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厭魅の如き憑くもの
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厭魅の如き憑くものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全48件 21~40 2/3ページ
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解説で描写力を評価されている部分そのものが何とも白けていて、読むのを止めました。無駄にむずかしい漢字を使って雰囲気を出そうとして、頑張っているようだけど、文章が陳腐でいかんともし難い。☆ゼロ。 | ||||
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作者が得意とする、ホラー+ミステリーの融合小説で、 「刀城言耶 」シリーズの第一巻。 横溝正史の作品に、実際に発生する怪異を、絡ませた感じ。 日本古来の民俗学を、柱にすえている。 本書は、事件の背景や、主人公の思考を描き過ぎの感があり、 複雑すぎて、連続する怪異や殺人も、あんまり怖いと感じないのが難点。 「また死んだのか・・」になってしまう。 1読者の私が言う事ではないけど、字数を2/3程度に抑えて、 ストレートな書き方だと、怖さが伝わると思う。 モノ自体は面白いので、次回作に期待。 | ||||
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本書のテーマは妖怪・化物とミステリーの二本柱という事で、 個人的に連想したのが京極夏彦ですが、 読み味が別段似てはいる訳ではありませんでした。 作中では登場人物が怪現象に見舞われ、巧みな描写力で息が詰まる様な臨場感を味わえます。 読後も、夜中にトイレに立った時にふと恐ろしくなるような、後を引く怖さがありました。 気になった点としては、終盤で主人公が推理を披露するシーンが若干唐突に感じました。 余談ですが、最初に出てくる複雑な家系図は何となく理解していればOKです。 | ||||
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八墓村、ドラゴンタトューの女、京極夏彦(絡新婦の理)のような、閉鎖された空間で、その空間特有の宗教感と殺人事件が混じり絡まって 事件の真相がオカルト的な祟りと現実的な犯罪が行き来するような、そんなホラー推理作品好きにはお勧めの一品だと思います。 「まさに、これこれ やるじゃーんあんた 合格っー」という感想でした。 作者のオカルトの薀蓄、情景や心理を上手く文章化して内からくる恐怖を表現する語彙力、交錯する様々な人間関係、とても美味しゅうございました。 ただ ☆5つをつけなかった理由が 私の個人的な感想ですが最後が薄味過ぎです。 オチやトリックが手抜きという訳ではありません(むしろ二転三転する真犯人の意外性は良かったのですが・・・) そこまで持っていくのに、凄い丁寧な描写だったのに・・・急に何んかこう・・・犯人分かってから・・・期待してた最後の怒涛のドラマというか・・・ もっと最後に50ページくらいかけても良かったのでは?というくらい薄味だったのが・・・気になりました。 あくまで私個人の感想ですが・・・ まぁ、ホラー推理作品好きなら満足できる作品ですのでお勧めですよ。 | ||||
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憑き物信仰を取材しようと、神々櫛村(かがぐしむら)にやって来た刀城言耶は、そこでとんでもない連続殺人事件に巻き込まれる。 憑き物筋と、それを忌み嫌う筋の二つの旧家。神隠しで子どもが消え、山神様やカカシ様という神々や、ナガボウズ・厭魅(まじもの)といった化け物たちが徘徊する村。 村人は、病気になると、医者ではなく巫女に憑き物を落としてもらうような、因習に縛られた村。 その村で、憑き物筋の旧家の人々が、次々と殺される。村の神・カカシ様の格好をさせられ。 険しい山々に囲まれた一僻村でおきる連続殺人は、十分読みごたえあり。昭和30年ごろの話らしいが、雰囲気はもっと前の、昭和ヒトケタあたり。 儀式の秘薬で、巫女たちが命を落としたり、身体が不自由になったりするが、薬に問題があるのは間違いないだろう。でも、それ以上に、何代にもわたり本家と分家で婚姻している、つまり従兄弟同士で結婚を繰り返しているので、遺伝的にも問題があるんじゃないか? そういったところの、禍々しい雰囲気が、ぞくぞくっとします。 | ||||
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難読字のルビが最初に統一して打たれてないのでどう読むのかわからず読みにくいです。中盤から読みやすくなってます。 登場人物の相関図があるのでよかったですが、地形図や家の間取り図とかもあったらなおよかったです。 言耶が頼りないしあまり魅力的なキャラでもないのでちょっと苛々します。浅見光彦っぽいかな。 紗霧が襲われた後の漣三郎の反応がうーん?そこらあたりの描写が…。前に命懸けで会いに行ってたわりに漣三郎というキャラの紗霧への思い入れが軽い。 漣三郎の「大きい兄」についてはそこで母達がもっと大騒ぎして両家の対立が激化しそうだしせっかく生まれた長男に対してそんな扱いで終わるのかなというのも疑問。 終盤に出てくる「あの人」の登場の仕方もあっさりしすぎて拍子抜けでした。そこが一番の見せ場になりそうなのに。 せっかくなら、終盤に「あの人」視点の「」の章や、叉霧視点でのモノローグもあれば物語により一層の深みが出たはずなので惜しい。 | ||||
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事件の舞台となる村の説明や描写に時間をかけ過ぎて、肝心の事件の解決のページが、なんかあたふたよしてしまった感じがする。 この探偵役の第一作ということで、人物描写や時間経過や場面設定などが、少し物足りなかったり、わかりにくかったりする。 著者の作品で今まで読んだ中では、「水魑の如き沈むもの」「首無しの如き祟るもの」が面白かった。 | ||||
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物語の途中における主人公・刀城言耶の静枝という少女の神隠し事件についての説明に困惑を禁じ得なかった。 彼の説明は神隠しの説明のようで実は神隠しの説明ではない。 実は、少女失踪事件の説明である。 村人が「神隠し」としてとらえた事を別の事としてとらえ直して説明している。 別に悪いことではないと思うが、これが「神隠し」とうものの説明として通っていることが私には腑に落ちなかった。 こう言うものの見方を何かに例えるなら、「五山の送り火」において「大」の文字(何の文字でもよいが)を表している山をその裏側から見て「何の変哲もない普通の山」だと見なすことと同じだと思う。 以上の説明は作品の本質となんら関係ないようでいて実はこの作品における推理(ミステリー)と怪奇(ホラー)の両面における本質と関係していると思う。 つまり、推理小説何だかホラー小説何だかよくわからない蝙蝠小説と言えるのではないか。 この小説を読む人はその辺のことを検証して読んだ方が良いのかもしれない。 推理小説としてもホラー小説としても楽しめる小説なのかもしれないが怪異現象(ホラー)を科学的に推理するところに無理があるのかもしれない。 | ||||
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まさに、金田一シリーズと並ぶ伝奇物。憑霊信仰がテーマの本格推理でもある。横溝氏の時代は、日本が西欧崇拝・合理主義の世の中だったので、怪奇現象も、すべて合理化して考える風潮だったが。最近は、超自然現象も認知されてきて。その上で、昭和初期の、おそらく中国・四国地方を舞台にして、展開される物語は実に見事だ。刀城言耶。このジーンズ姿の怪奇探偵。是非映画化して欲しい作品だ。 | ||||
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時代背景といい、日本の神秘現象のダーク部分を用いる作風といい、 読む前は京極夏彦氏のような雰囲気をイメージしていました。 ところがまったく違った。 醸し出す雰囲気も世界観も、全然違いました。 本書のウリでもあるホラーミステリーの方向性は、 見えないもの、未知のモノ、得体の知れない何か、 そういう何かの持つ怖さ・・・。 人間らしさが無い自然の持つ畏怖を、表現していると思います。 ミステリ小説らしい謎解きよりも、日本の古来より伝わる呪術的な神秘を 堪能するための作品に仕上がってると思います。 逆を言えば、ミステリらしさ、ミステリとしての腑に落ち方、そういう部分を 最重要視する方にはちょっと物足りない部分はあるかも知れません。 いにしえの和の暗黒ホラー。 人間の恨み辛みの幽霊的なホラーなど消飛ぶような、 人知を超えた怖さ。 人間的感情が見えないゆえに、返って怖さが増す感じがありました。 ミステリの要素としては、けっこう伏線張りまくりで、 探偵モノとして読んでもなかなか楽しめるのではないでしょうか。 でも、読んで論理的に解決できるものではないですね。 著者の解説が最後にありますが、それを読まないとほぼ分からない。 自分は、ミステリとしても楽しめたし、物語として堪能できた上に、 色々な博学的な知識の洪水を浴びることが出来て大満足。 よって星5つ。 | ||||
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三津田信三の遅れてきた読者です。今さらながら、この刀城言耶シリーズ、1作目から読むことにした。 読後、完全にしてやられた感があった。これは見事な本格ミステリーなのだ。 因習深い村を背景に、その因習に因んだ連続殺人が起き・・・という物語に新味はない。 文章もなんか読みにくい。恐怖の描写もさほどでもない。で、何かイマイチだなあと、油断して読んでいたら・・・。 これ以上は何を書いてもネタバレになってしまいそうで書けないが、最後の二転三転する謎解きも結構見事。 すっかり騙された読者になってしまったが、それも楽しい。それだけ周到に練られた本格ミステリーだということだから。 横溝正史的なものを期待すると、肩すかしをくうと思う。僻村の因習を扱っていても、あの生々しいリアリティはない。 ホラー的な部分も、さほど怖くない(表紙のイラストほどは。しかしこのシリーズの表紙は怖いなー。素晴らしい)。 京極堂モノの狂気をはらんだ怖さとか、坂東眞砂子の描く因習の禍々しさもない。 ホラー+ミステリーというが、ホラーは手段というか道具立てに過ぎない感じだ。この一作目に関する限りは。 ただ、民俗学的な部分は、けっこう書き込まれていて、ここは興味深く、読みごたえもあって面白かった。 真逆の感想を持たれる方も多いようで、しかし、ということは、多くの読者を楽しませることができるということでもある。 とにかく、個人的には本格ミステリーとして非常に良い出来だと思った。シリーズを次から読んでいくのが楽しみである。 | ||||
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序盤は地の文だらけの説明が続き退屈ですが、そこを抜ければ薄暗く不気味な雰囲気を醸し出す作品世界へと入っていけるでしょう。戦後しばらくという煤けた時代設定が、なによりのツボでした。 2転、3転する結末は、どれでもいけそうな仕掛けで最後まで飽きずに楽しめました。田舎の伝奇風ミステリが好きな私には大満足の一冊です。 | ||||
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舞台は昭和30年代!閉鎖的な村、代々受け継がれるオカルティックな因習、すげえ多い登場人物、これがなきゃの家系図に地図に間取り図!! いやあ楽しかった〜 家三部作を読んで「もっと書ける人なのに」とがっかり思い 三津田シリーズを読んで「○○はもう嫌…割り切れたミステリーが読みたい…」と思ってた私からすると、 いやあミステリとホラーの融合、面白かったー 既刊がまだまだあるみたいで嬉しいなあ。 買い決定。 | ||||
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刀城言耶シリーズの記念すべき第一作。本格推理が混沌とした不可解な状況を理性によって解体して秩序の中に組み込む(解決する)のだとすると、むしろホラーはその正反対で、これら二つがどっちつかずの状態で存在しているのがこのシリーズ。怪異が実在「しうる」ムラの中で連続殺人が発生しそこに居合わせた言耶が謎の解明に乗り出す。本業作家のいわゆる素人なので推理は二転三転していくがこれはご愛嬌、むしろそれぞれが捨てトリックにはもったいない程のものもある。メインのトリックについて、たしかに過去に類例もありますがむしろそれより格段に秀逸で、このために今までの作品設定があったのかと思えます。ですので前半の凡庸さには充分な理由があります。そもそも自分自身ではそうは思っていなくて、実質長編本格推理デビュー作にして、作品成立の為にムラとそこに住む人間の風俗と習慣を作り上げさらに破綻なくまとめあげたその力量の方に感服しました。あいにく全体的にはそのような評価はされておらず、上記のような部分に興味の無い方には積極的におすすめはできませんが、作品全体を支えるトリックはとても魅力的なものです。本格を読み漁る方でまだ未読の方は、ぜひ。 | ||||
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かなり本格寄りに書かれた「首無」に比べるとホラー寄りですが、「推理小説」の枠を一所懸命に維持しています。小説としてのできはこちらの方が多分高いんじゃないかな。ネタを練りにねって思いっきりぶちこんだ、という潔さがあります。また薄倖の美少女と、それをサポートする純朴な幼なじみの青年の組み合わせがよく、青春小説としても読めます。最後のどんでん返しはよく考えられていますが、推理小説的必然性がいささか薄いのが玉に瑕でしょうか。 | ||||
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そのどちらでもありません。 ホラー要素も民俗学のうんちく的な部分も素材の一つ。 不可解な謎、解決に至る伏線、そして王道の◯◯トリックなどなど 本格的な推理小説です。 この著者の作品は、三津田信三シリーズ(「ホラー作家の棲む家」「作者不詳」)なども含めて 実に論理的に構成されています。 ホラーという意匠で毛嫌いされている方にこそ 一読をおすすめします。 | ||||
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戦後の混乱期、旧家の確執、閉じられた山村の因習、土着信仰、本当に怖いのは魔か、あるいは人か…… こんなキーワードにビビッとくる方、背筋を舐める薄寒い恐怖と、 仄暗い世界観を味わいたい方にはオススメの1冊です。 登場人物たちの恐怖体験は「絶対にないと言い切れない怖ろしさ」があります。 それらを構築する殆どが現実にありうる情景描写だからこそ、 時折一垂らしされる「おぞましいもの」の気配がより強調されるのでしょう。 人から聞いた由来より何より、肌がざわめく、生き物としての本能が拒否する場所、 雰囲気、そういったものが文章からじわじわと伝わってきます。 しかしながらミステリとしてオススメできるか、ときかれると…… 真相が解るのは本当に後半になってからなのですが、 一つの場面の中で回収されるあらゆる伏線、暴かれるトリックを、 一度に全部理解して飲み込むのは難しいと思われます。 ちらほらと伏線を回収し、最後の場面でそれらを整理整頓しまとめる、 という方法ならまだよかったのでしょうが、伏線回収も真相解明も、 探偵役の推理らしい推理(殺人事件に的を絞った推理)も、 全部この一章に詰め込まれているので、悪い意味で息つく間もありません。 「衝撃のラスト」へ向かう前に、こちらが若干息切れを起こしてしまいました。 そして折角のラストが、息切れの前にかすんでしまいました…… 以上二点の理由から、 「ホラーとしては十二分に面白いけどミステリーとしてはちょっと……」という評価のため☆三つです。 蛇足かもしれませんが、このおはなしに散りばめられている、 民俗学や憑き物信仰考察は非常に面白く興味深かったです。 ちょっとした参考書になるレベルかもしれません。 | ||||
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題名に惹かれ、表紙の絵に惹かれ、内容の雰囲気に惹かれ購入。 横溝正史先生ファンの自分は、古くから続く村の描写がしっかりとしていて、ある種おどろおどろしい雰囲気の中で起きる事件が描かれる作品を探していた。そして、やっと出会えたのがこの作品だった。ただ、横溝先生の作品と違うのは、その事件が本当に人間によって引き起こされたものなのか、それとも、どこかに古くから続く祟り神の恐るべき力が関わっている余地があるのかがやや曖昧である点だ。ただ、それがこのシリーズの魅力になっているのだと思う。視点が変わる書き方も物語を飽きさせない要因になっていて、個人的には好きだ。 ラスト、結果として謎解き役をすることになった刀城の推理はあらゆる可能性を考えて二転三転を繰り返す。しかしこれは彼が探偵ではないので仕方ないことだろう。 この作品と並行して「首無の如き祟るもの (講談社文庫)」も読んでいるが、そちらはやや洗練されてしまった印象がある。それに対して、この「厭魅の如き憑くもの」は、怖い物見たさの自分の気持ちを満足させてくれる魅力を持っている。 | ||||
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ホラーとミステリーが好きな自分にとっては素晴らしい傑作でした。ゆっくりと全ての事柄を把握して、推理しながら読みましたが、最後まで全く真相が想像出来ません。その真相を知った時は驚かされ、さらに感心させられました。本格ミステリー嗜好の読者としても納得出来るし、ホラー嗜好の読者としても申し分の無いオチでした。章の組み方については賛否が別れてるようですが、まるで実話であるかのような錯覚を与えてくれたので大変良かったです。 | ||||
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シリーズ最初の作品だからこんなものなのかな?と。本作では横溝正史を越えず。なんか中途半端なんだよね。ミステリーの手法にしろオチにしろ、ん?何なの?で、作者も補足説明している位ですもん。凶鳥、首無しと傑作だったのに対し本作品はまさしく次回にこうご期待作品。 | ||||
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