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(短編集)

神の光



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【この小説が収録されている参考書籍】
神の光

神の光の評価: 3.86/5点 レビュー 7件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.86pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全7件 1~7 1/1ページ
No.7:
(4pt)

本当に凄いのは〝トリック以外〟にある

「建物の消失」しばりで編まれた短編集…ということだが、本当に凄いのは、本当に「消失」していること。「消失トリック」はミステリでは人気のネタだが、そのほとんどは「消えたように見せかけている」だけで、本当に消失させるパターンは非常に少ない。それこそ、本作の元ネタになった有名作しかり。

だが、本短編集『神の光』では、どれも本当に、巨大な建造物が、消える。物理トリックで消えるのだ。それだけで、本格ミステリファンは狂喜するというもの。
「物理の北山」という異名は伊達ではない、北山猛邦のトリックメーカーとしての才が遺憾なく発揮されている。
『2026 本格ミステリ・ベスト10』第1位も納得。

しかし本短編集『神の光』で本当に凄いのは…〝トリック以外〟にあるのではないか?

消失トリック自体はすべて物理トリックでありながらも、戦争小説、ハードボイルド、SF、ファンタジー(幻想小説)、怪奇小説と…ジャンルやシチュエーションがまぁ多種多様なのだ。
しかもそのトリックとそのジャンルがピッタリ合っているのが凄い。

…というか、実際のトリック自体はやっぱりかなり無理のあるものや、荒唐無稽でリアリティのないものばかりで。その下手したらバカミスになりかねない大トリックを「小説」として成立させるために、これだけのジャンルを取りそろえざるを得なかったのだろう。

そう、ミステリーの面白さの本質とは「トリック(真相)」ではなく、謎の描き方とミスリードにある。つまり「ミステリアスさ(演出)」だ。
そして小説の面白さの本質とは、「ストーリー(物語)」ではなく、「語り口(文章)」にある。

『神の光』に収められた短編はどれも、語り口がべらぼうに巧い。
回想、伝聞、時系列シャッフル、メタフィクション(ビブリオ)、夢…等々、様々なジャンルだけでなく、そのトリックを最大限に活かせる謎の描き方とミスリード(ミステリアスさの演出)を可能にする語り口をこれだけ思いつき、有効に選択できたことが本当に凄いし、まさにトリック以上に驚くべきプロの職人芸だ。

だから本短編集『神の光』は、どれも本格ミステリとしてよくできているだけでなく、すべて「小説」として抜群に面白い。
ぶっちゃけ表題作の『神の光』は、「映像の世紀」とか見過ぎていたせいでトリックはすぐに察してしまったが…それでもこの展開と語り口、文体だけでぜんぜんおつりがくるくらい楽しめたというもの。

また1話につきちょうど50ページちょっとという、頁のコントロール術――つまり構成や尺配分も抜群に巧いし、文章も、短編小説としてどれもよく引き締まっている。近年流行りのライトな文体ではないのもよかった。

ただ、本短編集『神の光』は発表順に編まれているのだが…1作目から順番に読んでいくと「トリック重視」から「物語性重視」へと徐々に移り変わっていく様子がよく分かり、ただ単にトリックのためのジャンル・語り口というわけではなく、作者の趣味嗜好の遍歴の結果でもあるのかもしれない。

とかく、ミステリアスな消失トリックだけでなく……ワンアイデアや若書きでは絶対に生まれ得なかった、職人肌のベテラン作家のテクニック(技術)を味わい、見習うという意味でも、小説を書く人全員にオススメしたい良短編集でした。
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337
No.6:
(5pt)

意欲的な短編集

最終所だけは時間的、物理的に無理があるのでは??と感じたが楽しめた。
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337
No.5:
(2pt)

本ミス一位???

大がかりな消失に挑戦するその心意気は買う
ただトリック部分が大味というか無理があるというか、そもそもトリックですらないものもあるのはどうかと
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337
No.4:
(5pt)

斬新な「建物消失ミステリー」

建物の消失という斬新なテーマに挑んだ本短編集は、とても素敵な「読書の時間」を提供してくれました。北山猛邦先生の他の作品も購入することにしました。
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337
No.3:
(4pt)

「消失」のプロフェッショナル、面目躍如!

新本格派といえばやはり「館モノ」なのですが、従来の「奇妙な館に密封。限定された登場人物が次々に殺される。もちろんその中に必ず犯人がいて、過去の因縁が動機。そして館には建築的なトリックが存在する。」という鉄則を見事にひっくり返して「館は見ているだけ。なんとその館自体が目の前から突然消えてしまう。」という5作からなる短編集です。

個人的には物理的、化学的、建築的、神話的、心理的に1%でも可能性を説明できさえすれば、物語としては成立すると思います。本作では「ラスベガス郊外のネバダ砂漠」での出来事だけは騙されずに推理できました。もちろん「ちょっと苦しい」「無理だと思う」場面も無きにしもあらず、ですがそれらを含めてのエンタメであり新本格派の小説だと強く感じています。
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337
No.2:
(2pt)

「やりすぎれば、あり得ない」は作者自身の言葉なのに

いわゆる新本格派の作品に対して非現実的といった批判はナンセンスであり、その虚構世界を虚構として楽しむ姿勢が求められるのはわかっているが、それにしても ちょっと、いや かなり「やりすぎ」でしょう。物理トリックで「やりすぎ」はいけないと自覚されているはずなのに無理のあるトリックの連続で「あり得ない」と言わざるをえません。
さらには、新本格派流のとんでも科学による虚構トリックだけならまだしも、そのうえに陰陽師流の伝記小説、未来科学によるSF小説、生まれ変わりにかかる幻想小説の要素までとりこんだとくれば、そりゃどんな不思議な消滅だって自由自在に描けてしまいますよね。いっそのこと神話まで持ち込んで、神の力で消滅させたのです!とでもしたらいかがでしょうか?
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337
No.1:
(5pt)

昔懐かしい新本格の香り

北山猛邦といえばクロック城。クロック城が出た辺りで私の新本格ブームが終わったのでその後の作品は全く追いかけていなかったので20年ぶり以上の北山作品である。

本短編集は建造物消失にテーマをとった5つの短編が収録されている。連作ではないので独立した作品群だがどれも少しずつ幻想的な雰囲気。新本格ではあるものの、語り口は読みやすく、年齢とともに敬遠してきたアニメ的な描写が無いのは非常に好感が持てた。

作品についてはネタバレになるのでここには書けないが、最も気に入ったのは1作目。まんまとミスディレクションにかかったのは5作目。伏線の張り方が分かりやすいまま真相というものも、分かりやすいことが伏線のものもあった。

いずれにせよかなりの高水準の作品が並び、本格性を重視する年末ランキングでは上位間違いなしであろう。
神の光Amazon書評・レビュー:神の光より
4488029337

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