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厭魅の如き憑くもの
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厭魅の如き憑くものの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 1~20 1/2ページ
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因習村のミステリーで面白いものは無いかと探していたが、これはドンピシャだった。因習が支配する村に入り組んだ人間関係と事件と解決。最高だった。ただ、万人受けはしないだろうなというのが好きな自分からもわかり、評価が若干低いのもうなずける。 | ||||
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三津田信三先生の本は全て持っています | ||||
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シリーズの第1作と言うこともあり、土俗ホラー舞台としての山村の設定のつくりこみの念の入れよう、力の入れようが凄いです。いかにも曰くありげな地名のオンパレードであったり、カカシ様と呼ばれる神様が、村の至る所にまつられていたり(「遠野物語」的な土俗信仰を更に煮詰めて濃厚にした感じ)、村の勢力が白の家筋と、黒の家筋に二分していたり、黒の家筋では、代々、女の双子が生まれたり、しばしば神隠しが起こったり、連続見立て殺人が発生したり、過剰なまでの土俗ホラーアイテムの盛り込みようなのですが、裏付けとなる設定を丁寧に構築しているので、表面的になることなく、いい雰囲気を醸し出せてると思います。 各章において、俯瞰視点で記述された後に、登場人物達の手記による、それぞれの視点で補足されるという構成も、なんとなく違和感がありつつも、(こんなにも事細かに手記を記すものだろうか? とはいえ、作家の手が入っている前提なので目をつぶるべきところか?)何サイクルか繰り返していると、馴染んできて、リズム良く読めるようになります。 ミステリ面では、探偵役が最終局面で何回も推理をひっくり返すという意味で、どんでん返しが続くのですが、途中の推理の、ノーマークな驚きに比べて、真犯人が明らかになるインパクトが弱い感があります。犯行を実現可能とするギミック、叙述的なギミックは良くできていて、なるほどと思いました。 | ||||
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バックグラウンドの描写にかなりの文字数が使われていますが、自分にとっては程良い感じのボリュームでした。人間関係が入り組んでいるのと、舞台となる村の地形が複雑ですが、巻頭の見取り図と人物相関図がいい仕事をしてくれており、途中でこんがらがるということはありませんでした。 小説のスタイルとして好みは多少分かれるかもしれませんが、自分にとってはとても面白く程良い読み応えの一冊でした。 読み終えてすぐ、第2作目も注文しました | ||||
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刀城言耶シリーズ最高傑作といわれる3作目『首無の如き祟るもの』でびっくり仰天し、遡って1作目を読んだ。どうせどんでん返し祭りなのはわかってたのにびっくり仰天。声出たわ。 しかし首無と比べるとこっちはホラー度が高いね。そして相変わらず前半の読みづらさが半端じゃない 三津田信三のサービス精神ははっきりいって異常だ。 ホラーとミステリの限りない融合なんてまぁ他でもあるわけで、このシリーズ最大の魅力は過剰なまでのサービス精神、サプライズ、多重どんでん返し、仕掛けである。シリーズ通して叙述トリックやどんでん返し祭りがあるとわかっているのに騙される。 昭和初期、因習に満ちた閉鎖的集落、神隠し、憑き物筋、生霊、民俗学といったホラーネタ。 密室殺人、見立て殺人、双子トリック、叙述トリック、多重推理といったミステリネタ。これらを一作で全部使い切り、しかも単なる装飾になっておらず高いレベルで融合してるってのが本当凄い。 構成のトリックは『首無〜』でも仰天したけど、今回も凄い。どれだけ周到に練られているんだと。ミステリを読み慣れてる人ほど驚かされるよね。 三人の一人称と三人称の4つの視点で紡がれるというクソわかりにくい、新人賞に書いたら一発で一次落ちしそうな構成がここまで計算されたものとは…… | ||||
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昭和、隔絶された村落、因習、怪異——たまりません! ここまで楽しめたのは久々でした。もう一度ミステリーを読むきっかけとなった作品です。 | ||||
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ジメッとした村の雰囲気。 怪異に満ちている村で起きた事件は、人のせいなのかはたまた、、、まじもののせいなのか、、、。 最後まで、何ともいえないジメッとした雰囲気のホラーミステリー小説です。 最後の主人公の考察には、鳥肌が立ちましたね。 のぞきめもオススメしますよ。 | ||||
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山村の古い因習、それに由来する事件など、金田一耕助シリーズをより深化させたような雰囲気は秀逸だ。 ただ、真犯人がこの人というのは、机上の空論であって、無理があるという印象を持った。 また、謎解き部分のうち、いくつかは解決するが、いくつかは未解決のまま終わる。 | ||||
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最後思わず声が出ました。 首無し~よりこちらの方が驚きました。 あと怖い。読んでる間のストレスがすごい。 ですが、どんでん返しものの中では個人的に一番好きです。 | ||||
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本書のテーマは妖怪・化物とミステリーの二本柱という事で、 個人的に連想したのが京極夏彦ですが、 読み味が別段似てはいる訳ではありませんでした。 作中では登場人物が怪現象に見舞われ、巧みな描写力で息が詰まる様な臨場感を味わえます。 読後も、夜中にトイレに立った時にふと恐ろしくなるような、後を引く怖さがありました。 気になった点としては、終盤で主人公が推理を披露するシーンが若干唐突に感じました。 余談ですが、最初に出てくる複雑な家系図は何となく理解していればOKです。 | ||||
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八墓村、ドラゴンタトューの女、京極夏彦(絡新婦の理)のような、閉鎖された空間で、その空間特有の宗教感と殺人事件が混じり絡まって 事件の真相がオカルト的な祟りと現実的な犯罪が行き来するような、そんなホラー推理作品好きにはお勧めの一品だと思います。 「まさに、これこれ やるじゃーんあんた 合格っー」という感想でした。 作者のオカルトの薀蓄、情景や心理を上手く文章化して内からくる恐怖を表現する語彙力、交錯する様々な人間関係、とても美味しゅうございました。 ただ ☆5つをつけなかった理由が 私の個人的な感想ですが最後が薄味過ぎです。 オチやトリックが手抜きという訳ではありません(むしろ二転三転する真犯人の意外性は良かったのですが・・・) そこまで持っていくのに、凄い丁寧な描写だったのに・・・急に何んかこう・・・犯人分かってから・・・期待してた最後の怒涛のドラマというか・・・ もっと最後に50ページくらいかけても良かったのでは?というくらい薄味だったのが・・・気になりました。 あくまで私個人の感想ですが・・・ まぁ、ホラー推理作品好きなら満足できる作品ですのでお勧めですよ。 | ||||
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憑き物信仰を取材しようと、神々櫛村(かがぐしむら)にやって来た刀城言耶は、そこでとんでもない連続殺人事件に巻き込まれる。 憑き物筋と、それを忌み嫌う筋の二つの旧家。神隠しで子どもが消え、山神様やカカシ様という神々や、ナガボウズ・厭魅(まじもの)といった化け物たちが徘徊する村。 村人は、病気になると、医者ではなく巫女に憑き物を落としてもらうような、因習に縛られた村。 その村で、憑き物筋の旧家の人々が、次々と殺される。村の神・カカシ様の格好をさせられ。 険しい山々に囲まれた一僻村でおきる連続殺人は、十分読みごたえあり。昭和30年ごろの話らしいが、雰囲気はもっと前の、昭和ヒトケタあたり。 儀式の秘薬で、巫女たちが命を落としたり、身体が不自由になったりするが、薬に問題があるのは間違いないだろう。でも、それ以上に、何代にもわたり本家と分家で婚姻している、つまり従兄弟同士で結婚を繰り返しているので、遺伝的にも問題があるんじゃないか? そういったところの、禍々しい雰囲気が、ぞくぞくっとします。 | ||||
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まさに、金田一シリーズと並ぶ伝奇物。憑霊信仰がテーマの本格推理でもある。横溝氏の時代は、日本が西欧崇拝・合理主義の世の中だったので、怪奇現象も、すべて合理化して考える風潮だったが。最近は、超自然現象も認知されてきて。その上で、昭和初期の、おそらく中国・四国地方を舞台にして、展開される物語は実に見事だ。刀城言耶。このジーンズ姿の怪奇探偵。是非映画化して欲しい作品だ。 | ||||
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時代背景といい、日本の神秘現象のダーク部分を用いる作風といい、 読む前は京極夏彦氏のような雰囲気をイメージしていました。 ところがまったく違った。 醸し出す雰囲気も世界観も、全然違いました。 本書のウリでもあるホラーミステリーの方向性は、 見えないもの、未知のモノ、得体の知れない何か、 そういう何かの持つ怖さ・・・。 人間らしさが無い自然の持つ畏怖を、表現していると思います。 ミステリ小説らしい謎解きよりも、日本の古来より伝わる呪術的な神秘を 堪能するための作品に仕上がってると思います。 逆を言えば、ミステリらしさ、ミステリとしての腑に落ち方、そういう部分を 最重要視する方にはちょっと物足りない部分はあるかも知れません。 いにしえの和の暗黒ホラー。 人間の恨み辛みの幽霊的なホラーなど消飛ぶような、 人知を超えた怖さ。 人間的感情が見えないゆえに、返って怖さが増す感じがありました。 ミステリの要素としては、けっこう伏線張りまくりで、 探偵モノとして読んでもなかなか楽しめるのではないでしょうか。 でも、読んで論理的に解決できるものではないですね。 著者の解説が最後にありますが、それを読まないとほぼ分からない。 自分は、ミステリとしても楽しめたし、物語として堪能できた上に、 色々な博学的な知識の洪水を浴びることが出来て大満足。 よって星5つ。 | ||||
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三津田信三の遅れてきた読者です。今さらながら、この刀城言耶シリーズ、1作目から読むことにした。 読後、完全にしてやられた感があった。これは見事な本格ミステリーなのだ。 因習深い村を背景に、その因習に因んだ連続殺人が起き・・・という物語に新味はない。 文章もなんか読みにくい。恐怖の描写もさほどでもない。で、何かイマイチだなあと、油断して読んでいたら・・・。 これ以上は何を書いてもネタバレになってしまいそうで書けないが、最後の二転三転する謎解きも結構見事。 すっかり騙された読者になってしまったが、それも楽しい。それだけ周到に練られた本格ミステリーだということだから。 横溝正史的なものを期待すると、肩すかしをくうと思う。僻村の因習を扱っていても、あの生々しいリアリティはない。 ホラー的な部分も、さほど怖くない(表紙のイラストほどは。しかしこのシリーズの表紙は怖いなー。素晴らしい)。 京極堂モノの狂気をはらんだ怖さとか、坂東眞砂子の描く因習の禍々しさもない。 ホラー+ミステリーというが、ホラーは手段というか道具立てに過ぎない感じだ。この一作目に関する限りは。 ただ、民俗学的な部分は、けっこう書き込まれていて、ここは興味深く、読みごたえもあって面白かった。 真逆の感想を持たれる方も多いようで、しかし、ということは、多くの読者を楽しませることができるということでもある。 とにかく、個人的には本格ミステリーとして非常に良い出来だと思った。シリーズを次から読んでいくのが楽しみである。 | ||||
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序盤は地の文だらけの説明が続き退屈ですが、そこを抜ければ薄暗く不気味な雰囲気を醸し出す作品世界へと入っていけるでしょう。戦後しばらくという煤けた時代設定が、なによりのツボでした。 2転、3転する結末は、どれでもいけそうな仕掛けで最後まで飽きずに楽しめました。田舎の伝奇風ミステリが好きな私には大満足の一冊です。 | ||||
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舞台は昭和30年代!閉鎖的な村、代々受け継がれるオカルティックな因習、すげえ多い登場人物、これがなきゃの家系図に地図に間取り図!! いやあ楽しかった〜 家三部作を読んで「もっと書ける人なのに」とがっかり思い 三津田シリーズを読んで「○○はもう嫌…割り切れたミステリーが読みたい…」と思ってた私からすると、 いやあミステリとホラーの融合、面白かったー 既刊がまだまだあるみたいで嬉しいなあ。 買い決定。 | ||||
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刀城言耶シリーズの記念すべき第一作。本格推理が混沌とした不可解な状況を理性によって解体して秩序の中に組み込む(解決する)のだとすると、むしろホラーはその正反対で、これら二つがどっちつかずの状態で存在しているのがこのシリーズ。怪異が実在「しうる」ムラの中で連続殺人が発生しそこに居合わせた言耶が謎の解明に乗り出す。本業作家のいわゆる素人なので推理は二転三転していくがこれはご愛嬌、むしろそれぞれが捨てトリックにはもったいない程のものもある。メインのトリックについて、たしかに過去に類例もありますがむしろそれより格段に秀逸で、このために今までの作品設定があったのかと思えます。ですので前半の凡庸さには充分な理由があります。そもそも自分自身ではそうは思っていなくて、実質長編本格推理デビュー作にして、作品成立の為にムラとそこに住む人間の風俗と習慣を作り上げさらに破綻なくまとめあげたその力量の方に感服しました。あいにく全体的にはそのような評価はされておらず、上記のような部分に興味の無い方には積極的におすすめはできませんが、作品全体を支えるトリックはとても魅力的なものです。本格を読み漁る方でまだ未読の方は、ぜひ。 | ||||
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かなり本格寄りに書かれた「首無」に比べるとホラー寄りですが、「推理小説」の枠を一所懸命に維持しています。小説としてのできはこちらの方が多分高いんじゃないかな。ネタを練りにねって思いっきりぶちこんだ、という潔さがあります。また薄倖の美少女と、それをサポートする純朴な幼なじみの青年の組み合わせがよく、青春小説としても読めます。最後のどんでん返しはよく考えられていますが、推理小説的必然性がいささか薄いのが玉に瑕でしょうか。 | ||||
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そのどちらでもありません。 ホラー要素も民俗学のうんちく的な部分も素材の一つ。 不可解な謎、解決に至る伏線、そして王道の◯◯トリックなどなど 本格的な推理小説です。 この著者の作品は、三津田信三シリーズ(「ホラー作家の棲む家」「作者不詳」)なども含めて 実に論理的に構成されています。 ホラーという意匠で毛嫌いされている方にこそ 一読をおすすめします。 | ||||
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