているところがあり、なおかつ 少年の複雑な心境を繊細に書いている。読み終わったあと余韻が残る作品です。 | ||||
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漂々とした中、物語が進んでいきます。物語は少年が家出をしてそこで人々に出会い成長していくんですが来たるべき事件に巻き込まれていくという話です。この事件というのがとても不思議で言葉で説明できません。感覚で理解するという感じです。それに視覚や聴覚、嗅覚、触覚なども刺激してくれます。とても不思議な作品ですが、ちょっと読み始めるとどっぷりとはまってる自分がいました。おすすめの本です。 | ||||
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は〜〜。やっと読み終わりました。 この人の作品ですし、名前位は…って言う程度知っていましたが、こんな世界だったとは! コレ、結構ヤバイですよね…色んな描写。 私、村上春樹作品は中学生位から読み始めちゃうイメージがあったんですが、 主人公が15歳でも、あんまりお子様用では無いような、アダルト感が強くてびっくりしました。 ジョニーウォーカーと猫のシーンの描写なんて、気持ち悪くなったし。 不思議な世界ですね。やっぱり。。。この人の作品。 孤独がテーマでしょうか? ちょっと私好みじゃないな〜と思いつつも、頑張って最後まで読みました。 最後まで読むと、やっぱり上手な話の作り手なんだな〜と思ったけど、 やっぱり好き嫌いのはっきり分かれそうなタイプ。 で、私は、もういいや。。。と思ってしまいました。 読み続けてて、面白くはあるんだけど、非現実過ぎる不思議感が、 ファンタジーなのに、リアルに描く感じのバランスとか… 上手くいえないけど、しっくりこなかったんです。 | ||||
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自分の中に抱える言いしれぬ衝動に突き動かされながら、各人がそれぞれの不思議な運命に巻き込まれていく。それぞれの運命は全く個別に抱えた宿命を具現化したものでありながら、その宿命は互いに引き合い、それが引き金となりひとりひとりの運命に新たな地平を開いていく。この小説を読んでいると、物語の中に出てくる数々の具体的な出来事を通して、自分自身も意識の深い地点に降り立っていくような、まるで催眠術にかけられているような不思議な気分になってくる。私たちの運命もひとつひとつの出来事は全く無秩序に起こっているように見えて、それぞれに深くコミットメントすると意識の底のところでは全てつながっているのであろうか。 | ||||
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奇数の章で展開する田村カフカ少年の物語。偶数の章で展開するナカタさんの物語。二つの物語は、上巻ではずっと平行線のまま続く。いつか交わる気配を感じさせながら・・・。その気配を楽しみたい。 カフカ少年が、しばらく居住することになる甲村図書館と、そこに飾られている「海辺のカフカ」の絵も、読者の心の中に鮮やかな残像を残す。高知の山小屋や森も同様だ。想像するという読書の一番の楽しみ方に身を委ねて、ただただこの世界を楽しみたい。 ナカタさんと星野青年との会話は、下巻での楽しみとなる。 下巻では、「メタファー」というキーワードが出てくるが、あまりこだわらず、奇数章と偶数章のそれぞれの空間を最後まで楽しみたい。 解釈しようとすると、少々苛立ち、苦しむことになってしまう。解釈しないことが、この作品の楽な読み方だと私は思った。 | ||||
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村上春樹が好きな人には「最高」 村上春樹が嫌いな人には「イマイチ」 と感じる、完全に村上春樹ワールドな作品だと思います。 15歳の少年が旅(もしくは空想、逃避)を通して、 自分の価値や存在などを認めていく物語。 カフカ(偽名)は15歳の誕生日に家を出て四国に向かう、 そしてとある図書館でであう、不思議な人々。 そしてネコと会話が出来る老人ナカタさん。 それぞれが運命や過去を通して交錯し、瞑想し、 それぞれの世界が一つになっていく。 殺伐とした内容ではありながらも登場人物1人1人、 特にナカタさんのほのぼのとしながらも強い意志が全体をなごませ、 不安定な物語を一直線に進ませる良い先導者となっているように感じる。 村上春樹好きや、村上春樹ワールド初体験の方には、 ぜひともオススメな作品。 そうでない方は、ちょっとオススメできないかも。 | ||||
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村上春樹は今迷っている。そう確信出来る作品です。どうしても迷いから抜け切れない、どこに道があるんだろう?今までの自分ではない何かが体の中、心の中に既に準備があるのにも拘らず、まだ表現の手段がない。こういう時期作家は苦しい。ただ耐えるしかないんだと思います。 星野クンとナカタさんという性格に新しい村上春樹を見る読者が多いと思いますが、多分もっと深くて暗い性格、例えば主人公カフカの父親で、ジョニー・ウオーカーと呼ばれる男、そしてケンタッキー・フライドチキンのカーネル・サンダースのようなイメージにもっと作家の新境地があるような気がするのは、深読みでしょうか?このようにグロテスクで、しかも輪郭鮮やか色彩豊かな国際的商業的意匠を盛り込む村上春樹。それは、自身の作品が既に世界の読者を想定したものである事、ゆえにそうした新しい市場新しい読者に染み入るグローバルなイメージの喚起を試みたものと言えると思います。 暗いどろりとした人間の底辺を探る事。それがこのカフカ以後の村上春樹の仕事になって行くのではないでしょうか? | ||||
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正直いって村上春樹の小説って良く解らない部分が多くて、大きい事は言えませんが、なんかデビュー以来「羊をめぐる冒険」から同じような事ばかり言ってるんじゃないかって気がします。文章の言い回しの魅力でつい読んじゃうけどね。疎外された世間にコミットしきれない主人公はそのまま高級プータロー村上春樹の姿にオーバーラップします。 この本では、ナカタさんと星野クンの交流が良かったですね。ああいう人のいい運転手のアンチャンってほんとに身近にいそうで、村上春樹の小説ではめずらしいキャラですが、いい味出してたと思います。 | ||||
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読んだ本を「良かった」と思う人は読者の3割程度だということを理解してほしい。「ノルウェイの森」をレビューを見て買ったが、あまり面白いとは思えなかった。 僕は同じ作家の小説を2冊以上読んだことがあるのは5名程度しかない。村上さんの作品と知らずに読んだ「風の〜」を除いてこの作品は4冊目だった。この作品の前に「世界の〜」を読んだので、驚いたのだが、構成は「世界の〜」と同じ2人の主人公の観点から交互に展開されていく。2つの世界が同時に展開されるような感覚である。 村上さんの作品に頻繁に出てくるキーワードがいくつもある。例えば死、性、影、生・・・など。独特の世界観を言葉で表現するので、この作家の作品には想像力が必要とされる。現実主義に固執する方には勧められない。また、結論が出ないまま終焉を迎えるということがこの作家の特徴で、その後の展開や結末は読者に委ねるというスタイルである。完全に内容を理解させないように展開させているのではと思うのは僕だけあろうか。 色々書いたが、この作家の読後感は僕は好きである。 | ||||
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村上春樹はもはや、自作のパロディしか 書けなくなってしまったのではないか? 目についた欠点を、ネタバレにならない範囲で挙げてみる。 ・展開の一つ一つが行き当たりばったりで、奥行きに乏しい。 また、個々の事件が「象徴的」な形でしか起こらないため、 小説世界全体がひどく薄っぺらに感じられる。 ・少年小説であるがゆえの妙な目線の低さと、そこから来る説教臭。 「一般大衆」に歩み寄ろうとしながら、 同時に「しょせんこの程度でオッケー」と たかをくくっているかのようだ。 ・甲村記念図書館の「佐伯さん」「大島さん」という、 重要な脇役二人の存在感が、あまりに希薄。 『ノルウェイ』のレイコさんなどと比べると、 ほとんど雲泥の差がある。 ・会話一般がひどい。 「大島さん」がパエリアを食べつつ、 「スペイン戦争に参加するんだ」などと言い出しておきながら、 「性別不明の血友病の人間が戦争に参加できるわけないだろう」と 顔をしかめて言うまでの一連の会話(31章)は、ほとんど噴飯もの。 同じく「大島さん」が、 戯画化された教条的フェミニスト二人組をやっつける場面にも、 まったく感心できない。 ・執筆中に触れたであろう書物や音楽への言及が、 単なる感想の垂れ流しに終わっている。 ・「海辺のカフカ」の歌詞が空虚で訴求力に乏しい。 ・カフカ少年が登場する章で押し通される、 現在時制の日本語の緊張感のなさ。 『世界の終わり』英訳からの逆輸入と思えるが、成功していない。 ・全篇を支配する重要性を持つはずの、 カフカ少年の父親の「呪い」(のごときもの)の、 圧倒的説得力の無さ。 それに伴うギリシア悲劇の引用の空虚さ。 正直なところ、「これは駄目だ。問題にならない」と、 真剣に言ってあげられる人間が、 村上春樹の周辺には一人もいないのだろうかと思う。 | ||||
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わりと専門用語等も乱立するけれど、総じて「読みやすい」のが 村上春樹氏の1番の魅力かな、と思ってます。 カフカ少年のエピソードと、星野さん、ナカタさんの エピソードとが交互に登場し、進展していく形式は テンポがあって良かったです。 が、カフカ少年、15歳にしては達観しすぎ? こんな15歳がいたら生意気だなぁと思ってしまったり。 個人的には、星野さんの人間臭さ、ナカタさんの秘密めいた 存在に魅かれて読破した口です。 | ||||
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それを進化とするのか退化とするのかは人によりけりだと思う。変化は難しいが、村上春樹の挑戦だととりたい。 まず目を引くのが文体の変化だ。いままでの〜だった。〜した。などの過去形の文体からうってかわって、〜だ。〜する。という現在系への変化。一文一文は今までより短くなり、個人的な見解からすれば、冗長性、情緒性、ともに失われているような気がする。 さらに、フィジカルな面を省き、徹底的に精神的、あるいは抽象的な話、ストーリーに分解されている。ナカタさんパートの序盤なんか、児童向けファンタジー?みたいな。 村上春樹のあらたな挑戦か。初めは戸惑ったけど、後半になればなるほどおもしろくなっていく。 | ||||
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