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海辺のカフカ



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【この小説が収録されている参考書籍】
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)

海辺のカフカの評価: 3.76/5点 レビュー 520件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.76pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全520件 261~280 14/26ページ
No.260:
(5pt)

とても静かに必然へ

久しぶりに読んだなこれ。
というかここのレビューに酷評多くて驚きました。

オレの個人的な意見ですが、謎が全部キッチリ明かされなくてもこの話の主題にとっては問題ない気します。
この謎はいつ明かされるのか?さっきのアレは何やったのか?みたいな読み方するとよくわからん事なるし、その読み方では確かにこの小説はつまらんです。それが合う小説もあるやろうけど。

それより想像した方がおもろい。
突飛な展開、露骨な性描写、全部何かの象徴として機能して、最後に向かって緩やかな必然を描いていきます。

気持ちいい謎解きもいらん。
どんでん返しもいらん。
ただここに少年カフカを中心とした物語があるだけ。

オレらの世界とはまた別の、「海辺のカフカ」って小説世界の中で彼が失い、得たモンの中から、オレらは皆1人1人違ったものを学びとれる。

想像力やと思います。
素っ頓狂な春樹さん批判をするのは簡単やけど、書き手の想像力にちゃんと真摯に向かい合ってこその読書の楽しさです。斜に構えて、なめてかかって読めば、それなりのものしか返ってこないです。
まぁ文体が苦手とかはもう仕様がないと思いますが。

オレは大好きです。
これから先も読み続けると思います。
海辺のカフカ。お薦めです。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.259:
(5pt)

難解な割にすらすら読める

読み終わり感じたのは、やはり難解な作品であったということ。とはいえ、起承転結がはっきりしているこれまで読んだことのある作品と比べて魅力が劣っているかといわれればさにあらず。むしろ相当に面白い作品だった。抽象的で夢の中を漂っているかのような世界観が強く魅了する。その世界にどっぷりとはまり込んでしまい、熟読してしまった。この世界観に入ってこれるかこれないかで評価が分かれているのかもしれない。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.258:
(5pt)

人間の基礎心理とファンタジーのダンス

ストーリーの枠組みは、田村カフカを中心に描かれるストーリーAと、ナカタサトルを中心に描かれるストーリーBが同時に展開され、それらは上巻ではほぼ交わらない構成になっている。ストーリーAは人間が成長していくうえで通る心理の葛藤や成長があり、ストーリーBはどこか掴みきれないファンタジーのような世界観があった。Aだけだとありきたりだし、Bだけだと意味不明になる。両ストーリーが絶妙に触れ合いながら話が展開していくところが魅力的だった。

お気に入りの一節

「人が何かを求める時、それはまずやってこない。人が何かを懸命に避けようとするとき、それは自然にやってくる。」
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.257:
(2pt)

『1Q84 』のときに比べると、私との相性はよくなかった。

カフカという不思議な名の15歳の少年は東京から四国へと出奔する。
 戦時中の少年時代に記憶を失った初老の男ナカタさんも、何かに導かれるように四国へと向かう。
 二人の奇妙な物語が交互に紡がれながら、やがて交錯する時を迎えることになる…。

 上巻486頁、下巻528頁、合計1000頁超のなんとも不可思議でつかみどころのない物語が延々と続きます。
 少し前に大変話題になった『1Q84』はシステムに人間が対峙することの緊迫感を、村上春樹としてはかなり分かりやすく描いていたように私は感じました。
 しかしこの『海辺のカフカ』については、何かを感じたという確かな手ごたえが私の中には生まれませんでした。
 
 確かに『1Q84』の中でも取り上げられた構成要素がいくつも『海辺のカフカ』に既に置かれていたことが分かります。
 想像力の欠如が生む狭量さ。硬直したシステム。(ともに上巻385頁)
「チェーホフの銃」。(下巻127頁)
 想い出や記憶が与える生きるための温もり。(下巻355頁)
 こうしたトピックやアイテムの反復が村上春樹の小説世界の特徴だといわれてしまえばそれまでですが、それを難解かつ奇異な物語の中から拾い出す作業に終始する読書が心底楽しいかと問われれば、答えるのに窮してしまうのです。

 世界幻想文学大賞を受賞したと聞き、かなりの期待をもって頁を繰り始めたのですが、私自身がこの小説を受け付けなかったのか、それともこの小説のほうが私という読者を受け入れてくれなかったのか、とにもかくにも相性はよくありませんでした。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.256:
(1pt)

読むだけ時間の無駄

一般常識参考書に現代を代表する文学作品であるとこの本が紹介され興味をもち読みました。

各章に分かれているのですが、最後にまとまり盛り上げるのかと思いきやクソったれ本でした。
読者にカッコつけたいがため自分に酔ったキザな文章、気持ち悪い性表現(官能小説より陳腐)、そして○○しました的小学生の作文表現。人気があるのはミルク、レッドツエッペリン、など固有名詞がこれでもかと表現する所がお洒落な本といった印象を与えるんでしょう。

現代の常識作家はこんな程度なんですかね?
間違いなく武者小路実篤、夏目漱石、時代の文学小説より作家水準が下がっている感想をもちました。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.255:
(5pt)

この世の中をつらぬいていること

白と黒があること。それを受け入れながら人は成長して愛する心を持って生きてゆくことなんだよ、というメッセージをもっと感じたくて読みました。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.254:
(3pt)

単なる感想です

作品の分析、といった事はできませんので、素直な感想だけ書きます。

カフカ少年と佐伯さんはナルシストすぎて疲れました。佐伯さんは大変つらい経験をしたので同情はしますが。

一方、ナカタさんとホシノ青年の章は楽しめました。ナカタさんは、通称ジョニー ウォーカーというものに操られて、「結果的」にはカフカ少年と佐伯さんに癒しを与えるために利用されたんだ、という憤慨は感じますが、ホシノ青年に巡り会え、最後まで彼の必死の助力(本当に、必死の!)を受けられ、そして最後にはナカタさん自身が本当に求めていたものを知ることができた(そして、多分手に入れたんだと思います)ことが救済でした。

あと、私は猫が好きなので、ねこさんとナカタさんの会話は楽しかったですね。カワモトさんとミミのやり取りなどは、本当の猫同士によくありそうな光景でした。ミミが「ウオー」というすごみのある声で鳴き、カワモトさんが首をすくめてむにゃむにゃ反応していたんでしょうね。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.253:
(5pt)

トリガーの発動装置

この作品は文中にメタファーとともに、多くのテーマが内包されている印象を持った。

それだけに、散漫な印象を持つ人もいるかもしれないが、

その内包されたテーマの中に、自分に置き換えられる要素があれば、この作品は重要な意味を持って動き出す。

それはある種のトリガのように作用して、自分に内在する問題や葛藤と向き合い、答えを出すことを求めてくるだろう。

田村カフカ君と同じ15才の少年が読んだ場合において、それはより顕著に現れると思う。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.252:
(5pt)

謎を追い求める

面白かった。
虚構性の度合いが強くて、荒唐無稽な所へ踏み込んで行く。

まぁ神話・寓話的なリアリティのレベルを許容しうるかにより、評価は違うので。
評者の内実が明らかになってしまう。
トラップは仕掛けられている。

絵を眺めるように、味わうべきもの。
テキストをそのまま受け取ること。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.251:
(4pt)

わしの言ってることがわかるか、このメッキしゃちほこボケ

確かに、僕も、この薄っぺらい高尚さが漂う文章に嫌悪を感じなくはないですが、村上節で展開されるワンダーランドな世界観には、やはり魅力を感じます。作中に登場するベートーベンやハイドンの音楽とはイメージが違いますが、視覚的な表現の中に、音楽を感じることができます。そういうところが好きです。
何が言いたいとか、哲学的な部分は別にシカトしても構わないと思います。万人が氏の思想に順応出来るわけではありませんし、メタファーとか言ってる時点でぴしゃりと分からせる気もないでしょう。それが小説というものなのでは。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.250:
(1pt)

読むのも馬鹿馬鹿しい!

海辺のカフカという題名からして、ドイツの有名な作家であるカフカと何らかの関係がある小説かと思いきや、読んでみて、全く無関係であることが知れた。無論、村上春樹は、かねてよりカフカの作品を偏愛しているみたいなので、題名には、そのことが反映したのだろうが、ストーリーはカフカのそれとは全くもって趣を異にしている。ところで、この作品の読後の感想を述べたいと思う。読み初めて、すぐにつまらないと感じたが、村上春樹がノーベル文学賞の受賞候補者に挙がっていることもあってか、よほど素晴らしい才能のある作家であるという固定観念の縄に縛られていたので、つまらない、つまらないと感じながらも、集中して、読むことに努めたのだが、やはり、つまらないものはつまらない。幼稚で、ファンタジックで、観念的な妄想から産み出されたようなストーリー。究極的に云えば、意味不明なストーリーだ。この人は、まず、ストーリーテラーの才能が皆無である。それに、使い古された常套句の連綿、これは、私を、大層辟易せしめた。もちろん、特別、難しい言葉を使う必要もないし、また凝った言葉を使う必要もないのだが、少しく幼稚な言葉、というよりむしろ軽薄な言葉が多く散見せられるので、こやつは本当にプロの作家なのかと疑ってしまった。一体全体、村上春樹ファンは、何が面白くて、彼の作品を読むのだろうかと、いささか疑問を感じてしまうのだが、元来何を読もうが、誰のファンであろうが、これはもはや個人の自由なので、別に、どうでもよいことであろう。最後になるが、村上春樹さんに、勝手ながら、一言云いたいことがある。よしんば、あなたが本当にカフカを愛しているのならば、今でも遅くはないので、カフカ作品を熟読玩味して、より面白い、読者を引き付ける力をもった小説を書いて頂きたい!安部公房氏の作品を見習うのも悪くはないでしょう! まぁ、村上春樹の作品が、これから、如何に進化しようとも、私はもう読まないのだが。もはや、彼には、彼の作品には、興味を喪失した。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.249:
(1pt)

駄作。駄作。駄作。

海辺のカフカという題名からして、ドイツの有名な作家であるカフカと何らかの関係がある小説かと思いきや、読んでみて、ほとんど関係の無いこが知れた。無論、村上春樹は、かねてよりカフカの作品を偏愛しているみたいなので、題名には、そのことが反映したのだろうが、ストーリーはカフカのそれとは全くもって趣を異にしている。ところで、この作品の読後の感想を述べたいと思う。読み初めて、すぐにつまらないと感じたが、村上春樹がノーベル文学賞の受賞候補者に挙がっていることもあってか、よほど素晴らしい才能のある作家であるという固定観念の縄に縛られていたので、つまらない、つまらないと感じながらも、集中して、読むことに努めたのだが、やはり、つまらないものはつまらない。幼稚で、ファンタジックで、観念的な妄想から産み出されたようなストーリー。究極的に云えば、意味不明なストーリーだ。この人は、まず、ストーリーテラーの才能が皆無である。それに、使い古された常套句の連綿、これは、私を、大層辟易せしめた。もちろん、特別、難しい言葉を使う必要もないし、また凝った言葉を使う必要もないのだが、少しく幼稚な言葉、というよりむしろ軽薄な言葉が多く散見せられるので、こやつは本当にプロの作家なのかと疑ってしまった。一体全体、村上春樹ファンは、何が面白くて、彼の作品を読むのだろうかと、いささか疑問を感じてしまうのだが、元来何を読もうが、誰のファンであろうが、これはもはや個人の自由なので、別に、どうでもよいことであろう。最後になるが、村上春樹さんに、勝手ながら、一言云いたいことがある。よしんば、あなたが本当にカフカを愛しているのならば、今でも遅くはないので、カフカ作品を熟読玩味して、より面白い、読者を引き付ける力をもった小説を書いて頂きたい!安部公房氏の作品を見習うのも悪くはないでしょう! まぁ、村上春樹の作品が、これから、如何に進化しようとも、私はもう読まないのだが。もはや、彼には、彼の作品には、興味を喪失した。
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4101001553
No.248:
(3pt)

サディスティックなナルシストのマスターベーション

遅ればせながら、「ねじまき鳥クロニクル」に続き、村上氏の長編を読んでみました。著者がドストエフスキーとカフカから特に影響を受けたと語っていること。本作がフランツ・カフカ賞を受賞していること。村上春樹が世界に多くの読者を獲得していること。以上の情報に接してのことです。読むと、賛否両論がよくわかる内容でした。気になったことだけを書きます。先ず、主人公について。典型的な中年のおじさんの発想が見え隠れした後で、僕にはわからないことが多いと弁解して15歳の少年を演出する。読んでいて楽しくありません。しつこい性描写の場面では、田村カフカよりも田村ボッキの方が相応しい。著者は、主人公の文章は一人称にこだわりたいようですが、三人称で書けばもう少し読みやすくなると思います。主人公と平行して語られるナカタさんの話が読みやすいのは、内容の特異性を上回る三人称の文章力にあると思うからです。次に、思想について。安全な自分の城の中から世界を見回して、世界に攻撃をしかけようとする。他者の自分に対する想像力の欠如は赦せないが、自分の他者に対する想像力の欠如には能天気。現在の若者に多く見られる発想で、好きになれなせん。また、ドストエフスキーやカフカの世界には、神の存在が大きな重しとして君臨していますが、ここには神はいません。深刻を装っても内容は軽い。クラシック音楽の世界で、指揮者の小澤征爾氏が、日本以上に欧米の聴衆から高く評価されていることが連想されますが、村上氏の作品が小澤氏の指揮と似ているのか全然違うのか、その辺は未だわかりません。本作には、古代ギリシャ悲劇、シェイクスピア、日本の古典文学、ベートーヴェンなどが賑やかに引用されていて、登場人物の成長を支援する教養小説の趣もあります。しかし、神や集合無意識のように全体をまとめて上げるコンセプトがないため、雑然とした印象を拭えません。メタファーがあるじゃないか、という見方もありますが、そういう妖怪趣味はなんだか気持ち悪い。結局は好みの問題なのでしょうが。いずれにせよ、私の素朴な関心は、ドストエフスキーやカフカとはずいぶん違う(父親殺しから『カラマーゾフの兄弟』を連想することもできますが、背景が全然違う)本作が世界に多くの愛読者を獲得しているらしいこと、その要因は何か、ということです。「サディスティックなナルシストのマスターベーション」という要素が支持されているのであれば、心配になります。世界一タフな少年を目指すのもいいが、自分の外の世界に対して、もう少し愛情を注いでほしいと思う次第です。世界と自分はつながっているのですから。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.247:
(5pt)

再び読み返してみても

時間を忘れて読み耽ってしまった。

初めて拝見したのは本書が刊行当初の頃だったかな。春樹氏の作品はどうも生理的に苦手意識があったため冷やかしのつもりで読んだのだけれど、意外や意外に夢中になるくらいおもしろくて、著者に対する評価が一辺してしまうくらいだった。

ストーリーに関しては入り組んでいるわりに、そんなに難しい内容ではないだろうし、深く考えて読む感じでもない。これは単純に合うか合わないかだけだろうな。

ちなみに私はナカタさんとホシノ青年のエピソードに尽きる。田村カフカや甲山図書館もいいのだが、過去の著者の作品になかったキャラクターとストーリーに気持ち良く裏切られた感じが心地良かったのもあって。

もう一つは著者の構成力の凄さかな。これは娯楽なのか文学的なのかよくわからない内容かもしれないが、そんな余計なことがどうでも良くなるような感じ。
なので娯楽作品と捉えてるのかも。

余談で申し訳ないですが、春樹さんの熱烈なファンは『ノルウェイの森』が最高って人が多いのかな。

私は『風の歌を聴け』以来に凄く良かったと思えたのが本書でした。
そして『1Q84』も何も考えずに単純にスラスラ読めて楽しかったんだよな。

実は、春樹さんの作品は、あれこれ考えながら読むようには出来てないのかも。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.246:
(3pt)

小雨のような小説

体が濡れるほどではないが、絶え間なく降り続ける小雨が
読書中バシバシと顔に当たっているような感じだった。
被害はないけど邪魔な雨で、読むのにとても時間がかかった。
読後はそんな小雨が上がって、すっきりした。
面白かったとは思わないが、すっきりはした。
海辺のカフカ (下) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (下) (新潮文庫)より
4101001553
No.245:
(1pt)

15歳の妄想

ハルキ・ムラカミでなかったら、
こんなにたくさんの人に読まれない程度の作品。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.244:
(5pt)

思い出と記憶

村上春樹を読むきっかけはモスクワに赴任した友人が、地元の人から日本人と分かると、「ムラカミハルキを知っているか。」と必ず聞かれると、当地での評判の高さを聞いたことです。
ドストエフスキーを読むロシア人が何故それほど好むかを知りたかったからです。
取り敢えず短編集を読んで拒絶反応がなかったので「海辺のカフカ」を読んでみました。
読み始めてストーリーテラーだなと感じました。
普段は通勤や待ち時間にしか本を読まない私ですが、週末も大公トリオを聴きながら読み進めました。
疲れないし実に面白い。早く次が知りたくなる。
少年の頃、家出や一人旅を経験した人間には堪らない。
何を書いてもネタばらしになりそうですが、文字を書くことを生業とするムラカミハルキが文字を燃やし、記憶、思い出の大切さを訴えた長編小説でしょうか。
メタファーという言葉を何度も使いますが、最後に隠喩という言葉に置き換わります。
巧みな掛け合いと記号化した固有名詞、実態としての食欲、排便、睡眠をしっかり敷き詰め、間に性欲を置き、話を展開させます。
「火宅の人」「死霊」「罪と罰」以来の久々に面白い小説でした。
最近の本の装幀は奇抜なデザインと分厚い用紙で必要以上に本を大きく重たくする傾向にありますが、老眼の世代に近づく私には、字の適度な大きさと、しっかりとした薄手の書籍用紙で作られた簡素な単行本はありがたかったです。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.243:
(5pt)

ただ漠然と。

私はいつも小説を漠然と読む。作者の'伝えたい事'や物語のツジツマ、必然性の完全さにはあまり興味が無い。
登場人物のひとつひとつの世界の引力に対する反発、ひとつひとつの'部分'に共鳴するのが好き。違いを考えるのも好き。
私は想像力がないので、他人事には涙は流さない。
なんだか小さい頃にみた悲しい夢に入り込んだみたいになつかしい世界観。
自分の失ったものを思い出して、自分事として感じ取る事ができる部分の積み重なり。
'失ったもの'がある人にとっては、じわじわっとしみ込んで来る物語なのではないかな?
別に救われるわけでも、自分が変えられるわけでもなく。でも読めてよかった、嬉しいんです。
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.242:
(2pt)

通勤電車にはもってこいだと思う

いっきに読んだ。通勤電車にはもってこいだと思う。筋書きはどうでもいい内容なのだが、
展開に飽きはこなかった。材料のちりばめ方がうまいのだろう。不思議ちゃん感覚、LOSTぽいよ。
年代によってこの小説に展開される風景は異なって見えるだろう。
心理状態によっても感じ方が大きくぶれると思う。15歳の時に読んでみる。50歳で読んでみる。
孤独感を感じたときに読んでみる。何もないけど読んでみる。どれもありです。
ひとつ言わせてもらうと、海外展開(翻訳)を意識して書いちゃってるな〜というところがちょっとミエミエかな。

海辺のカフカ (上) (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:海辺のカフカ (上) (新潮文庫)より
4101001545
No.241:
(1pt)

村上春樹ってどんなもんなの?

よく名前は聞くけど、これまでは村上龍とあまり区別がつかなかった。

ノーベル賞候補?だったり、本の売り上げが凄かったり、外国で演説したり。

正直、あまり私は(演説内容とかマスゴミからの取り上げられ方から)良い印象を持っている人物ではない。いけすかないというかスカシテルというか。

但し、どんな人物であれ「創作」に携わる人、またその作品には敬意をはらいます。ですからアマゾンでちゃんと新刊で購入して読みました。

もちろん、作者の作品はこれまで(話題になっているにも拘らず)1作たりとも読んだ事はありませんでした。堂々と批判するには作品を読んでからです。

ある日ふとしたきっかけでこの「海辺のカフカ」に関する情報を得て興味がもてそうな内容でしたので、(正直ノルウェイとかIQとか興味がもてず)上下巻一気に読みました。

元来、活字嫌いな私でしたが、比較的読みやすい本でその点は評価できます。

内容もスニーカーやコバルトのようなライトノベルでしたら満足のいく内容です。

但し、これが文学か?と言われれば違います。

私の中での「村上春樹」像は、私の想像を超えているような作品を描かなければ世間でのあのような評価を受けている「村上春樹」であってはなりません。

ところが本作品はまるで(自分では否定している)消費社会の恩恵を受けた何も不自由無い生活をしている中年が「十五歳の少年の気持ち」になって描いた只のマスターベーション作品のようだったのです。

「広げた風呂敷をどのように綺麗にたたんで終わるのか?」

それが唯一の(作品内容とはまるでかけ離れた他作品からの退屈な引用を我慢して)本作を読み進めるための原動力であったにもかかわらず

見事に何の説明、解決も見せないままスカシタ終わり方をしてくれました。

ライトノベル作家(を卑下しているわけではありません)でもある程度の答えと、納得できる表現を用意してくれているでしょう。

「謎は謎のまま読者にゆだねる」という技法がありますが、本作に限って言えばそのレベルに達してはいません。


村上春樹大先生、「ワタシは頭が悪いので難しいことはわからないのです」








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4101001545

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