夜と霧の誘拐

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種別
長編
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あらすじ

2025年04月16日 夜と霧の誘拐

『哲学者の密室』の“悲劇”再び矢吹駆シリーズ最新作!間違われた誘拐連鎖する誘拐前人未到、永久不滅の誘拐ミステリ1978年の秋、矢吹駆とナディアは“三重密室事件”の記憶を持つダッソー家での晩餐会に招待され、アイヒマン裁判の傍聴記で知られるユダヤ人女性哲学者と議論する。晩餐会の夜、運転手の娘・サラがダッソー家の一人娘・ソフィーと間違えて誘拐される。さらに運搬役に指名されたのはナディアだった。同夜、カトリック系私立校の聖ジュヌヴィエーヴ学院で女性学院長の射殺体が発見された。「誘拐」と「殺人」。混迷する二つの事件を繋ぐ驚愕の真実を矢吹駆が射抜く。(「BOOK」データベースより)

評判

夜と霧の誘拐の評価:

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夜と霧の誘拐の総合評価:

6.40/10点 レビュー 10件。

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Amazonレビュー

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.10
(1pt)

ふざけんな

なんだよこれ。

舐めてんのか。。

全体的にプロパガンダの話。

推理小説はオマケ。

「このミス」にランクインしていたから買ったけど時間の無駄。
夜と霧の誘拐 Amazon書評・レビュー: 夜と霧の誘拐より
4065309050
No.9
(4pt)

ますます観念的でペダンチックになっていくが、そこが味である

矢吹駆シリーズの8作目である。
1979年の第1作『バイバイエンジェル』から、延々と50年近く書き続けられている。
読者もそれに付き合って、読み続けていることになる。
しかも、この8作の舞台はパリを中心とするヨーロッパだが、1970年代半ばのわずか3年ほどの間に、語り手のナディア・モガールと矢吹駆は本作を含めて8件もの謎多き殺人事件に次々と関わり続けることになる。
というか、書き始められた時から、50年後の最新作までに時はわずか3年しか進んでいないのである。
これは、なかなかに凄いことであるw
第1作当時は、読者は同時代的に感じていたはずだが、50歳近い読者ですら生まれる前の時代を描いていた作品ということになる。

本書の中身だが、第4作『哲学者の密室』の舞台となった「森の屋敷」が再び舞台に設定されている。
『哲学者の密室』では、マルティン・ハイデガーがモデルのマルティン・フォルバッハなる哲学者が、自らのナチスへの賛同の証拠となる絶滅収容所訪問時の写真を抹消しようとして、罠にかかって死ぬ。
当然、テーマはユダヤ人絶滅収容者をめぐる哲学的議論が、この大部の作品のかなりを占めている。

本作では、ハイデガーの弟子でアイヒマン裁判を傍聴して『凡庸な悪』を著したハンナ・アーレントをモデルとするハンナ・カウフマンが登場し、矢吹駆とユダヤ人絶滅収容所をめぐる議論が繰り広げられる。『哲学者の密室』が2002年刊行だから、20数年たって続編を読んでいるような気分になる。

ところで考えてみると、前作第7作はサルトルとボーボワールをモデルとする2人と矢吹は哲学的議論を繰り広げるのだが、その内容も、本作に連続している。
つまり、「戦後日本の平和主義的理想も、崩れた均衡を回復できないことから生じた倒錯的病的な観念」であり、これが戦後世代の暴力への病的コンプレックスに転化する。その最たるものが連合赤軍事件であったという、作者・笠井潔の見解が矢吹の口を借りて述べられている。こうした内容は評論家・絓秀実との対談集である『対論 1968』においても、笠井の独自の見解として述べられている。
本作では、こうした戦後日本の在り方とユダヤ人差別、イスラエル建国との類似性を指摘する議論も孕みつつ、ミステリーが進展していく。

同じ日に、反ユダヤ主義的思想を持つ私立学院の学院長が射殺され、同時に2つの誘拐事件が発生する。誘拐事件の被害者の1人はユダヤ人富豪の屋敷に住む専属運転手の娘だったが、富豪の同じ歳の娘と間違われて誘拐されたものと思われた。この運転手の娘もユダヤ系である。
2つの誘拐事件には意外なつながりがあり、また殺人事件ともつながっていく。
キーワードは「犯罪の交換もしくは殺人の交換」であり、その「意味のブレと二重化」をめぐって矢吹が現象学的推理で、真実に迫るというもの。
驚くようなストーリーが二転三転四転五転・・・しつつが繋がっていき、読者をあっと言わせる手法は健在である。まあ、「あっ」と言いつつも、かなりの無理筋も押し通しているとも感じる。が、それがこのシリーズの特徴でもあるので、読者としては許容するしかないのである。
登場人物の名前が入れ替わってしまっているところが2か所ほどあって気になった程度で、第1作からのクオリティが維持されているというか、ますますペダンチックな要素を増しつつもレベルアップしているように思える。
雑誌連載の経緯を調べると、現在、第9作は連載が終了して刊行を待つばかりであり、第10作が連載中だという。
そこまで書いてほしいし、読みたいと思わせてくれるのであった。
夜と霧の誘拐 Amazon書評・レビュー: 夜と霧の誘拐より
4065309050
No.8
(3pt)

いかんせん長い!

出てくる探偵役の人はあまり目立たないでちょっとしか活躍しない。アウシュビッツやユダヤの話が長くて、その部分は飛ばした。全体的にはまあ面白いのだが、いかんせん長い! 細かな点の確認が多くて少し飽きた。値段が高いので、推理小説がそれほど好きではない人には向かないいかも。
夜と霧の誘拐 Amazon書評・レビュー: 夜と霧の誘拐より
4065309050
No.7
(3pt)

飛ばし読み推奨

憎々しい文体に真正面から向き合って進めないと理解が追い付かない文脈は良い。しかし、第二章が邪魔。ここで心折れる読者は飛ばして三章に飛んで良い。が、伏線回収に捉われた作者の視点が見えてしまう構成は文学としては一つ星を落とす。
夜と霧の誘拐 Amazon書評・レビュー: 夜と霧の誘拐より
4065309050
No.6
(4pt)

20世紀の残照

推理小説としての完成度は十分だと思います。ただ長すぎるという感想を持つ人は多いでしょう。

流れる世界観と思想。遥か彼方になった20世紀。タイムスリップをしたような気がしました。その時期に青年期、壮年期を過ごした私からすると相応に浸ることができますが、若い人はどうでしょうか?

当時は東西冷戦中、そして思想によるテロ犯罪も頻発し、今とはかけ離れた時代でした。世界が核戦争で滅びる予感を意識しながら思想も経済も形作られた。ただその思想も今となっては遠い過去のもの。金と市場主義が跋扈する現代で光を失っている。中世の神学のように。

ただユダヤとパレスチナの関係は、現在にいたるまで解決することなく、前者の軍事的圧倒的優位のもとにいったん終結をむかえようとしています。本書にはそれを予感させるものはありませんが、最終的にシリーズをどう締めくくることになるのでしょうか?単にニヒリズムの相対では救いがない。

推理小説に戻ると真相が明らかになった後周りや警察に事件がどう取り扱われることになる、なったかは書かれていません。少し気になります。
夜と霧の誘拐 Amazon書評・レビュー: 夜と霧の誘拐より
4065309050

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