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海辺のカフカ



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【この小説が収録されている参考書籍】
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカの評価: 3.76/5点 レビュー 520件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全520件 481~500 25/26ページ
No.40:
(4pt)

子供にはちょっと…

まず、この本は小・中学生にはおすすめできないですね。この本は性的な表現が多すぎると思います。それもかなり直接的に。僕は17歳の高校生なのですが、とても友達に勧めることはできません。小学生が読んだらどう感じるんだろうか?内容も難しく、哲学の用語や聞いたこともないようなカタカナ語が大量に出てきます。でも一度読み始めるとやめられない感じがしました。かなりこの小説に入り込んでしまいました。きっとこれがこの本の魅力なんだと思います。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
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No.39:
(4pt)

ノルウェーの森ほど

引き込まれませんでした。細かい描写が、いちいち引っかかって、途中で読むのを止めようかと思いました。でも人に借りて読み始めたので、頑張って最後まで読みました。おかげで、自分の価値観がわかって良かったです。なぜ感情移入できないのか。この違和感は何だ?と考えるうちに、変な感想ですが、自分の、物事や人に対する捉え方が客観的に見えてきました。そんな気持ちにさせてくれた数少ない1冊です。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
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No.38:
(1pt)

やれやれ...

これは、原稿料を稼ぐためにページを増やしたのかな?それとも自分の技量を見せるため?(上)を読んで止めようとおもった。やれやれ...。(下)やっぱりね。す~~んごい飛ばして読んだけど。苦痛だった。村上春樹の作品は、翻訳も含めかなり読んだけど。やれやれ、これはダメだネ。やれやれ...まいったヨ。
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4101001545
No.37:
(1pt)

無内容で軽い

傘を振りかざすと空からヒルや魚が降ってきたり、幽霊だのカーネルサンダースだの白い変な怪物だの意味不明で非現実的な物が多数登場するが、最終的にその意味を説明せずに完結している。テーマをメタファーとし、気取った文章でそれを書くことで、さも意味があるかのように見せかけている。読者の想像力に頼るばかりで、小説自体は無内容で軽い。村上春樹ファンはこのような不可解な文章を見て捻った解釈をし、独自の意味を付与してそれなりに楽しめているのだろうが、私には全く理解できなかった。あまりのくだらなさに読み終わった後に頭痛がした。お勧めしない。
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No.36:
(5pt)

村上春樹の世界の楽しさおもしろさの入門書

村上春樹さんの長編は大抵読みましたが、これから彼の世界に入りたい、知りたいと言う方にはこの本は特にお奨めです。この本はストーリー性や状況設定が明確だし、カーネルサンダースさんやジョニーウォーカーさんが登場したりと現実世界との接点を強く意識した設定がなされていて、まず「訪問しやすいおうち」という感じです。この本を手始めに彼の世界の魅力を堪能してください。蛇足だけれど彼の本にはキースジャレットのピアノが良く合います。試してみてください。
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No.35:
(4pt)

タフじゃなきゃね

 かなりムカシから、著書の本は殆ど読んでますが、若いときはいいのですが、オトナになり、現実生活が厳しさでいっぱいの今、あえて避けていました。 村上氏の本、エッセイじゃなく小説のほうを読むとつくづく暗い気持ちになってしまいます。 暗い、というのが適切でなければ、寒々しいというか、ひとりぼっち感がいや増すというか、、。 他の皆さんはどうかわかりませんが、私は精神的に落ち着いているときに読むようにしています。 落ち込んでいるときに読むと、本気で、どっぷりと、つくづくと、哀しくなってしまうから。(何がどう、と問われれば困りますが。) 今回、あえて久々にこの本を手に取ったのは、中国で今村上氏の本がはやっているという報道を眼にしたので、アメリカはわかりますが、なぜ中国?というのが気になったので。 世界中の人が、みな、寄る辺の無い気持ちをどこかにかかえているのですかね。
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No.34:
(5pt)

海辺のカフカ

 村上春樹は面白い。大概において刺激的だし感動的だ。優しい気持ちにさせてくれるし、静かに力づけてもくれる。ここ数年は、インタビュー、ルポルタージュ、短編集などが相次いただけに、「海辺のカフカ」の濃厚な村上テイストには、ある種の懐かしさをおぼえながらすっかり引き込まれた。
 懐かしさとは、登場人物達が忘れ物を探し出そうと過去に捕ら‾‾われ続けているからでもあり、「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」を思い出させるからでもあり、そんな風に、物語は一見過去に向かっているようだがそうでは無い。未来のために過去を清算しようとする登場人物達にも懐かしさは漂っている。
 絶妙な語り口で展開する物語には、生と性、死と暴力が深く立ちこめている。緻密な構成、洒落た設定、不思議な人物達に気の効いた台詞、スノビズムもペダンティズムも健在。過去の村上作品を集大成するモチーフも網羅されている。そうした春樹的特徴を十二分に備えながら、しかし、世界への違和感や、居場所の無さに途方にくれるしかなかった過去の登場人物達とは明らかに一線を画した「海辺のカフカ」の登場人物達。感情は押さえられる一方で軽妙さが増している。より平易な言葉によってやさしく分りやすくなった表現に、人を喰ったような大胆さと、心の底の微かな思いに柔らかな光を当てる繊細さとが鮮やかに立ち上がる。
「風の歌を聴け」からこのかた、村上春樹が何を受け取り、何を育んできたきたか。オームと阪神淡路の震災を抱え込んだ挙げ句の、到達点とも新たな出発点とも見える「海辺のカフカ」の強さと美しさ。
 世界一タフな15歳を目指した少年はどうなったか。何と何と、優しくなれなければ生きていかれぬと思い定め、足取りも確かな一歩を踏み出すのだ。訳書も多い村上春樹、いつかチャンドラーに手をつけないかと、思わず夢想するのだった。
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No.33:
(4pt)

夢中になるけど五里霧中!?

 村上春樹の作品とは付き合いが長い。最初に呼んだのは高校生の時だったか、学校で「ノルウェイの森」がやたらはやってたのを思い出す。当時は何が言いたいのかさっぱりという感じでした。でも、村上さんの本は、表紙の絵とかカッコ良くて、「パン屋再襲撃」「TVピープル」「回転木馬のデッドヒート」なんかも読んだなあ。 最初はおしゃれ感覚で読んでた、村上氏の作品が、今では新作を必ずチェックするほどに…。「ねじ巻き鳥のクロニクル」には、大学生の時に出会ったんだけど、何かすごいものの到来を予感しながら読んでました。 「海辺のカフカ」については、題名からして意味深かなって思いましたが、やはり不思議ワールドでした。しかし、強烈な魅力はこの作品にも健在で、「影が半分しかない」などという表現には、一種独特の存在論を感じます。愛する人への喪失感という、春樹流「生の宿命」的なテーマがやはり底に流れていて、結局人間は自分探しを続けてる存在なんだなって感じさせられました。
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No.32:
(2pt)

もう昔の村上先生ではないのね

ずっと村上先生の愛読者ですが、この本にはやられたってきがして思い出すこともできないくらいの内容でした。15才の少年がなんであんなにタフなんだろう。まるで50才位の精神年齢。ありえないこと書くのが小説だけど、図書館に通って山にこもって15才って設定した時点でその意味は大きくあるはずなのに。最後の父との関係もいまひとつわからないままだったし。でも新刊が出ると必ず手にとってしまう私です。
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No.31:
(5pt)

There's a music.

▼村上春樹の小説はページが残り少なくなってくると切ない気持ちにさせられる。いつまでもその世界に浸っていたいと思わされる。いつまでもその世界に突き動かされていたい。それだけのものを村上春樹の小説はいつも抱え込んでいる。▼読み終ると世界が違って見える。うつろになっている。小説の中にぎゅう詰めに詰め込まれていたものの存在を感じる。そこに何が詰め込まれていたのか、すぐには言い表せない。それがとても重大なことのように思われるだけだ。▼星野青年は、音楽は人を変えられるということを知った。ささやかなように思われるけれど、それはとてつもなく重大なことだ。▼村上春樹は音楽に挑んでいるように見える。一瞬で人を変えてしまう音楽に、何百枚、何千枚と書き連ねることで挑んでように思える。まるでドンキホーテだ。ロバに乗って風車に挑むドンキホーテ。その鎧の奥に村上春樹の目が光っている。▼そんな心に触れたくて、そのうちまた彼の小説を読む。
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4101001545
No.30:
(4pt)

自分を捜すことから

自分を捜す旅・・・してみたい。でも、現実的には今のところ無理なので、この本を読んでそんな旅をした気分になりました。「星の時計のLiddle」(内田善美)が好きな人にお勧め。というか、この本を好きな人、是非「星の・・・」も読んでみて下さい。「カフカ」を読んだら思い出して懐かしくって読み返してしまいました。もちろん、少女まんがなのでおんなじという訳ではないのですが。
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4101001545
No.29:
(5pt)

想像以上難解かつ魅力的な作品。

一回この本を呼んでみて、自分で簡単に読めたつもりになってはいけない。初めから最後まで読んでみると必ず幾つか引っかかる所が出てくるでしょう。それを読み飛ばさずにひとつひとつ丁寧に解き明かしていくことで、とても深くてファンタスティックなこの物語の本当の魅力に気がつけるはずです。
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4101001545
No.28:
(5pt)

おのれを無にして読む本

現実から足を浮かせ、心をからっぽにして、日常の中にある常識を何も考えずに読むべき本です。人々が日々の暮らしの中でこだわったり、とらわれている観念、そういうものが何の意味も持たないのではないかと、この本は訴えかけてくるようです。人は何のために生きるのでしょうか?今この世にある私たちの体は、魂を入れる単なる「いれもの」に過ぎないのでしょうか?でも、それでも人は生きていかなければならないのです。さまざまな出来事を経験して少年は、新しい世界への一歩を踏み出そうとします。その姿にほっとして、なぜか救われたような気持ちになりました。「おのれを無にして読む」、感動的な作品でした。
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4101001545
No.27:
(5pt)

シリアスとギャグとSFと

村上春樹さんは実は非常に器用な作家であることが分かる。特に今回の星野ちゃんとカーネルサンダースの会話は秀逸。でも読み終えるとちゃんと「文学」として成立している。芥川賞や直木賞などのカテゴリーを大きく超えた読み物になっている点が海外からも高評価を得ているところだろうか。連休中に充実した時を過ごさせていただきました。
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4101001553
No.26:
(5pt)

がんばれホシノくん☆

楽天的で、出たとこ勝負。仕事を無断欠勤してまで風変わりなナカタさんに付き合うホシノくん。彼の愛らしさから目が話せない。ホシノくんに自分を重ねていると、小説を読みながら、私もホシノくんと同じように、「ナカタさんの目を通してものを見られる」ようになったような気がする。ほんのちょっとだけだけどね。彼は自分で言うほど頭悪くないと思うよ。彼が「人生なんてどう転んでもクソみたいなものなんだ」と言うのを聞くと、これからの人生程よく、リラックスして生きていけそうな気がする。ありがとう。ホシノくんからこの小説で得たものは大きかったよ。勿論田村カフカくんから得たこともある。人それぞれ胸に響くポイントは異なるかもしれないけれど、きっと皆何かを得られる。それだけ仕掛けの多く施された小説。読む価値はある。ところで、村上氏の小説には必ず、手をたたいてそうそう!と思えるたとえが出てくる。今回の私のヒットは「趣味の雪かき」byホシノくん。分かる!!
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4101001553
No.25:
(5pt)

第3期、村上くんの傑作

~全く予備知識なしに読み始めた。すぐにストーリーに引き込まれ、厚めの上下巻ながらするすると7時間で読了。猫と話ができるナカタさん。ミステリアスな大島さん。過去に生きる佐伯さん。気さくな星野さん。そして、思索する15歳、田村カフカが主人公。現実とうまく折り合いをつけて生きていけない都市生活型個人主義者。これまでの作品~~の主人公はこういうタイプが多かった。様々な事件に巻き込まれ、再び日常に戻っていく。今回の主人公も現実にうまくなじめず、家出を企てる。個性的な人々と出会い、様々な出来事がある。しかし、70年代の作品のように、最後に全てを失ったことに気づいて海辺で泣いたりはしない。よりタフになり再び現実に戻っていく。書き下ろしされた当時、~~そして現在もだが、15歳前後の少年による胸が痛くなるような犯罪が多い。彼らは特異な例ではなくて、その世代の代表だろう。努力すれば今よりよくなる、世界は進歩する、などという考え方を多少なりとも抱けた高度経済成長時代に少年時代を過ごせた私たちに比べて、現代の15歳は希望を抱けない厳しい時代に生きる。そんな世代に向けて、作者は、主人公が自~~らの力で必死に考え努力することにより再生へと至る物語を書きたかったのではないか。「アフターダーク」以降、積極的に社会と向き合おうという作者の方向転換があった。本作品にもその流れを感じる。主人公には名前があるし、住所もある。旅した先も高松だし、「吉野屋」なんかも出てくる。ま、相変わらず主人公はあっさりセックスするので、~~中学校の推薦図書には選ばれないだろうが。カフカと大島さんとの間でかわされる文学論も面白い。ちなみに、漱石の「抗夫」に関する記述は作者自身の過去の作品に言及しているような気がする。~
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.24:
(5pt)

実に快適な読書体験

上下に分かれている長編を、1日で一気に読み終えました。実に快適な読書体験をしました。作者は非常にサービス満点であり、大変に分かり易い文章で、細部まで良く理解出来るように表現してくれています。また、登場人物たちも非常に能弁で、通常の人はことばでは言わない所まで、丁寧にことばで述べてくれています。ですから、読者としては、考え込んだり、立ち止まったりする必要が無いのですね。まるで、遊園地で遊んでいるように、目の前を興味あるアトラクションが次々と繰り広げられると言う感じです。読み始めたもう止まらなくなりますね。 つまり、小説でありながら、文章をほとんど意識しないで読めるのです。 ですから、読書は苦手、長編なんかとんでもないう人にも、充分に読めるものです。楽しみながら読めて、大長編を読み切ったのだという大きな満足感が得られますよ。 特に、読書を苦手としている人たちへお奨めします。きっと読書の自信が得られますよ。
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4101001553
No.23:
(4pt)

大人のための教養小説

村上作品はずっと少し背伸びをして読んでいたような気がする。学生時代に自分より何でも知っていて妙に落ち着き払っていた友達がいた。彼はナガサワさんみたくストイックでもなかったし、オオシマさんみたく僕を諭すようなことはなかったけれど僕と話をしている彼の瞳の中にはどこか僕を落ち着かせない気持ちにさせる挑発的な煌きがあった。僕は彼との会話の中にはいつでも何気ない機知を持ち寄り、どこかから借用してきたアイロニーをまるで自分の言葉のように吹聴した。彼と話をすることはとても刺激的だったし何より自分自身の存在価値が4段階くらい上の次元に持ち上げられたような気がして良い気持ちになったものだった。しかしその会話に費やされる僕の消耗は相当なものだったと今では思える。〈神の子らはみな踊る〉くらいから村上作品は等身大の僕に近づいてきた気がする。それとも僕がただ年を取っただけだろうか。〈海辺のカフカ〉を読んでいて気付いたことは背伸びをして知識を語ることじゃなくタムラくんとともに僕が学んで悩んで成長しているのだというある種の共時性だった。僕は自分の変化とともに村上作品の変貌をとても大事にしたいと思う。前述した友達とは今でも時々会うけれど以前よりはずっとざっくばらんに冗談とか言い合える仲になっている。うまく言えないのだけれど〈海辺のカフカ〉は僕にとってそういう意味合いを帯びた作品である。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.22:
(5pt)

大公トリオはいい!

受験でしばらく本を離れてた自分でもどんどん読み進めることができました。この本に影響されてベートーベンの大公トリオ(もちろん百万ドルトリオのやつ)を買っちゃいました。主人公に感情移入がしやすく、頭の中で映画のように場面を想像することができます。またそれ以外にも車やファッションのセンスがいいことも読み進められた理由だと思います。本から関連して音楽、哲学などにも興味を持てるいい作品だと思う。
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4101001553
No.21:
(5pt)

真骨頂

ねじまき鳥クロニクル以来の長編小説、ということで楽しみに、かつ味わいながら読みました。私のように物語を追うので精一杯の読者でも、深く読み込んで構造を的確に掴み出しながら読めるハイレベルの読者でも、それぞれに楽しめます。それを可能にするだけの豊穣さ、寛容さがこの小説にはあります。よく指摘されているとおり、『世界と終わりと・・・』に共通する部分があります。並行して進行する物語(最終的に交わる)、「記憶」を所蔵する図書館、「僕」が「僕」になれる場所・・・また、『ノルウェイの森』で使われた言葉「私を覚えていて」も、リフレインされています(。それらのことからも、この作品が著者の小説世界の幹を構成するものと考えられます。主人公が15歳でありながら人生の喪失と、喪失を抱えながらの再生をくぐり抜けるということ。暴力と性の描写が多いこと。物語に一見すると偶然性が満ちていることなど。それら、表面的に批判し得るところはあるでしょう。でも、登場人物が直面する「人生」はどれも切実で、物語の中で流される血も涙も汗も、どれもが真摯で、打算的なものはありません。この小説も、「完璧」というわけではないのでしょう(私には決定的な瑕疵は見つけられませんが)。でも、著者の真摯さは信頼して良いものと考えます(作品の結構や表現手法、隠喩の技術など、おもてづらの批判は見かけますが、この作品のテーマ=作品の中で流される血や涙の重さが間違っている、と言い得た批評は見かけません)。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545

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