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この闇と光
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この闇と光の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全75件 61~75 4/4ページ
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どちらかというと女性が読んだほうが深く入り込めるような気がする物語でした。 私にとってはドンピシャの、最高に大好きな名作です。 薔薇やレース、盲目の姫君にドレス、異国の絵本に犬、父と娘…情景描写が全てロマンティック。 この幻想的な美しい闇の中になら自分もとらわれてしまいたい、と、読み返すたびに思います。 欠点があるとすれば初読の快感を二度と味わえないことくらい。 目の前で舞台の緞帳がサッとひらいていくようなあの爽快感、たまらないものがありました。 ファンタジーのようなロマンティックな表現、繊細な心理描写などに関心がない方、 本格的な事件やトリックものを楽しまれる方の好みではないかなと思いますが、 私にはかけがえのない物語です。読んで良かった!出会えてよかった! | ||||
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惜しい方を亡くした。奇しくも藤原伊織氏と同じ年に逝ってしまわれるとは。好きな作家を二人亡くした。 新聞の書評で面白そうだと思い、一気に読んだ。どの作品も同じ独特の雰囲気にあふれていて好きだが、中でもこの作品は、やはり特別だ。この本を読んで、随分いろいろなことを覚えたし、考えた。 お父様の好きな色は紫なのだけれど、ほんの小さな頃に失明したレイアには、どんな色なのかわからない。父は葡萄、紫陽花、いろいろなものを挙げて伝えようとするが、伝わらない。紫にもいろいろあって、「鳩羽色」という表現の仕方も、このとき知った。沈丁花を「ウィンターダフネ」ということもこの本で覚えた。本業が銅版画家であればこその表現で、美にあふれた世界を教えてくれた。 多大なる感謝とともにご冥福をお祈りする。 | ||||
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まず読み終えて、この小説は男性よりもどちらかと言うと女性に受け入れられるお話だな、と思いました。 男性ならば、この内容は少し受け入れ難いかと思います。 星が4つなのは、最初はなかなか感情移入できず、またどちらかというと苦手なお話の系統だったからです。 それでも話の完成度を見て、4つにしました。 序盤から怪しさを出していた。 推理小説を好む人にとっても、またそうでない人でも「ああ、怪しいな」と推測できてしまう、レイアの周りの人物の言動。 けれども、途中のどんでん返しまでは気づけませんでした。 「そうくるか!」とすっかり嵌められた気分を味わえました。 現実からかけ離れた世界と現実の世界。 そして、その境界に危うく存在する「闇」と「光」。 普通であることが、二人にとっては「普通」ではない。 そんなお話です。 結末は今後の二人の在り方を想像させる形となっていました。 変に続きを書かれるよりはあのような形で終わらせることで、読者に深い印象を残し今後を想像させる。 とても良い終わり方だと思います。 耽美な世界観を味わいたい方にはお勧めかもしれません。 | ||||
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大好きです。人生のベスト3に入ると思う。 ダフネの存在の危うさ、原口の動機の不鮮明さと、つっこみどころはいくつかある。 でもそんなものは全く減点の対象とならないくらい、この小説世界は魅力的だ。引きこまれる。 タイトル。構成と叙述の妙。読み手の解釈に委任された、もどかしくも切ないラスト。思わず放心してしまうくらい、よくできている。 でも何よりも心に訴えるのは、父王とレイアの関係だ。 幽閉され、目も見えないレイアにとって、たったひとつ輝く存在である父王。 暗闇の中で生きながらも彼女は、彼の手の中で護られ、愛され、彼を世界と信じ、彼の紡ぎだす美しい世界を見ている。 そこは「現実」よりも光にあふれ、美しいもので満ちている。おとぎ話のような神聖な世界。 それは、歪んではいるけども、本物の「王国」だ。 この二人の関係と、外界との対比。これが物語のテーマだと思う。250ページの文章を玩味してほしい。 「闇の中に在って、世界は何と美しく輝いていたことだろう!」 「世界」は光に満ちた闇なのか。レイアは幸せだったのか。幸せになれるのか。二人はまた「王国」を再建するのか。できるのか。 そして私たち自身は。 「世界」にあって、「王国」を持っているのか。 何度読んでも、考えさせられる。 | ||||
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この物語の途中のどんでん返しは強烈だ。 読んでいて、我が目を疑った程だ。 著者がこの様な巧妙な構成を用いて何を描こうとしたのだろう。 その中の一つは、光と闇の対比における、絵画的美の意味だと感じる。 失明しているレイアは、物語や音楽を聴き、文字を書いた。 芸術に対する感受性は人一倍優れていた。 しかし「父親」がボッティチェルリの「春」を言葉で説明しようとして、 それが功を奏さず、ひどく自己嫌悪に陥る下りがある。 絵画の素晴らしさは、視覚を介さず、言葉のみでは表現出来なかった。 そして光を得てから接した、イラストレーターらの絵画に落胆する。 この様な経緯から、視覚による芸術鑑賞の世界を、皮肉まじりに描く。 一方、視覚が無い状態では、明確な世界と世界観が形成される。 ここでは誘導されると言い換えても良い。 「レイア 1」では、極めて強固に世界が形成・誘導された。 闇と光の世界の対比を、著者は、素晴らしいまでに鋭く描ききった。 ダイナミックかつ緻密な本書に、深い感銘を受けた。 | ||||
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本書に狭い意味での「ミステリ」を期待した読者の中には、曖昧模糊としたエンディングに失望を覚える方もいるかもしれません。中盤に、文字通り世界観ががらりと反転するどんでん返しがあって、伏線も(本格ミステリ的なものではありませんが)綿密に張り巡らされていますから、ミステリとして読んでも間違いではないでしょう。 しかし、本書は紛れもない「幻想小説」です。そのどんでん返しも、綿密に組み立てられた構成も、それが主題ではなく、全てが最後の「混沌」のために奉仕されている「部品」に過ぎないのです。 物語の全ての道具立てが、謎解きのために奉仕されている本格ミステリも美しいものですが、ミステリ的な構成さえも「幻想」に奉仕させてみせた本書の美しさもまた格別のものがあります。こんな世界を構築してみせた著者の力技には、敬意を表さずにいられません。 読者によって好き嫌いは分かれるかもしれませんが、ジャンルの枠にとらわれずに楽しんで……いや、酔い痴れてほしい逸品です。 | ||||
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文学の素晴らしさを実感させる本だと思う。前半はゆったりとした流れで進み、色鮮やかな表現で幻想的な物語調だ。数の概念や哲学的な話が面白く感じたし、考えさせられもした。後半になり世界が一転。冷水を浴びせられた気分だった。現実を突きつけられるスリルがあった。前半と後半のギャップと、明かされる真相がこの物語の最大の魅力だろう。視覚的な光と闇。感性の光と闇。それらが前半と後半で交差している。私は読み終えて、目次を見て、そして全体像を確認し、納得した。こういう仕掛けだったのか、と。そしてもう一度前半部分を読み返し疑問部分を検証したりした。芸術家でもある作者の「美の世界観」を感じさせる構成だ。文章にしかできないこの面白さと意外性、そして美しさが表現されている。 | ||||
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主人公は小さな別荘に幽閉されている盲目の姫君・レイア。失脚した父王。意地悪な侍女のダフネ。父が語りきかせる美しい物語だけがレイアの世界の全て。しかしレイアは成長とともに、その世界の歪みに包まれてゆく...。結局最後には...というより丁度真ん中くらいには驚きの結末ってのが待っております。結末っというか結果というか。ぅむ、私はひどく驚きました。が、この本を読んだ友人は「そうだと思ってた」とあっさり言ったわ(笑)。私が鈍いだけデスか(苦笑)。前半の幻想的だけどどこかおかしいなって感じの危うい世界と後半の「現実」との対比が面白かった。ちょっとしらけたりもするけどね。そしてラスト何か好き。少々尻切れ蜻蛉ちっく+その後が気になるってばよって感じなんですがね。む、なかなかに幻想的で迷宮ちっくな(謎)お話でございました。 | ||||
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幻想的な雰囲気に囲まれた独特な世界を堪能できます。この世界観に合うかどうかは人それぞれでしょう。自分はこういった感じの作品は苦手だと思っていましたし、今までは敬遠していたのですが、とても楽しく読めました。読みやすい文章だったせいもあるでしょう。そのあたりは服部さんの力量でしょうね。変にあれこれ考えず、まっさらな気持ちで読む事をオススメします。 | ||||
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ほんとにこの本は読んでみないとわからないです。迷っている方は是非読んでみてくださいと言いたい。つまらなくても、あーこういうアイディアもあるんだなぁという事で興味深いのではないかと思います。そんなに分厚い本でもないので、是非おすすめしたい。私はなんとなーく周りから聞いて話を知っている状態で読みましたが、やっぱり衝撃うけちゃいました。幻想的で物語にひたれます。誰にも邪魔されない限定された世界の雰囲気がみっしり・・・ | ||||
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著者の書きたい狙いはわかった。確かに面白いアイディアです。しかし評価は星一つ。「つまらなかった」というのが感想です。冗長に思われる部分が多くて疲れた。読み終わって後悔しました。この本を手に取った事を | ||||
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囚われたのは誰? 囚われたのは何故?この謎を解く機会は永遠に失われたのかも知れない。それでも構わない。大切な人を失ったわけではないのだから。 | ||||
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失脚した父王とともに、山荘で軟禁生活を強いられている幼い姫。三歳で失明した姫のために、父王は物語や音楽を聞かせ、指で文字を読むことを教える。姫にとって、父王から贈られた「罪と罰」は人間の世界を教えてくれる貴重な宝物であった。姫が十三歳になる頃、山荘での生活は終わる。視力を取り戻した姫が見た世界とは…闇を介した父と娘の甘く濃密な関係を描いた前半部分は神話的に完成された美しい仕上がりです。一方神話の終わりと光の世界への幻滅を描いた後半部分は凡庸に思われました。(この凡庸さこそが我々の現代の本質なのかもしれませんが。)終幕で「俗物な市民は金儲けにはしり、前近代の遺物である王族だけが芸術作品の真価を理解する」という、ポストモダンな神話が復活してくるわ!けですが、作品の後半部分での主人公の精神の遍歴をみっちりと書き込んでいればこの古臭い主張にもっと説得力が生まれたのではないでしょうか。設定のおもしろさは抜群なのでやや物足りない気がします。 | ||||
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いろいろ書きたいけど、なにか書くとすべて面白さが損なわれる気がする。だから書けない。でも、面白い。これだけは絶対自信をもって言える。読んで損はない。お薦めです。 | ||||
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本格ミステリーや幻想文学が好きな人にはとてもおすすめの本です。 きっと読み始めてすぐに本の世界に引き込まれるでしょう。そして最後にあなたは主人公になりたいと願っているはずです。 | ||||
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