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風の歌を聴け



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風の歌を聴けの評価: 4.06/5点 レビュー 370件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.06pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全370件 201~220 11/19ページ
No.170:
(4pt)

はるか遠い昔の青春

携帯電話も無く、お酒を飲む娯楽の場所も今のクラブや居酒屋チェーン店のような墓所が無かった古き良き時代の青春の一コマ。自分とは時代が違うものの甘く切ないもどかしさや心残りなど、様々なことを考えることができるさわやかな作品。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.169:
(2pt)

期待しすぎて物足りなかった

期待して、期待を越えてくれる良作ってなかなかないですね。

期待すると必ずがっかりする。

期待せずにいたのに、やっぱりそんなもんかとゆう結果にバカバカしくなるのと同じで。

食わず嫌いではいけないと意を決して、デビュー作から順を追ってすべて読破しようとしたが…面白くないわけでもなく、かといって面白いわけでもなかった。

やたらと説明文が長く途中でウンザリして退屈になる小説もあるが、今回はあまりにも物語が断片的すぎて、短すぎて本の厚さと同じように薄っぺらく感じてしまった…もっと肉付けが欲しかった。

読み終えて、結局なにも残らなかった。

登場人物はなかなか愛嬌あるキャラクターなのにもったいない…。

ただこの本を読めばビールだけはやたら飲みたくなる。

それだけで考えさせられることも、感動することもなかった。

あまりにも有名な作者のため期待しすぎた…この程度かと少しがっかりした。

次は『1973年のピンボール』…このまま続けて他の作品を読めるのだろうか…。

いつまで我慢して読めばいいのか誰か教えて欲しい。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.168:
(2pt)

なんだかよくワカラナイ

世界の終わりとハードボイルドワンダーランドを読み、
とても楽しめたので、こちらも読んでみました。
でも、こっちはあまり合わなかったのか、
読み終わっても心に残るものはほとんどなくちょっと残念です。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.167:
(4pt)

村上春樹さん。

この本を読んだのは大学一年生の時。私は自ら孤独に入り込むような人間なので、この本、この作者が合うのだと思います。
だからこそ危険なんです。私にとってこの人は。自ら行動しなくてもなんらかの事柄が良いように降りかかってきて、主人公は退屈していない。女は常にいるし、仕事もある。
気が向いたらセックスをして、コーヒーを飲んで、サンドウィッチをつくり、パスタを・・・。
実際問題として現実に目を向ければ、物事は自分から動かなければ何も進展しない。
私のようなものがこんな生活(人間)に憧れてしまえば、どうなるか。
朝食にコーヒーを淹れ、ハムとチーズのサンドウィッチをつくり、寝る前にワインを片手にドストエフスキーやらフィッツジラルドを読むお洒落な?ひきこもりになってしまう。
私はこの作者の本を読むびに現実と理想のギャップをひしひしと感じてしまうのです。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.166:
(5pt)

読後感

大学の日本文学の授業で一部取り上げられた本書。 村上作品に全く馴染んでない私は「こんなかんじなのかー」と思いながらも続きが気になって、図書館で借りました。

私の感覚から言えば「僕」はとても冷静で悪く言えば冷めてるんだけど、何処か人間みがあって、それが魅力的に写りました。

私は同年代の女なので、同年代の男の子はこんな風に日々の雑多で退屈な時間を過ごし、誰かを思うのかなと想像しました。

9本の指をした女の子が感じる気持ちも、18から20になるまでに女が抱く、社会や大人への反骨心、まだ統合されていないアイデンティティ、少々危なっかしい向上心、潔癖ぎみの正義感やこの頃抱く男性への思い が実に上手く表現されていて、まるで生きてるみたいで、つい当時の私を思ってしまいました。

他にも最後にラジオでの犬の漫才師さんが読み上げる手紙の内容や、 大学を離れる鼠の気持ち、
もっと言及したいところがあるのですが、 私は9本の指をした女の子と僕が最後に会う時の会話のシーンや、

病床の男の子の手紙のシーンで声を上げるくらいいつも涙が出てしまいます。

実は読んで3日ほど(薄い本なので2、3時間で読めるのですが)、読後感が消えなくて、不意に涙したり感傷に浸ったりと忙しい目に合いました(^_^;)

「悲しい」とか、「切ない」では表現出来ない、こんなにもやり場のない思いを、断片的なんだけど継起性を持ち、空気感を与えて描写することが、人間にできるんだ!(少し大袈裟かも)というのが正直な感想です。

私はいつもまず感覚的に読むので、読み方はかなり粗く分析にはなっていないのですが、参考になれば嬉しいです。
他にも気になるところが沢山あるのでこれからも何度も読み込むことになると思います。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
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No.165:
(5pt)

村上春樹でいちばん好きな作品

村上春樹のなかでいちばん好きな作品。個人的に国道134号をイメージし、どことなくノスタルジアな気持ちになった。生きた時代は違うが、あの古き良き時代は何処に行ってしまったのだろうかと。夢と儚さが同居した、そんな物語だった。
 他の作品は、雰囲気を味わう以外には意味は見いだせないのだが、唯一語りかけてくるものがあった。あるときは主人公と自分が重なり、またあるときは鼠と自分が重なった。苦悩する若き村上春樹の姿も浮かぶ。

風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
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No.164:
(4pt)

読みやすいし面白い。

文章全体に重い感じがしない。また、アップルパイやクロワッサンといった食べ物や、レコードや偽の作家についての情報などは、
とてもしゃれている。なぜ星4つにしたかと言われたらこれといって理由が思いつかないが、
「I love it=星5つ」ほどの評価には値しないかと。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.163:
(5pt)

初期の最高作

風景の描き方や比喩が上手で、雰囲気を楽しみながらすらすらと読めます。

ヘミングウェイの「日はまた昇る」と通じる気がしました。

ウンザリするくらいに混沌とした時代。そんな社会を肯定も否定もせず、ただひたすらに背を向けて、仲間との享楽におぼれる青年たち。

自分を保つ為に、冷淡かつ退廃的であろうとする彼らに、これ以上ないほどに、人間味を感じます。

独特の世界観がグッド。


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4061163671
No.162:
(2pt)

MMMM....

「羊をめぐる冒険」そして「ダンスダンスダンス」を読む為に、第一作、そしてデビュー作としての本書を読まなければと思い、読破しました。
正直な感想は「???」
おいハルキ!悪ノリし過ぎじゃあねえか?若しくはデビュー作ゆえにウブ過ぎたのか?と感じてしまいました。
「頭に浮かんだキャッチーで気の利いたセンテンス」を、そして「書きたい文章」を「何の繋がりも無く」「ブツ切りに」「羅列・掲載した」といった感じが拭えなく、それを「どうだスタイリッシュだろ?」と押し付けている感じを強く受けました。
この作品が発表された70年代後半は、私は幼稚園児だったのでその時代背景や、何が良しとされたかは体感できなかったのですが、そういった要素を鑑みても、「何だこれ?」という感じです。とにかく内容が無い!(ページ数や、一ページ当りの文字数も少ないので、、)
しかし前述通り「羊をめぐる冒険」に行き着く為にも、これから第二作目「1973年のピンボール」に取り掛かります!
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4061163671
No.161:
(4pt)

村上春樹のデビュー作

1949年生まれ、村上春樹のデビュー作。群像新人賞受賞。1979年の受賞なので、作者30歳の頃の作品。現在、作者おおよそ60歳に書いた「1Q84」と比べると、初々しさが感じられる。
以下に記した、「新宿で最も激しいデモ」「催眠ガスのおかげで目がチクチク」などは、当時を知らないと分からない様相だと思った。学生デモによる新宿騒乱事件が実際にあったのが1968年である。本小説に出てくる、アイゼンハワーは米国の第34代大統領で、1953年に就任し、1961年まで務めた。セイバーは米国のジェット戦闘機F-86で、朝鮮戦争時ソ連のMiG-15と空中戦を繰り広げた。本小説で、「あと10年もたてばナパームでさえ懐かしくなるかもしれない。」という台詞が出てくるが、北ベトナムや南ベトナム解放戦線のゲリラ掃討に使われたナパーム弾は、1965年の北爆の開始、1975年のサイゴンの陥落というベトナム戦争に関連している。この小説の舞台の実際の1970年は、赤軍派学生による「よど号ハイジャック事件」が起こり、大阪では日本万国博覧会が開かれた。海を渡った米国では、ニクソンが大統領となり、カンボジア内戦が勃発した。
「この話は1970年の8月8日に始まり、18日後、つまり同じ年の8月26日に終わる。」13 「僕が鼠と初めて出会ったのは3年前の春のことだった。それは僕たちが大学に入った年で、2人ともずいぶん酔っ払っていた。」18 「彼女が目が覚めるまでに、それからざっと3時間ばかりかかった。〜。『誰…あなたは?』」34 「『〜僕は顔を洗うために洗面所まで入った。〜。〜床に君が転がってた。』」36 「『(ジェイズ・バーの)店じゅうの客に君のことを知らないかって訊ねてまわった。でも誰も知らなかった。〜。』〜『結局僕が家まで車で送ることになった。〜。〜住所を頼りに君をここまで連れてきて、鍵を開けてベッドに寝かせた。〜。』」37 「『もういかなくちゃ。』『何処に?』『仕事よ。』」46 「『もう時間がないわ。あなたも早く服を着て自分の家に帰って。』」41 「『車で送る。遅刻しなくて済むよ。』〜『でもね、意識をなくした女の子と寝るような奴は…最低よ。』『でも何もしてないぜ。』」42 「車を下りる時、彼女は何も言わずに千円札を一枚バックミラーの後ろにねじこんでいった。」45 「7時15分に電話のベルが鳴った。〜。『やあ、こんばんは、こちらラジオN・E・Bのポップス・テレフォン・リクエスト。ラジオを聴いてくれたかい?』」57 「『実はね、君にリクエスト曲をプレゼントした女の子が…ムッ…いるわけなんだ。誰だかわかるかい?』」58 「『カリフォルニア・ガールズ…ビーチ・ボーイズ…、どう思い出した?』」59 「翌日の朝、〜、目についた小さなレコード店のドアを開けた。」63 「〜彼女に見覚えがあることに気づいた。一週間前に洗面所に寝転がっていた小指のない女の子だった。やあと僕は言った。〜。『〜。レコードを買いにきたんだ。』『どんな?』『<カリフォルニア・ガールズ>の入ったビーチ・ボーイズのLP。』」64 「彼女はカウンターの上に3枚のレコードを並べた。『これ、あなたが全部聴くの?』『いや、プレゼント用さ。』」65 「僕がジェイズ・バーに入った時、鼠はカウンターに肘をついて〜小説を読んでいた。」67 「僕は〜、レコードの包みを取り出して鼠に渡した。〜『誕生日のプレゼントさ。』」68 「電話のベルが鳴った。〜。『私のことを覚えている?』僕は少し考える振りをした。『レコードの売れ具合はどう?』」71 「『私のことを怒ってる?』〜『ひどいことを言ったからよ。それで謝りたかったの。』」73 「『今夜会えるかしら。』『いいよ。』」73 「僕は21歳で、〜。僕はこれまでに三人の女の子と寝た。最初の女の子は高校のクラス・メートだった〜。」74 「二人目の相手は地下鉄の新宿駅であったヒッピーの女の子だった。〜。それは新宿で最も激しいデモが吹き荒れた夜で、電車もバスも何もかも完全に止まっていた。」75 「催眠ガスのおかげで目がチクチクと痛んだ。〜。そのひどく無口な少女は一週間ばかり僕のアパートに滞在した。」76  「三人目の相手は大学の図書館で知り合った〜翌年の春休みに〜雑木林の中で首を吊って死んだ。」77 「彼女はジェイズ・バーのカウンターに居心地悪そうに腰かけ、〜」同じく77 「『来ないのかと思ったわ。』〜『〜。用事があって少し遅れたんだ。』」78 「『お父さんは五年前に脳腫瘍で死んだの。〜。』〜。『兄弟は?』」80 「『双子の妹がいるの。それだけ。』」81 「『八つの時に電気掃除機のモーターに小指をはさんだの。はじけ飛んだわ。』」82 「『あなたは何をしているの?』『大学に通っている。東京のね。』『帰省中なのね。』『そう。』」83  「電話のベルが鳴った。」85 「『ん…、ビーフ・シチューは好き?』『ああ。』『作ったんだけど、〜。食べに来ない。』」86 「僕たちは彼女のプレイヤーでレコードを聴きながらゆっくりと食事をした。」90 「『明日から旅行するの。』『何処に?』『決めてないわ。静かで涼しいところにいくつもりよ。一週間ほどね。』〜『帰ったら電話するわ。』」94 「(鼠と)僕たちはカウンターに戻り、ビールとジム・ビームを飲んだ。」97 「『頼みがあるんだ。』と鼠が言った。〜『人に会ってほしいんだ。』『…女?』少し迷ってから鼠は肯いた。」98 「僕が2時ぴったりに「ジェイズ・バー」の前に車を着けた時、鼠は〜(本を)読んでいた。『彼女は何処にいるんだ?』僕はそう訊ねてみた。鼠は黙って本を閉じ、車に乗り込んでからサングラスをかけた。『止めたよ。』」105 「街について話す。僕が生まれ、育ち、〜。前は海、後ろは山、隣には巨大な港街がある。ほんの小さな街だ。〜。人口は7万と少し。」106 「〜僕の友達には貧乏な家の子供もいる。〜。『おい、いいものがあるんだ。』〜。彼は財布から一枚の写真を出して僕に渡した。それは裸の女がいっぱいに股をひろげ、そこにビール瓶を突き立てている写真だった。」108 「僕は18年間、そこ(育った街)に実に多くを学んだ。」109 「秋が近づくと、いつも鼠の心は少しずつ落ち込んでいった。」110 「〜、僕は鼠を誘って山の手にあるホテルのプールにでかけた。〜。僕と鼠は25メートル・プールを競争して何度か往復してからデッキ・チェアに並んですわり、冷たいコーラを飲んだ。」114 「『そう、アイゼンハワーの頃さ。港に巡洋艦が入ると、街中にMPと水平だらけになってね。〜』〜。『セイバーは本当に素敵な飛行機だったよ。ナパームさえ落とさなきゃね。〜』」115 「『〜。あと10年もたてばナパームでさえ懐かしくなるかもしれない。』〜。鼠は〜、突然口を開いた。『時々ね、どうしても我慢できなくなることがあるんだ。自分が金持ちだってことにね。〜』」116 「『小説を書こうと思うんだ。どう思う。』『もちろん書けばいいさ。』(と僕は答える)」117 「夕方になって日が翳り始める頃、僕たちはプールから出て、〜ホテルの小さなバーに入り、冷たいビールを飲んだ。〜『女の子はどうしたんだ?』僕は重い切ってそう訊ねてみた。鼠は〜。『はっきり言ってね、そのことについてはあんたには何も言わないつもりだったんだ。〜』」120 「電話のベルが鳴った。『帰ったわ。』と彼女が言った。『会いたいな。』」128 「僕がYMCAに着いた時には雨はすっかり上がっていた〜。僕は門の向かい側に車を止め、エンジンを切ってタバコに火を点けた。」129 「『ひどい雨だったわ。』助手席に乗り込むなり彼女はそういって、〜スカートの裾を直した。」130 「『旅行は楽しかった?』〜。『旅行になんて行かなかったの。あなたに嘘をついていたのよ。』『何故嘘なんてついた?』『後で話すわ。』」131 「僕たちは港の近くにある小さなレストランに入り、簡単な食事を済ませ〜。」134 「店を出て、僕たちは不思議なくらい鮮明な夕暮れの中を、静かな倉庫街に沿ってゆっくりと歩いた。〜。しばらく歩いてから、彼女は指が5本ついた方の手で僕の手を握った。『いつ東京に帰るの?』『来週だね。テストがあるんだ。』」136 「『あなたがいなくなると寂しくなりそうな気がするわ。』」137 「僕たちはずいぶん長いあいだ、口をつぐんだまま海と空と船をずっと眺めていた。」138 「『一人でじっとしているとね。いろんな人が私に話しかけてくるのが聞こえてくるの。〜。』」139 「『こんなこと話したのはあなたが初めてよ。』〜。『嘘なんて本当につきたくなかったのよ。』〜。気がついた時、彼女は泣いていた。僕は彼女の涙で濡れた頬を指でたどってから肩をだいた。」140 「30分かけて彼女のアパートまで歩いた。」141 「彼女はゆったりと寝返りを打って、鼻先を僕の右肩につけた。」142 「『私とセッ○スがしたい?』『うん。』『御免なさい。今日は駄目なの。』〜。『手術をしたばかりなのよ。』『子供?』『そう。』」143 「彼女は僕の背中に回した腕の力をもう一度強めた。僕はみぞおちのあたりに彼女の乳房を感じた。〜。『ずっと何年も前から、いろんなことがうまくいかなくなったの。』『何年くらい前?』『12、13…、お父さんが病気になった年。〜』〜。僕たちはそれ以上何もしゃべらずに抱きあった。彼女は僕の胸に頭を乗せ、唇を僕の乳首に軽くつけたまま眠ったように長い間動かなかった。」145 「彼女は眠っていた。」146 「東京に帰る日の夕方、僕はスーツ・ケースを抱えたまま「ジェイズ・バー」に顔を出した。〜。『今夜バスで帰るよ。』」158  「『元気でね。』とジェイは言った。」151 「これで僕の話は終わるのだが、もちろん後日談はある。僕は29歳になり、鼠は30歳になった。ちょっとした歳だ。「ジェイズ・バー」は道路拡張の際に改築され、すっかり小奇麗な店になってしまった。〜。僕は結婚して、東京で暮らしている。」153 「鼠はまだ小説を書き続けている。彼は幾つかのコピーを毎年クルスマスに送ってくれる。〜。左手の指が4本しかない女の子に、僕は二度と会えなかった。僕が冬に街に帰った時、彼女はレコード屋をやめ、アパートを引き払っていた。〜。「カリフォルニア・ガール」のレコードは、まだ僕のレコード棚の片隅にある。」155
なお、以上の数字は頁数である。この小説の中身はは152頁分あった。現在ノーベル文学賞の有力候補と目されているが、結局以後、芥川賞は獲れなかった。外国の翻訳小説のような、ハイカラなバタくささが敬遠されたとも聞くが、残念なことである。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
4061163671
No.160:
(3pt)

村上春樹事始め

村上春樹氏の処女作。

衒った感じや登場人物の年齢に見合わないセリフの数々が、
いかにも初期作品という感じがして、初々しい。

ストーリーも、どこかごつごつしていて、粗削りな感じはするが、
統一感のあるごつごつぶりとでもいうのか、
もどかしい語り口に、生きていく覚悟と押し倒されそうな不安が、
すっきりと伝わってきた。

凡百の生き方から、何とか抜け出そうとしていた
村上氏の苦しい息遣いが聞こえるような作品でもある。

その息遣いは、たとえば勤め人の私には
人事とは思えない妙音として聞こえるのである。
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No.159:
(5pt)

ビールが飲みたくなる

著者、村上春樹の作品の中でこの「風の歌を聴け」を私は2番目に読みました。初めて読んだのは「ノルウェイの森」。

雷に打たれたように、一回目を読み終えた後は、自分の周りの日常の風景が(自宅リビングでしたが)不自然で違和感のあるものに見えたり、あるいは自分がふわふわと地面から少しだけ浮いてしまっているような感覚に襲われたことを鮮明に記憶しています。現実に戻りきれなかったので、家族のいない自分の部屋に帰って、そのまま寝てしまいました。

この本を読んだ今の僕の感想は、私たちの日常生活が、僕の思っていたよりもはるかに「儚い」ものだということです。そして怖い。怖いのは多分、「儚い」のが、誰でもいつかは死んでしまうということと、ほとんど同じことを意味しているからです。退屈な時間を過ごしてそのままおじいちゃん(おばあちゃん)になって、死んでしまうんじゃないか。そんな感情が読んでいる間に何度も頭を行ったり来たりしました。

そして逆に、そのような死と隣り合わせの時間(自殺したいとかそういうことじゃなく)を過ごすことによってしか、得ることの出来ない視点を、本書の主人公は持っているように感じられました。
風の歌を聴けAmazon書評・レビュー:風の歌を聴けより
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No.158:
(2pt)

なんか嘘っぽい。

風の歌を聴け!って言うものだから聴いてみることにしたけど、全体的になんか嘘っぽい感じ。

著者の処女作品であることを割り引いても、全体的に構成は荒く、文章も独りよがり、セリフも借り物っぽい。何より主人公の大学生の「僕」=著者?を含め、登場人物たち全員に魅力が乏しく、どうしても感情移入ができなかった。結局は、全てが中途半端なのだ。
作中、主人公が付き合った「彼女」たちから、『最低!』だの『嘘つき!』だのと罵られる場面には大いにうなずけるけど、そこにはまだ憎悪とでもいうべき感情が残っていたりして、言われた主人公もそれなりに納得しているフシもある。もし、僕が主人公の知り合いなら、『つまらん奴だな』とひと言残して、すぐさまサヨナラしていたことだろう。

この作品であえて評価できるところがあるとすれば、著者の後期の作品で大きく展開されるテーマ(宇宙と関わり)についての萌芽が垣間見られる程度である。
昔、『ノルウェイの森』で感じた嘘っぽさを改めて感じてしまった。村上春樹の後期の作品についての興味は大いにあるけど、おそらく、僕はハルキストにはなれないと思う。
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No.157:
(5pt)

村上春樹のエキス

おそらく、村上春樹のこの最初の作品に彼が持たんとしていた小説に対する本質のすべてが随所に散りばめられている。村上春樹はこの1作だけで隠遁してもよかったかもしれない。それだけ初期の村上春樹を知る上で『風の歌を聴け』は避けて通ることのできない作品だ。

 15億年という時間の流れは驚異的な出来事ではあるけれど、むしろそこに人生の本質が残酷なまでに明確化されているとも言える。つまり、生と死は生と死であるが故に究極の対立構造として一般的には捉えられるが、実はその境界は曖昧かつ朦朧としており、限りなく等価である”可能性”がある。よって、生と死の意味を模索することは、この上なく無意味な行為なのかもしれない。

 それは、あたかも論理物理学者のスティーヴン・ウィリアム・ホーキングがかつて指摘した宇宙の果てを考えることの無意味さに酷似しているかのようだ。
 宇宙は時間と空間「=時空」によって構成され、時間と空間は定量化することが可能であり、かつ相対的なものである。我々はそんな時空の中に存在するごく微小な存在に過ぎず、その時空の周縁は球体のように緩やかに歪んでいる。したがって、我々はいつまで経っても宇宙の果てに辿りつくことはできない。というか、宇宙の果てという概念は始めから存在せず、宇宙の果てなるものを想定すること自体に意味などありはしないのである。

 火星の砂漠に呆然と立ちすくみ、15億年という歳月を知ってしまった青年は、銃で頭を打ち抜き”自殺”してしまう。
 しかし、彼は決して悲観などしてはいなかっただろう。また楽観もしていなかったに違いない。宇宙の果ての追求が無意味であるように、彼の生と死もまた限りなく曖昧で無意味なものへと”昇華”し、生と死の等価性を彼は悟ったのかもしれない。彼は喜んでもいなければ悲しんでもいなかった。そして、彼の採用した自殺という結末は一つの選択肢であり、引き金を引いたのもあるいは一つの偶然であったと解釈できる。青年の死に意味はない。彼はただ死んだのだ。
 ここに村上春樹の死生観なるものが露出しているようにも感じられ、この火星での下りが『風の歌を聴け』のポイントではないかと個人的には考えるのである。


 最近の作品「1Q84」はさておいて、村上春樹はやはり初期の方が良かったと思われる。過去から現在に至るまで、とにかく登場人物にセックスや自殺をさせたがるのが村上作品の特徴である。そのセックス描写と死亡率たるや、まるでノワール小説ばりである。
 もちろん、そこには村上春樹独自の想いと感性が濃縮されており、好き嫌いはあるが彼の言うそんな根源的問題を感じ取ることは十分に可能ではある。そんなことを念頭に置いて村上作品に触れたとしても、やはり彼は昔の方が良かったなという思いは残ってしまう。

 昔、NHK-FM『サウンド・ストリート』の火曜日のDJであった坂本龍一は、しきりに村上春樹に言及していたわけだが、村上春樹が実際に一般ピープルのもとへ降りてきたのは『ノルウェイの森』からだろう。この時の世間の騒ぎぶりは、ちょっとした社会現象のようでもあった。猫も杓子も『ノルウェイ・・・』だったわけだが、その頃の村上春樹は悲しいかな、今から思えばピークを過ぎてしまっていたと言わざるを得ない。
 一説によると、村上春樹は「ねじまき鳥クロニクル」の頃から”転向”してしまったらしい。この3篇からなる長編作品を最近になってようやく揃えることができたが、まだ読むにいたってはいない。そんなわけで、この作品への書評ははばかれるところだが、それ以前に、村上春樹は初期の作品から順を追って読む必要性を感じる次第である。
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No.156:
(3pt)

村上春樹のデビュー作。

文学作家でありながら、大ベストセラー作家の地位を確立してしまった奇跡の人、村上春樹のデビュー作。

いま読んでも十分おしゃれなのが小憎らしい。センスがいい。文章がいい。雰囲気がいい。感性がいい。と、いいことづくめ。
 この後、村上春樹は段々と重厚さを身につけていくが、この作品にはまだそんな匂いを感じさせない軽やかさがある。

本人も小説も時代も青春だったのです。
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No.155:
(5pt)

村上ワールドに引きこまれる作品

村上春樹さんの作品をこれまで読んだことがなく、
何気なく手に取ったのが処女作であるこの作品でしたが、当たりでした。

作中に特に大きな事件が起こるというわけでもなくただ淡々と物語が進行し
あっけなく夏が終わるという印象を受けたのですが、それが却って夏が(または
この物語が)終わることに対するやるせなさを感じさせてなんとも切ないです。

また、作品のところどころで70年代らしさや西洋っぽさが散りばめられていて、
私自身は70年代を生きた人間ではないのに、不思議と懐かしい気持ちにさせられました。
村上春樹さんの作品はまだこの1作しか読んでいませんが、これが村上さんの作風なのかなと
勝手に解釈しています(笑)

もちろん、完読後にデレク・ハートフィールドの書籍をネットで探した事は言うまでもありません
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4061163671
No.154:
(3pt)

小説?

村上春樹さんの小説は読んだことなくて 処女作である本書を読みました。
どうとらえたらいいのか 迷います 村上春樹というブランドがなければ…
ドキドキやハラハラや何か考えさせてくれるなど なかったです。
ブランド力 恐るべし。
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No.153:
(3pt)

僕のレビューを聴け。

「ノルウェイの森」を読み、この作家が、なぜこれほど支持されているのか、研究するため、本作を読んでみました。
「ノルウェイの森」で味わった不快感は無く、とてもあっさりな読後感。
ちょっとお洒落な世界観、ふわふわ、霧のような文体。

・・・でも、ただ、それだけで終わってしまった・・。
う〜ん、みんなこの作家のどういうところに惹かれているのかなぁ・・・。

とりあえず、「風の歌を聴け」、「1973年のピンボール」、「ノルウェイの森」、「羊男のクリスマス」の4作を読んでみて、やっぱり村上春樹氏の作品は自分には合わない、という事が分かりました。

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No.152:
(5pt)

かっこよくて、かわいいお話

「25メートルプール一杯分のビール」

「僕は☆君たちの事が☆好きだ」

村上春樹の本は数多く読破して来た

その原点というか、村上春樹の持つ世界観が、最も色濃く表現された作品では無いだろうか


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4061163671
No.151:
(5pt)

リスト形式の新しい小説の書き方

冒頭に、「リストを書くことしかできない」といった趣旨の記述が見られる。語り手がいくつかの部分でさまざまな物事をリスト形式で不必要なまでに挙げている。今までにない、新たな小説の技巧を村上春樹が試したのがこの作品であろう。こういった新たな語り口で物語をつづるという意欲的な挑戦が見て取れる。
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4061163671

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